剣盾旅記録   作:鳴神ハルキ

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ターフジムからバウジムまでってやることなくてペース早くなっちゃいますね。




24、ジムミッション・流水の迷路

 港町バウタウン、この町ではたくさんのことを学んだ。

 命を頂くこと、それは決して遠い世界のどこかで起こっていることなんかじゃない。今こうして食べているヨワシの干物だって昨日まで命だったものなんだ。一口ひと口噛み締めて、命への感謝を忘れないで行こう。

 

「アカツキ!マーイーカ焼きを発見したぞ!」

「行こうホップ!」

 

 美味しいものが溢れてるね!この町は!

 

 

 ヨワシ(ぎょぐんの姿)とのレイドバトルを終えて一日が過ぎた。

 今日はお昼から俺のジムチャレンジが開始する、きっとターフジムのウールー転がしのような一癖も二癖もあるジムミッションが待ち受けていることだろう。気合とエネルギー補給のためにホップと朝から市場を荒らしまわった後は、腹ごなしと最終調整のためにポケモンセンター裏のバトルフィールドでホップのウールーとバトルをすることにした。

 

「ウールー、『にどげり』!」

「こっちも『にどげり』だぞ!」

 

「「ンメェェ!」」

 

 ポケモン達も絶好調、きっと今日のジムチャレンジでもその実力を十分に発揮してくれることだろう。

 ウールー同士の『にどげり』が衝突し、拮抗するが最終的にこちらのウールーに軍配が上がった。蹴り上げられたホップのウールーは隙だらけだ。

 

「とどめだ!『にどげり』!」

 

「ンメェェ!」

 

 ボスン!ボスン!と打ち込まれた二連撃でホップのウールーは倒れ伏した。

 

「くそぉ!また負けたぞ!」

「ウールーよく頑張ったな!」

 

「ンメェ!」

 

 ウールーの体を抱きしめる、今日ももふもふは絶好調だ。

 

「お疲れさまだぞウールー」

 

「メぇ…」

 

「今日負けても明日勝てばいいんだ、お前は最強のチャンピオンであるアニキの弟であるオレのポケモンなんだからな。いつかアカツキのウールー達を見返してやるぞ!」

 

「ンメぇぇぇ!」

 

 ホップたちもやる気満々といったところ、太陽に向かって吠えている姿がよく映える。

 

「それじゃあ俺はそろそろスタジアムに行ってくるよ」

「おう、ジムチャレンジ頑張れよ!」

 

 ホップと別れてバウスタジアムに向かった。現在時刻は昼前11時、今から向かえば十分間に合う時間帯だ。

 ポケモンセンターを出てまっすぐ進み、スタジアムに向かうための大通りに出る。この大通り沿いに進んでいけばスタジアムに着くのはすぐだ。

 しばらく道沿いに進んでいると少し騒がしくなって来た。ジムチャレンジ開催期間中はどこも騒がしいがこの騒がしさは有名人がいたとかそんな騒がしさだ、ほらそこの広場に人だかりができている。

 

「ローズ委員長握手して下さーい!」

「サインくださーい!」

「はいはい、みなさんならんでください。わたくしはどこにも行きませんから…」

「委員長!これから向かう先があります!」

 

 人だかりの中心にいたのはラフな格好をした中年のおじさん…いや、帽子とサングラスで隠しているがよく見ればあれは大会運営委員長のローズさんだ。そしてローズさんを叱りつけているのは細身で背の高い女性、すごい貫禄があるが女性だが秘書というやつだろうか。

 そのローズさんの秘書らしき人がファンの人たちに必死に頭を下げていく。

 

「申し訳ございません、委員長は本日もご多忙でして…」

 

「皆様お引き取りを、どうかお引き取りを!!」

 

「そっかー、しょうがないね」

「はーい、委員長またねー」

「ああ!?みんなまだまだサインするよ!?わたくしのリーグカードもあげちゃうよ!?」

 

 秘書さんの言葉でファンの人たちも離れていく。こういうのは聴いても離れないファンばかりと思っていたのだがローズ委員長のファンはとてつもなく聞き分けがいいらしい。

 しかし、何故委員長の方がファンの人を引き留めているのだろう?ふつうは逆じゃないだろうか?

 ファンの人たちが去り、ローズさんは肩をがっくりと下げ残念そうにしている。そして秘書の人の方を向くと顔に手を当てて、秘書の人にむくれながらこう答えた。

 

「まったくオリーヴ君、我々はファンがいるからこそやっていけているというのに邪険にしてはいけないんだよ?」

「委員長…だからこそ彼らファンのために委員長には仕事をしていただきませんと」

「まあそれもそうだけどさぁ…」

 

 秘書の人も先ほどまでの気迫はナリを潜め極めて冷静にローズ委員長を説得している、二人が話し込んでいるとピンクが割り込んでいった。

 

「その通りです!ボクも委員長のために頑張りますから!」

 

 突然現れたピンクにローズさんもオリーヴさん?もびっくりしている。

 

「えーと、君は確か…」

「ビートです!」

「そうそう、ビート君だ。昔ポケモンをあげた時からすると立派になりましたね」

「! 委員長にそう言っていただけて感激です!」

 

 ピンクもといビートはローズさんに褒められ嬉しさを隠しきれないのかすごくテンションが上がっている。話を聞くに委員長からポケモンを譲り受けた時からの関係なのだろうか?

 

 ジムチャレンジについて大まかな報告を手を振り耳を振り委員長に伝えるビート、それをほほえましそうに見つめる委員長、時間がないというのにと言わんばかりにイライラを募らせている秘書のオリーヴさんの模様は傍から見ている分には面白い。

 

「なるほど、順調なようでなによりです。これはジムチャレンジを勝ち残るのは君か…チャンピオンに推薦された三人のトレーナーになるでしょうね」

「委員長にえらばれたボクは誰にも負けません!それでは、所用があるので失礼させていただきます」

 

 ビートは腰を90度に曲げて綺麗なお辞儀をした後スタジアムとは別の方向に歩いて行った。

 

 俺もそろそろスタジアムに向かおう、と思い足を踏み出した瞬間地面に転がっていた木の枝を踏んずけてしまう。踏みつけられた木の枝はバキと音を立てて真っ二つに割れる。その音を聞いたローズさんとオリーブさんがこちらを向いた。

 ローズさんはサングラスで目が隠れているがこちらを見つけると満面の笑みで話しかけてきた。オリーヴさんは額に手を当てて俯いている。

 

「やあやあ、たしか君はアカツキ君だね!」

「そ、そうです。委員長今日はお日柄もよく…」

「ダンデ君が何故君を推薦したのかわたくしも気になっているんだ。そうだ!さすがわたくしだいいことを思いついちゃったよ。君はお昼からジムリーダーのルリナ君に挑戦するよね?ジムバッジを取れたらわたくしがお祝いしよう!君のことをいろいろと知りたいからね!」

 

 ローズ委員長のマシンガントークにうんうんと首を振っていたらいつの間にかジム攻略をしたらお祝いされることになった。大人の人が話している途中には言葉を突っ込めない!

 今まで静観していたオリーヴさんが委員長の話が途切れるとともに話しかけてくる。

 

「委員長そろそろ…」

「うんうんわかったよオリーヴ君。それじゃあアカツキ君、ガラルの未来のために頑張ってくださいね!」

 

 委員長はそのまま海辺に向かって歩いて行ってしまった。すると残っていたオリーブさんが腰からメモ帳を取り出すと俺に向かってこう言ってきた。

 

「委員長はこれから漁業組合の人たちとの合同釣り大会があります」

「うぇ!?釣り大会!?」

「ええ、その後ポケモンセンター近くの高級シーフードレストランで昼食を取られる予定です。ですからあなたもそれまでにジムバッジを勝ち取りなさい。いいですね?」

「あっ、はい」

 

 言うだけ言ってオリーヴさんも「待ってください委員長~!」と行ってしまった。なんだか負けられなくなってしまったがもとより負ける気などさらさらない。負けられない理由が一つ増えただけだと気を引き締めなおしてスタジアムへと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 スタジアムに向かう途中で運営本部から通達が来てなぜか俺が灯台にいるらしきジムリーダーのルリナさんを呼びに行くこととなった。 

 

 スタジアムを素通りし、昨日ユウリと一緒に上った灯台に来てみると水着のようなユニフォームに姿を包んだ女の人が海を眺めていた。ルリナさんだった。

 

 ルリナさんに話しかけると一発で俺の正体を言い当てられた。

 驚いているとどうやら俺達は既にジムリーダー間で有名となっていると聞かされた。

 『ダンデの再来』とも呼ばれ圧倒的な実力を見せつけるユウリ、『リターン・オブ・ダンデ』とも呼ばれ溢れるエネルギーとファンサービスですでにファン層が固まりつつあるホップ。

 

「ところで俺は?」

「あなたにはダンデ直々の渾名があるわ」

「ほんとですか!?」

「あなたの渾名は『カレーの魔術師』よ…意味が分からないわよね?」

「やったぁ!!!」

「えぇ…」

 

 ガラルの頂点に君臨するダンデさん直々に『カレーの魔術師』なんて渾名を貰ったということはもう実質俺はカレーマスターなのでは?いやいや、まだだ!ダンデさんを降し、チャンピオンとなった時俺はやっと自分の実力でカレーの頂にたどり着けたといえるのではなかろうか!?

 うんうん俺が唸っているとそろそろ行きましょうかと少し引き気味のルリナさんに言われたのでスタジアムに向かった。ついでにリーグカードを貰った。

 

 

 スタジアムは既に超満員、ユニフォームを身にまといロビーで待機する。

 既に二回目のジムチャレンジだ、前回ほどの緊張はない。待っている間何人かから声を掛けられた。

 

 一人目は筋肉ボールことボールガイ。

 

「はぁ~い、毎度おなじみボールガイだボル~♪」

「…なんでここに?まだターフジムを挑戦してるジムチャレンジャーもたくさんいるよ?」

「ボールガイはいつでもどこでもジムチャレンジャーにボールをあげるために赴くボル~♪」

 

 そういってボールガイはルアーボールという釣り上げたポケモンを捕まえやすくなる珍しいボールを押し付けてスタジアムの外へと出て行ってしまった。まさかこのままターフタウンのジムチャレンジャーにまでボールを?自転車があっても片道半日近くはかかる場所にまで?

 

「…深く考えるのやめよう」

 

 アカツキは考えることをやめた。

 

 二人目はホップ、オクタン焼きを食っている。

 

「ふぁふぁふふぃ、ふぉふぁふぇふぉふふふぁ?」

「食べてから話してよ」

「ゴックン。アカツキ、お前も食べるか?」

「ありがたいけど遠慮しとく、今食べるとチャレンジ中にせり上がってきそうだし」

「そうか、応援してるぞ」

 

 そういってホップもスタジアムの外へと出ていった、またバウタウンの旨いもの巡りにでも行ったのだろう。

 

 そして三人目。

 

「アカツキ選手!ルリナさんに勝ってくださいね!約束ですよ!」

「あ、ありがとう」

 

 やけに押しの強いファンの子に声を掛けられた。どうやらターフジムでの戦いを間近で見て、俺のファンになってくれたという。こうして正面から応援されるというのは嬉しい反面、少しむず痒かった。

 それでもこんな俺のためにわざわざ見に来てくれたというのだからさらに気が引き締まる。

 

『――ジムチャレンジャー、アカツキ様。ジムチャレンジャー、アカツキ様。用意が整いましたのでユニフォームに着替え、ロビー中央の入場口までお越しください』

 

 召集のアナウンスが響き周りの視線がこちらに向いてくる。一歩一歩入場口に進むたび周りからの視線が濃くなってくる感じがする。

 

 受付で確認を済ませ入場口から通路へのドアが開かれる。

 

「それではジムミッションをどうぞ!」

 

 受付の人の言葉を背に受けてドアをくぐる。

 通路を進んでいくと依然と同じく大きな扉が道を塞いでいる。

 

『ジムチャレンジャー、承認。ジムミッションを開始します』

 

 電子的なアナウンスとともに扉が開かれる、それとともに轟々と大きな水が叩きつけられる音が耳を打つ。

 目の前に広がるは巨大なプールとその上に建造された巨大な迷路、そして目を引く天井より降り注ぐ大量の水。

 

「おもしろいね」

 

 今ここにバウジムのジムミッションが開始した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 入り口からの階段を降り、迷路に足を踏み入れる。

 迷路という割には視界を塞ぐ壁などはなくむしろ明け透けの空間だ。天井に張り巡らされたパイプから流れる水が道を塞いでいるがあれがその迷路のカギなのだろうか?

 

「それではアカツキ選手、このジムミッションのルール説明をさせていただきます」

「あれ?ダンペイさん?」

 

 ターフジムでレフェリーを務めていたダンペイさんがこちらのジムでもレフェリーを務めていた。

 

「いえ、私はダンペイの二つ下の弟のバンペイです」

「弟!?」

「ええ、わたくしたちは10人兄弟で上からアンペイ、ガンペイ、ザンペイ、ダンペイ、ナンペイ、バンペイ、マンペイ、ランペイ、ワンペイとなっております」

「…もしかして他のジムのレフェリーも?」

「ええ、わたくしたち兄弟が取り仕切らせていただいています!」

 

 衝撃の事実に面食らうがポケモンセンターのジョーイさんなんて顔と名前まで一緒なことを思い出して納得する。

 

「それでは改めまして、レフェリーを務めさせていただくバンペイです。以後、お見知りおきを」

 

 バンペイさんからジムチャレンジについての説明を受けた。

 このジムチャレンジでは迷路を進んでいき設置されているボタンを押して、降り注ぐ水をうまく制御しながらゴールまでたどり着くというものらしい。よく見れば水を吐き出しているパイプには赤青黄の色がついており、迷路中に設置されているボタンも同じ色だという。

 

「(ボタンを押せば同じ色のパイプの水が止まる…そんなところかな)」

「それではよいでしょうか?」

「大丈夫です!」

「では、ジムミッションスタートです!」

 

 ピピー!というホイッスルの音とともにジムミッションが開始される。

 ひとまず水が道を塞いでいないルートを抜けてボタンを探す。ところどころ道の一部が格子状の金網になっているのは何か関係があるのだろうか?

 考え事をしながら進んでいくと赤色のボタンを見つけた。しかし、

 

「アハハ、ようこそバウスタジアムへ!私のポケモンの綺麗な水技浴びていかない!」

「さっそくか!」

 

 ジムチャレンジャーの行く手を阻むジムトレーナーがボタンの前に陣取っていた。

 このバウジムのユニフォームは水着を模したものらしく他のユニフォームに比べて圧倒的に肌色の面積が多い。まあまだ10歳になったばかりの俺は興味ないけどね!

 

「うちの名前はナミエ!そしてこの子はオタマロ!」

 

 ジムトレーナーのナミエが投げたダイブボールから姿を現したのはおたまポケモンのオタマロ。オタマロは迷路の下に広がるプールの中に飛び込み身を隠した。

 

「なるほど、そのためのプールか!」

「そういうこと!君にこのバウスタジアムが攻略できるかな!」

「攻略してみせるさ。いけ、メッソン!水の中を追いかけろ!」

 

 こちらも同じく水タイプのメッソンを繰り出し水の中へと潜る。これで五分と五分、相手だけ有利ということにはならない。

 

「メッソン、『みずのはどう』」

 

 水中で作られた『みずのはどう』はいつもより大きい。そして放たれた『みずのはどう』は周囲の水をまきこんでさらに強力になっていく。

 

「オタマロ!流水を壁にしなさい!」

 

 オタマロが逃げた先はなんと上から水が流れている場所の真下。どうやら金網部分の場所は上から降ってくる水を下に流すための場所であるようだ。

 『みずのはどう』は上からの流水に押しつぶされかき消される。近くに居るオタマロも無事では済まないと思っていたが、適切な距離をとることで攻撃を防ぐ壁として利用している。ここのジムトレーナーならではといった防御方法だ。

 

「オタマロ、『エコーボイス』!」

 

「マロマロマロ!」

 

 オタマロが流水から離れ音の波動を出す。水の中では防ぎようがなくメッソンは攻撃を受けてしまう。

 

「もっともっとよ!『エコーボイス』!」

 

 なおもオタマロは音を発し続ける。『りんしょう』などとは違い、旋律すらないただの音波攻撃だ。

 そしてこの『エコーボイス』も使えば使うほど威力の増す技、何とかしないとじり貧になってしまう。

 

「メッソン、『みずのはどう』!」

 

「メッソ!」

 

 再び放った『みずのはどう』だが『エコーボイス』を切り上げたオタマロが流水に身を隠してまた防がれてしまう。あの流水をどうにかしなければこちらの勝ち目はないのか!

 

「まだまだ!『エコーボイス』!」

「さっきからそればっかり!」

「アハハ!実はこの子には音技しか覚えさせてません!」

「さっき『水技浴びていかない!』とか言ってたくせに!」

 

 どうやらオタマロが使える技は『エコーボイス』『りんしょう』『ちょうおんぱ』らしい、水技とは一体?

 だが厄介なのは変わらない、今は『エコーボイス』一辺倒だが『ちょうおんぱ』などで混乱させられれば戦いはますます不利になってしまう。なんとかあの水を止める手立てはないものかと見まわし、それを見つけた。

 

「そろそろ行っちゃうよ、『ちょうおんぱ』!」

「くっそ、イチかバチかで『みずのはどう』!」

 

 オタマロが『ちょうおんぱ』を止め、またしても流水に身を隠す。俺はその間に腰を低くし、一気に走り込むとナミエの横をするりと抜けて赤いボタンへ手を伸ばした。

 

「あ、ズッコイ!」

 

 俺の手がボタンを押すとともにオタマロが身を隠していた赤パイプ放水が止まり、近くにあった別の赤パイプから水が勢いよく吐き出される。どうやら金網がある場所は上から水が降ってくる場所でもあるようだ

 

 突然止まった流水にオタマロが右往左往しているところにメッソンの『みずのはどう』が直撃した。効果はいまひとつだったがなんと今の『みずのはどう』でオタマロが混乱してしまったようだ。

 

「オタマロ!?」

「いけ、『しめつける』」

 

 オタマロの体をメッソンのしっぽが包み込み締め上げる。しばらくじたばたとしていたオタマロだがやがて動きがぱたりと止まり、目を回したオタマロがプカリと浮いてきた。

 

『オタマロ戦闘不能。アカツキ選手の勝利』

 

「うっそ、洗礼を受けたのはうちとオタマロのコンビ!?」

 

 なんとかオタマロを倒したがこのスタジアムは油断がならないということがはっきり分かった。

 

「ナミエ、良いバトルだった」

「ぶー、あんな方法で破るなんて反則だよ!」

「あんな初見殺しの防御してくる相手に言われたくないよ…」

 

 口を膨らませてぶーたれるナミエだったがすぐに機嫌を直し、笑顔で送り出してくれた。

 

 ナミエとのバトルで分かったことは二つ。

 このスタジアムでは水タイプのポケモンが絶対的に有利だということ。水に隠れられればまともに攻撃ができない、特にロコンの炎技など水の温度を上げるくらいにしかならないだろう。

 そしてこの轟々と天井から流れ出てくる水。ボタンを押すと同じ色のパイプの水が止まり、別のパイプから水が流れ出すということらしい。流水の壁も厄介この上ないのでなるべく今の様にバトルの隙をついてボタンを押し、無力化していきたいところだ。

 

 今押した赤いボタンで止まった流水の先に黄色のボタンが現れる、それを押せば放水が止まり先の道が開く。

 カラクリがわかれば簡単だが偶にボタンを押したことで道が塞がれるという事態にも陥る、きちんと考えて進んでいかねば今自分がどこにいてどのボタンを押せばいいのかがわからなくなってしまう構造だ。

 

「迷路とはよく言ったものだね…っと」

「どうやら気がついたようね、このミッションの仕組みに」

 

 新しいボタンを見つければまたもやジムトレーナーがその前に陣取っていた。

 

「私の名前はサワコ!勝負よ、チャレンジャー!」

「望むところだ!頼んだ、ウールー!」

 

「ラ、ブ」

「メェェェ!」

 

 ジムトレーナーのサワコが出してきたポケモンはクラブ、大きなハサミが特徴的なさわがにポケモンだ。

 

「クラブ、『かたくなる』」

「ウールー、『にどげり』!」

 

 クラブを殻を硬質化させ防御力をあげる、ウールーの自慢の『にどげり』を食らってもピンピンしていた。

 

「クラブ、『メタルクロー』」

 

「クラッブ!」

 

 攻撃を受け切ったクラブがハサミは掲げジャキジャキと音を鳴らす。先ほどの硬質化どころではない、鉄と化したクラブの鋏がウールーの体毛を切り刻もうと襲い掛かってくる。

 

「ウールー、『にどげり』で迎え撃て!」

 

「ンメェェ!」

 

 クラブの二振りの鋏とウールーの二本の脚が互いにぶつかり合い甲高い音を響かせる。

 しかし、ついにその均衡が破かれウールーの自慢の体毛がバッサリ切り裂かれてしまった。

 

「ンメェ!?」

 

「そのまま『メタルクロー』!」

 

 もふもふの体毛を失った部分に強烈な『メタルクロー』がヒットすると、ズザザっと音をたててウールーが後ずさりをする。見れば体毛が切り裂かれた部分が丸っと剥げてしまっている。

 ウールーは攻撃によるダメージのせいか、それとも自慢の体毛を失ったからなのか大きく鳴き声を上げる。

 

「ンメメメェェェ!!!」

 

 怒り狂ったウールーはまたしても俺の指示を無視してクラブに突撃する、突撃を食らったクラブがはねとばされる、まるで車の突進だ。

 

 図鑑を確認してみると、怒りのエネルギーで『たいあたり』が『ずつき』に進化したようだ。もうけもうけ。

 

 以前『やすらぎのすず』をヨクバリスに奪われた時といいこいつはけっこう怒りっぽい性格みたいだ。ジムチャレンジの途中だが怒りが収まるまではウールーの好きにさせようと静観の姿勢に入る。

 

「ちょっと、自分のポケモンが暴れてるのに見てるだけってどういうことです!?」

「好きにさせた方がいいかなって。それより…よそ見してていいんですか?」

「!」

「うちのウールー、強いですよ?」

 

 『ずつき』でひるんだクラブの元へウールーが最短最速で迫る。反射的にクラブがハサミを盾にするがハサミごと『ずつき』で吹き飛ばした。なんというパワーだ。

 吹き飛ばされたクラブが態勢を立て直し、ハサミから『バブルこうせん』を放ってきた。近接だけではなくしっかり遠距離技も備えているようだ。

 

「ンメェ!」

 

 負けじとウールーはお得意の『まねっこ』を発動。水色のオーラに包まれたウールーの口から『バブルこうせん』が吐き出され、泡と泡がぶつかり合い爆発を起こす。

 

「ンメェ!」

 

 その爆発を振り切り煙の中からウールーが顔を出す。

 いまだ爆風の衝撃から立て直していなかったクラブに渾身の『ずつき』が直撃した。

 

「クラブ!」

 

『クラブ戦闘不能。ウールーの勝ち』

 

「そろそろ落ち着いたか?」

 

「……メェ」

 

 怒り任せに『ずつき』を乱発したことウールーだが相手が倒れたことで頭が冷えたようだ。爆風と煙の中を無理やりつっきたことで綺麗な体毛が所々煤けてしまっている。

 

「安心しろって、ちゃんと毛は生えてくるから」

 

「メェェ……」

 

「大丈夫大丈夫、ほらキレイキレイ」

 

 煤を掃ってあげれば白く綺麗な毛が戻ってくる。切り取られた部分はかわいそうだが今は気にしていられない、まだサワコの目には闘志が込められているからだ。

 

「まだよ、ヘイガニ!」

 

 サワコの二体目のポケモンはヘイガニ、こちらも立派なハサミを携えたポケモンだ。

 

「ヘイガニ、『バブルこうせん』」

 

「ヘイ…ガァ!」

 

 ヘイガニのハサミから破壊力の込められた泡打ち出される。

 ウールーは走り回ることでその破壊の泡を躱していく。ふと泡の一部が降り注ぐ水の柱に引き寄せられていくのが見えた、その動きを眼で追っていると不自然に動きが逸れていった。

 

「これだ!ウールー、戻れ」

 

 ウールーをボールに戻して、アオガラスを呼び出す。

 

「アオガラス、吹き飛ばせ!」

 

 『バブルこうせん』がいくら高い破壊力を持っていようとその形はふわふわと浮かぶ泡だ、それは降り注ぐ水の柱の周りにできた気流に流されるほどに軽い。

 案の定アオガラスが羽ばたき発生させた風で泡は吹き飛ばされていく。それもヘイガニの方へ。

 

「ヘイガニ、『かたくなる』よ」

 

 クラブと同じく自衛技を持っていたか。硬くなった殻は『バブルこうせん』の爆発にもびくともしていない。

 

「でも動けないならチャンスだ、『つめとぎ』!」

 

 ヘイガニが泡に囲まれ動けないでいる隙をついてアオガラスの攻撃力をあげる。今ヘイガニが動けば追撃が可能だが、『かたくなる』を解除すれば泡の爆発に巻き込まれてしまうことに気が付きサワコは指示が出せないでいる。

 

「くっ!」

「攻撃力は十分に上がった!アオガラス、吹き飛ばせ!」

 

「アーガァ!」

 

 『つめとぎ』を終わらせたアオガラスが羽を羽ばたかせヘイガニごと泡を吹き飛ばす。吹き飛ばされないように踏ん張っていたヘイガニだがついには強風に逆らえず吹き飛ばされた。

 

「そこだ、『ついばむ』!」

 

 態勢を崩したヘイガニに向けて一気に距離を詰める。

 攻撃力を大きく高めたアオガラスの『ついばむ』はヘイガニの硬くなった殻を突き破り致命傷を与える。

 

「ヘイガニ、ハサミで捕まえるのよ!」

「させるか、空に逃げろ!」

 

 ハサミでアオガラスの羽根を掴もうとしたヘイガニだが『つめとぎ』で鋭くなった爪で抵抗され、さらに『ついばむ』でのダメージが大きかったのか顔をしかめて動きを止めてしまう。

 その隙にアオガラスは十分な距離を取りヘイガニの射程距離から離脱する。反撃の機会を逃したサワコが唇を噛み悔しそうにしているのが見えた。

 

「『みだれづき』!」

「『ダブルアタック』!」

 

 くちばしを鋭く尖らせたアオガラスの連撃にヘイガニも負けじとハサミを握り締め対抗する。

 手数はアオガラス、パワーはヘイガニ。そのはずだったが『つめとぎ』によって研ぎ澄まされた力と感覚がハサミを撥ね退け、『みだれづき』が『ついばむ』でひび割れたヘイガニの殻を粉々に破壊した。

 

「ヘイガニ!」

 

『ヘイガニ戦闘不能。アカツキ選手の勝利』

 

「ふぅ」

 

 さきほどのナミエの水中戦とは違い今回は絡めてのない陸上戦、水の中でもないのにこの強さということは水の中ならどれほど厄介だったことか。

 甲殻類の硬い殻と凶悪なハサミ、一度相手のペースに乗せられればこちらもかなり追い詰められていただろう。

 

「的確な判断に、この迷路を理解する頭の速さ。私からはもう何も言うことはありません。どうかジムチャレンジ頑張ってください」

「ありがとう、君のポケモン達も強かったよ」

「もっともっと大きく強靭になったハサミで、今度こそあなたのポケモンを引き裂いてあげます」

「そのときは俺のウールーももっと体毛を増やしてハサミを使い物にならなくさせてあげる」

 

 丁寧な口調とは裏腹に悔しさをあらわにするサワコ、あれがキングラーやシザリガーともなれば恐ろしい強敵となるだろうと思いながら先に進んだ。

 

 しばらく迷路を進み、なんとかゴールの目の前にまでたどり着く。が、

 

「ここまできてまた流水の壁か」

 

 ゴールは目の前、だが、三本もの流水が流れ落ちその出口を塞いでいる。その流水を止めるであろうボタンはすぐ目に届くところにもあった。ここまで来ればわかっていたが、

 

「ええー!ここまで来ちゃったの!?」

 

 当然最後のボタンを守るジムトレーナーもいた。

 

「…ご、ごほん。失礼しました。あたしはヨウコ、このジムミッション最後のジムトレーナーです」

「質問だけど、そのボタンを押せば出口が開くの?」

「ええ、ただしあたしとこの子たちを倒せば、ですけどね!」

 

 ジムトレーナーのヨウコさんはそういうと一度に二つのボールを投げだした。

 

「最後はあたしのポケモン達と二対二の勝負をしてもらいます、構いませんよね?」

 

 ヨウコさんの出したポケモン、一匹はテッポウオそしてもう一匹はカムカメだ。

 テッポウオは水がない場所ではまともに動けない、カムカメも陸上では非常に動きの鈍いポケモンだ。しかしこのプールが広がるフィールドではその弱点もかき消される、二匹はさっそく水の中へと潜っていった。

 

「わかりました。じゃあこっちはメッソン、それにワンパチ!」

 

 水中でのダブルバトルが切って落とされた。

 メッソンとテッポウオはすいすいと水の中を泳いでいく。ワンパチは顔を上に出し短い前足で犬掻きして泳いでいる、かわいい。そしてカムカメだが、

 

「やっぱり水の中じゃ速いか!」

「カムカメ、『かみつく』。テッポウオ、『みずでっぽう』」

「ワンパチ、『かみつく』。メッソン、『みずでっぽう』」

 

 互いに同じ技の応酬、しかし水中ではやはり相手に一日以上の長があった。

 

 水の中を自由に動けるカムカメはワンパチの『かみつく』を華麗に躱し、丸っこいお尻に噛みついた。あまりの顎の力にワンパチは犬掻きをやめてしまいそのまま水中へと引きずり込まれてしまった。

 対してメッソンとテッポウオ、互いに『みずでっぽう』の撃ち合いが続くが『鉄砲』の名を関するだけあって精度にスピード、どちらもテッポウオが勝っている。

 

 このままではワンパチは水中でなすすべもなくやられ、メッソンもいずれは打ち合いで押し負けてしまう。それだけは避けなければいけない。

 

「ワンパチ、『スパーク』だ!」

 

「(ワッパ!)」

 

 水中に引きずり込まれたワンパチはお尻の激痛に耐えながらなんとか体から電気をひねり出す。

 ワンパチの体に噛みついていたカムカメは『スパーク』による電撃をもろに食らい、噛みつきをやめてしまう。

 

「ワンパチ、とりあえず上に戻れ!」

 

 不安定な水中、それも呼吸なしの状態で無理やり『スパーク』を使いかなりの体力を使っている。早く呼吸をしなければワンパチが危ない。

 しかし相手はそれを許さない。カムカメは水面を目指してもがくワンパチめがけて泳ぎ始めた。

 ワンパチはその短い手足で水面を目指すがこのままではカムカメの泳ぐスピードに追い付かれてしまう、ポケモンの体形的な問題がここにきて現れてしまった。

 ついにカムカメはあと一歩のところまで追い付いてきた。そして大きく口を開き、自慢の顎で噛みつこうとする。

 

 その瞬間ワンパチが吠えた。

 水中の中でほえられるはずがないとはわかっているがそれでも吠える声が聞こえたのだ。声が聞こえた瞬間、白く水中が光りはじめる。『スパーク』によって発生する黄色い光ではない、これはもっと普遍的な、どんなポケモンでも出すことができる進化の光だ。

 

 光輝いた水中から一匹のポケモンが飛び出してくる。

 フォルムは四足歩行、すらりと長い前脚と後ろ脚が見える。水しぶきをあげて飛び出してきたポケモンはそのまま水面の上を駆ける。驚きだがあれはただただ速いスピードで体が沈む前に水面を蹴って移動しているのだ!

 

 ポケモンは水面を蹴り再び大ジャンプ、プールを離れ俺の目の前に飛び込んできた。

 

「お前…ワンパチ?」

 

「ワンパ!」

 

 ワンパチはすらりと長い脚を携えたパルスワンへと進化してしまった。あの極限の条件下で一秒でも早く水面を目指すため長い手足を欲したが故の奇跡なのだろうか?

 

「ワンパチ…いや、パルスワン。いけるか?」

 

「パルゥ!ワン!」

 

「よし!走れ、パルスワン!」

 

 進化したパルスワンはその長くなった脚に力を入れて走りだす、その圧倒的なスピードは水面を駆けることができるほどだ。

 水面を走り回るパルスワンを捉えることができずカムカメもメッソンと撃ち合いをしているテッポウオも顔を右往左往している。

 

「パルスワン、カムカメに『スパーク』!」

 

「ワォン!」

 

 ひときわ高く跳ね上がったパルスワンの体を電撃が包み込む。

 バシャァン!と大きな音を立てて水にもぐりこんだパルスワンはカムカメを見つけると長い脚で水を蹴るようにして加速する。先ほどまでのワンパチでは出せないスピードの応酬にカムカメは反応できず『スパーク』の直撃を受けてしまった。

 

 感電したカムカメを咥えて出てきたパルスワンが再び水面を走り俺の前まで来る。褒めて褒めてと獲物の様に差し出してくる。既にカムカメは戦闘不能となっていた。

 

 

『カムカメ戦闘不能。パルスワンの勝ち』

 

「そ、そんなのありぃ?」

 

 ヨウコさんも突然進化した一連のパルスワンの動きについていけずへたり込んでしまう。それほどまでに今のパルスワンは速い。

 

「あとはテッポウオだ、頼んだぞ!」

 

「ワォン!」

 

 再びパルスワンはプールに向かって飛び出していった。

 

 テッポウオとメッソンの撃ち合いはいつの間にかメッソンが大きく不利となっていた。

 テッポウオの技は『みずでっぽう』の他に『オーロラビーム』『サイケこうせん』と遠距離だけに特化した仕様となっており技のレパートリーでも射撃技術でも大きく劣っていたメッソンは劣勢を強いられていた。だがそこで負けではなく劣勢で終わらせるのがうちのメッソンのすごいところ、引き伸ばした分が今チャンスとなって帰ってきた。

 

「メッソン!パルスワンの背中に乗れ!」

 

「メッソ!」

「パルゥ!」

 

 水中から飛び出し跳ね上がるメッソン。立派になったパルスワンに負けていられないと奮起したその瞬間、またしてもフィールドが輝き始める。

 

 パルスワンが光に目を瞑りながらも水面を駆けていると、ドスンと大きな音を立てて何かが背中に落ちてきていた。突然の重量に沈み込みそうになるが何とかパルスワンは走り続ける。

 パルスワンの背中にまたがっているポケモンは青い体を持ち、伸びた頭のヒレが右目を隠している。不敵な笑みを浮かべながら右手に生みだした水の玉でお手玉をしている。

 

「あれは…」

 

 図鑑で確認をしてみた。

 ジメレオン、メッソンの進化系のポケモン、隠れた片目と不敵な笑みが特徴的だ。何はともあれこの土壇場で二匹がほぼ同時に進化を遂げたのだ、嬉しくないわけがなかった。

 

「いけぇ、ジメレオン!パルスワン!」

 

「メレォン!」

「ワォン!」

 

 二匹は水上を駆け回りテッポウオの狙撃を躱していく。パルスワンのスピードを捉えられずテッポウオが苦心していると、そこに球体上の『みずでっぽう』が叩きつけられる。

 ジメレオンは進化したことで口からではなく手のひらから水球として『みずでっぽう』を放てるようになったのだ。さらに変わったのはそれだけではない!

 

「ジメレオン、『みずのはどう』!」

 

「メレォォン!」

 

 ジメレオンが両腕を掲げると片手ずつに大きな水球が生まれる。進化したことで『みずのはどう』を一度に二発作れるようになったのだ、無論『みずでっぽう』も同じ要領で作ることが可能らしい。

 

 二発の『みずのはどう』がテッポウオを襲うがなんとか泳いで逃げ切っていた。

 テッポウオが再び狙いをつけるため水面から顔を出す。走り回るパルスワンの背中のジメレオンめがけて狙いを…

 

「ポウォ?」

 

「『ふいうち』」

 

「レォン!」

 

「ポォウオォ!?」

 

 『みずのはどう』を打った後、背中から降りて水中に身を隠していたジメレオンの『ふいうち』がテッポウオを捉えた。標的の喪失と突然横からきた『ふいうち』でテッポウオが意識を手放しかけるがなんとか踏みとどまり空中でその照準をジメレオンに合わせる。テッポウオの口から『サイケこうせん』が放たれそうになった瞬間、後ろからバシャバシャと音を立て大きな口を開いたパルスワンが飛びあがってきていた。

 

「パルスワン、『かみつく』!」

 

 新たに獲得したパルスワンの『がんじょうあご』、かみつき系列の技の威力をあげるカムカメも持っていた強力な特性だ。

 テッポウオを咥えたパルスワンが再び俺のもとに捕まえた獲物を持ってきた。今の『かみつく』でテッポウオも戦闘不能となっていた。

 

『テッポウオ戦闘不能。アカツキ選手の勝利』

 

 レフェリーのバンペイさんから戦闘の終了が言い渡される。

 ヨウコさんを見るともう真っ白になっていた。一度のバトルでポケモンが二回も進化、押していたはずのバトルをすべて逆転されるなんて俺だって悪夢にしかならない。

 とりあえず真っ白になっていたヨウコさんの代わりにテッポウオとカムカメをボールに戻しておいた。

 

「よし!」

 

 ボタンを守護する最後のジムトレーナーも倒した。俺は行く手を塞ぐ流水の前に立ち、設置されているボタンを押した。

 ボタンを押すと道を塞いでいたすべての流水が止まり、出口が姿を現した。

 

『アカツキ選手!ジムミッション達成です!』

 

『うおぉぉぉぉぉお!!!』

 

 道が開くと同時にジムミッション達成のアナウンスが流れる。そしてこの先に待つスタジアムのコートから観客の歓声も響いてきた。

 

 しばらくは今のジムミッションの映像が流れて、ジムチャレンジャーには一時の休憩が与えられる。怒涛の展開に着かれていたのは俺もだったのでそれがありがたかった。

 

 

 休憩室で立派になった仲間たちと休息をとる。

 なんとか突破したジムミッションだがここからが本番、ルリナさんとの勝負はもう目前だ!

 

 

 




二話投稿しようと思っていたら二話分の分量の一話になっていた。ジムトレーナーとの戦いは文字量使いますね。
明日も頑張ります!
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