どうしてこうなった……。
「………………」
「………………」
二人の間に会話は無い。
流石に、1ヶ月も交流は無いのだ。
話すことは正直無い。
赤城様の後を着いていく……が、段々とKAN-SENが増えてくる。
正直言って気まずい。
割と好奇な視線を集めている。
(……気まずい!!)
KAN-SEN寮は勿論KANーSENしか住んでいない。
そしてKAN-SENは女性型しか存在しない。
場違いも甚だしいのだ。
そんな中、周囲を見ない様に勤めながら歩く。
「着きましたよ」
「わぷ」
立ち止まったのに気が付かず、赤城様のしっぽにぶつかる。
……柔らか。
「……離れてくださいます?」
「す、スミマセン」
睨まれた。
そりゃそうだ。
「上がって下さい。加賀が待っています」
「え……加賀?」
加賀って、まさか。
「ただいまぁ~加賀ぁ~」
「お帰りなさい、姉様……そいつは」
玄関から、赤城様とは正反対の色使いの女性が出てきた。
「紹介するわね。今統合計画を手伝って貰っているアカツキイサムさんですわ」
「ど、どうも……」
「ふん……」
鼻を鳴らしたと思えば奥へ引っ込んでいった。
「あ、あはは……」
「あの子、ぶっきらぼうですけど根は優しい子ですのよ」
「そ、そうなんですか……」
「姉様」
「あらあらどうしたのかしら加賀。顔が赤いですよ」
「こ、これは……」
「ははは……」
不意に、笑みを溢してしまった。
やっぱり、歴戦のKAN-SEN相手に身構えていたのかも。
「何がおかしい」
「え、い、いえ……」
「フン。赤城姉様が連れてきたならとやかく言わん。さっさと食って帰れ」
加賀様が持っていたのは……鍋。
中身はおでんだった。
「さ、頂きましょう」
「い、頂きます」
久しぶりに、誰かの手料理を食べる気がする。
……大根に出汁が染みていて、
「……美味しい」
「ふふ、それは良かったですわ」
「姉様。作ったのは私です」
「細かいの事は良いのよ。さ、アカツキさんおかわりもありますよ」
「あ、はい、頂きます」
温かい。
そう感じる。
「そう言えば姉様の仕事を手伝っていると言ったな」
「え、ええ……」
「ほう……まぁ、励めよ」
「は、はぁ……ありがとうございます」
「酒は飲むか?」
「すいません、未成年なんですよ……」
何でお酒何て常備してあるの。
「真面目だな、お前は」
「それが取り柄ですので」
「……ですが、今回の超過労働は見過ごせません」
「それは……」
「良いですか、アカツキさん。貴方はKAN-SENとは違います。疲労は人間として襲ってくるのですよ。休養することも、仕事です」
「……はい」
ああ、そうか。
この人はちゃんと、俺の為に叱ってくれているんだ。
「……すみません」
おでんは、とても美味しかった。