実は再就職の為に色々とやっていましてようやく決まった次第です……。
失踪したくないけども筆が動かなくて困っていまする……。
フォーミダブルさんと並んで歩いている。
彼女は重桜で見るもの全てが珍しくずっと目を輝かせていた。
「イサムさんイサムさん!アレは一体何ですの?」
「え、あー、綿あめですね」
「ではアレは?」
「りんご飴です」
「それではあちらは――――――」
と言うか何で縁日やってるの今日。
それもそのはず、外国の使節団が来ているから。
会合に参加している上層部ならまだしも雑用やら何やらを行う者たちにとってはまぁ良い息抜きにはなっている。
「イサムさん」
「は?」
ひとしきり見て回った後。
かつて能代と稽古をしていた神社の境内で俺とフォーミダブルさんは桜を眺めて座っていた。
……なお、彼女の膝の上には焼きそばとたこ焼きとたまごせんべいが置かれている。
結構食べるんですね……。
愛宕さんもそうだったけど、KAN-SEN達って結構大食いの傾向があるらしい。
経口摂取は別にしなくても良いのだけれど、エネルギーを人間の食糧を用いて補充することも可能だとか。
効率が悪い為量が要る、という事か。
「ここは良い国ですわね」
「……そうですね」
しばし無言。
神社の麓の賑わいが聞こえてくる。
「聞けば、この国の統一の為に尽力なされたとか」
「……俺一人の力じゃないです」
「ご謙遜なさらず。貴方の行いは正しく評価されるべきですわ」
「……ありがとうございます」
思えば、俺はこの人の事をあまりよく分かっていない。
初めて会ったあの日。
かなり衝撃的な出会いであった。
「フォーミダブルさんは」
「はい」
「どうして、俺に会おうと思ったんですか?」
「それは……」
フォーミダブルさんは言い淀む。
まずったな……これは良い話題ではなかったか。
「……引きませんか?」
恐る恐る、と言った様子でこちらを伺ってくる。
「……理由に依ります」
ちょっと意地の悪い返しだったかもしれない。
でもこの人に散々振り回されたし。
「む……意地の悪い事を」
「すみません。大丈夫ですよ」
「そうですか……では、言います」
決意の気配。
そんな大層な事を言うつもりなんですかこの人。
「……ですわ」
「……?」
あまりにもか細い声。
聞こえなかったのでついフォーミダブルさんを見る。
彼女もそれを理解して両手で顔を覆って、
「一目惚れですわ……!!」
そう、言い放った。
「……えっ」
頭が真っ白になった。
一目惚れ?
何で?
「きっかけはベルが持ってきた写真でした」
「いつの間に……」
「おそらくイサムさんと遭遇する直前に撮ったものでしょう」
「そうだったんですね……それで、ええと……」
一目惚れ、という事はまぁ……そう言う事なんだろう。
「……フォーミダブルさんは、俺の事を」
「お慕いしております」
間髪入れず。
思わず怯んでしまった。
「……ありがとうございます?」
「どうして疑問形なんですの……?」
「あまりにも現実味が無くて」
「まぁ、酷いですわ。レディの想いを夢とお思いなんて」
「え、あい、いや……違」
「うふふ、冗談ですわ」
「む、むぅ……?」
何か遊ばれた気がした。
「イサムさんは」
「………………」
「私の気持ちに、応えてくださりますか?」
「………………」
俺は、
「……ごめん」
こう答えるしか、無かった。
返したのは、拒絶。