東方 白狼物語   作:蛙の歴史

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幼い月の説得・後編

気づけば紅い竜巻は、消え両眼が見えるようになり右腕が使える。

新しい目、新しい腕は異形の物だという事は分かっている。

だがそれよりも

 

椛の…………傷も塞がってるな。

 

俺は割れた窓見て思う。

 

(今から行って追いつけるか………

いや、もう傷つけさせない!)

 

俺は、自分の黒創と緋龍を探した。

二本共妖刀なので妖力で気づく筈なんだけどな?

反応がない?

 

俺はそこで、光に満ちた大刀を見つけた。

目寸は刀身約180cm。柄約40cm。

鍔は丸形、蓮をかたどった装飾がされている。

 

俺は、その刀を片手で取った。

触れた瞬間、自分は理解した。

黒創と緋龍がどうなったのか。

今の自分の最大限を出すには。

そして今の自分は『何者なのか』

 

俺は、刀身に彫られた文字を見て刀の名を呼んだ。

 

「………………雅。」

 

それに交応し震えて共鳴する。

良し、行ける!

俺は椛を背に背負い紅魔館を飛び出した。

 

 

新しい力を使って……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

力を使い、全速力で飛ばして椛は目を覚ました。

 

「あれ?私…………」

 

『気がついたか?』

 

そう聞き覚えのある声で語りかけてきたのは、口に刀をくわえ自分を背に乗せている『黒い狼』だった。

 

「えっ?えっ!?」

 

『驚くのもわかるが、手は離すなよ?』

 

「わわわわっ!?」

 

危うく落ちそうになるがそれをすんでんの所で持ち直す。

よくよく見てみればこの狼、軽く人を2、3人乗せられる大きさである。

 

『見えてきたぞ!』

 

狼がそう言い椛もそちらへ向く、そこにいたのは

 

「フランさん!菜々ちゃん!」

 

レミリアの槍を必死に、受け止め菜々をかばうフランだった。

 

『椛!初手は俺が行く!その隙に二人を!』

 

「はっはい!」

 

椛はこの狼が全くもって誰なのか分からなかったが、今は見方のようだここは従う事にした。

 

「ん?」

 

レミリアがこちらに気づいた。

 

「あらあら?その狼は貴女の能力かしら?」

 

そう言いながら、レミリアは槍を投げる態勢に入った。

 

『っ!椛!飛ばすぞ!』

 

狼は、スピードを緩めるどころか尚もスピードを上げ、体の動きだけで椛を上へと飛ばす。

椛を飛ばしたことにより、レミリアの標的は俺となった。

頃合か……………

 

俺は更にスピードを上げた。

その瞬間、レミリアは槍を投げるのではなく防御に回してきた。

 

1人と一匹…………いや

 

『二人は衝突した!』

 

 

ギャギャギャギャ!!!

金属同士が勢い良く接し火花を散らしている。

 

「よう!死の淵から舞い戻ってきたぜ!」

 

「ふふふ!ならまた痛みつけて殺してあげるわ!」

 

ギャン!ギャギャギャギャン!

お互いに武器を弾き、攻撃を繰り出し激しくぶつかり合う。

 

「今度は、確実にね!」

 

俺は一旦菜々達の方へ下がり守る様に立つ。

 

「きゃぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

 

上から降ってるくる悲鳴を気にせずに、椛を見ずに鮮やかにキャッチする。

 

「にぃ!その腕と尻尾あとついでに頭の耳は何!!?」

 

「そっそうですよ!それにさっきの狼って朧さんなんですか!?」

 

「お兄様そんなこともできたの!?」

 

あぁ、うん。

あの質問なら後で受け付けるから少し待っててね?

 

俺は、レミリアを見据えて構えを取る。

 

「レミリア。君の最速の槍を俺が最速の剣技で切り裂いてやる。」

 

そう言いながら中腰になり、足を開き姿勢を低く刀を左腰に持っていく構え。

古典的な『居合いの型』である。

 

そして俺はこれに、自然現象による属性を乗せる!

 

俺は剣に意識を集中し、強く念じ唄う。

 

「天高く佇む赤き星よ。その高熱の爪痕をいまこの大地に刻め!『焔雅』!!」

 

刀身が、更に紅くなる。

だが熱も光も感じない。

俺は、精神を落ち着かせて目を瞑る。

勝負は一瞬。

どちらが、より早いかで決まる。

俺の持つ狼の手が汗で滲む。

だが今ここで、やらなければならない!

 

ひと時の静寂。

それは、この戦いに終わりが近い事を意味していた。

 

風が吹き、足元の木の葉が舞った瞬間

 

その時は訪れた。

 

レミリアは、俺の腕を落とした時よりも速く槍を投げる。

俺は、その時の微かな音に反応して、剣を振るう。

 

金属がぶつかる音はなかった。

 

誰もが、目を見開いて見ている。

 

だが、これをできることをしている奴が一人いた。

 

暁朧である。

 

「あぶねー。後数センチ違ったらまた落とされてた。」

 

「あっあなた何をしたの!」

 

レミリアは声を上げ、ありえないと否定する。

実際、レミリアはおかしいことを言ってはいない。

何故なら………

 

愛用の槍が焔雅に接した所から溶け溶断されていたのだから。

これには、朧以外驚きを隠せない。

 

「さてとそろそろ終わりにしよう。」

 

今度は、左腕を垂らし右腕で剣を持ち左側の頭らへんに構える。

『突きの型』である。

 

「さぁ終わりだ!」

 

俺は、さっきのショックでボーっとしているレミリアに突きを繰り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「駄目!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドンッ!

とレミリアの後ろの方で音がした。

見れば紅魔館の半分とそこまでの地面が抉れている。

俺の刃はレミリアの右頬に当たらない位置にあった。

 

「わかったよフラン…………」

 

俺は剣を消し、レミリアに言う

 

「これでさっきの借りはなしな。あっ後給料もいらな「うっ」う?」

 

「うっうー☆」

 

その言葉が発せられると同時に、レミリアは地面に崩れて泣き始めてしまった。

 

「うっぁぁわぁぁぁさぁぁうぅくやあぁぁ!!!」

 

「あぁにぃが女の子泣かした。」

 

「いけないんですよ!朧さん!」

 

「おれのせい…………カ…………ヨっ」

 

俺はそのまま倒れ意識を手放してしまった。

 

 

 

それから一週間、レミリアが暁朧見る度にカリスマをブレイクされたのは全くの余談である。




えぇと言うことで、レミリア戦が終了しました。
次回で一応、一章を終わらせようと思ってます。

それでは、皆さん改善点や感想などはバシバシ送ってもらって結構です。

それではまたの話に。
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