レッドアクシズ・ストランディング   作:塊ロック

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名前:アカツキ・イサム

年齢:18

身長:178cm

容姿
長い黒髪をポニーテールに纏めている。
顔立はすこしだけ男性寄りの中性顔。
瞳の色は琥珀。
左目に泣きぼくろがある。


主人公。
重桜出身で軍部の補給輸送部門に所属している。
性格は温厚。
滅多な事では感情が荒ぶらないがキレるときはキレる。

幼い頃、両親に棄てられて孤児院に拾われた。
物心ついた頃、とあるKAN-SENと出会い一人だった自分に手を差し伸べた彼女に救われた過去を持つ。

特殊能力を所持しており、触れたものを水の上に浮かせる事ができる。
その為、トライクやトラックを水上スキーのごとく動かすことが出来る。
この力を活かして日々配送業務に勤しんでいる。


交友関係
幼馴染→隼鷹
上司→赤城

他、愛宕や翔鶴とも交流がある。




第一話 海を走る運び屋さん

 

 

 

トライクを走らせること10分。

既にこの先に道はない。

 

あるのは、崖から広がる海。

 

その海の向こうにある島に、今回の依頼人が居る。

 

「さて、海路だ」

「先導は私に任せて」

「よろしく、隼鷹」

 

ニコッと笑って、隼鷹は崖から飛んだ。

俺もトライクをバックさせ、充分距離を離す。

 

アクセルを全開。

トライクの2つの前輪が変形し、合体して一つになる。

速度が先程までと桁違いに速くなる。

 

「それっ……!!」

 

崖から飛んだ。

 

一瞬の浮遊感。

そして、下には海―――。

 

海面に、激突……しなかった。

 

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「結構高かった!」

「ちょっと!危ないことは辞めてよ!」

「この位へーきへーき!」

 

これが、俺が授かった……授かってしまった異能。

 

触れたものを海に浮かべる事が出来る。

 

その為、陸路と同じ感覚で配送が出来るのだ。

この力のお陰で、俺は重桜の役に立っている。

 

育ててくれた国の為に、働けている。

 

「隼鷹!島まで競争だ!」

「ちょっと、イサム!?もう!負けないわよ!」

 

隼鷹はKAN-SENだ。

装備を展開する事によって海上を陸地以上に自由に進める。

 

そんな彼女と、二年……一緒に配送をしていた。

 

「抜いたぞ!」

「あっ!待てー!」

「ははっ!待てと言われて待つ奴が居るかっての!」

「あんまり飛ばすと荷物が落ちるわよ!」

「大丈夫だ!背中に縛着してる!」

 

陸地に到着する。

一度トライクを止めて、ゴーグルを外した。

 

「ふう……」

「もう!イサムってば!護衛の私を置いていくなんて」

「ごめんごめん。でもさ……重桜の領海なんだ。そうそう敵なんて出ないよ」

「最近セイレーンもめっきり減ったし……」

「そうそう。平和が一番だよ」

 

髪を結び直す。

切ろうとすると隼鷹が止めてきて、切ると言い出すのでとても長い。

短くするとすごい剣幕で怒るから、それ以来隼鷹に頼んでいた。

 

でもやっぱ長い。

 

「ちょっと休憩」

「……イサム。その水筒の中身……ちゃんと水よね」

「えっ、あっ、うん。水だよ水」

「没収」

「ちょっ!俺のモンスター!!」

「やっぱり水じゃないじゃない!」

「良いだろ!目覚めるし!」

「こんなの体に悪いのよ……もう。はい、麦茶」

「むう……ありがとう」

 

隼鷹の作った麦茶美味しいからいいけどさ。

また部屋に戻ったら隠れて補充しとかないと。

 

トライクに跨る。

後ろに隼鷹が座る。

 

「あと少し。行こうか」

「うん」

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

重桜の島国には、それぞれに小さな区画で人々が住んでいる。

いずれは橋をかけて重桜を一つにする計画が動いている。、

 

今日訪れたのはお年寄りの多い区画で……配送先は、診療所。

 

「やぁ、よく来てくれたねイサム」

 

白衣の男性が手を広げて声をかけてきた。

 

「こんにちは先生。薬持ってきたよ」

「赤城様に兼ねて寄り嘆願書を送っておいて正解だったよ……ありがたい。そろそろ数が厳しくなってきた所なんだ」

 

背負った薬を降ろし、ケースの蓋を開く。

中身を依頼主に確認してもらうまでが配送だ。

 

「……状態良好。まるで新品みたいだ。いつも助かるよ、イサム」

「任しといてくださいよ」

 

離れてトライクに腰かけている隼鷹に向けてサムズアップ。

彼女は微笑んで手を振り返してくれた。

 

 

 




これが、イサムの日常。
一章は基本的に重桜内での出来事を書く予定です。

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