【完結】レッドアクシズ・ストランディング   作:塊ロック

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知らないのか?
ロイヤルの女からは逃げられない。


第三十九話 ロイヤルからは逃げられない

本日も快晴。

俺とヒッパーさんは並走、その一歩後ろに隼鷹がいるいつものフォーメーション。

少し前方を偵察機が飛んでいる。

 

重桜を出て早2週間。

色んなことがあった。

もうすぐ、鉄血だ。

 

このまま、何も起こらないと良いんだけど。

 

「そう言えばあんた達、鉄血に着いたらどうするのよ」

 

ふと、ヒッパーが口を開く。

 

「どうするって、仕事終わったし帰るよ」

「はぁ!?アンタバカァ?何でわざわざ遠くまで来たのにすぐ帰らなきゃいけないのよ!」

「えっ、そんなのこれも仕事だからだよ。まだ重桜で待ってる人も居るんだ。休んでなんか居られないよ」

「な、何よあんた……真面目過ぎじゃない?」

「真面目に育っちゃったのよね……」

 

隼鷹がため息を吐いた。

 

「兎に角、やる事やったらちょっと案内してあげるわよ」

「ほんと?嬉しいな、外国なんて初めてだから」

「うっ……普通に素直に反応されるとそれはそれで困るじゃない……」

「?」

 

ヒッパーが何か呟いていたけど、よく聞こえなかった。

思えばこの時、俺は近付いてくる外国にちょっと浮ついていたのかも知れない。

 

「……イサム。まだ遠いけどロイヤルの偵察機」

「何だって?」

 

このタイミングで?

愛宕さんが言っていた事が的中か。

 

「……こっちに戦闘の意志は無いんだけどな」

「荷物について聞かれたら何も答えられないのよ。実力行使もあり得るわ」

「だよねー……」

 

さて、こちら側の手札は……ヒッパーは弾薬の補給もままならずぶっちゃけ戦力にならない。

なので完全に隼鷹頼りなのだ。

 

向こうは偵察機が居るって意味では確実に空母クラス。

 

何とか戦闘だけは回避したい。

 

「なるべく避けるルートを取ろう。隼鷹、艦載機はどの方面から来てる?」

「東よ」

「わかった。じゃあ西へ」

 

ルート変更。

ちょっとズレと遅れが生じるけど仕方ない。

俺達の輸送は保険の意味合いが強いから期限は無い。

多少遅れた所で問題は無い。

 

「……イサム。不明機が追従してくるわ」

「追ってきてる?」

「ええ。私の偵察機が戻る方向から位置を割り出すつもりね」

「偵察機の飛行可能時間、大丈夫?」

「ギリギリまで飛ばすけど、バレるのは時間の問題ね」

「……ヒッパー、全速で離脱する準備を。相手が空母なら俺達の足にはギリギリ追い付けないはず」

「随伴艦がいたらどうする気?流石に単騎はあり得ない。駆逐艦が居たらアウトだっての」

「その時は、その時だよ」

「呆れた。ひどい博打ね」

「君を助けた時よりは勝算があるから」

「……何よ。アタシを助ける為にそんな大博打したわけ?」

「?そうだけど……」

「!?あ、あっそ!!」

 

ヒッパーがそっぽを向いた。

博打はまずかったのかな。

 

「……イサムはそのままで良いのよ」

 

隼鷹が凄い生暖かい眼をしている。

なんか解せない。

 

その瞬間、唐突にトライクのエンジンが止まった。

 

「う、え、ぁぇ!?」

「イサム!?」

 

慣性も何もかもガン無視して急停止した。

前に俺だけ飛ばされなくて良かった。

トライクから手を話したら沈んでしまう。

 

「え、な、何?急に止まった?」

 

計器をチェックしても特に異常はない。

燃料も今朝追加したから満タンのはず。

 

「セイレーンか……?!」

「んなワケ……!ここは安全化された航路よ!」

「……拙い、ロイヤルのKAN-SEN、動き出したわ!ヒッパー、迎撃準備」

「迎撃ってったって!」

 

 

 

「じっとしてなさい」

 

 

 

その瞬間、二人の動きが止まった。

否、止められた。

 

 

 

 

「ごきげんよう、貴方が……アカツキイサムさんですね?」

 

 

 

 

 




あーあ、出会っちまった(震え声
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