レッドアクシズ・ストランディング   作:塊ロック

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マイブームがすぐに反映されるのは、良いのか悪いのか。


第十四話 まだ休暇初日

「あら、この様な場所で。奇遇ですね」

「お、お疲れ様です、赤城様!」

 

背後から声を掛けられ、回れ右から思いっきり頭を下げた。

……愛宕さんと隼鷹が苦笑している。

 

「今日は仕事ではないのですから。そんなに畏まらなくてもいいですのに」

「ですが……」

「アカツキさん?」

「わ、わかりました……」

 

笑顔で圧を掛けられてしまった。

 

「愛宕に隼鷹、貴女達がいると言う事は」

「イサムは今日が仕事の日だと思ってました」

 

隼鷹がそう言うと、赤城様は眉間に手をやりため息を吐いた。

……この人も苦労してるんだな。

 

「誰のせいだと?」

 

何で考えてる事バレたんですかね。

 

「まぁ、良いですわ……そう言えば」

 

ふと、赤城様が尋ねてきた。

 

「私はそう言ったものには疎いのですが……アカツキさんは、何か武道を修めているのかしら?」

「いえ……何故です?」

「加賀が、気にしていまして」

 

加賀様が?

どうしてだろうか。

 

「曰く、『ナヨっとした性格だが、体の軸……体幹が鍛えられている。何かしら修めているのだろう』と」

 

ナヨっとした性格と言われてちょっと傷付いたのはナイショだ。

隼鷹が俺の頭撫でてるけど顔に出ていないと信じたい。

 

「護身に……嗜む程度ですが、寺由来の拳法と武器を使った格闘術を少しだけ」

「戦争には忌避感を抱いていると見受けましたが?」

「……身にかかる火の粉は、払わなくちゃなりません」

 

暴力はいけない、そういった所で相手は待ってはくれない。

そんな事、嫌ってほど体感した。

 

どうして同僚達が力ずくで俺を従わせに来ないのか。

 

「矛盾、ですわね」

「………………」

 

そんな事は分かってる。

それでも、

 

「もう、赤城ったら。今日は貴女もお休みなんでしょ?こんな話してるのはリラックス出来てない証拠よ」

 

背中から抱き締められた。

……愛宕さんだ。

 

「赤城も、仕事中毒ね」

 

隼鷹が苦笑してそう言った。

 

「まぁ、失敬ね。久しぶりに手のかかる部下が出来てしまったのですから」

「あら、誰の事かしらね」

「貴女達が面倒を見てると聞いた時にもう少し考えるべきでしたわ」

「な、なんの事かしらね〜」

 

二人共そっぽを向いた。

その様子がおかしくて、思わず笑みを溢した。

 

「フフフ……空気を少し悪くしてしまったお詫びに、甘味など如何です?」

「本当!?」

「愛宕、何で貴女が反応するのよ。しかも午前中どれだけ食べたと思ってるのよ」

「甘い物は、べ・つ・ば・ら♡」

「愛宕さん……食べ過ぎでは?」

「KAN-SENは太らないから平気よ」

「あら。最近KAN-SENの体重増減の報告も上がってきてるわよ?」

「えっ……」

 

愛宕さんの顔から血の気が引いた。

 

「KAN-SENだからといって努力を怠ると、痛い目見ますわよ」

 

苦笑するしかなかった。

 

 




イサムの特技に某フロムゲーの仙峰寺拳法が追加されました。

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