ハイスクールフリート~鋼鉄の鳥~   作:疾風海軍陸戦隊

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決戦海域へ

5月4日

6:30

紀伊半島沖

 

一方、富士山頂にある遠水平線レーダーがある大型の不明艦を捕捉した。

それは、紛れもなく行方不明になっていた武蔵だった。

武蔵の発見の報は、直ちに横須賀ブルーマーメイド庁舎の作戦本部へと通達された。

 

それと同時に、作戦本部にいる真霜はバイオレット中佐によって脱出した真冬からショッカーの企みを知った

 

「日本全滅作戦ですって!?」

 

『ああ!姉ちゃん。連中は本当にやばい連中だ!武蔵の艦砲射撃でまず東京を全滅させる気だぞ』

 

「やっぱり・・・・さっき連絡があったの富士山頂の遠水平線レーダーが、武蔵を補足したわ」

 

『姉ちゃんたちの艦隊は、今どこに!?』

 

「主力艦隊はフィリピン方面にいるわ。日本近海にいるのは補助艦隊だけよ。今福内たちが向かったわ…真冬。あなたたちの方は?」

 

『現在、ブルーマーメイドとホワイトドルフィンの制圧部隊が奴らの潜伏している島に上陸したが、敵の十字砲火で苦戦している。連中、機銃だけじゃなくて大砲まで持っている!』

 

真冬は現状報告をする、真冬が脱出した直後真冬は無線で制圧部隊に連絡。制圧部隊は島を囲むように上陸を開始したのだが、浜を上陸した直後に敵の機銃掃射や砲撃を受け、現在苦戦している状態であった

 

「あなた達で大丈夫そう?」

 

『何とかやってみる!なあにすぐに奴らをとっ捕まえてやるさ!』

 

そう言うと真冬は通信を切る。真霜は受話器を置き、改めてパソコンのモニターで部隊の配置を確認する。

主力部隊の第一陣は、既にフィリピン方面に展開していた。

だが、武蔵が日本近海の伊豆半島沖に現れたので、主力部隊は間に合わない。水流一斉噴射も可能な限り行い距離と縮めている。

福内のインディペンデンス級沿海域戦闘艦四隻で果たして武蔵を止める事が出来るだろうか?

真霜も特別作戦本部のメンバーも不安は隠せなかった。

それは恐らく現場に向かっている福内達も同じだろう。しかし、艦隊が居ないのだからどうしようもない。

現在残っている戦力で武蔵の元に向かえるのは、九州沖に配備した平賀が指揮する部隊のみであった。そして他に残っているのは小笠原沖を北上する晴風のみ

平賀部隊のみで武蔵を止められるのか、真霜は不安を隠せず受話器を取る

 

 

 

 

 

5月5日

6:10

小笠原沖

晴風、教室

一方、小笠原沖を北上中の晴風では、武蔵の状況と今後如何するかを説明する為、生徒達は教室に集まっていた。

教室の黒板には、武蔵の現在地と平賀部隊、晴風の位置が記載した地図が貼られていた。

 

「現在、武蔵は伊豆半島の南西10マイルを進路40度、速力18ノットで航行中と推測されます・・・本艦は35ノットで追跡中です!」

 

幸子は現在の状況を伝える。

 

「学校からの指示は、ブルーマーメイドの部隊が到着するまで本艦の安全を優先しつつ武蔵を補足し続けよ・・・との事だ!!」

 

真雪からの指示は、平賀の部隊が到着するまで武蔵を捕捉せよとの命令だった。

 

「今度こそ遅刻しないように、って早めに出発してたのに・・・」

 

「お陰で私達が武蔵の一番近くになっちゃうなんて‥‥」

 

この前の海洋実習に遅刻した事を悔い、今回は遅刻しない様、早く出航したが、それが不運か幸運かは分からないが、武蔵に一番近くになってしまった。

美甘と美海が話していると

 

「美波さん!?」

 

突然、美波が手を挙げた。

 

「武蔵の生徒も比叡やシュペー同様、ウィルスに感染しているとみるべきだ。」

 

美波は、武蔵の生徒が比叡やアドミラル・グラフ・シュペーの生徒同様にウィルスに感染しているとみるべきだと皆に告げた。

 

「てっことは、この前の見たいに助けられるって事ッスよね!」

 

「私達も何かできないかな?」

 

「うん、そうだよね!」

 

美波の話を聞いた途端、皆は希望が湧いた。

 

「主砲もバッキュンと新しい5インチ砲になったし!」

 

「指揮所もバッチリ新品だって・・・」

 

「そうそう・・・水雷方位盤も新型になったしね!」

 

この前の補給と修理で晴風の武装は、強力に成っていた。

主砲は、アメリカ製のMk.39 5インチ砲に換装され、射撃指揮所もMk.37砲射撃指揮装置に代わり、更に今まで使っていた九七式水雷方位盤が零式水雷方位盤に置き換えられた。

 

 

 

晴風、艦橋

 

「へへへ・・・!」

 

零式水雷方位盤を見て、涎を垂らす芽衣。

 

「この肌触り最高だ!!・・・これのお陰で三角関数からも解放される!・・・あぁ・・!早く撃ちたい!」

 

芽衣は零式水雷方位盤を早く使いたいと駄々る。

 

「丸・・」

 

志摩は側で丸と言う。

 

 

 

晴風、教室

 

「・・・・・」

 

皆が張り切る中、明乃はまた思い詰めてるかの様に不安そうな顔をする。

 

「艦長!?」

 

そんな明乃にましろは声を掛ける。

 

「あっ!?」

 

ましろの声に明乃は気づき。

 

「如何します?」

 

ましろは如何するか問う。

 

「私達は、学校からの指示通りブルマーを支援しよう・・・武蔵は装甲も火力も桁違いに強力だし・・・」

 

明乃は真雪からの指示通りに動く事にした。

 

「そうだな・・・ブルーマーメイド主体で当たるのが打倒だろう・・・・」

 

「そうか!」

 

「そうだよね!」

 

「相手が武蔵じゃ・・・」

 

ましろの言葉に、皆も明乃の考えに同意する。

 

「けど皆、がんばろうよ!」

 

「もちろん!」

 

『がんばろう!!』

 

媛萌の言葉に、皆は湧き上がる。

だが、明乃はまだ不安そうな顔をしている。

 

「・・・・」

 

そんな明乃をましろは側で見る。すると

 

「そう言えば副長。その刀って・・・・・」

 

麻侖が真白が腰に下げている軍刀を見て皆はちょっとびっくりしていた

 

「ああ・・・・守のだ。お守りとして渡された」

 

「そうですか!似合ってますね」

 

「あ、ありがとう」

 

そうして晴風は決戦海域へと向かうのであった

 

 

 

横須賀女子海洋学校、会議室

 

その頃、横須賀女子海洋学校の真雪でも武蔵発見の報が届いていた。

 

「はぁ・・・主力の殆んどがフィリピン東方・・・戦力を集中する作戦が裏目にでたわね。」

 

真雪はモニターを見て、難しい顔をする。

 

『間に合うのは、最低限の備えとして九州沖に残しておいた平賀部長の別動隊だけ』

 

真霜は武蔵がフィリピン方面に居ると思い、ブルーマーメイドの主力部隊の殆どをフィリピン方面に向かわせた。

だが武蔵は、真霜の予想を大きく覆し、伊豆半島沖合に姿を現した。しかも武蔵はゾル大佐らナチスによって毒ガス弾を搭載しており、東京へ向けて艦砲射撃をするという恐ろしい行動をしようとしているため何が何でも最低限の備えとして残しておいた平賀部隊で武蔵を止めるしかなかった

 

「他に動かせる艦は?」

 

真雪は真霜に、他に動かせる艦が無いか問う。

 

『ドックでメンテ中の艦が1隻・・・出せるか如何か・・・』

 

残っているのは1隻だけで、しかもまだ整備中だった。

 

「う~ん・・・約3時間で、武蔵は浦賀水道に入ります。」

 

それを聞いた教頭は、頭を悩ましながら約3時間で、武蔵が浦賀水道に入ると報告する。

 

「・・・晴風は?」

 

真雪は晴風の武蔵到達時間を聞く。

 

「およそ2時間後に武蔵に追い付きます。」

 

武蔵到達時間は、2時間後・・・・もはや彼女らに託すしかなかった

すると・・・・メールを知らせるアラームが鳴る。

 

「メール?誰からかしら?」

 

真雪がそのメールボックスを押すと映像通信が表示されそこに映し出されたのは・・・・

 

『Guten Tag ・・・・ごきげんよう。宗谷真雪さん。それに宗谷真霜君』

 

「「ゾル大佐・・・・」」

 

映し出されたのは今回の主犯。ゾル大佐であった

 

『なにやら、そちらでは大忙しそうですね?』

 

《誰のせいだと思っているの!》

 

真霜が声を上げる中、真雪は

 

「ゾル大佐・・・・・あなたの目的は一体何なの?」

 

『・・・・ん?』

 

「生徒たちをウィルスで操るだけではなく、毒ガスで日本を全滅させようとしたり・・・・あなたたちのここでの目的が分からないわ・・・・一体何をしたいの?」

 

真冬は静かにそれでいて殺気を込めた目でゾルに訊くと

 

『目的?・・・・ふふふ宗谷校長殿・・・・それは愚問という物だ・・・・』

 

「何ですって?」

 

ゾルの言葉に真雪、真霜が驚くとゾルは目を見開き

 

『ふふ・・・まさか目的を聞くとわね・・・・・・はっきり言ってしまおう!!極論的に言ってしまえば我々に目的なんぞ存在しないのだよ!!』

 

狂気じみた笑みでそう言うゾル

 

『平和な世界を生きる人魚たちよ・・・・これだけは覚えておくと良い・・・・・・世の中には『手段のためなら目的を選ばない』というどうしようもない連中も存在するのだ……そう我々のようにな。我々が常にとるのは手段以外の何者でもない!目的なんてその手段の結果にすぎん!!我々が行う人魚狩りも!学生をヴィールスで兵器として操り毒ガス弾で町を全滅させるのも手段でしかないのだよ』

 

「やはり…あなたは常軌を逸しているわ・・・・狂っている」

 

『それは誉め言葉だよ・・・・それに狂っているだと?我々はドイツ第三帝国から生まれた第四帝国の親衛隊だぞ?一体何千万人以上殺してきたと思っているのかね!!』

 

狂気の笑み狂気じみた目でそう宣言するゾルに戦慄を覚える真霜と真雪。海賊やテロリストなんて生ぬるい。まさに悪魔の使者ともいえるべき存在であった

 

『よろしい!いいだろう・・・・結構だ!ならば我々を止めてみたまえ!ブルーマーメイドの諸君!平和な時代を生きた人魚どもに戦争の業火を走り続けた狂狼の鋭い牙でズタズタに引き裂いてやろう!そして我々は総統の命により宣言する!我がドイツ第四帝国は今ここで貴様らに宣戦布告すると!・・・・・・せいぜい我々を止めるため闘争し続けるのだな・・・・・』

 

そう言うのと同時に通信が切れるのであった。

 

「・・・・・」

 

ゾルの宣戦布告に真霜、真雪は深刻そうな表情をするのであった

 

 

 

 

 

そして5月5日午前11:00

伊豆半島東方沖にて晴風は、遂に武蔵と遭遇した

 

これより史上最大の海戦が始まろうとしていたのだった

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