ヒーローには興味ないですが、弟がなってというのでヒーロー目指します。 作:アリア・ブレイズ
「はあ、はあ、」
男は逃げていた。その手には高級そうな鞄を抱えている。そう男はひったくり犯であった。それも一度や二度ではない。かなりの回数ひったくりを続けていた。だからか、今回も成功するだろうと思っていた。だが、今回は運が悪く近くにヒーローがいた。
「くそっ、、」
悪態をつきながら逃げ続ける男。男の個性はただ足が速くなる程度の個性だった。それでも他の個性の者よりは確実に速く移動出来るのだが、今回は相手が悪かった。
ひったくり犯を追いかけていたヒーロー。
ヒーロー名『ダッシュ』最近この界隈で起こっているひったくり事件を解決するためにやってきたひったくり専門のヒーローだ。
「そこのひったくり犯止まりなさい!」
ひったくり犯に向けてダッシュが追いかけながら言うがひったくり犯は構わず逃げた。
まぁ、当然だろう。これで止まる馬鹿はいない。いるはずがない。
「誰が止まるかよ」
そう言いながらも、明らか距離は近くなっている。捕まるのも時間の問題だろう。それに男の体力も限界に近くなってきた。
「仕方ねぇ」
そう言って折りたたみ式のナイフを出すと通行人の一人を人質に取った。
「来るんじゃねぇ!! コイツがどうなっても良いのか⁉︎」
ナイフを人質に突きつける。
いくらヒーローと言っても人質を取られると弱い。しかもその人質が少女と有っては迂闊に手を出せなくなった。人質にされた少女も状況が理解できていないのかキョトンとした顔をしている。
「その子を離せ! これ以上罪を犯すんじゃない」
「うるせぇ! 近寄るな!」
ナイフを振り回し追い払う。そのせいで近寄る事も出来ず、膠着状態になった。
周りにいた通行人も蜘蛛の子を蹴散らすようにその場を離れ遠巻きにその状況を見ていた。そんな中、通行人の一人が笑い出した。
「あはは、姉ちゃん。捕まってやんの!」
「うるさい! いきなりだったから仕方ないでしょ、紫耀」
どうやら捕まっている少女とは、姉弟のようだ。だが、弟の方は姉の事を全く心配しておらず、それどころか笑って姉を馬鹿にしている。このやり取りにひったくり犯はキレて声を上げた。
「何を喋ってやがる! これが見えねえのか⁉︎」
「私の位置からは角度的に見えないですよ?」
ごもっともである。首筋のナイフは少女からは見えなかった。少女の空気の読めない発言に周りの者(弟を除く)は肝を冷やした。
「テメー、ふざけてるのか!」
「事実を言ったのにふざけてるとか言われるのは困るのですが?」
「ぐっ、」
少女の正論にひったくり犯は言葉に詰まった。
「さて、犯人さん。そろそろ離して」
「はい」
少女の言葉にひったくり犯は従った。
「「「「えっ⁉︎」」」」
一瞬意味がわからなかった。周りにいた通行人もダッシュにもひったくり犯が少女を離した事に。それもそのはずだ。せっかく人質にしたのにあっさり解放したのだから。
「ヒーローさん、早く捕まえないんですか?」
その言葉にダッシュはハッとなった後すぐにひったくり犯を捕まえた。
「君! 協力、、、あれ?」
ダッシュが少女に犯人確保に協力してくれた事にお礼を言おうとしたが、少女とその弟はその場にいなかった。
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場所は変わって、
「姉ちゃん、そろそろ離して?」
「ダメ」
「悪かったよ、捕まってる時笑ったの」
「本当に。お姉ちゃん、怖かったんだから」
そう人質にされた時、びびっていた。力のコントロールが出来なくて犯人さんの骨を折ってしまわないかと。怖がる論点が違うがそれも仕方がない。飛耀の個性は強すぎるのだ。
拳を振るえば山河を割り、走れば誰も追いつく者はいない。
「それより今日は何を買うんだ?」
と姉に離れてもらうのを諦めて今日の予定を聞いた。
「特に決めてないんだ、面白そうな物があったら買うかもしれないけど」
それを聞いていつもの散策かと思いながら、これは帰るの夕方になるなと悟った。
(まぁ、姉ちゃんが楽しそうだからいいか)
「ほら行くよ、紫耀」
「ああ」
キャラ設定
主人公
逆廻 飛耀(さかまき ひよう)
個性 ラストエンブリオ
弟
逆廻 紫耀(さかまき しよう)