【完結】レッドアクシズ・ストランディング   作:塊ロック

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第三十一話「一時離脱」

………………俺たちは全員ボロボロの状態で仮拠点に帰ってきた。

 

「つ……強かった」

 

能代が溢す。

こちらは3人、向こうは1人だったのに圧されていた。

それだけあのメイド長は上手だったのだ。

 

「みんな……無事……?」

「ええ……」

 

二人とも無言だったけど、隼鷹は息絶え絶えで答えた。

 

「シャワー、使っていいよ……」

「イサムも無理しなくて良いから……」

「いっそ全員で浴びます……?」

「お風呂入りたいですわー……」

「ていうか重桜製のベースキャンプなのにお風呂無いんだ……」

「あるわよ」

「「「えっ」」」

 

あるんだ。

あれ、何で言ってくれなかったの?

 

「イサム、先にどうぞ」

「いや、悪いよ……そっちこそ先に入りなよ。俺はシャワーで良い……」

「背中流せないじゃない」

「乱入前提じゃん。辞めてよ」

 

隼鷹、たまに風呂に乱入してくるから気が抜けない。

しかも毎回じゃなくて完全に油断してるタイミングで。

 

愛宕さんは気を遣って来ないけど。

 

「イサム様のお背中……」

「何でちょっと元気になってるのさ大鳳さん」

「え、う、うふふ、何でもありませんわ」

 

この人もこの人で要注意、だなぁ。

と言うかさっきから能代がピクリともしない。

大丈夫かな……。

 

 

……そう言えば、どうして能代は俺達の場所までやって来たのだろうか。

回復したら聞いてみよう。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

風呂だ。

浴槽の中で脚が伸ばせる…………………。

 

 

 

カミはここに居た。

 

「はぁぁぁぁ……」

 

深いため息が出る。

疲れた。

とにかく疲れた。

 

大鳳さんを拾ってからもうごっちゃごちゃも良いところ。

……まさか、またあのロイヤルのメイド長……ベルファストに遭遇するなんて。

 

「……っ」

 

また、あの時首を締め生殺与奪を握られた夜を思い出し、身震いした。

下手したらあの時俺は死んでいた。

 

狼さんが来なければ本当に。

 

『……イサム、湯加減はどう?』

 

そんな状態を見透かした様に、隼鷹が声をかけてきた。

 

「大丈夫だよ」

『ほんとうに?』

「……うん。大丈夫」

『私が着いてるわ』

「……うん」

『だから……大鳳?何しに来たのかしら』

 

隼鷹の声が急に殺意丸出しになる。

怖いって。

 

『イサム様!大鳳がお背中お流ししますわ!』

『このっ、そんな元気あるなら戦ってる時に出しなさいよ!!あっ、誰もその駄肉出せとは言ってないわ!!』

『離しなさい隼鷹!貴女だって脱いでるじゃありませんか!』

『濡らしたくないからよ!』

 

やっべ。

これ絶対入って来るやつだ。

とりあえず鍵を閉めた。

 

『あら?イサム様ー。開けてくださいましー』

『イサム?何してるの?開けて?』

 

二人して何で今結託したの。

 

かちゃり。

 

「ゑ」

 

今開いた音したよね。

 

「無駄よイサム。私の特技は鍵開け」

「イサム様!お流ししますわ!」

 

おおカミよ、寝ているのですか。

 

『しらそん』

 

誰だ今の。

 

「貴方達!いい加減にしなさい!!」

「「ぎゃん!!!!」」

 

………………二人とも、能代にしばかれて引きずられて行った。

 

「……いったー」

 

さり気なく俺も叩かれた気がする。

 

頭痛い。

 

 

 

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