今年もしぶとく路肩の雑草の様に生きてますので、まだ私の作品読んで下さる方がいらっしゃるならば、どうかもう少しお付き合いください。
「では、私は大鳳さんを連れて一度本部に戻ります」
翌日。
能代が風邪をひいてすっかり弱っている大鳳さんを担いでいる。
「ごほっ……うぅ、大鳳も最後までイサム様の傍に居たかったのにぃ……」
「自業自得よ。さっさと帰って直してから出直してきなさい」
……隼鷹が、言外にまた来いと言っている。
ちょっと驚いて隼鷹の方を見てしまった。
「……何」
「何でもないよ。大鳳さん、お大事に。俺の連絡先、取り合えず渡しておきますね」
「!!!!!ありがとうございますイサム様ァ!!ごほっ!!げほっ!!」
「わ、わぁ大丈夫!?」
「「はぁー……」」
二人が盛大にため息を吐いた。
「行きますよ、大鳳さん」
「大鳳はいつでもどこでもはせ参じますわぁぁっぁぁぁっぁああ!!!」
――――――――――
洋上を、二人で並んで走っている。
お互いに無言だ。
「………………」
静かだ。
波の音、トライクの音しかしない。
「………………静かね」
「そう、だね」
「騒がしいのが居たから、かな」
「かもね」
二人だけになったのが、とても久しぶりに感じられる。
でも、まだ最初の中継地点を超えただけ。
先は、長い。
「ねぇ、イサム」
「何?」
「気になる子とか居たりするの?」
慌ててハンドルに意識を戻す。
一瞬バランスを崩しかけた。
「ちょっと、イサム!?」
「な、何さ急に!?」
隼鷹らしからぬセリフに動揺していた。
「何って……ちょっと気になっただけ。イサムももういい歳だし」
「そ、そうだけど」
「部屋のベッドの下にもそう言う雑誌置いてないし」
「そんな分かりやすい場所には流石に置かないよ!?」
「……あるんだ」
「え、いや、違っ」
「帰ったら、探すわ」
「隼鷹!!」
しかし、どうしたのだろう。
今までそんな事聞いたことなかったのに。
「隼鷹……」
「何?」
「ちょっと、テンション高い?」
「………………」
「図星なんだ……」
「何よ」
「ううん。何でもない」
「何よイサムったら生意気ね」
「あはは……ちょっと、艦載機で追っかけてこないでよ!」
「ふん」
「うわわわっ」
そして、二人で笑い出した。
何がおかしいのかわからないくらい。
「たまにはこういうのも、良いでしょ?」
「そうだね」
この日は、日没まで移動して次の中継地点まで到着した。
夜の航海はリスクが高いから、それを考慮して中継地点の間隔が設定してあるみたい。
「そう言えばイサム」
「何?」
「荷物、増えてるけどそれ赤城に確認しなくても良いの?」
……そう言えば開発艦のメンタルキューブが一つ増えていた。
「今から連絡入れて大丈夫かな」
「大丈夫でしょ」
「なら良いんだけど」
さて、報告もし忘れていたし、なんて言おうか。