【完結】レッドアクシズ・ストランディング   作:塊ロック

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不幸って、重なるものなんですよ。


第四十一話「押しが強いのがロイヤル流」

なんか、どっと疲れた。

あの後隼鷹が索敵したが本当に帰ったらしい。

 

「何だったのよあの女」

 

尤もだ。

ヒッパーがため息をこぼす。

 

「主砲が撃てたら遠慮なくぶっ放してやったのに」

「……戦闘の意志は無かったんだし、機会も無かったと思うよ」

「アンタバカぁ?あのロイヤルよ?絶対何か仕掛けてたに違いないわ!」

「そうかな……」

 

……さっきから隼鷹が黙っている。

こういうとき、彼女は何を考えているのか。

大抵、解決策を模索しているか……何も出来なかった自分を責めている。

 

「隼鷹」

「………………」

「隼鷹ってば」

「………………」

「姉さん」

「………………何?」

 

普段は絶対に呼ばない呼び方。

小さい頃は、こう呼んでいたらしい。

 

「大丈夫だよ」

「……でも」

「今回も大丈夫だったんだ。だから、きっと大丈夫」

「……そうね。ごめんなさい。次はしっかりするから」

「うん」

 

これで、きっと大丈夫だ。

そんな様子を、ヒッパーが手で顔を扇ぎながら見ていた。

 

「何ここ。海の上なのに熱いわ。アンタ達兄妹にしては距離近過ぎよ」

「まぁ、血は繋がってないから」

「ヒトもKAN-SENもそんな物よ」

「アタシの妹達はそんなんじゃないけどね……むしろアタシの事完全にナメてるわ」

「ヒッパーの妹さん達か。きっと可愛いんだろうね」

「何でよ!」

「だって君可愛いし」

「なっ……!?!!何言ってんのよバカヘンタイスケベ!!」

「えぇ……?」

 

俺なんか変なこと言ったかな……。

 

「……」

「いてっ」

 

隼鷹が即頭部に手刀を入れてきた。

 

「何するのさ」

「お姉ちゃんちょっとそれはどうかと思う」

「何でさ」

 

そんなやり取りをしながら、次の中継地点に到着するのだった。

 

 

 

 

「あら、またお会いしましたわね」

 

 

 

 

………………聞いてない聞こえてない俺は何も見ていない。

なんか物凄い美人が部屋のテーブルで優雅に紅茶飲んでるなんて幻覚に違いない。

 

俺はそっとセーフハウスのドアを閉めた。

 

振り返ると、ヒッパーと隼鷹は目を閉じて手を組みなんか祈っていた。

え、これ開けなきゃ駄目?

 

外から鍵掛けて次の場所向かっちゃ駄目?

 

「夜の航海は死ぬほど危険よ」

 

開けなきゃ駄目かー……。

 

深呼吸。

息を吐き出し、一言。

 

「駄目だ、俺には出来ない……ッ!」

「さっさと開けなさいよ!!」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「こんばんは、イサムさん。お早い再会、嬉しく思いますわ」

 

どうも、イサムです。

何故か俺はフォーミダブルさんと相席してお茶を貰っています。

重桜のお茶とはまた風味も味も全然違う。

けどぶっちゃけ味なんて分からない。

 

背後にヒッパーが立っていて、隼鷹が警戒に出ている。

 

と言うか、何でこの場所がバレてるんだ?

 

「戦いは情報が命ですわ」

「俺は、戦ってるつもりは無いんだけどな……」

「あら、私にとってはこれも戦いですわ」

「どう言うことなの……」

「ふふ、お可愛いこと」

 

女性に言われても顔を顰めるセリフナンバーワンだと思う。

 

「それで、フォーミダブル、さん、でしたっけ。貴女は一体何の御用で?」

 

話す機会が訪れた、と言うのはある意味僥倖なのかもしれない。

こうしてお互いに意思疎通を測り相互理解を……。

 

「貴方にお会いしたかったから、なんて女性に言わせるおつもりですか?罪なお方」

 

相互理解、出来そうですか……?

 

「ちょっと何突っ伏してんのよ!」

「どうすればいいのこれ……」

「……分かんない」

 

助けて。

対面のフォーミダブルさんは意に介さずニコニコしている。

 

「えっと、何処かでお会いしたことが?」

「ありませんわ」

「えっ」

 

じゃあ何でこんなグイグイ来るんだ?

 

「こうして出会ってから親交を深めると言うのも、悪くないとは思いません事?」

「ま、まぁそうですけど」

 

袖振り合うも多生の縁、とは言うが。

 

「私、貴方に興味がありますので」

「……恐縮です」

 

拙い、段々向こうのペースに巻き込まれている。

その時、隼鷹が部屋に飛び込んできた。

 

「イサム、大変よ!ロイヤルの艦隊だわ!」

 

えっ、これヤバくない?

 

 




イサムくん、段々逃げ場が無くなっております。
果たして、彼は鉄血に辿り着けるのか。
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