理由として現在の三人称と一人称の混ざった分が個人的に「糞読みづれぇな、なんだこの駄文」と感じたので、実験としてアカツキの一人称視点だけに絞ってみます。他の方の三人称の作品を読むと「なんだこの語彙力わぁ」となり心が折れました。
読みやすくなった、逆に読みづらくなったと感じたことがあれば感想の方にお願いします。
ココガラを捕まえてからは快進撃の連続だった。二番道路には一番道路よりも手ごわいポケモンが多数生息していたが遠近に隙のないメッソン、受けにまわれば不落のウールー、空を自在に飛ぶココガラと隙のないパーティーとなった俺たちを止められるものはいなかった。
途中何度かトレーナーとも戦ったがホップやユウリほどの苦戦は強いられず勝つことができた、それと同時に自分たちが如実に強くなっていることを実感した。
二番道路を越えた先に研究所と同じ紫色の屋根をした屋敷が見えてきた。家の前ではすでに到着していたホップとダンデ、そして眼鏡をかけて杖をついた一人の女性が話をしていた。ホップは俺に気が付くとブンブンと手を振ってきたので少し駆け足で家の前へと走った。
「おやおや、新しいお客さんですね。私はマグノリア、ここでポケモンの研究をさせてもらっているわ」
「マグノリア博士はあのダイマックスを研究しているすごい博士なんだ」
「テレビとか動画でよく見ます、あのポケモンが大きくなるすごいやつですよね」
「ええ、まあまだダイマックスには謎の部分も多いけれどね。立ち話もここまでにして中に入りましょう、ユウリも待ちくたびれているわ」
屋敷の中に入れてもらうと屋敷の中には沢山の観葉植物が置かれている。植物の世話をしているおじいさんに話を聞いてみると、
「自分のしたいことではなく植物のしたいことをしてあげるんだ、そうすれば植物も応えてきれいに育ってくれる。ポケモンも一緒だよ」
と教えてくれた。なんと素晴らしい言葉、至言だと感動していると台所からユウリがなにかを運んできていた。
「やっと来たのね、はいはい早く座って。せっかくいれたのに冷めちゃうわ」
「いれたって、なにを?」
「紅茶よ、あたし博士に紅茶の淹れ方教わってるの」
そういって一人ずつ紅茶をカップに注いでいく、俺にはよくわからないがその動きは洗練されているように見える。
「……」
マグノリア博士は少し香りを嗜んだ後に紅茶を口に運ぶ。味わうように一口をかみしめながらゴクリと喉を動かす。シンとした空気にカップを置く音だけが響く。
「…どうでしたか、博士」
ユウリにしては珍しく緊張している、それほど難しいことなのだろう。
「腕を上げましたね、いい香りと味です」
「ッ! やった!」
ユウリは小さくガッツポーズを取り喜ぶ。途端に張り付いていた空気も弛緩しみな紅茶に手を伸ばす。さっそく砂糖を入れようとしたホップの手をユウリがはたき落とす。
「なんだよ」
「紅茶を飲むときはまず一口目は何も容れずに飲むの、そんぐらい知っときなさい」
「……知ってたか?」
「俺は散々博士に怒られたから覚えてたぜ。まあ、紅茶の味は未だにわからないがな!」
「ダンデったら、いつもポケモンのことしか頭にないのですから。少しくらい紅茶のことを知っていても損はありませんよ」
「俺は、母さんがたまに容れてるから少しだけ。まあそれくらいしか知らないけどね」
「なんだよ~、知らないの俺だけかよ」
ホップはがっくりと肩を落とすと溜息を吐く。実際俺も紅茶についてはよく知らないので言えることはない。ユウリの容れた紅茶はスッキリとした味わいだがよく葉っぱの味がした、素人口にはここまでしかわからないが十分美味しいと感じた。
それぞれが紅茶を楽しんでいると何かをホップは思い出したのか口を開く。
「そうだ博士、博士からもアニキに言ってくれよ。ジムチャレンジに推薦しロッテ」
「あらそうなの。ダンデ、どうして推薦しないのかしら?」
「ユウリちゃんはともかくホップもアカツキもポケモンを持ったばかりの未熟なトレーナーなんですよ」
「あらあら、でも貴方の願いはガラル地方中のトレーナーを強くすることじゃなかったのかしら?」
「あっ!そういえばそうでしたね。」
そうだったといわんばかりに手を叩く、そうするとダンデさんはこちらを向いてにやりと笑うとこう言い放った。
「よし、そういうことなら俺が推薦せざるを得ないくらいのすごいバトルをしてみろ」
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ダンデに互いのポケモンを回復してもらい外に出る。マグノリア博士の庭にあるバトルフィールドはホップの家にあるものより一回り大きく広いものであった。
「俺は最強のトレーナになる!」
「そのためには『ジムチャレンジ』への推薦状が必要なんだ!」
「アニキを納得させるために俺達の可能性をアニキに見せつけるぞ!」
ホップの声にうなずくと互いにバトルフィールドの端まで移動し向き合う。するとマグノリア博士とユウリも観戦に外に出てきた。
「若きトレーナーたちの戦い、わたしも見させてもらいますね」
「ズズッ…頑張りなさいよ~」
「ユウリ、優雅に紅茶飲んでないでちゃんと俺の伝説を見ておけよ!」
ふたりのコント漫才を見たところで俺はボールをつかむ、最初は空を自在に飛ぶこのポケモンだ。
「いけ!ココガラ!」
「ガァガァ!」
飛び出したココガラは力強く羽ばたき地面に着地する。ホップもバシッという小気味のいい音を響かせるとボールを投げる。
「ならこっちはお前だ!いけ、ウールー!」
ホップが出してきたのは相棒のウールー。もこもことした体毛は味方となれば心強いが敵にするとこれほど厄介なものもない。幸いあちらは待ちの姿勢、ならば遠慮なく『積ませ』てもらおう。
「ココガラ、『つめとぎ』から『つつく』だ!」
ココガラは爪をぶつけあいその鋭さを増し攻撃力を上昇させる。上がった攻撃力を上乗せした渾身の『つつく』はウールーの体毛を突き破りその本体を捉える。
「ウールー!『たいあたり』だ」
しかし負けじとウールーも『たいあたり』を当てる。本来ならココガラは攻撃を当てるとすぐさま空に逃げるはずだったがくちばしが体毛に絡みついたことで咄嗟に動けなかったようだ。思わぬ反撃をくらってしまい動揺するココガラだったが俺の声を聴くと動揺を取り戻した。
「ならもっと攻撃を上げるぞ『つめとぎ』!『つめとぎ』!」
空を飛ぶココガラにさらに攻撃を上げる指示を出す。さすがに焦るだろうと思いホップを見ると彼はにやりと口角を上げる。
「その技を貰うぞウールー『まねっこ』」
ウールーの体から紫色のオーラが噴き出し自分のひづめをこすり合わせて攻撃力を上げてきたことに驚く。安易に補助技を使いすぎたと思ったがもう遅かった。
「ウールー、とびはねて『たいあたり』だ」
自慢の跳躍力を発揮したウールーの『たいあたり』がココガラを捉える。強力な攻撃をくらったココガラは地面に墜落すると目を回してしまった。
「ココガラ戦闘不能、ウールーの勝ち!」
「よくやったぞウールー!」
「メェ~」
「ごめん、俺の判断ミスだった。ゆっくり休んでくれ」
ココガラを戻して次の手を考える。ウールーは既に攻撃力が上がっている、となれば正面からの対決は不利だと判断する。
「頼んだよ、メッソン!」
出したのは俺の相棒であるメッソン、唯一この状況を打ち破るための技が俺達には存在する。
「メッソン、『みずのはどう』」
「メソソ、メッ!」
メッソンが両手を構えると大きな水の球体を作り出し、それを投げつける。『みずのはどう』がウールーに直撃すると大きな爆発を起こす、これこそメッソンが新しく覚えた必殺技『みずのはどう』だ。『みずでっぽう』を超える高威力の特殊技をくらったウールーはなんとか立ち上がるが外から見ているだけでもそのダメージのほどがわかる。
「『みずのはどう』を覚えたのか、やられたぞ!」
「できれば最後まで隠しておきたかったんだけどね!」
「ウールーは…もう倒れそうだな。アニキ、ウールーは棄権にしてくれ」
「わかった。ウールー、戦意喪失。メッソンの勝ち!」
ホップはまだ倒れていなかったウールーを手持ちに戻してしまう。
「よかったの?」
「あぁ、これ以上はウールーもかわいそうだからな」
ホップのポケモンに対する優しさにはいつも驚かされる、うちのポケモン達は比較的バトル好きが多いためそういったこととは無縁だった。ウールーを戻したホップは次なるポケモンを繰り出した。
「いけ!ココガラ!」
「がぁ!」
「ホップもココガラを!?」
「ああ、ウールーもココガラも被るなんて奇跡だぞ!」
確かに、これで互いのポケモンはすべて公開されたがまさか三体中二体もポケモンが被るのは驚きであった。
気を取り直してバトルを再開させる。空を飛ぶココガラ相手には意表を突くか特殊技で攻めるしかないことは承知済みだ。
「メッソン、『みずのはどう』」
もう隠す必要のなくなった『みずのはどう』を惜しげもなく使う。投げ出した水球は一直線にココガラを目指すが躱され彼方へと消えていく。
「そんな大ぶりな攻撃は当たらないぞ、『つめとぎ』」
ホップのココガラも爪を研いで攻撃力を上昇させる。次いで『つつく』、ここまではココガラの基本戦法だ。メッソンとアイコンタクトを取ると『つつく』を躱さずわざと受けるよう指示をする。
『つつく』がメッソンに直撃するとココガラは空へと逃げていく。少し不審そうにしたホップだがチャンスだと思ったのかさらに追撃をかけてくる。
「ココガラ、『つつく』」
再度メッソンめがけて急降下を仕掛けてくるココガラに思わず口角が上がる。一度目の『つつく』を躱さずに受けたのはもう一度『つつく』を使わせるためだった。
「メッソン、躱して『しめつける』」
「ッ!しまった、止まれココガラ!」
ホップの指示はむなしくも届かずココガラはメッソンのしっぽに捕らえられる、ココガラとの戦闘で学んだ相手の攻撃をかわして捕獲する戦法はうまくいった。
「いけぇ!『みずのはどう』」
「メソソ、メ!」
しっぽに捕らわれたココガラに特大の水球をぶち込む、しっっぽで捕えていたメッソンにも多少のダメージが入るがココガラにはさらに致命的なダメージが入ったはずだ。
「ココガラ、『つけあがる』」
そう思っていたはずだったがまだココガラは倒れていなかった。攻撃の衝撃で緩んだ拘束から抜け出したココガラの『つけあがる』がメッソンを直撃する。『つけあがる』は自分の力が増しているほど威力の上がる技だったはず、一度『つめとぎ』を使っていたそれはかなりのパワーだった。
「メッソン、無事か?」
「メ、メソ…」
立ち上がるがかなりのダメージを受けてしまったようだ。ココガラの方を見ると今の一撃にすべてを使い果たしたのか既に目を回している。
「ココガラ、戦闘不能。メッソンの勝ち!」
「最後まで頑張ってくれたな、お前の頑張り無駄にしないぞ」
「ギリギリ、ギリギリの勝負がオレたちの好きな戦い方!」
「最後の一体が倒れるまで諦めないぞ!」
ココガラを戻したホップが最後のポケモンヒバニーを繰り出してくる。こちらは二体、そして相性でも勝っているというのにホップの闘志はさらに燃え上がっている。男と男の真っ向勝負、甘んじて受け入れたいが、
「休んでてくれ、メッソン」
「なるほど、戻すのも一つの手だな」
「うん、ごめんね」
「いいぞ、俺がお前だったらそうしてると思うしな」
相性で勝るメッソンをこのまま出してはおけず手持ちに戻す。こんなときでもホップの優しさは変わらないと思いながら、あと一体無傷で残っていた相棒を繰り出す。
「まかせた、ウールー!」
「メェェェ」
いつもののほほんとした雰囲気は成りを潜め、ウールーはやる気に満ち溢れている。先に動いたのはこちらだ。
「ウールー、『たいあたり』」
「ヒバニー、こっちも『たいあたり』だ」
ウールーとヒバニー両者の『たいあたり』が激突し互いに後ずさる。パワーは互角かと思っているとヒバニーはさらに仕掛けてくる。
「ヒバニー、『ひのこ』」
打ち出された『ひのこ』を避けようとしたウールーだったが僅かに『ひのこ』が体毛をかすってしまう。するとウールーの体毛が勢い良く燃え上がり炎熱に苦しんでしまう、まさかの事態に俺もホップも茫然としているとマグノリア博士から説明が入る。
「ウールーの体毛は隙間が多くて空気を含んでますからね、よく燃えるのです。特に『もふもふ』の特性のポケモンはその効果が大きくなりますね」
知らなかった、まさかウールーの柔らかい体毛がとても燃えやすくほのおタイプの攻撃が効果抜群になってしまうことを。それを好機ととったホップによるさらなる追撃が襲いかかる。
「ヒバニー、『にどげり』だ!」
「ニバ!」
飛び上がってきたヒバニーの両足がウールーの顔面を捉える。体毛に覆われておらず衝撃を軽減できなかった効果抜群の技にウールーは吹き飛ばされてしまう。
「ウールー!」
フィールドの端、俺の目の前にまでウールーが吹き飛ばされてくる。傷つき自慢の体毛は所々が焦げ付いてしまっている。見ていられなくなった俺がダンデさんに棄権を申し出そうとした時目を見開いたウールーが声を張り上げてくる。
「メェ!ンメェェ!」
「ウールー…でも」
まだ戦える、戦わせてくれと訴えてくるウールーに俺も覚悟を決めホップとヒバニーを見据える。
「…いけるか?」
「ンメェェェエ!」
「いけ、ウールー!『まねっこ』だ!」
「面白い、受けて立つぞ!ヒバニー、『にどげり』だ!」
ウールーの体からオレンジ色のオーラが飛び出し直前のヒバニーの動きをトレースする。蹴り上げたウールーの後ろ足と上空から降ってきたヒバニーの両足が空中で交差する。交差は一瞬、倒れたのはウールーだった。
「ウールー、戦闘不能。ヒバニーの勝ち!」
「ウールー…お前の気迫、よく伝わったよ。 ホップ!」
「なんだ!」
「今回も、俺が勝つ!いいや、俺達が勝つ!」
「いいや、勝つのは俺達だぞ!」
最後に投げ出したボールからメッソンが飛び出す。
ヒバニーとメッソン、互いに先のバトルによる疲労が残り息を荒くしている。長期戦になればどちらも不利になるとわかっているので速攻を仕掛ける。
「メッソン、『みずでっぽう』」
「躱して、『でんこうせっか』」
メッソンの吐いた水をぎりぎりでかわしたヒバニーの『でんこうせっか』がメッソンを吹き飛ばす。
「さすがだぞ!タイプの相性をばっちり理解しているんだな!」
「諦めるか!『みずでっぽう』」
再度吐かれた『みずでっぽう』をなんとかして回避したヒバニーが飛び上がり『にどげり』を繰り出してくる。
「それを待ってたよ!『しめつける』」
「力を込めろ!足の裏をもっと熱くするんだ!」
ヒバニーの足をしっぽで捕まえるが足裏の高熱にたまらず拘束を解いてしまいメッソンは蹴りをくらってしまう。またしても垣間見たポケモンの不思議な生態に焦りよりもワクワクが湧き上がってくる。二度目の技をくらったメッソンが膝をつく。
「そろそろ決着がつきそうだな」
「うん、でもさこの構図どこかでみたよね」
「ッ! まさか!」
「メッソンお前の力はそんなものじゃないだろ!もっと力を引き出すんだ!」
「メーソー! ソォォ!」
膝をついたメッソンの体から青い光が溢れ出す、今朝ホップと戦った時にも見た『げきりゅう』だ。追い詰められたポケモンの最後のばかぢからというべき力が絞り出される。
「メッソン!『みずでっぽう』」
「ジャンプして躱せ!」
強化された『みずでっぽう』はまさしく激流、すべてを飲み込もうとする水流をジャンプして躱すヒバニー。
おそらく次が最後の技だと悟る、メッソンもそれを感じ取ったのか既に両腕を構えて力を溜めていた。
「メッソン!『みずのはどう』!!!」
「ヒバニー!『にどげり』!!!」
『げきりゅう』の力を込めた『みずのはどう』はメッソンの体躯をも超える大きさとなった、ヒバニーの両足も高熱が臨界点に達したのか火を噴いて燃え上がっている。
「いけぇぇぇぇ!!!」
「やれぇぇぇぇ!!!」
二つの技がぶつかり合い、衝突は爆発を生む。ヒバニーの高熱により蒸発した水が水蒸気となりあたりを包み込む。どうか、どうかと祈りながら蒸気が晴れることを待つ。
ぼやけた視界の中で見えた影は一つ。
立っていたのは、メッソンだった。
「ヒバニー、戦闘不能!よって勝者アカツキ!」
ふっ、と足の力が抜け地面にへたり込んでしまう。みるとホップも腰を抜かしてしまったようで地面にへたり込んでいる。
くるりと反転したメッソンが胸に飛び込んでくる。腕を交差し、その小さな体を抱きしめる。
「ありがとう、ありがとうメッソン」
ただ言葉が溢れる。まだ出会って二日だがこの相棒を離したくないと思った。
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「さすが俺のライバルだぞ」
バトルが終わればみんな友達、そんな言葉が脳裏をよぎるがもう俺たちは友達でありライバルだった。
「勝って嬉しい、負けて悔しい…」
「それを繰り返してオレ達強くなっていくんだな」
握手をして互いを健闘しあっているとパチパチと拍手が聞こえてくる。
「アカツキ!ホップ!なんて試合を見せてくれるんだ!」
ダンデさんは何かの封筒のようなものを差し出してきた。豪華な刺繍と蝋のようなもので口が固められた封筒だ。
「チャンピオンからの推薦状、お前たちに渡すしかないぜ!」
ニカっと笑ったダンデさんの笑顔が印象に残った。
「サンキュー、アニキ。俺もジムチャレンジで勝ち上がるぞ!」
「ありがとうございます、俺もがんばります!」
「ああ、若く粗削りだが素晴らしいバトルだった!俺もリザードンも全身の細胞がエキサイトしてやがるぜ」
チャンピオンにそう言われると照れるなと思っているとユウリとマグノリア博士も近くに来ていた。
「最後のもそうだったけどあたしとしてはウールーとヒバニーの対決がよかったわね」
「わたしは何とか最後に一矢報いたホップのココガラがよかったですね」
「アカツキ」
「ん?」
「かっこよかったわよ」
花の咲いたようなユウリの笑顔に一瞬胸が熱くなる。真正面から褒められたことで顔が熱くなり何故か恥ずかしさがこみあげてくる。
「あ、う、うんありがと」
「あら、照れた。照れたわね!」
「う、うるさいな照れてないよ!」
やはりユウリはこうでなければと口論するが先ほどの笑顔が頭から離れない。相手はユウリなのに。
そうこうしているとホップが興奮した口調で大きく叫ぶ。
「アカツキ!ユウリ!俺達鍛えあって三人でチャンピオンを目指すぞ!」
「「三人で?」」
「そうだ、三人で競い合ってさお互いのポケモンを育てるんだ!」
「三人で…いいねそれ」
「あたしも乗ったわ、あんたたちには負けないんだから!」
ホップの思いつきに同調したユウリがあることを思い付く、曰くすごく青春っぽいことだと。
それからホップ、ユウリと手の甲を重ねた俺たちは、
「俺は最強の!」
「あたしは頂点の!」
「おれは…最高、そう最高の!」
「「「チャンピオンを目指す!!!」」」
それぞれの『願い』、『想い』を夕暮れの星の空に誓い合った。
ちょうどその時星空の中から一つ、その星が流れて足元へと落ちてきた。なんだと思いよく見てみると不思議な石だということがわかる。
「お、おいユウリ、アカツキこれ『ねがいぼし』だぞ!しかもちょうどみっつ!」
「『ねがいぼし』ってなに?」
「『ねがいぼし』があればねあたしたちのポケモンもダイマックスできるようになるのよ」
「『ねがいぼし』は本気の願いを持つ者のところに落ちてくるという。お前たちの気持ちに引き寄せられてきたのかもな」
「ふふ、いいものですね若者のこういうところを見るのは。ホップ、ユウリ、アカツキ、その『ねがいぼし』を預けてごらんなさい」
「ああ!博士!俺たちにダイマックスの力をくれよな!」
「ええ、任されましたよ」
『ねがいぼし』を博士に預けたがまだ興奮も冷めやらない。熱が抑えられないのだ。
「まどろみの森では不思議なポケモンと戦ったし、なんだかすごいことが起きそうだぞ!」
「うん、今日一日でなんかすごい沢山のことがあったよね」
「はしゃぎたい気持ちもわかりますが明日からの冒険に差し支えますよ」
庭ではしゃいでいると二番道路から誰かがやってくる。あれはソニアさんだ。
「帰ってきたらなんか盛り上がってるわね」
「ああ、さっきまですごい勝負があったんだぜ!ソニアにみせられなくて残念だ」
「あはは、ダンデ君と一緒にジムチャレンジしてた時に散々みたっつうの…」
目線を下に下げソニアさんの顔が青くなっていく、口調からして幾度となくダンデさんととんでもないバトルに巻き込まれたのかが想像に難しくない。
「で、あんたたち晩御飯も食べていくんでしょ?」
「いいんですか?」
「いいわよ、わたし最近はやりの『カレーライスづくり』に嵌ってるから」
…………ほう?
「あ、これは…」
「不味いわね…」
ほうほう、カレーライス作り…とな?
「え、なになに?もしかしてカレー嫌いだった?」
「いえいえ、むしろ大好物です。楽しみにしています。あ、俺も手伝いましょうか?」
「あらそうなの、助かるわ。それじゃあ一緒に作りましょうか」
そうしてソニアさんと家の中に戻った俺はカレーライス作りに取りかかるのだった。
「そういえばホップ、アカツキはカレーライス作りが大の得意だって言ってたよな」
「ああ、アカツキのカレーはめちゃくちゃ旨いぞ。うまいんだけど…」
「うまいけど…なんだ?」
「アカツキ…カレーに関わると性格変わるのよね」
『きのみのすりつぶしが甘い!!!クラボの実はもっと荒くつぶして辛さを引き立てるようにしないと!!!』
『鍋の火加減が足りない!!!もっと手早く火を入れないと風味が逃げてしまう!!!』
『かき混ぜるスピードはもっと速く!丁寧に!!力強くしないとカレーに失礼です!!!』
『料理は愛情!!!カレーに対する愛情が足りていません!!!』
『ひぃぃぃぃぃ、もう勘弁して~~~』
「…ほら」
「ソニア…ファイトだ」
出来上がったカレーはみんなにとても好評だったが、しばらくソニアさんがカレーは見たくないというようになった。解せぬ。
カレーとか紅茶とか別に詳しくないですけど雑学知ってるとえらくなった気分になりますよね。
やっと日の目を見た主人公のカレー好き属性、多分唯一の個性だと思いますがこれからもなにか追加されるかもしれません。
そして変更点です。
『まねっこ』使用時のエフェクトを「桃色のオーラ」としていましたが、今回のお話から「○色のオーラ」と変更いたしました。コピーする技のタイプによった色とするつもりです。
前回までの『まねっこ』を「白いオーラ」と変更しました。