【完結】レッドアクシズ・ストランディング   作:塊ロック

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例え腰抜け呼ばわりされようと、俺は俺にできることをするだけだ。



第五話 幼馴染

トライクを飛ばす。

隼鷹は、そう言えば唐突に居なくなっていた。

 

(どこに行ったんだろう……まぁ、いつもの事か)

 

隼鷹はふらりとどこかに行って、そして帰ってくる。

でも配送の時には一緒にいる事が多い。

居ないときもあるのでそう珍しい事ではない。

 

「島風は速いぞぉー!!」

 

隣を物凄いスピードでKAN-SENが爆走して行った。

 

最近進水式を終えた新型のKAN-SEN……島風さんだったっけな。

こちらを一瞥もしないでそのまま消えて行った。

 

普通は、こんな感じなのである。

まぁ、俺は海上をトライクで移動しているから物珍しさで声を掛けてくるKAN-SENも居なくはない。

 

(……開戦の雰囲気、かな……やっぱり近々大規模な作戦があるんだろう)

 

大規模なセイレーン討伐戦だろうか。

それならばまだ……まぁ、良い。

人類の敵に対しての反抗なのだから。

 

仮に……これが、他の国相手だとしたら。

 

(……止そう。俺には、関係ない)

 

俺は、荷物を運ぶだけ。

でも……それだけ?

 

俺は、なんの為に……。

 

 

 

 

 

 

 

「イサム」

 

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!!!??!」

 

 

 

 

 

急ブレーキ。

慣性で吹っ飛びそうになるのを堪える。

 

えっ、何?!

急に……。

 

「……隼鷹?」

 

Uターンしてこちらに向かってきているのは……見知った顔の、隼鷹だった。

 

「な、何してるのさ隼鷹」

「イサム、貴方……疲れてるんじゃない?私に気付かないなんて」

「えっ?」

「五分くらい追い掛けていたわ」

「そんなに?と言うか今までどこに?」

「……内緒」

「……わかった」

 

トライクを発進させる。

隼鷹も並走してきた。

 

「……悩み事?」

「別に」

 

ぶっきらぼうに返した。

するの、隼鷹は微笑む。

 

「わかるよ。幼馴染だもの」

「ちぇっ……なんだよ」

「イサムは気を使われると拗ねちゃうもの」

「なっ……別に拗ねてなんか」

「ふふふ、無理してる」

「……はぁー……隼鷹には敵わないなぁ」

 

向こうのほうが何枚も上手。

伊達に面倒観てくれただけの事はある。

 

「ちょっと、ね……さっき基地に来たKAN-SENに言われちゃってさ」

「ふぅん……誰?」

「え?」

「だから、誰?」

 

隼鷹の顔から表情と言うものが抜け落ちている。

 

「誰って……高雄さんだよ」

「そう。わかったわ」

「待って待って待って待って待って待って待って待ってどこに行くつもりなの!?」

 

明らかにヤバイ目つきで踵を返そうとした隼鷹を引き止める。

 

「ちょっと用事を思い出したわ」

「うんそれ絶対ろくでもないようじだよね!?」

「大丈夫、迷惑は掛けないから」

「100%高雄さんに迷惑掛かるよね!?やめよ!?」

「……イサムの為だから」

「要らないって!!……隼鷹が居てくれたら、充分だよ」

「イサム……」

 

ちょっと照れ臭くなって前を向く。

……隼鷹は、笑った。

笑ってくれた。

 

「わかったわ。まだまだ甘えん坊ね、イサム」

「ちぇー、最後にそれかよ」

 

 




隼鷹の存在は、イサムにとってとても大きい。
もし、彼女が居なくなってしまったら……。
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