剣盾旅記録   作:鳴神ハルキ

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6、ポケモン図鑑

新しい仲間、ウールーを手に入れたアカツキたちはそのあしでポケモン研究所を目指す。

 

「それにしてもアカツキもウールーを手に入れるとはな、俺のウールーともバトルさせたいぞ」

「俺のウールーも強いよ、多分ホップのウールーよりもね」

「お、言ったな?なら図鑑を貰ったらさっそく勝負だ!」

「いいぞホップ、その調子でどんどんバトルしていけよ。と、そろそろ研究所に着くぞ」

 

ブラッシータウン入口すぐの駅を抜け、まっすぐ東に進むと大きな紫色の屋根を持つ屋敷が見えてくる。何度か近くまで来たことはあるが入るのは初めてだなと思いながらアカツキ達はポケモン研究所に足を踏み入れた。入り口をくぐるとすぐ沢山の書物が目に入る。壁一面に並べられた本の数に圧倒される、するとダンデをめがけて犬型のポケモンが走り寄ってきた。ポケモンはダンデの周りをぐるぐる回って遊んでいるらしい。

 

「ちょっとダンデ君、今日は何の用事?」

 

すると二階の書斎から声がかかる。アカツキ達が顔をあげれば階段から一人の女性が下りてくる。髪を片方でまとめた所謂サイドテールといわれる髪の女性はダンデの顔を見るなり苦言をこぼす。

 

「まだ見ぬ最強のポケモンを知りたいとかそういう無茶はやめてほしいんだけど」

「よう、ソニア久しぶり!」

「ええそうね、久しぶりね」

「彼女の名前はソニア、そしてこのポケモンはワンパチというんだ。道に迷った俺を何度も助けてくれる頼れるポケモンさ!」

「イヌヌヌワ!」

「ワンパチじゃなくてわたしもなんですけど!」

「こんなのでも彼女の手料理はてばやく食べられてうまいんだぜ!」

「あーも!話聞いてよ!昔一緒にジムチャレンジに参加した時からほんとう人の話を聞かないんだから…」

 

自分のペースを崩さないダンデに頭を抱えるソニア、彼女もかつてはジムチャレンジに参加したことがあるらしい。そんなソニアはアカツキ達に気が付くと少し顔を赤らめながらコホンと息を整え、自己紹介を始める。

 

「はじめまして、私の名前はソニア。この研究所で博士の助手をしています」

「こちらはアカツキ、と知ってると思うが俺の弟のホップとユウリちゃんだ。ほらみんな元気に挨拶だ!」

「「「よろしくおねさーす」」」

「なんかノリ軽くない!?ダンデ君がいるといっつも調子狂うんだから!」

「冗談だって、久しぶりだぞソニア」

「ごめんなさいソニアさんちょっとした悪戯心です」

「俺はなんか二人のノリに合わせちゃって…すいません」

 

ホップはダンデとのつながりもあり、ユウリも既に彼女からポケモン図鑑を貰っている経歴から見知った仲のようだ。

ポケモン研究所の助手と聞いて堅苦しい人を連想したアカツキだったがダンデとのやり取りからそこまで気難しい人ではないと感じたようだ。4人のボケに晒され突っ込み疲れたのかソニアは息を切らせる、第一印象は「まじめな弄られ体質」だろうか。

 

「というわけでソニア、新米トレーナーになったアカツキとホップに色々教えてやってくれ」

「…まあ、それもわたしの仕事だもんね」

「俺は一足先に博士の家に行ってるから後は頼んだぜ」

「あたしももうソニアさんから一通りのことは教わってるからダンデさんと行っとくわね」

 

嵐のようなダンデ&ユウリペアが去ったことで研究所が静寂を取り戻す。とりあえず座ってと椅子に誘導されたアカツキとホップはソニアからトレーナーについて学ぶこととなった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「……というわけでトレーナーにはきちんとポケモンについて正しい知識が必要ってわけね、わかった?」

「俺もっとウールーとヒバニーについて知りたいぞ!」

「俺もメッソンとウールーのこともっと知りたくなりました!」

「よろしい、じゃあ二人ともスマホを貸してくれる?」

 

そう言って二人のスマホを預かったソニアがいくつか操作をするとピロリン♪という音とともにスマホに新しい機能が追加されていた。

 

「これがポケモン図鑑、ちょっと前までは専用の機械だったんだけど最近ではスマホでもできるようななったのよね」

 

そういってソニアが自分のスマホを取り出し近くで遊んでいたワンパチに向けてカメラをあわせる。するとポケモン図鑑が自動で表示されワンパチについての細かなデータを映し出していく。

 

「すごいですね」

「でしょ、じゃあ次は自分のポケモンをスキャンしてみて」

 

そういわれてモンスターボールから出したメッソンにカメラを合わせると、メッソンについての詳細なデータが映し出される。

 

「メッソン、みずとかげポケモン。『おびえると タマネギ100コぶんの さいるいせいぶんを もつ なみだを ながして もらいなき させる。』ってお前そんな能力持ってたのか!?」

 

「?」

 

メッソンは首をかしげている、本人にも自覚はないようだ。

驚きの生態に仰天したアカツキは図鑑を再度見ていると説明欄の下に新たな項目ができていることに気が付く。

 

「ソニアさん、この下の項目は何ですか?」

「それはねポケモンの持っている技を確認する機能よ。モンスターボールとポケモン図鑑は連動しててね、持ち主の図鑑でポケモンの技を確認できるようになってるの」

「それは便利ですね」

「ただし、野生のポケモンや他人のポケモンの技はわからないようになってるから注意するのよ」

 

ソニアの忠告を心のメモ帳に書き記す。

改めて図鑑を見るとどうやらメッソンは『はたく』、『なきごえ』、『みずでっぽう』に加えて新しく『しめつける』を覚えたようだ。アカツキがしめつけるを指示してみると肩に乗り移ったメッソンが巻いているしっぽを伸ばしてアカツキの顔を締め上げた。

 

「うわぁぁ、痛い痛い!」

「はは、馬鹿だなアカツキ。お、ヒバニーは新しく『でんこうせっか』を覚えたんだな」

 

「ヒバ!」

 

ヒバニーはそれを指示と受け取ったのか目にもとまらぬ速さで動くとホップの胸めがけて突撃する。ホップはヒバニーを受け止めきれずに数メートル吹き飛ばされてしまう。

 

「うごご、ヒバニーお前いきなりはやめるんだぞ」

 

「ヒバ?」

 

指示に従っただけなのに、と首をかしげるヒバニーであった。

メッソンのしっぽからなんとか脱出したアカツキは次いでウールーをスキャンする。先ほどと同じようにウールーの詳細なデータと技データが表示されると、ふとアカツキは見慣れない技を見つける。

 

「あの、この『まねっこ』ってどういう技なんですか?」

「そうね、『まねっこ』なんて中々大会でも使われないし珍しいわよね」

 

『まねっこ』とは直前に出された相手か自分の技を即座にコピーして使うことができる技である。本来なら使えない技を使うことで相手の意表を突くことができる強力な技であるが同時にタイミングの非常に難しい技でもある。

 

「…そうか、ヨクバリスとのバトルで最後に使ったあれが『まねっこ』だったのか」

 

ヨクバリスを倒したシーンを思い出す。

ヨクバリスの上空をとったウールーの体が白く光ったかと思えばすさまじいスピードとなり上からヨクバリスを踏みつぶした光景が思い出される。今思えば不思議な光景だったがあれは『まねっこ』で直前の『のしかかり』をコピーしたものだったのだろう。このウールー、普段ののほほんとした態度とは裏腹にバトルになるととても機転が利くようだ。

 

 

「コホン、そのポケモン図鑑はわたしのおばあさまからのプレゼントだったりします。おばあさまは二番道路を越えた先にいるだろうからちゃんとお礼を言うのよ」

「わかったぞ!先に行って待ってるからなアカツキ!」

「ああもう…ソニアさん色々ありがとうございました。待ってよホップ!」

 

ポケモン図鑑を片手に飛び出していくホップ、遅れてアカツキも飛び出していく。その行動力に呆れながらも開いたままのドアを見てソニアは言葉をこぼす。

 

「はぁ、眩しいわね。…ダンデ君は立派なチャンピオン、あたしは博士の助手。あくまでも自称助手…なんかスッキリしないなぁ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ブラッシータウンを抜け二番道路にやってきたアカツキ、途中きのみショップに寄り道していたことでホップには完全に置いて行かれてしまった。

しばらく二番道路を進んだところでさすがに疲れたのか休憩に入る。既に時刻は昼を過ぎておやつ時に差し掛かっている、アカツキは適当な木陰に座り込むときのみショップで買い付けた新鮮なモモンの実を口に運ぶ。

 

「ん~、甘くてジューシーで美味しいな」

 

新鮮なきのみはやはり果汁が違うとばかりに噛めば噛むほどに汁が溢れてくる。一つ目の木の実を食べ終えたところで二つ目に手を伸ばしたアカツキだがどうにも木の実を入れた袋が見当たらない。まさかと思いあたりを見渡すと鳥のようなポケモンが袋を抱えて飛んでいる、貰ったばかりのポケモン図鑑を起動しカメラをあわせる。

 

「あれは…ココガラだな」

 

ことりポケモンのココガラにはきのみの入った袋は大きいようでふらふらとバランスが安定していない。

これならばと思ったアカツキは追跡を開始する、ある程度離れたところにココガラが下りると袋の中身を漁りだす。

 

「そこまでだ」

 

「ガァ!?」

 

オレンの実を咥えたココガラにアカツキは堂々と正面から挑む。

メッソンをボールから出すとココガラもオレンの実を口から外す、にらみ合いが続いた後先に動いたのはココガラだった。くちばしを鋭く尖らせたココガラの『つつく』がメッソンを捉える。飛行タイプの特徴をうまく使い攻撃からすぐに距離を取り空へと逃げだす。『はたく』を狙っていたアカツキだが相手が空に逃げては手の出しようがない。

 

「メッソン、『みずでっぽう』」

 

ならばと『みずでっぽう』を指示するが自在に空を飛ぶココガラにはなかなか命中しない。苛立つメッソンの集中が途切れたところで再びココガラの『つつく』がメッソンを捉え

またしても空中へと逃げたココガラは自分の爪同士をこすり合わせ爪を研ぎ始める、『つめとぎ』である。攻撃力と命中率を上げたココガラは次で終わりにしようと先ほどよりも速度を上げて突っ込んでくる。

しかし二度も使った攻撃を安直に使ったことをココガラは後悔することになる。

 

「メッソン、『しめつける』」

 

「メッソ、ソ!」

 

ココガラのくちばしを間一髪で躱したメッソンは丸められたしっぽを伸ばすと一気に巻き戻す。体の中心、羽ごと体を拘束されたココガラは必死に脱出を試みるが『しめつける』から抜け出せない。

 

「よし捕まったならこっちのものだ、連続で『はたく』」

 

『しめつける』による圧迫と『はたく』を連続で食らったココガラは次第に動きが鈍くなり、ついにはぐったりとうなだれてしまう。好機だと悟ったアカツキはカバンから空のモンスターボールを取り出す。

 

「今だ、モンスターボール!」

 

『しめつける』から解放されたココガラへモンスターボールを投げつける。ココガラの体が吸い込まれるとモンスターボールはカチ、カチ、と震えだし三回目の震えが終わると赤い点滅が消えて動かなくなった。

 

「よし、ココガラゲットだ!」

 

「メソソ!」

 

さっそくココガラを呼び出すと元気よく羽ばたいた後にアカツキの肩へと飛び乗ってくる。どうやらしっかり捕まえられたようだ。

 

「これからよろしく頼むぞ、ココガラ」

 

「ガァ!ガァ!」

 

 

 

 

新しい仲間を捕まえたアカツキ一行はその後メッソン、ウールー、ココガラとともに残ったきのみを食べると博士の家へと歩き始めるのだった。

 

 




ココガラ可愛いですよね、アオガラスもかっこいいですしアーマーガアは初めて見た時速攻でパーティー入りを決めました。

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