東方 白狼物語   作:蛙の歴史

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今回は、レイヴェルト様とのコラボです。
そして第二章の終了です。
まさか、亀更新の俺が同じ日に二度も投稿するとは誰も思わないでしょうw


家族と喧嘩

蒼鬼side

 

 

ぐっすり寝ていたんだがなぁ.....

 

そこは真っ白な世界。人もいなければチリ一つない完全な白。常人ならいきなりこんな世界にきたら精神崩壊ものだ。でもこの男は常人でもない。そして男......

 

「......またこの空間か」

 

この男、鈴堂蒼鬼はこの世界を知っている。何故なら依頼がくると此処に来る事があるからだ。

 

「そろそろだな」

 

その瞬間、真っ白な空間が揺らぎ一人の老人が現れた。しかしその顔はいつに無く焦りが浮かんでいる。

 

「どうした爺さん。今回はヤケに焦ってるな」

 

老人......神は大慌てで蒼鬼にこう伝えた。

 

「蒼鬼、今すぐ行ってくれ。このままじゃと世界が崩壊する!」

 

「おし、爺さん今すぐ老人ホームの入居の準備だ。心配するな最高級のホームを探してやるからなんぶぁ!?」

 

蒼鬼は老人に顔面を思いっきり殴られた。

 

「バカもん!まだホームに行く程耄碌しとらんわ!」

 

「いきなり呼び出した上にそんな事言えば普通そう思うわ!このクソ爺!」

 

罵声に罵声の応酬が収まると改めて、神が切り出した。

 

「お前にしか頼めないのじゃ。あ奴に最も近くにいたお主にでしか」

 

「あ奴?」

 

訝しむ蒼鬼にスクリーンが現れ、山の山頂あたりの映像が映しだされた。

 

「っ!ひでぇなこりゃ......」

 

そこは正に地獄絵図だった。地面には大量のクレーター、木々は薙ぎ払われ、一部では炎が燃え盛っている。きわめ付きに累々たる死体の山。焼死体もあれば切り刻まれた死体と多岐に渡るがそれが山の様に積み重なっている。

 

そしてそこで暴れる男。上半身は素肌を晒し、下半身は黒の袴。だけど蒼鬼はその男の顔を知っていた。

 

「顕悟!?」

 

河津顕悟。前世での親友だった。

 

「そうじゃ河津顕悟、いまは暁朧と名乗っているがの。奴は今、怒りで能力を完全に解放して暴れまわっておる」

 

「なっ!?」

 

蒼鬼は驚愕した。顕悟、いや朧は蒼鬼が生きていた頃の時、世界を滅ぼしかけたのだ。朧自身の持つ能力、そしてそうなるまで行使させた大人達によって。

 

「あ奴の能力は世界を滅ぼす程強力な力じゃ。下手をすると多元宇宙ですら破壊する可能性すら帯びておる」

 

「なるほど、爺さんが焦るのも無理ないな」

 

多元宇宙破壊などそれこそあの世界の覇道神と同レベルでヤバい。神が焦るのも無理はないだろう。

 

それをあいつは持っている。実際間近で見た事があるから。

 

「でっ?どうしろって言うんだ?」

 

「止めて欲しい。他の転生者を送り込んでも恐らく瞬殺がオチじゃろう。だが蒼鬼。お主の『完全創造』ならあ奴の能力に対抗しえるのじゃ。儂が与えた特典をそこまで昇華させたお主なら」

 

「解った。で場所は?」

 

「幻想郷、天狗の里いや『元』天狗の里といった方が正しいじゃろうな」

 

「あいつ幻想郷に行ったんかよ」

 

幻想郷、嘗て蒼鬼も行きたいと思っていた世界。そこにあいつはいる。

 

「行ってくれるな?」

 

「あぁ、移動手段は?」

 

「これに乗っていけ」

 

突如目の前に列車のレールが現れ、駅のホームに流れるメロディのようなものが流れると共に何両か繋がった電車が走ってきた。

 

「お主の世界じゃとデンライナーといったかの?これで現場に行って貰う」

 

「まさかデンライナーに乗る事になるとはな。解った爺さん。行ってくる」

 

「頼んだぞ」

 

俺はデンライナーに乗り込むとデンライナーは動きだし、先頭にレールを出しながら目的地へと進んでいく。

 

「さぁて顕悟、もとい朧。久しぶりの再開と喧嘩だ。とことん楽しもうぜ?」

 

俺を乗せたデンライナーは幻想郷へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、『元』天狗の里。

 

今は、星屑の銀流の為のクレーターや天狗の糞野郎共の死体が積み重なっている。

俺は、天狗を殺していた。

そこまでは良かった。

そこまでは………………

 

「なんで幻想郷に『電車』が?」

 

しかも引かれた。

軽く引かれて12コンボ位くらった。

俺は頭を抑えながら立ち上がる。

 

「そういや、さっき人が降りてたみたいだな。」

 

俺は、電車が通った道を見ていくと一人の男がたっていた。

遠目だが身長約180。細いな。 目は黒か、髪は銀色でやや長め。顔はある程度整っている。

(だが踏み台みたいに極端な美形ではない)

 

俺は、歩み寄っていき奴もまた歩み寄ってきた。

俺は、こいつを知っている。

あいつは俺を知っている。

 

「なんで、お前がここにいる?」

 

俺は、徐々に手足だけを人狼化し拳を握り全力で走り出す。

奴も、拳を握り走り出す。

 

「そぉぉぉぉぉうぅぅぅぅきぃぃぃぃぃ!!!」

 

「おぉぉぉぉぉぼぉぉぉぉろぉぉぉぉぉ!!!」

 

拳がぶつかり、拮抗する。

 

「さんをつけろよ!朧!!」

 

「はっ!今更感があり過ぎて付ける意味すら感じねぇよ!それよりもまさか生きてるとはな!」

 

「お前もな!爺さんから聞いて来てみれば、お前が暴れてたとはな!」

 

二人は、一度離る。

そうすると、世界が変わっていく。

 

「結界だ。流石にあそこでは邪魔されそうだ。」

 

蒼鬼が、結界をはり終えたのかこちらに対峙する。

まさかコイツが生きてるとはな。

鈴堂蒼鬼。

俺が外にいた時の唯一無二の家族の様な親友の1人だ。

だが、交通事故で死んだかと思ったんだがな。

「にしても、神の爺さんが『世界を崩壊するかもしれん!!』って頼まれたんだがお前だったとはな。」

 

「蒼鬼、今俺は無性に腹が立ってるんだ。いくらお前でも手加減は出来ないぞ?」

 

今、椛達が殺され腹が煮えくり返ってる。

この状態で戦うのはどうもな。

 

「ふっ心配するな。貴様にやられるような奴ではない。」

 

そう言って俺たちは拳を構えた。

 

「我に求めよ、 されば汝に諸々の国を嗣業として与え地の果てを汝のものとして与えん汝、黒鉄の杖をもて、彼等を打ち破り陶工の器物の如くに打ち砕かんとされば汝ら諸々の王よさとかれ地の審判人ら教えを受けよ、恐れを持て主につかえおののきをもて喜べ、子に接吻せよ、おそらくは彼は怒りを放ち、汝ら途に滅びんその憤りは速やかに燃ゆべければ全て彼によりなり、頼むものは幸い。一撃で何もかも一切合切決着する。眼前に害虫を放置して何が聖騎士(パラディン)か!?何が守護者(エルサレム)か!?」

 

「生きて此処から出られると思うなよ。さぁ殺ろうぜ!神の使い!!」

 

そうして二つの力がぶつかった。

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、久しぶりの喧嘩だ!」

 

最初に、殴ったのは蒼鬼だった。

だが俺はよけずに受ける。

 

ゴガッ!

 

頬にクリーンヒットする。

 

「喧嘩か。それもいいなっ!」

 

今度は俺が殴り返す。

蒼鬼もよけずに受ける。

 

ゴガッ!

 

また頬にクリーンヒットした。

蒼鬼の今度の攻撃は、俺の腹への鳩尾だが俺はよけない。

そしてまた殴り返す。

殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴ってその分殴り返す。

これが、俺達の喧嘩。

どちらかが倒れるまで続くチキンレース。

 

ゴガッ!バキャッ!ゴキャッ!そんな音が絶え間なく続く。

だが倒れない。

彼等は倒れない。

蒼鬼は俺を止める為。

俺は、怒りに任せて。

 

「くっ………」

 

「はっ………」

 

「「はっはははは!!」」

 

殴って殴って殴って殴ってるうちに笑ってしまった。

妙に懐かしくて、妙に楽しくて、訳もわからないまま笑ってしまった。

それは、久しぶりに殴り合うからか、それとも相手の成長ぷっりの嬉しさからか。

そう、確かに成長した。

だからこそ、二人は昔の様には倒れない。

それに、昔の様に『もう一人』居ないから止まれない。

そうやって殴り合って行くうちに、数十分過ぎてまた離れた。

 

「このままじゃ…………」

 

「拉致があかない………」

 

「「だったら!」」

 

二人は同時に、手を天にかざす。

どうやら、考えは同じらしいな。

最強の武器の一撃において奴を撃破する。

 

『『顕現』』

 

天沼矛(あめのぬぼこ)

 

海災害の槍(ゲイ・ボルグ)

 

二人が顕現させたのは、やはりかなりの名を馳せた神槍

 

天沼矛

イザナギとイザナミが地上に降り立ち、海をかき混ぜてオノゴロ島を作った。そのオノゴロ島を作るのに作った矛だ。

日本の神話は、他の国の創世と同じく混沌から、生まれたが、その世界は、まだハッキリせず、天沼矛でかき回して、持ち上げるとその矛の先から垂れた塩が降り積もって島になったとされる。

最初に出来たのは大地ではなく、島。島は海に浮かんでいる。島の前に、まず海があった。

 

ゲイ・ボルグ

2頭の海獣が争い、敗れた方の骨をつかってボルグ・マク・ブアインがこの槍を作り上げた。その後、影の国の女王スカアハによって若きクー・フーリンに授けられる。

ゲイ・ボルグは銛のような形状をしており、投げれば30の鏃となって降り注ぎ、突けば30の棘となって破裂する。

だが朧にこれを作るほどの力はない。

だからこそアレンジを加えた。

投げれば30以上の雷が降り注ぎ、突けば30以上の鎌鼬が相手の体を裂く。

 

 

「「うぉおぉおぉおおぉおぉぉお!!!」」

 

 

二人は、お互いに槍を投擲した。

だが投擲した瞬間、『スキマ』に消えていった。

 

「なに!?」

 

「紫か!?」

 

だがそれだけでは終わらなかった。

突然俺の腹に衝撃が走った。

何かで殴られた。

完全な不意打ちだった為近くの岩盤に叩きつけられた。

 

「はぅあっ!?」

 

くそ!何処ぞの星の王子みたいな声を出しちまった!

 

「朧さん?これはどういうことですか?」

 

その声は、聞き覚えがあり俺よりも上から聞こえた。

俺は、声が聞こえた方に視線を上げると…………

そこには、俺の死んだと思っていた彼女がいた。

それとついでに見えた…………

 

「も椛!?殺されたはずじゃっ」

 

「死んでません。トリックです。」

 

「まぁ実際は私が助けたんだけどね。」

 

その声と共に紫が俺の横から出てきた。

そうか。

紫のスキマで助かったのか。

 

「さて朧さん。少し覚悟してくださいね?」

 

はい?

 

ガンッ!

鞘入りの刀で殴られた。

 

「ぐふっ!」

 

「貴方は!」

 

「ごふっ!」

 

「いつも!」

 

「グハッ!」

 

「やり過ぎなんです!」

 

痛いっすごく痛い!

椛さん少しくらいは手加減してよ。

椛は殴り終わってから俺を抱きしめて来た。

 

「やり過ぎですけど、でもここまでする位に思ってくれてるんですよね。でも、でも私も心配なんですよ?」

 

「椛っ」

 

それを聞いて、俺も抱きしめる。

俺が、椛を心配するのと同じで椛も俺が心配なのだ。

あぁやっぱり、ダメだな俺は。

だからこそ、守りたいんだ。

 

俺は、新たに決意を固めた。

 

 

 

 

 

 

朧は、ちゃんと守りたいモノを見つけたんだな。

もう俺が心配する必要はないな。

さて…………

 

「やっやぁタバサ。こんなところで会うなんて珍しいな。」

 

「蒼鬼。正座。」

 

「えっ?ここ結構ゴツゴツして…」

 

「正座。」

 

「…………はい。」

 

「じゃ頑張ってね。」

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ蒼鬼。」

 

「なんだ?」

 

「最近の彼女は酷いや。」

 

「そうだな。」

 

今は、二人して座り込んでいる。

俺達は自分達の彼女から治療を受けている。

二人が妙に仲良かったので後で聞いてみたが、恋人組合なるものを作ったらしい。

組合って何?

 

「あぁそうだ。朧お前自分の能力について分かってるか?」

 

「ん?あぁ自然現象だ「そうじゃないしそれじゃない」へ?」

 

蒼鬼は俺の目を真剣に見つめてきた。

その視線からガチの話だろうと予想がつく。

 

「朧。お前、能力の格については知ってるな。」

 

「詳しくはないが、一通り。」

 

確か、下格、中格、上格そして神格。

下格は、少し飛び出ている程度。

中格はそれなりに、上格はかなり強力な能力。

神格は神が扱う能力だ。

 

「そうか、ならお前の自然現象が上格にあるのは知ってるな。」

 

「そう説明されてたからな。」

 

「だが、稀に『お前の様に』上格から神格へ覚醒する奴がいる。」

 

あん?

お前の様に?

 

「まて、て事は俺の能力が?」

 

「そうよ。」

 

そう言って答えたのは麗華さんだった。

あっ奈々やココもいる。

 

「はい。動かないでね。調べるから。」

 

麗華さんの人差し指が額に当たる。

そして優しい光が、発せられる。

あっ暖かい、それにすごく優しい。

 

「はい、終わったわよ。それにしてもなんていうバカ能力。」

 

「どうだったんだ?」

 

蒼鬼がそう聞いて俺も耳を傾ける。

 

「全ての現象を書き換え上書きする能力。」

まるでチートね。

 

「ふむ、なら全現象操作(オールハック)とでも呼ぼう。」

 

蒼鬼が名前を決めた。

そういう乗って俺が決めるのでは?

 

「そろそろいいかしら?」

 

紫が入り込んできた。

 

「蒼鬼さん。そろそろ貴方達限界なんじゃないかしら。」

 

「あぁ多分な、あの爺さんも転生とかなら行けるけど流石に2人介入させ続けるのはきついだろうな。」

 

「そう、ならお別れは早くしてね。そして、朧。貴方には『天照の巫女』に会ってもらいます。」

 

天照の巫女。

うわぁよりにもよってなんでこう家族に逢わなきゃならんのだ。

 

「天照の巫女というと、あいつか。」

 

蒼鬼も気づいたみたいだ。

そう、俺達のもう一人の家族。

 

「なら、朧。ここで別れだ。いずれまた会おう。あいつにもそう伝えてくれ。」

 

「あぁまたな。」

 

「それじゃ行くわよ?」

 

 

こうして、突如の来客と人間に戻った悪魔は別れて旅立った。

来客は自分の世界へと。

悪魔は自分を拒絶した世界へと。




はい、前回の電車はこういうことでした。
第三章は、外の世界へ飛びます。
読んでくださってありがとうございます。

感想などありましたら。ドシドシください。
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