【完結】レッドアクシズ・ストランディング   作:塊ロック

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新たな道を指し示す。
されどそれは困難な道也。


第六十二話 願え、再起の為に

「イサムさん」

 

会合から暫くして。

ある日、俺は赤城様に呼び出された。

 

「あ……赤城様、お疲れ様です」

「はい、ごきげんよう。これからお時間を頂きますが、よろしいでしょうか」

「構いません」

「では、こちらへ」

 

久方ぶりに訪れた、赤城様の執務室。

そこへ通され、座らせられた。

 

「単刀直入に言います」

 

赤城様が書類を広げる。

 

「隼鷹の捜索任務が近々立案されます」

「……!」

 

隼鷹の捜索。

今までも行われていたが、結果は振るわなかった。

それが、なぜ今。

 

「……イサムさんには、また厳しい選択を迫る事になります」

「構いません」

「内容を聞かずに即決、ですか……無鉄砲なのは腕が無くなっても変わりませんね」

「隼鷹の事です。迷ってなんていられません」

「……ごめんさい。私は」

「自分が決めた事です。赤城様は何も悪くはありません」

「……ありがとうございます。嫌ですね……最近、涙腺が緩くて」

 

赤城様は目元をそっとぬぐって、表情を引き締めて言った。

 

「イサムさん。貴方には新しい義肢技術の被検体になるよう要請が来ています」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

KAN-SEN技術を応用した義肢技術。

人類が失った手足を補うための技術を発展させてきた。

 

今回の話は鉄血との合同開発された義手のテスト、及び俺のリハビリを兼ねたプロジェクトだそうだ。

 

重桜は肉体的、鉄血は機械的にそれぞれKAN-SENへアプローチを掛けている。

その合作となる開発はアズールレーンとしても注目されているらしい。

 

「しかし、なぜそれを自分に?」

 

唯一不可解な点としてはこの一言に尽きる。

階級は曹長から准尉へ上がりはしたがほぼ飾りの物である。

手足を失った人々は他にもいると言うのに。

 

「実は、ロイヤルから猛烈にアプローチがありまして」

「ロイヤルから……?」

「イサムさん、そんな知り合いに心当たりは……」

「………………あります。会合に参加するくらい影響力高い人が」

「………………ええ、私もたった今思い当たりました。あの雌猫は一体何を考え……」

 

赤城様の目が一瞬鋭くなり、背筋に冷たい物を感じる。

目の前に座る人が紛れもない強者だと嫌でも思い知る。

 

その様子を見て咳払いを一つ。

 

「失礼……イサムさん。恐らくとても辛く、苦しい日々になるでしょう。もう一度確認します」

 

本当に、義手の手術を受けるのかと。

 

愚問だ。

 

「やります。そして必ず、隼鷹を見付けて引きずってでも連れて帰ってきます」

 

俺は、まだ君にお礼を言っていない。

俺はまだ君の隣に並んでいない。

 

勝手に居なくなるなんて死んでも許さないからな。

血反吐はいてでも見つけ出して連れ戻してやる。

 

 




覚悟なんて最初から決まってる。

隣に立ちたい人ともう一度会うために。
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