「イサムさん」
「はい」
「私は今、貴方の保護者も兼ねています」
「はい……」
「呼び出された理由は、お分かりですね?」
「はい……」
重桜、赤城様の執務室。
俺は今、赤城様の机の前に正座させられています。
……なお、俺の背後には縛り上げられて正座させられた上に膝の上に重しを置かれているオイゲンさんが居ます。
ヒッパ―は正座させられているだけだったがとてもしんどそうだった。
「夜遅くまで出かけていた上に昏睡状態で戻ってくるなんてどういうおつもりですか?」
赤城様は笑顔です。
目は笑っていません。
「申し訳ございません……」
「あまつさえ飲酒、しかも自身の許容範囲以上の量を?」
「返す言葉もございません……」
「貴方は孤児ですし正確な誕生日は分かっていません。成人していたとは限らなかったのに?」
「あ、いえそれは……孤児院の先生に決めて頂いた日は過ぎましたので……」
「申告は、ありませんでしたが?」
「ひぇ……申し訳ございません……」
めっちゃ睨まれた。
怖い。
「休暇初日で問題を起こすとは思いませんでした。一応貴方は今まで大した服務違反を起こしていないので油断していました」
「はい……」
「……飲ませた側にも問題はありますが」
「あ、赤城ぃ……これいつまでやるの……」
オイゲンさんが呻いている。
いや物凄く痛そうなんだけど。
「プリンツ・オイゲン。貴方達が手伝うと申し出たから頼んだというのに……」
「で、でも……やっぱ息抜きならアルコールでしょう」
「鉄血のやり方にも限度と言うものはありませんの?」
「ご、ごめん……止められなかった……」
「ヒッパ―、貴女もです。イサムさんと一緒に居て舞い上がるのは結構ですが」
「わーわー良いから!!言わないryんぎゃっ!?」
ヒッパ―が立ち上がったけども、足がしびれてそのまま倒れこんだ。
「はぁ……今日の話はここで終わります。イサムさんは残りなさい」
「えっ」
二人は足がしびれてしまい這って部屋から出て行った。
通りがかった職員にぎょっとされている。
「さて」
びくっ、と肩が跳ねたのが自分でも分かる。
「イサムさん」
「は、はい……」
「何故成人した事を申告しなかったのですか」
「あ、あまり自分でも気にしていなかったので……」
毎年隼鷹と愛宕さんは祝ってくれていたのでそれで良いかな、と思ってしまった。
……この2年、隼鷹が居なかったので愛宕さんも忙しく……祝われなかったのだったが。
改めて、隼鷹が消えてから2年が経過した事を実感してしまう。
「はぁー……全く。貴方は皆に気にかけられているという事をもう少し自覚しなさい」
「は、はい」
「今夜、私の部屋に来なさい。用意はあまりありませんが、食事くらいは振舞ってあげます」
「えっ……あ、ありがとうございます」
「……こういう時に、謝罪ではなく礼が言えるようになった、と言うのは成長ですね」
やれやれ、と赤城様はため息を吐くのだった。
ウチの赤城さん創作界隈屈指の常識人では……?
もっとはっちゃけさせるべきだろうか。