カツオにマヨネーズ・・・・この言葉を聞いたことがあるだろうか?
一見聞けば相性が悪そうに見えるが
果たしてその実態は・・・・・
晴風、副長室
激しい戦闘の中、ましろは、戦意を損失している明乃を自分の部屋に連れて行き、ソファに座らせた
「一体如何したんだ艦長・・・ブルーマーメイドが着てくれたら、私達は、私達の役割を・・・」
「・・・・判らない・・・如何すれば良いのか・・・・分からないの・・・」
明乃は、完全に戦意を損失しており、如何すれば良いのか判断ができない状態になっていた。
明乃とましろの会話は、伝声管で殆んど艦内に流れていた。
「・・・・・・・」
むろん、機関室にもこの会話が届いており、機関長である麻倫は無言でこの会話を聞いていたが・・・・
「ちょっと此処頼む!!」
「えっ!?」
明乃とましろの会話を聞いた途端、麻侖は1人、明乃の元に向かう。
「レオ、機関長に着いて行って!!」
「了解!!」
洋美の指示で麗緒が麻侖と共に副長室に向かう。
「此処は、4人で持たせるわよ!」
『はい!』
麻侖と麗緒いない間、4人で機関室を持たせる事になった。
一方、某アジトでは
「大佐。すべては計画道理に進んでおります。武蔵の砲撃にブルーマーメイドの艦隊はほぼ壊滅です」
「そうか・・・・・前のアジトに攻撃を仕掛けているブルーマーメイドのほうはどうだ?シュミット大尉?」
「現在、ヘル大尉の部隊が迎撃しており、死者は多数との報告を受けております」
「そうか・・・・ふっブルーマーメイドもまさか、主力部隊がいなくなった囮のいる部隊と戦っているとは夢にも思うまい・・・・あい分かった。ヘルには区切りのいいところで島を脱出せよと伝えろ・・・・」
「はっ!」
「それとだシュミット大尉・・・これを」
そういい数枚の書類をシュミット大尉に渡す
「大佐?これは?」
「総統閣下に渡す、生物兵器の実験結果の報告書だ。貴殿は元の世界にいったん戻ってそれを閣下にお渡ししろ、それとついでにあの方を呼んで来てくれ」
「・・・・あの方?・・・・・まさか、あの人を?」
「そうだ。この世界ならあの人も興味を持つだろう」
「わかりました・・・・直ちに」
シュミット大尉はゾルから書類を受け取り、部屋を出る
「さて・・・・晴風艦長はどう動くかな?」
そういい小さく笑うのであった
一方、当の明乃は、今だに戦意を損失したままだった。
「・・・・」
「武蔵は、止めなきゃいけない・・・ブルーマーメイドも・・・助けたい・・・武蔵に乗ってる・・・皆も助けたい・・・でも、それで、もし晴風の皆を・・・皆に何かあったらと思うと・・・怖いの・・・凄っく怖いの!!」
明乃は、ましろに自分が思っている事を全て打ち明ける。
明乃は、武蔵は止めなきゃいけないし、ブルーマーメイドも助けなきゃいけない、武蔵に乗ってるもえか達も助けなきゃいけない、でもそれで晴風の皆に危険が及んだら、自分は如何すれば良いのかそれが怖かったのだ。
そう明乃は「恐怖」を感じていた。人生誰もが・・・・戦うものなら必ずぶつかる壁である恐怖と対峙しているのだ。それを乗り越えなければ、彼女は二度と立ち上がることはできなくなる。
その恐怖が彼女の心を蝕んでいた・・・・
明乃の思っている事は、伝声管で艦内に伝わっていた。皆は、唖然として聞いていた
『平賀隊!あと1隻です!!』
その頃、横須賀女子海洋学校の会議室でも真霜が平賀部隊が壊滅状態に追いやられたと報告が入る。
「・・・学校艦に・・総員退艦命令を!」
「承知しました。」
「それから・・・国土保全委員会にホットラインを繋いでください。」
真雪は校内に退避命令を出し、国土保全委員会に電話を繋ぐ。一方、国土保全委員会では、武蔵接近に伴い東京湾内に避難警報を出していた。
「避難状況は?」
「東京湾内全域に警報を発令しました!!・・・しかし間に合うかどうか‥‥」
だが、武蔵の予想外の湾内侵入に避難が間に合わなかった。
そんな時
『横須賀女子学校からホットラインです!!』
突然、真雪からの電話連絡が入って来た。
『校長の宗谷真雪です・・・報告します・・・海上保安法第12条に基づき・・・横須賀女子海洋学校に・・・緊急事態を宣言します!!」
海上保安法第12条
つまり横須賀女子海洋学校のフロート艦を使って、武蔵の侵入を阻止すると言う事だ
「なん…だと…」
それを聞いた途端、委員会の幹部達は驚愕する。
『私は、これより艦橋に上がりますので・・・失礼します!』
真雪は電話を切り、艦橋へと上がる。
「委ねるしかないのか…来島の巴御前に…」
委員会の幹部の1人がボソッと呟く。
「何ですかそれ…」
「十五年前領海内を荒らしまわっていた武装船団を・・・単艦で殲滅したのがあの校長だ。」
委員会の幹部が真雪の過去の武勇伝を語り、真雪に託すしかなかった
場所は戻り、伊豆半島東方沖
「とりか~じ!」
一方、みくらは武蔵の攻撃を回避しながら、単艦で攻撃を続行する。
その光景を艦橋で生徒達は、唖然としながら見る。
その時
『ブルマーから通信が入っています!・・・そのまま流します。』
突然、単管で先頭を続行しているみくらから通信が入った。
『此方が武蔵を引きつける・・・その間に晴風は、退避せよ!・・・繰り返す・・・晴風は、退避せよ!』
何とそれは、晴風に向けての退避命令だった。
『通信終了しました。』
みくらからの撤退命令に生徒たちは動揺していた
「機雷敷設用意!」
武蔵との戦闘を続けるみくらは、遂に最後の策として、武蔵の進路上に機雷を敷設する。
圧倒的な武蔵の火力とみくらからの退避命令を聞いたみんなは、艦長がいない今、どうするべきか悩んでいた
「私達・・・何もできないの?このまま武蔵を浦賀水道に行かせちゃうの・・・」
戦闘を見ていた芽衣は、自分達には何もできないのか、このまま武蔵を浦賀水道に行かせて良いのか、
芽衣は悔しくなる。
そして・・・・・
「主砲!・・・いつでも撃てるけど?」
「艦橋!・・・速力このままでいいの?」
「艦長!おにぎりできています!」
「カレーもあります」
「おしるこも・・・」
「艦長!」
「艦長!」
他の部署の生徒達も芽衣と同様の気持ちで、明乃に決断を迫る。その時、武蔵野砲弾がみくらに当たる
「艦首B2ブロックに浸水!」
「遮蔽急いで!!」
一方、戦闘を続けていたみくらも遂に被弾、脱落した。最早、武蔵を止める艦はいない。絶体絶命である。
一方ましろたちは
「艦長…本艦の行動方針を・・・けつ・・けつ・・」
自分の意見を問われる明乃にましろも如何するのか問うが、何も言う事ができない。
その時
「けつ、けつ、て言ってんじゃねぇ!!」
部屋の扉が開き麻侖と麗緒が入ってきた。
「違う!決断をと言いたいんだ・・・」
「決断なんて・・・できないよ!・・・だって、今まで助かってきただって、たまたまついてただけで、あたしのお陰じゃないよ!!それに比叡の時だって、私危うくマー君を死なせるところだった!!」
「艦長・・・・・」
「・・・皆は、私の大切な家族だから、皆を失ったらと思うと・・・怖いの・・・」
やっと家族になれた晴風の皆を失うと思うと明乃は、怖くて決断が出来ない。
泣き叫ぶ明乃をましろは、唖然と見るしかなかった。
「其処まででぇい! 艦長を艦橋に連れて行け!」
「あ、はい!」
「お前さん、ちょっと付き合ってもらうぜ!」
麻侖は2人の話を止め、麗緒に明乃を艦橋へ連れていく様に言い、自分はましろを機関室に連れて行った。
「これで艦橋には聞こえねぇよ・・・」
機関室の会話が外に漏れない様に伝声管に布を詰め、声が伝わらないようした。
「こんな時に何を…」
「まぁ、飲め!」
と言って麻侖はましろにお茶を差し出す。だが、ましろはお茶を飲まない。仕方なく麻侖は、お茶を横に置き
「おう!おう!・・・要するにだ・・・カツオの刺身にマヨネーズってのは美味い食い方なんだよ!」
突然、訳の分からない事を言い出す。
「!?」
ましろは、突然何かを言い出した麻侖の言葉を理解できなかった。
「つまり、私と機関長は、全然違うけど、違うものが合わさってこそ独特で良い感じになるって事だと思う・・・」
洋美は、麻侖が言いたいことは性格や趣味などは全然違えど、それが合わさってこそ独特な感じがでると言う事を説明する。
「そう言う事よ!・・・あと祭の太鼓でも皮ばっか叩かないだろ?・・・フチをカカッ!って鳴らさねぇと!音が絞まらねぇ!・・・マロンとクロちゃんみたいなもんよ!・・・なあ、そうだろうクロちゃん?」
「足りないものは補い合うのが本当の仲間だって、事を言ってるのだと思うわ・・・宗谷さん・・・・あなたと守君のように」
「っ!?」
洋美の言葉にましろは顔を上げる
「・・・今の艦長を助けられるのはあなたしかいないわ!」
「如何でぇい!分かったか?」
麻侖と洋美の説得を聞いた途端
「ありがとう!」
ましろはそう言って、慌てて機関室を飛び出して行った。
「あっ、 一件らくちゃ~く!」
一件落着した事を歌舞伎風に言う麻侖。
「機関長殿、それがやりたかっただけですよね?」
空は歌舞伎風に言う麻侖に、それがやりたかっただけと言う。
確かに空の言う通り、やりたかっただけかもしれない。ただ
「(これでいいんだよな・・・・・守)」
心の中でそうつぶやく麻倫。そして麻倫は守の言葉を思い出した
「(もし・・・・・姉さんたちが困ってたら背中を一押ししてほしい・・・・)」
「あいつらしいな・・・・妬けちゃうよ・・・」
麻倫はそう小声でつぶやくのだった。
その頃、艦橋では武蔵の砲撃を回避し続けていた。
そんな時
「艦長!!」
ましろが艦橋に戻って来た。全力で走っていた為か、息をきらしながら明乃の元へ歩み寄る。
「私は!・・・・あなたの・・・マヨネーズになる!」
ましろが麻侖に言われた事をそのまま明乃に言う。
晴風、機関室
「よ~し、よく言った!!」
「はぁ・・・まんまね!」
ましろの言葉を聞いた麻侖は、よく言ったと褒める。
しかし洋美は麻侖が言った言葉をそのまま、言ってしまった事に苦笑いをしながら頭を抱える。
晴風、艦橋
「マヨネーズ?・・あの・・・副長は何と言いたいので?」
突然のましろの言葉に艦橋の皆は、分からなかったが
「艦長の支えになりたい!・・・艦長は今まで通り決断して行動して運を引き寄せて・・・その代わり他の事は私が・・・いや!・・・晴風の皆が何とかする!・・・そう思ってるのは私だけじゃない!」
ましろは、自分が明乃の支えになりたい
それだけじゃない。
皆だって、明乃を支えたい。
そう思っているんだと明乃に伝える。
「そうだよ!私達もっとやれるよ!」
「うぃ!」
ましろの言葉を聞いて、芽衣と志摩は、明乃に武蔵へ行こうと言う。
「わ、私だって、もう逃げてばかりじゃありません!・・・何だってできます!」
そして、鈴も涙目になりながら、明乃に武蔵へ行こうと言う。
「そうですとも…」
「できるできる!」
「為せば成り」
「副長がマヨネーズなら私は、マスタードになります!!」
ましろの言葉に晴風の皆は賛同し、皆が明乃について行くと言う!
「!!!!」
ましろの言葉に今度は恐怖の涙から信頼というものの涙が溢れてきた。
「海の仲間に・・・超えられない嵐はないんでしょ?」
「シロちゃん…皆…」
ましろや皆に支えられ、明乃は嬉しくなる。
その時
『武蔵より発光信号!』
『えっ!?』
『読み上げます!』
マチコが武蔵から発光信号があるのを気づき読み上げる。
「貴艦はそのまま・・・本艦との距離を開けられ退避されたし・・・接近は危険・・・主砲弾・・・いまだ豊富・・・』
そして発光信号の最後にある人物の名前があった。
「も、え、か・・もかちゃん!」
それは、紛れもなく明乃の友人の知名もえかからだった。
「無事だったんだ!?」
もえかの無事に、明乃は驚く。
「なら尚更助けしかない!」
「ぬう」
ましろの言葉とともに猫の五十六が被っていた艦長帽を明乃に渡す。
「五十六・・・・ありがとう」
五十六から帽子を受け取り明乃が帽子を被り、整える。
「戦闘!左砲雷同時戦!・・・300度の武蔵!」
明乃が言うと魚雷発射管と主砲が武蔵に指向する。そして武蔵は晴風に照準を合わせる。
「目標敵進30度!敵速18ノット!」
「第五船速!340度ヨーソロー!」
晴風は武蔵からの砲弾を回避しつつ武蔵に接近する!
武蔵、艦橋
「艦長!晴風から発光信号です!」
「読み上げて・・・」
「・・・我貴艦の救出に向かう・・・繰り返す・・・我貴艦の救出に向かう・・・」
「ミケちゃん…」
遂に晴風と武蔵の最終戦が始まろうとしていた
一方・・・・
「汽車の窓から手を握り~送ってくれた人よりも~ホームの陰で泣いていた愛おしあの子が忘れられぬ・・・トコズンドコズンドコ・・・」
大きな鋼鉄の鳥に乗り、決戦場へ向かう少年がいたのだった