VillainのVはVOICEROIDのV   作:捩花

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場面を区切る記号は定型がわからなかったので遊び心で入れました

特に深い意味はないので読めた方は「~の場面」と呼んで頂けると幸いです


Voice10 投げた小石の水面は徐々に大きく

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 砂藤力道達と東北じゅん狐堂に行った翌日、授業が終わった八百万百は分厚い鉄扉の前で室名札を見上げていた。 そこには『Development Sutdio(開発スタジオ)』と書かれているのを彼女は見つめている。

 

「ここがサポートアイテムの開発工房ですね。 ……よし」

 

 百は皆で甘味処に行った後、敵襲撃時に自爆したヴィランから言われた事を考えていた。

 

(自身の個性を最大限に活用する事。 その為には最先端の技術を学ばなければならない。 一般でも集めることのできる資料よりも、この学校ならではの場所といえばここしかありませんわ)

 

 息を吸い込み気合を入れて数度ノックし、反応が返ってこないので「失礼します」と一言大き目に声を出してから重々しい扉を引く。 ギギギギ、と耳障りな音を出しつつゆっくりと入り口を開くと、扉の音に反応して中にいたショベルのような被り物をした人が振り向いた。

 

「なんだ、もう反省文は……ってお前は八百万?」

「失礼します、パワーローダー先生」

 

 敵襲来事件の時に駆け付けた教師の一人、パワーローダーが予期せぬ来訪者に切れ目の眼を瞬かせている。

 手に持っていた工具を机に置き、椅子に座ると縦長の機械のスイッチを押した。 液体が沸騰する音の横でパワーローダーは彼女に近くの椅子へ座るよう促す。 パワーローダーも戸棚からコップを二つ持って机に置き、椅子に座ると辺り一面に散らばっている機械や道具に興味深々としている百を見て言った。

 

「ちょっと散らかってるが、ここじゃいつもの事なんで気にしないでくれ。 コスチュームの改修……ってわけじゃなさそうだが」

「はい。 相談を……いえ、お願いがあって参りました」

「お願い、ねぇ」

 

 ピーと鳴った機械の中にパワーローダーはコップを入れる。 機械が入れ物の中にお茶を一定量注ぎ込んで止まったのを確認して百に差し出す。 続いて自分のコップを機械に入れながら言葉を続けた。

 

「ま、言うのも聞くのもタダだ。 叶えられるかはわからないけれどな」

 

 動きが止まった機械からコップを取り出し一口飲んで訪ねてきた要件を言うよう促す。

 両手で持ったコップを見つめる百は顔を上げてパワーローダーをまっすぐ見て口を開いた。

 

「捕縛用に開発されたサポートアイテムの図面を見ることはできますか?」

「……。 あー、そういう事ね」

 

 百の言いだした事にパワーローダーは一瞬の沈黙の後、彼女が開発工房に来た目的を理解した。

 

 サポートアイテム。ヒーローが活動するために使用される道具類の総称。 しかし、全てのヒーローが全てのアイテムを使うことはできない。 あくまで個人に合わせた補助道具であり、道具に頼りすぎるヒーローに対して世間は冷たい態度をとる。 

 それもそのはず、ヒーローは唯一公共で個性を使うことが許されている職業だ。 個性を使えるという利点を投げ捨て、個性と全く関係の無い道具を使って活躍している姿を見て、普段は個性を使わないように生活している大勢の人間はどう思うだろうか。 個性ありきの現社会、誰でも使える道具を多用もしくは決め手に使う事はヒーロー業界において外道であるとすらされている。

 

 百の願いを聞いて、パワーローダーは彼女の個性を知っているのでやろうとしていることに察しがついた。

 彼女を助けたとは言い難い、敵襲撃の現場に立ち会っただけの当人としてはトラウマに関係する事かと肝を冷やしたが、そうでないことにパワーローダーは心の中で安堵の息をつく。

 

(トラウマならリカバリーガールの方に行くよな。 むしろ前よりもしっかりした表情だ、良い方に転がったようでなにより。 んで、八百万百の個性は『創造』。 生物以外なら何でも生み出せる。 個性把握テストで小型バイクを作れるくらいには構造を把握、再現する能力もあると相澤から聞いた。 助力はしたいが、さてどうしたものか)

 

 もし相手が活動しているヒーローもしくはサポート科なら何かしらの交換条件を出して協力していただろう。 しかし相手はヒーロー科でありヒーロー免許も持っていない在学生。 安易に協力しては他科の一生徒を贔屓、もしくは個性を利用していると捉えられかねない。

 パワーローターが悩んでいる間、百はコップを握り締め返答を待っていた。

 そんな状況に突然、入り口の鉄扉が勢いよく生徒らしき少女が入ってくる。

 

「反省文を書き終わりましたので早速ベイビー作りに来ました!」

 

 頭には二つのレンズに十字のラインが入ったツインアイゴーグル、服は既に作業着に着替えており、鞄を雑に放り投げると座っている二人に目もくれず、作業台へと一直線に走っていく生徒。

 呆然としている百の隣でパワーローダーが鉄爪のように硬化している両手の指先で打ち鳴らしながら被り物に隠れている眉を寄せた。

 

発目(はつめ)ぇ……。 少しは反省している色くらい見せろ」

「めっちゃ反省しました! なので同じことが起こらないようにベイビー開発を再開します!」

「ああもう、お前は本当にもう」

 

 どうやら発目と呼ばれた生徒はパワーローダーの話をいつも聞いていないようだ。 ため息をついた彼は開けっ放しの鉄扉を閉めに立ち上がり、ふと部屋にいる百と発目を交互に見て手を叩いた。

 

「発目。 捕縛用のサポートアイテムを作る気はないか」

「え? 先生どうしたんですか。 先生から戒めの言葉ではなく提案とは……どこか頭打ちました?」

「お前なぁ、本当なぁ!?」

 

 不思議そうな顔をしている発目の反応にパワーローダーがガリガリガリとヘルメットを鉄爪でかきむしる。 ひとしきり鉄のこすれる音が響き、深くため息をついたパワーローダーが腕を垂らし、疲れ切った声で提案の続きを喋った。

 

「A組の生徒が捕縛用サポートアイテムの設計図を見たいと言ってな。 協力してやれ」

「捕縛用ですか。 確かにそちらのアイディアもありますが私は作りたいベイビーがありますので」

「ここにいる八百万は生物以外なら何でも作り出せるらしいぞ」

「八百万さんちょっと作りたいものがあるのですが!」

「ふぁい!?」

 

 突然、高速で近寄ってきた発目に悲鳴を上げる百。 設計図のある机に引っ張られていく百がパワーローダーに視線を向けるとパワーローダーは楽しそうに手を振っている。

 

「生徒同士の交流なら問題ない。 無茶振りされたら止めてやれ、危なそうだったら俺も止めに入るから。 あとせめて自己紹介してから作業を始めろ発目」

「私の名前は発目(はつめ)(めい)です! では早速このベイビー、捕縛用電撃鞭の作ってほしい部品なんですが」

「……この配線ではオーバーヒートして爆発してしまうのでは?」

「おっとうっかり!」

 

 早速図面を見ながら、あれやこれやと話し合い始める二人。 その様子を見てホッと胸をなでおろすパワーローダー。 手間のかかる生徒の綱を握れ、かつ本人の要望を叶えられる状況にできた事で安堵の息を吐いた。

 

-・-・・ ・・- ・-・・ 

 

 敵襲撃から数日後。 東北じゅん狐堂の一室──バスケットコートくらいの何もない大きな部屋で雄英の運動服を来た男女が模擬戦を行っていた。

 一人は耳から伸びるイヤホンジャックを巧みに使い、隙あらば相手に差し込み音の振動で動きを阻害しようとしている耳郎響香。

 対する男子は腰から筋肉質の尻尾が生えており、響香のイヤホンジャックを四肢と尻尾で巧みに交わしている。

 響香が後ろに飛び退き距離をとると、汗を拭ってため息をついた。

 

「ちょっと休憩しようか、尾白(おじろ)

「ああ、わかった」

 

 クラスメイトの尾白猿夫(おじろましらお)が響香の言葉に頷いて部屋の壁際、長椅子の上に置いてあったペットボトルを取りに行き響香に一本放り投げた。 難なく受け止めスポーツドリンクを口にしてその場にどかっと座る。

 

「ああ、もう! 一発も入らないんだけど!」

 

 響香の文句に尾白が苦笑する。

 

「そりゃ体術は頑張ってるからな。 でも、何度かひやっとさせられる事はあったぞ」

「当てなきゃ意味ないって! サポートアイテムが無い状態で手も足も出ないんじゃ、いざという時になにもできないじゃん」

 

 今の響香は敵襲撃の時にヴィランに言われた事が脳内にこびりついていた。

 活躍できないヒーロー。 襲撃の際に対処していた他の生徒達よりも劣っていると言われていたことに納得していなかった。 実際、同じくヴィラン相手に奮戦したクラスメイト達の話を聞いて彼女は焦燥感に駆られている。

 その時にヴィランから言われたカラテ──体術の話を思い出し、襲撃時に体術のみで乗り切った尾白へ相談を持ち掛けた。

 とはいえ個性を使用する場合は基本的に私有地か許可された所でしか行えない。 しかし学校の訓練場は卒業を目の前にした三年生等の上級生が既に軒並み予約している為、自室か授業中でしか訓練できないと彼女は思っていた。

 尾白は飲み物を一口飲んで、連れてこられた殺風景な室内を見渡して響香に話しかける。

 

「よくこの店が個性使用許可場も併設してるって知ってたな」

「葉隠がパンフレットに書いてあるの見つけてね。 隅に小さく書いてあるだけだったから、ここじゃおまけ程度に考えているんじゃない?」

「管理費を安くできる個性持ちの人がいるんだろうけど、高級菓子店で維持費を賄えるってすごいな」

 

 尾白は長椅子に置いてあったパンフレットを開いて葉隠が見つけたという小さい文字を探す。 商品一覧の右下に他の文字よりも一回り小さい大きさの文字で個性を自由に使える施設があります、とだけ書かれていた。

 

 『個性使用許可場』。 一般的に公の場で個性が使用できない現代、持てる力を自由に使える場所が求められた。 しかし、政府から発表された指定条件は施設設立に大きな壁となって立ちはだかっている。

 その条件は標的となるターゲットを必ず用意し、二つ以上の環境を提供できるようにすること。 また、その標的は一定以上の大きさと種類をいくつか用意し、施設と的の維持費や修復及び補充は自己負担とするというもの。

 全てを一から用意しそれらを維持するとなると莫大な資金が必要となる。 特にターゲット類は破壊されるのが前提であり、一人が利用する際に十個破壊するのは当たり前。 場合によっては一度に三桁も消費する場合があるので、その度に新しい物を用意するとなれば出費は馬鹿にならない。 また、利用料金は公共であることから施設の規模によって一律に指定されている為、その点も施設運営が難しい要因に挙げられる。

 それは雄英高校も例外ではない。 (もっと)も雄英において施設は在学生専用であるし、ターゲット類はセメントスやエクトプラズム達が個性で代用しているためその分経費は浮いているが。

 

 二人のいる店もターゲットはもちろん、複数の環境を選べると店の子らしき刃物の髪飾りを身に着けた少女から説明を受けた。 この場所は事前に使うものを申請して用意するタイプの施設らしく、リストから必要な物をチェックしていく形式となっている。 響香達は組み手を行うだけなので大半が不要であったが、ターゲットのロボットを始め環境用意も大きさが一般の体育館程度である事を除けば雄英に引けを取らない豪華なラインナップであった。

 ペットボトル片手にパンフレットを見ている尾白。 彼に大の字になって寝ころんだ響香が先ほどの模擬戦で感じた疑問を投げかける。

 

「尾白、何でアタシの攻撃を全部捌けたの?」

「ん? 何でって言われてもなぁ」

 

 尾白はペットボトルを置いて腕を組み考え込む。 それを見ながら響香は身を起して胡坐をかき、手に持っているスポーツドリンクを一気に飲み干した。

 そして太ももの上に肘をつき、手で顎を支えてじっと見ている響香の視線に居心地が悪くなった尾白は何とか言葉を絞り出す。

 

「そう、だな。 イヤホンジャックの攻撃が結構単調だった……と思う」

「え、単調だった!?」

 

 思いがけない指摘に驚く響香。 目を見開いている彼女から視線を外しつつ尾白は言葉を続けた。

 

「動作が突き出しと鞭打ちの二種類しかない上、こっちが一番警戒するのは突き刺されて振動を受けること。 殴打は最悪掴まれて攻撃の始点にされるし、警戒するのは格闘と突き刺しだけになるかな」

「殴打は止めた方がいいかぁ。 振り回しは突き刺す角度がね、曲線で突き刺すとなると時間がかかるから避けられやすいし、直線に飛ばす方が速いし楽なんだけど」

 

 指摘された問題点に響香は頭を抱える。 どんなに強い攻撃でも当たらなければ意味がない。 主力の一手が読まれやすいと理解したはいいものの、その改善点もしくは代案はすんなりと出てこなかった。

 うんうんと唸り始めた彼女を見て、尾白は自分の尻尾を動かしながら考えているとふと呟いた。

 

「イヤホンジャックって直角に曲がるのか?」

「あん? 直角?」

 

 尾白の発言に響香は首をかしげる。 そんな彼女に尾白は自身の尻尾をイヤホンジャックに見立てて説明を始めた。

 

「イヤホンジャックでできるのは突き刺し、決め手は振動で動きを止めることだ。 けど直線の突き刺しは判りやすいし、弧を描いて伸ばすと距離が伸びて対処されやすい。 そこで直角に曲げることができれば、外れたと見せかけて突き刺すのを狙えるんじゃないか?」

「直角に、かぁ」

 

 尾白の提案に響香ができるかどうか早速試してみる。

 直角に曲げることは思いのほか簡単にできた。 しかし、直角にしたまま伸ばそうとすると上手くいかない様子。 曲がった部分が伸びるのではなく耳からイヤホンジャックが出てくるので、そのまま伸ばすと曲がった部分がスライドするように移動するだけだった。 直角に伸ばすにはイヤホンジャックを出しながら、曲げた場所を随時移動させなければならない。

 数分後、イヤホンジャックを直角に曲げながら伸ばすことに成功したのを見て尾白が笑った。

 

「おお、これ結構使えるんじゃ……耳郎!? 汗がすごいけど大丈夫か!?」

「これ、結構キツイ」

 

 響香の顔には先ほどの訓練とは比べ物にならない程の汗が浮かんでいる。 彼女はイヤホンジャックを曲げるのを止め、大の字になって寝ころぶ。

 

「ヤバイ。 めっちゃ疲れる。 でも、目標ができたな。 体育祭までに物にするぞ!」

 

 横になったまま笑顔で拳を上げる響香。 目標ができた彼女を見て尾白も釣られて笑った。

 

・・-・・ --・-・ ・・-- --・ 

 

 雄英高校の仮眠室。 教師用であるその部屋では骸骨を連想させる顔の男性が空を仰いでいた。

 

『体育祭で、君が来た! ってことを世の中に知らしめてほしい!』

 

「……OFA(ワン・フォー・オール)の後継者として自覚してもらうために緑谷少年にはああ言ったものの、もしAFOが生きているならば矢面に立たせるのは早すぎる。 しかし、私も平和の象徴として立っている時間はそう長くない。 全く、とんだタイミングで情報が出てきたものだ」

 

 悩む男――トゥルーフォーム姿のオールマイトは温くなったお茶を飲みながら、先日の会議で出てきたメモの一文を思い返す。

 

『アフォが動いたからこんなことになったんです。 ヒーロー仕事しろ』

 

 アフォの上に小さく書かれたAFOの三文字。 アフォの字が漢字の阿呆でもカタカナのアホでもなく、わざわざローマ字の読み方にしたのは意図的にしか思えない。

 

「あの巨悪をアフォ呼ばわりする、もしくはできる存在……」

 

 宿敵AFO(オール・フォー・ワン)。 オールマイトが学生だった時に対面し、先代OFA所有者でありオールマイトの師匠でもある志村菜奈(しむらなな)の命を奪った強大な敵。 個性を奪い取り、そして与える能力を持った裏の支配者と呼ばれたほどの巨悪。

 体の一部分、そしてヒーロー活動時間と引き換えに倒したはずの相手がまだ動いている可能性が浮上し、しかし事の大きさから迂闊に相談できないので独り無い知恵を絞っている。 校長に頼むことも考えたが、慣れない教鞭の指導方法もしてもらっているのでいくら本人が良いと言ってもさらに私事を頼むのは気が引けた。

 

「六年前のあの時には確かに致命傷だったはず。 生きているとは考えにくい、いや有りえないと思いたい。 仮に生きているとしても、私と同じように万全という状態とは考え……たくないな。 何れにせよ、また出てくるならば今度こそ刑務所に叩き込むだけだ!」

 

 手加減などできるはずもない最凶の敵を思い出し、もしもその時と同じ相手を今の自分が戦う姿を思い浮かべてオールマイトは頭を抱える。 尤も、いざ対面すればヒーローとして立ち向かっていく姿勢はナンバーワンヒーローの看板を背負う彼の姿であろう。

 最悪の予想を頭から追い出し、悩みの元凶であるメモの持ち主に意識を移した。

 

「グラントリノも"頭文字(イニシャル)V"に関しては知らなかった。 HN(ヒーローネットワーク)で過去の情報を探したがそれらしい情報は皆無だったし、調査依頼を出したヒーロー会社からも同様の報告を受けている。 AFOとは違った意味で不気味な連中だ。 ああ、そういえば」

 

 オールマイトは携帯端末を取り出してHNを開く。

 未読だったメールを開くと、画面には"頭文字V"と名乗ったヴィランに酷似した少女が雄英高校近くのスイーツ店にいたという情報が載っていた。

 

琴葉葵(ことのはあおい)。 襲撃を行った(あかね)と呼ばれていたヴィランとは双子の姉妹だが、数年前から行方不明だった姉に対して悪感情が見られる。 孤児で東北じゅん狐堂に住み込みで働いており、店に通いつつ動向を監視しているが今のところ不審な点は見られない……か。 おいおい、途中からデザートの食レポになってるじゃないか」

 

 "頭文字V"に関係する可能性として監視していたヒーロー達が、和気あいあいと売り上げに貢献している姿を見てオールマイトは微笑んだ。

 無意識に胃のあった所を触りながら、ふと視界の隅に映ったタンポポ色の花に視線を向ける。 花瓶に生けられた花にオールマイトは顔を近づけ首を傾げた。

 

「この花……そういえば最近、良く見かけるような」

 

 首を傾げるオールマイト。 その時、風が無いはずの部屋の中で黄色い花は微かにゆらゆらと動いた。 オールマイトはつられて目を動かし、ため息を一つ吐いて頭を掻く。

 

()()()()()()()。 そんな事より次の授業の準備をしなければ」

 

 中身が残っている湯飲みを流しに捨ててオールマイトは部屋を出ていく。

 その後ろ姿をタンポポ色の花はゆらゆらと揺れて見送った。

 

 

 

 

 雄英体育祭の時は刻々と迫っている。




誤字脱字報告、感想有難うございます

以下独自設定
今回割と勢いで書いていたので矛盾点などの批評をいただけると助かります


・サポートアイテム関係
便利な道具で武装しない理由付け。
あくまでヒーローの個性を生かす道具という認識。原作見ている限り、少なからず個性を利用しているのがほとんどだったのでそうじゃないかなぁと。


・個性使用許可場
個性を自由に使えないのはできることをしてはいけないと強制されている事であると考え、羽を伸ばす場所もあるだろうと考えた結果生まれた施設。
稼いでるトップクラスのヒーローが福祉目的で運営、もしくは低予算で用意できる個性持ちが経営している場合が大半じゃないかなという妄想。

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