【完結】レッドアクシズ・ストランディング   作:塊ロック

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このあたりで一回章を区切るのか、完結まで持っていくかを考えてます。


第五十二話 リハビリ

鉄血での入院生活は、慣れない土地と言うのもあってちょっと苦労した。

けれど、ヒッパ―のサポートの甲斐あって何とか過ごせている。

 

今日は、体のバランスが偏ってしまっているのでリハビリをしている。

少しでも早く自分の足で歩けるようにならなくては……。

 

「だいぶ歩けるようになったわね……」

「ぜぇ……ぜぇ……まだ、まだだよ……」

「ここまでにしましょ」

「まだ、行ける……」

「駄目よ、まだ体力戻ってないでしょ」

「でも、俺はっ……」

「駄目ったらダメだっての!大人しくしなさい」

 

ふらついたところをヒッパ―に支えられる。

……この生活が始まった時から、妙にヒッパ―からの当たりが柔らかくなっている。

 

以前のように罵倒されていないというか。

 

「ねぇ」

「何よ」

「何か、あったの」

「……………………何か、って」

 

ヒッパ―が唇を噛む。

 

「あったに、決まってるじゃない……!」

「ヒッパ―?」

「あんたは何で笑ってられるの……!?こんなにボロボロになって、腕まで無くなっちゃって!」

「ヒッパ―、落ち着いて」

「あんたは人間なのよ!?もう、戻らないのよ……!」

「ヒッパ―」

「私は、あんたの為に何も出来なかった……あんたは、命を賭けて私を助けてくれたのに!!」

「そんなこと無いよ。ヒッパーが居なかったら俺は死んでた」

「でも……!!」

「あんまり、自分を責めないでよ。俺も、君も生きてる。それで良いじゃないか」

 

気が付けば、ヒッパーの瞳からボロボロと涙が溢れている。

気丈だった彼女がここまで自分を責めていたなんて。

 

俺は、ヒッパーの頭を撫でて続けた。

 

「腕は無いけど、生きてる。生きてるなら生きていける」

「何よ、それ。意味わかんない」

「……実は、俺も」

「何よソレ!」

「あははは……ヒッパー」

「何」

「外、出れるようになったらさ。この国、案内してくれない?」

「……勿論」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「邪魔するわよ」

「げっ」

 

ノックもそこそこに病室に誰かが入って来た。

銀の髪に一筋赤いメッシュを入れた、すらっとした姿の美女だ。

ヒッパーと似た服を着ているから鉄血のKAN-SENなんだろう。

 

KAN-SENって皆美人だよなぁ。

 

「帰ってきたなら顔くらい出しても良くない?これでも心配してたのよ」

「わ、悪かったわね……」

「それで……ふーん?へぇ……」

「な、何でしょうか……」

 

KAN-SENの女性が俺の顔をジロジロ見ている。

値踏みされているみたいで居心地が悪い。

 

「この子が、ヒッパーがうわ言でずっと名前を読んでいた『イサム』ね?」

「んなぁっ!?ち、違うわよ!?」

「ヒッパー……?」

「違う!違うっての!!オイゲン!何しに来たのよ!!」

「別に?ヒッパーにも春が来たのかと思っただけよ」

「はっ、はははは春!?」

「そんなあからさまな反応しなくても良いのに。初めまして、国を繋いだ英雄さん。私はプリンツ·オイゲンよ」

 

いたずらっぽいウィンクしながら自己紹介。

 

「え、ああ、どうも?え?英雄ってそんな」

「うふふ、冗談よ」

「ええ……」

 

ん?プリンツ・オイゲンって確かヒッパ―の……

 

「ヒッパ―の妹さん?」

「……そうよ」

「へ、へぇ……」

 

思わずオイゲンさんを見てしまう。

……なんというか、色々大きいですね。

 

「フン!」

「いづっ!?」

 

わき腹に鈍い痛み。

その様子を見てオイゲンさんはにこにこしている。

 

「オイゲン、アンタただ重桜人が珍しいだけでしょ」

「どうかしらね。あ、この国は特にビールが美味しいわよ」

「お、俺まだ未成年なんで……」

「あら残念」

 

……凄いナチュラルにベッドに腰掛けられた。

 

「……そう言えば、前に病室飛び出て行った重桜の軽空母は戻ってきたのかしら?」

「え……?」

 

その質問が放たれた瞬間、ヒッパ―は固まった。

そして、俺はどうしてその考えに至らなかったのか己を恥じた。

 

「ねぇ、ヒッパ―」

「何」

「隼鷹は……?」

 

……この2週間。

一度も俺は隼鷹を見ていないのだ。

 

 

 




隼鷹、失踪。

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