ショッカーライダー   作:はっぴーでぃすとぴあ

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第漆話『迅雷!順法精神無き輩に天誅!』

現在西暦二千二十年、否ショッカー歴四十九年の我が国には幾つかの財閥が存在する

その中でも野座間財閥は製薬業や健康用品や健康食品の開発に力を入れており中でも健康飲料と言えばこの財閥の名が真っ先に上がるほどであった。

 

「ホキョキョキョキョー!」

 

岩山のような場所に空中回転をしながら現れたショッカーライダー、周囲に配置されている『甘さ』の文字を象った石像をショッカー殴で砕きショッカー手刀で両断しショッカー締でへし折る

 

「糖類無添加!自分の甘さに喝!勝!克!」

 

腹から声を出しながらそう雄叫びを上げると何処からともなく取り出した缶のエナジードリンクを開けてクラッシャーを開き腰に手をあてて勢いよくゴクゴクと飲み干す

 

「健康飲料は野座間財閥!」

 

いつものポーズを決めると最後に『ショッカー参謀本部検閲済み』のコールが入った

 

「はーいオーケーです」

 

「あっ、どうもご苦労様です」

 

撮影さんの声にそう応じてセットから出てくるとショッカーライダーは変身を解除して徐々にミコトの姿へと戻ってゆく

 

「改めまして今日はお忙しい中ご協力ありがとうございましたショッカーライダーさん」

 

「こちらこそ恐れ入ります、しかしながらこの姿の時はミコトでお願いします天条翁」

 

「ははは、これは失敬しましたミコトさん」

 

そう、今回のショッカーライダーの任務は野座間財閥のCMへの出演依頼

これはショッカーの広報も兼ねており正式に野座間財閥が未知数財団を通してショッカーへと依頼をしてきた企画である、ショッカーが財閥を手厚く保護しているが故に実現したコラボといえよう

そしてこの撮影の現場に現れた老齢の品の良い老人こそ何と野座間財閥の総帥である天条隆顕であった

 

「本来ならばてっきりこう言う仕事は先輩方の出番かと思ったんですが何でまた俺を名指しで依頼なすったんです?」

 

「いやぁ、今回はミコトさんの変身なさるショッカーライダーの無骨さこそ生きる宣伝だと思いましてな期待通りどころか期待以上の画が撮れましたよ」

 

「恐縮です、しかし最近はどうにも物騒でいけませんなぁ我々ショッカーも全力で治安の維持に充ってはおるのですが」

 

「いやいやそれこそショッカーの皆さんは良くやってらっしゃる、この間は難波さんの所でも暴動を鎮圧なさったとかで頼もしい限りです」

 

「重ねて恐縮ですがあの一件は我々よりも難波財閥さんの社員への教育が良かったからですよ、無論野座間財閥さんだって良い社員教育をなさってらっしゃるのは知っておりますがね」

 

「ははは、それはこちらこそ恐縮ですな何分癖の強い連中ばかりで纏めるのも一通りには行きません…と、こちらをどうぞ我が財閥の新商品です」

 

「おお!これは有難い!苦学生には強い味方ですよ」

 

満面の笑みを浮かべて野座間財閥総帥である天条隆顕からエナジードリンクを数箱受け取るミコトであったが先程から何やら撮影を行っていた建物の外が騒がしいのに気が付いた

 

「む?何やら外が騒がしいような……?」

 

「天条翁、お気を付けを、何かおかしい!」

 

その時である!ショッカー参謀本部からの通信をミコトが受信したのは!

 

『ショッカー参謀本部ヨリ伝令、ショッカーライダーへ現在貴様ガ居ル建物ノ入口に暴徒ガ終結シツツアル直チニ此ヲ殲滅セヨ』

 

忽ちの内にミコトは眉間に皺を寄せて険しい表情になると窓から階下の入口を睨み付ける、そこには武装しプラカードを手にした連中が集まっていた

 

「天条翁、貴方は此処に!あいつらはショッカーに歯向かう暴徒です!俺が殲滅します!」

 

「いや、私も行こう」

 

「どうしてですか!?」

 

目を剥いて驚くミコトに天条総帥は泰然に答える

 

「私が野座間の総帥だからだよミコトさん、それにその連中が用事があるのは私だろうからね」

 

「天条翁…解りました、貴方の身は俺が守ります!」

 

ショッカー参謀本部へ改めて天条総帥護衛についての許可を取りショッカー戦闘員を派遣して貰うと二人は暴徒の前へと赴き仁王立ちに立ちはだかる

 

「私が野座間財閥が総帥天条隆顕である!白昼堂々何の連絡も無しに我が財閥の建物に押し掛けるとは何事かっ!」

 

その剣幕は先程までの好々爺とした老人ではなく確かに一つの財閥を支配する男としての姿であった

 

「お前が野座間で一番偉い奴か!」

 

「如何にも!」

 

暴徒から銃口を向けられながらの問い掛けにもまるで物怖じしない老人に頭目らしい男一人が続ける

 

「やい老い耄れ!お前はこの物質を知っているだろう!これからこの物質が入った物を作るんだ!」

 

男がプラカードを天条総帥に掲げるとそこには何やら複雑な化学式が書かれていた

 

「これは…ショッカーによって流通が厳しく禁じられている物質ではないか!」

 

ミコトがそう糾弾するとプラカードを持った男は反発する

 

「だからどうした!この物質は天然の動植物の一部から手に入る物で心身の苦痛を和らげる作用がある!それを規制するショッカーがおかしい!現にいくつかの国ではこの成分が含まれる薬剤が出回っているんだぞ!ショッカーが遅れているだけだ!」

 

「…その物質が人体に悪影響を及ぼすのだと言うことは一旦置いて置こう、それを言うなら水や酸素も摂りすぎれば毒になる」

 

頭目の言葉に更に周囲の暴徒が囃し立てるが天条総帥は静かに語り始める

 

「しかしショッカーが遅れていると言っていたが君達はそのショッカーの恩恵に与って生きているのではないのか?その恩を忘れて我が儘に声を上げる事その物が間違いだとは思わないのかね?」

 

「はっ!何を言うかと思えばそんなこと!社会なんざ利用するだけの存在に何故従わなくちゃいけない?いいからうんと言え!お前がうんと言うだけで十分に効果があるのだ!出なければこの引き金を引くことになるぞ!」

 

「笑止!私個人の命如き何だと言うのだ!貴様らこそ社会にはこびる癌細胞!社会無くして人は無い!その社会に逆らう貴様らこそ最弱にして下劣!」

 

毅然とした態度で退治する天条総帥についに暴徒の頭目が引き金を引いた

 

「このっショッカーの犬があぁ!」

 

「よくぞ申された!!!!」

 

しかし小型小銃から発射されたその弾丸が天条総帥に命中することは無かった

何故ならミコトが総帥の目の前で弾丸を素手で掴んだからである

 

「銃弾を空中で掴むとはお前は何者!?」

 

「知りたいか?教えてやろう!ショッカー!」

 

血の滲む拳を更に強く握りしめ暴徒を睨み付けながら怒号を上げると右の握り拳を顔と平行に、左手を指先を伸ばして右下に振り下ろした

 

「変身…っ!」

 

ミコトの身体がショッカーライダーへと変化し一陣の風に青い迷彩柄のストールがたなびく

 

「私は偉大なるショッカーによって製造された秩序の番人にして戦略兵器!ショッカーライダーだ!」

 

「ま、まさかお前が噂に聞く改造人間!?」

 

「その通り!ホキョキョキョキョー!」

 

大きく跳躍すると空中でフィンガーミサイルを発射し数人の暴徒を斃すとその上に着地してポーズを決める

 

「世界中の全ての国家が許容しようがこのショッカーが守護する聖地日本に不要とショッカー参謀本部が判断した物が存在できる余地はないのだ!とぅあー!」

 

右往左往する暴徒の一人の髪を鷲掴みにしてショッカー噛で斃すとプラカードを武器に背後から殴り掛かる暴徒の動きを察知してショッカー蹴で喉元を打ち抜く

 

「イー!」「イー!」「ギー!」「イー!」「イー!」

 

程なくして現れた覆面やベレー帽のショッカー戦闘員も加勢し暴徒たちは忽ちに一所へと追い詰められた

 

「お、俺達が何をしたって言うんだ!煙草や酒と何が違うって言うんだよ!それを広めようとして何が悪いんだ!」

 

尚もギャーギャー喚く暴徒の頭目をショッカーライダーは指差す

 

「ならぬことはならぬこと!順法精神の欠片も持たずに世を乱しあまつさえ人命を脅かす!ショッカーの作る理想郷に貴様らの居場所はなぁい!!!」

 

ショッカーライダーは渾身の怒りを込めて拳を握ればショッカーリアクターから取り出された電気を纏ってバチバチと火花を散らす必殺の

 

「ショッカー電撃殴!!!!!」

 

その威力にまずは頭目が爆発四散すると息も付かせぬ連打で一気呵成に暴徒はショッカー電撃殴の前に消えて行った

 

「ショッカーが定めた法は絶対、その秩序を乱さんと欲する人的資源としての価値を失った暴徒が存在する事は許されないのだ!」

 

「有り難うショッカーライダーさん、貴方が居てくれ無かったらこの老骨の命は無かったでしょう」

 

「何を仰る天条翁、貴方のような断固として悪に屈しない人間こそショッカーの人的資源の鑑です!イーーーーー!!!!!」

 

「「「「「イーーーーー!!!!!」」」」」

 

街に響くは勝利の敬礼、天条総帥もまたそこに加わる

既にショッカー清掃員の姿も見え程なくしてこの場所も普段の静寂を取り戻すだろう

戦えい!ショッカーライダー!時として個人の感情如きで法を蔑ろにする人間と言うのは出てくるもの、しかしそのような存在を許容しては社会は危うい!

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