5月5日11:00
伊豆半島東方沖、晴風は、遂に武蔵と遭遇した。
晴風、艦橋
『艦影1、左舷10度、水平線、同艦不明!!』
『あっ!?』
武蔵発見の報告を聞いて、明乃は困惑する。
晴風、電探室
「電探でも感知しました!」
水上電探でも武蔵を捉えた。
晴風、艦橋
『方位角右90度』
『あっ・・・!?』
マチコの武蔵発見の報告を聞いて、艦橋に居る全員は、困惑する。
『閃光視認!目標、発砲した模様!!』
マチコが武蔵からの砲撃を確認する。
「回避! 面舵一杯ー!!」
武蔵の砲撃に明乃は、直ぐに右に回避する様、命じる。
「はい!」
明乃の指示で、鈴は右に舵を切るが、武蔵の砲弾は晴風の左舷で高い水柱を上げる。
『きゃぁぁ・・・!?』
少し遠かったが、着弾の衝撃は届き、艦は揺れる。
「しっかり距離を取って」
「はい!」
明乃は、武蔵との距離を取って追跡する。
『主砲弾撃つ、此方に接近!!』
だが、武蔵の砲撃は激しくなり、晴風の周りに着弾する。
「艦長! 撃ちゃう?」
『威嚇射撃をした方が回避もグルグルしやすいかも!』
「うぃ!」
武蔵の砲撃に対し芽衣や美千留が攻撃の指示を待っていた。
だが、明乃からの砲撃の指示はない。
「艦長!指示を・・・!?」
砲撃の中、ましろは明乃に指示をこうとしたが
「!!!!!!」
明乃は何故か塞ぎ込み、脅えていた。
「!?」
それを見たましろは、驚いていた。何時もなら堂々と指揮している筈の明乃が何故か脅えていた事に驚いていたからだ。
すると・・・・
「ブルマーです!!」
幸子からブルーマーメイド艦隊到着の報告が入る。
『あっ!?』
報告を聞いたましろは、前方を見る。すると左舷から白煙を描きながら飛翔する噴進魚雷の光景が見えた
到着したのは、念の為に九州沖に置いていた平賀部隊4隻だった。
『ブルマーより通信! 晴風は、至急この海域から退避せよの事です!』
「退避…」
『ブルマーより撤退命令です』
「わかった。艦長?いいですね?」
「・・・・・」
「・・・・艦長?」
真白はいまだに顔を青ざめ震えている明乃を見て、不安な表情を浮かべるのであった
一方信濃では・・・・・
「ついに始まったみたいだな・・・・・」
山口がインカムで戦闘状態を聞いていた。すると
「ブルーマーメイド父島支部の竹井淳子です。例の事件の関係者を保護しに来ました」
と、以前、守が父島で出会ったブルーマーメイドの竹井がハルカを迎えに来た
「はいはい~うちやで~♪。しばらく世話になりまっせ」
と、両手を差し出すと竹井は
「いいえ、手錠はかけません。今回は参考人として連行するだけですので」
「そっか~ほなよろしゅう」
と頭を下げる中、竹井は周りをうろうろし
「そういえば森君はどうしたのですか?」
なぜか守の姿がいないことに疑問を感じると
「ああ・・・・彼なら」
場所は戻り
「本艦隊はこれより右舷前方の武蔵に対し強制停戦オペレーションを実施する・・・突入チームは武蔵乗員が学生である事を留意し極力格闘は避けるように・・・」
艦長の福内が各艦に指示を送る。
平賀の作戦は、武蔵を停船もしくは減速させ、左右の副砲を破壊した後、抗体を持ったスキッパー隊を武蔵に突入させて制圧する。それが今の彼女らの任務だった
「オペレーション開始。」
「オペレーション開始します!」
平賀部隊は作戦を開始し、全艦右舷に一斉回頭する。
それに対し武蔵は、平賀部隊に向けて一斉砲撃をする。
「艦隊、左90度。一斉回頭!!」
「と~りか~じ!」
だが今度は、左舷に一斉回頭し、砲撃を避ける。武蔵の砲弾は、平賀部隊の後方に着弾し水柱を上げる。
晴風、艦橋
「あんな綺麗に艦隊運動出来るなんて・・・」
武蔵の砲撃にものともせずに奇麗に艦隊運動しているのに鈴は、感心する。
みくら、艦橋
「二番艦、四番艦。噴進魚雷、攻撃始め!」
「噴進魚雷!発射始め!」
みやけとはちじょうから数発の噴進魚雷が武蔵に向けて発射された。それに対し武蔵は砲撃するが、的を外れて、平賀の部隊の右舷に着弾する。
その間に噴進魚雷は、武蔵の左舷に全て命中し、水柱を上げる。
「すご~!全部当たっているよ!!」
攻撃が全弾当たった事を知った芽衣が思わず声を上げる。
「・・・これで武蔵の足も止まるかも・・・」
幸子が勝利を確信している時
「艦長ちょっと!」
「ん?」
「しばらく此処を頼む!」
ましろが明乃を連れて、艦橋を後にした。
「ええぇぇ!?」
ましろと明乃が居なくなった事に幸子は、驚愕する。
一方、みくら、艦橋
「武蔵の様子は?」
「砲撃は止まったけど損傷不明・・速力変わらないわね・・・」
福内が平賀に武蔵の状況を確認する。
砲撃は止まったが、武蔵の速力が変わらない事から致命傷は与えていない事が窺える。しかし、攻撃は通っている。
今さら作戦変更は出来ない。攻撃続行あるのみだった。
「一番艦、三番艦・・右90度一斉回頭、突撃せよ!」
平賀部隊は、武蔵を追い抜き右舷に回り込み、みくら、こうづが武蔵右舷に向かって、突撃を開始する。
「一、三番艦、主砲、攻撃始め!」
「撃ち方始め!」
みくらとこうづが武蔵に向けて砲撃を開始し、武蔵も副砲で応戦するが、2隻は素早く開始しながら砲撃を続け、
「目標右舷副砲破壊しました!」
みくらの主砲弾が武蔵の右舷副砲を破壊した。
これにより、突入部隊が武蔵へ突入がし易くなった。
晴風、艦橋
「おお、やった!!」
「うぃ!」
右舷副砲を破壊した事に芽衣と志摩は、大喜びしながら腕を組む
「よし!このままいけば・・・・二番艦、四番艦、噴進魚雷攻撃始め!」
福内の指示にみやけ、はちじょうから噴進魚雷が発射される。
だが発射した時、突然、空中で分散した。
「何!?」
「作動不良!?」
「誘導システムにエラー発生!!」
噴進魚雷の誘導システムがEMPの影響で作動不良を起こした。
EMPの影響を受けていたみくらでは
「電子機器が狂うと言うのは聞いていたけれど・・・」
平賀は、EMPの影響で電子機器が狂う事は知っていたが、実際にこれ程のものとは、と驚いていた。
実のところパーシアス作戦での会議の中、同じブルーマーメイドであり臨時隊員である守にも知らせたが守は例の生物兵器の放つ妨害電波で電子機器が狂わされ失敗する危険性を知らせたのだが、
最新機器なら何とかなると考えた、真霜らは深く対策を考えていなかったのだ
とは言え、EMPの影響の中では電子機器が使えない以上、誘導兵器が使えない。
如何するのか
「・・・魚雷発射管発射準備・・無誘導に設定!」
「無誘導!?」
電子機器が使えない以上、誘導システムが使えない。
福内は、魚雷を誘導から通常に切り替えるのだった
武蔵、艦橋
その頃、武蔵艦橋に立て籠もっているもえか達は、立て籠もっている艦橋から戦況を見ていた。
「残弾各砲塔、およそ90から100・・・」
夏美は、手帳に武蔵の主砲弾の残弾数を計算する。
「進路変わらず、依然として浦賀水道に向かっています!」
親子は海図を見て、武蔵の進路を把握し、浦賀水道に向かっている事をもえかに報告する。
「ん・・・」
もえかは唖然としながら、双眼鏡で戦況を伺う。
「うう・・・私達の艦が・・・ブルーマーメイドを・・・それに…武蔵が東京湾に入ったら毒ガスが東京の人たちを・・・・・」
夏海は、自分達の艦がブルーマーメイドを攻撃している事に悲嘆し、さらに自分たちの船が毒ガスの入った砲弾で東京を砲撃することになってしまうことに彼女は泣いてしまう。
そんな夏美にもえかが
「状況把握に勤めよう・・・艦を止めるチャンスを見つけるの・・・ね?」
と言って、ハンカチを渡し、夏美を励ます。
「はい・・・」
もえか達は、不安な状態で艦橋に立て籠もりながら、救援を待っていた。
一度は、東舞鶴男子海洋学校の教員艦隊が救援に駆け、これでやっと悪夢から解放されると喜んだが、救援に駆け付けた教員艦隊を自分達が航行不能にした事によって、またもや長い立て籠もり生活を余儀なくされた。
何日も何日も救援を待ち続ける中、4人の中にもう救援は来ないんじゃないのか、私達はこのまま死んでしまうのかなとまで思い始め、不安が増大し諦め始めていた。
そんな4人にもえかは、何とか希望を持たせる。
実は自分も不安だったが、艦長として皆を護る以上、不安になっては行けない。
何とか立て籠もりを続ける。
そして今回の事件での主犯であるゾル大佐らと遭遇し彼女からナチスの恐るべき計画を聞く。
もえかたちは恐怖と絶望を感じ始め、何もできないことに悲感した。
それから21日達、ようやく平賀部隊が救援に駆け付けた。
だが、戦況はおもわしくない。
だけど、不安になっては行けない。
もえかは、何とか武蔵を止めるチャンスを見つけようと策を練ろうとするが
「艦長!ちょっと来てください!」
親子が何かを発見した様だ。
「何?」
もえかは、何かと問う。
「うちの学校の艦です。」
「えっ?」
親子に言われもえかは、双眼鏡を覗く。
「晴風・・・ミケちゃん!」
もえかが見たのは、紛れもなく親友の明乃が乗艦している晴風だった。
晴風だと知ったもえかは、ゾル大佐の言葉を思い出し、今まで抑えていた不安を少し見せ始める。
みくら、艦橋
「魚雷、無誘導に設定!」
「第一戦速・・・おも~か~じ0度ヨーソロー!」
一方、平賀部隊は魚雷を無誘導に設定し、再度武蔵を攻撃する。
だが、既に戦況は、平賀部隊にとっては不利になっていた。
誘導兵器の使用不能。で平賀部隊の勝算は、薄かったからだ。
それでも武蔵を止めるべく、攻撃を続けるしかない。
「全艦!魚雷、攻撃始め!」
全艦、武蔵に向けて、魚雷を発射。
だが、その直後
「あっ!?」
武蔵が平賀部隊に向けて砲撃、はちじょうに主砲弾が命中した。
はちじょうの被弾にもえかは驚愕し、晴風、見張り台にいるマチ子は
「四番艦被弾!」
「ブルマーが!?」
晴風でもはちじょうの被弾に芽衣も含め驚愕する。
そしてブルーマーメイド艦「みくら」では
「命中1,2,3、4!」
はちじょう被弾後、発射した魚雷の4発が武蔵に命中する。
「四番艦、艦尾に直撃!」
「四番艦から報告!我、航行不能。戦闘続行不可能!!」
「通常魚雷残弾ありません!」
はちじょうが脱落し、更に魚雷を全弾撃ち尽くし、平賀部隊は追い詰められていく。
「艦隊は、目標右艦尾に回り込み突入要員の乗り移りを行う・・・各艦、無人機の準備が出来次第、発艦!!」
追い詰められた福内は、最後の行動に出る。
それは、先ず4隻から無人の飛行船を発進させ、武蔵の射撃指揮所を飛行船で目隠しし、砲撃を出来なくする。
その間に4隻が武蔵の砲塔を破壊する。
その後、突入チームを送り武蔵を制圧する作戦だ。
「一,二,三番艦、無人機発艦しました!」
4艦から4機の無人飛行船が発進した。
「武蔵の様子は?」
「砲、無人機に向けっています・・・警戒してる模様・・・」
武蔵の目は無人飛行船に向けていたので、此方には向いていなかった。
「右180度、一斉回頭と同時に無人機を接近させる。」
この機を逃さず、福内は作戦を続行する。
「ヨーソロー!」
平賀部隊は、武蔵に接近する。
武蔵の砲塔は、無人機から接近してくる平賀部隊に狙いを定めるが
その直後に無人飛行船4機が武蔵の射撃指揮所の全方位を目隠しした。
「艦長!無人機が!?」
「無人機で目隠しを‥‥」
「流石ですね!」
福内の作戦に2人は、感心する。
『全艦、射撃開始!!』
無人飛行船がも隠ししている内に平賀部隊は、砲撃を開始。
武蔵、艦橋
「四番副砲大破しました!」
平賀部隊の砲撃で武蔵の後部副砲が破壊され、今度こそ上手くいくかもしれないと思ったが・・・・突如飛行船が爆発した。その理由は・・・・
「速射砲!?」
武蔵の対空砲や機銃が目隠ししている無人飛行船4機を撃墜したのだ。
「面舵いっぱい!全速退避!!」
思わぬ事態に平賀部隊は、急いで退避行動に出るが
既に遅く、武蔵の砲撃で次々と被弾し、残ったのは1隻のみだった。
もはや戦況は絶望的であった
『あっ・・・!?』
平賀の部隊が次々と被弾するのを見て、もえか達は唖然とする。
晴風、艦橋
『あっ・・・』
「このままじゃ…」
そして、晴風でも幸子達が唖然としながら戦況を見る。
「ブルマー・・・1隻だけになっちゃったんだけど・・・・艦長も副長も早く戻ってきてよ!!」
平賀部隊の戦意損失を見て、芽衣は明乃とましろが早く戻ってきてくれと叫ぶ
果たして・・・・どうなってしまうのか…そして明乃はどうするのか・・・・・・