万人受けするつもりは毛頭ないこの小説ですが付いたら付いたで凹むものですね。
境内に響く第三者の声。
これは間違いなく能代の声だ。
「狼殿。これは一体なんのおつもりですか!」
「なんの、とは?」
「この状況です!どうしてイサムさんをボコボコにする必要があるのです!」
「言うほどボコボコじゃないよ……」
どう見てもボコボコにされてたけど、意地が邪魔をした。
狼さんは……。
「それでは、ここまでに」
「は?」
木刀から力が抜ける。
「うむ、群青殿も中々に鍛錬を積んでおる様だ」
「え、な、何で?」
「何、とは?」
「何で戦ったんですか!?」
ふと冷静になると何で俺狼さんと戦ったんだ?!
「いや何、群青殿が良き目をされていた故……血が滾ってしまってな」
「貴方も中々に戦闘狂過ぎません……?」
そう言えばこの人シノビなのに扱う剣術が真正面から打ち合うものばかりな気が。
「……狼殿、次は私と仕合って頂けませんか?」
何言ってんの能代。
「ご冗談を。KAN-SENの貴女には勝てますまい」
「むぅ……」
あっさりフラレている。
「さて、イサム殿」
狼さんが俺に向き直る。
「隼鷹が見つかった」
「「!」」
俺と能代が息を呑む。
「本当ですか!?」
「確かだ」
「……そう、ですか」
隼鷹が、見つかった。
俺は……。
「待って下さい狼殿。隼鷹の件は……」
「……能代?」
「……イサムさん。今、重桜は……と言うより、アズールレーンは隼鷹の捕縛に動いています」
「捕縛……?」
何で、そんな事を。
MIAになってただけなのに……。
「彼女は、特別な存在だ」
狼さんが口を開く。
「便宜上【META】と名付けられた既存のKAN-SENを凌ぐ者たち。彼女はそれになっている」
「どういう、事ですか」
「興味以上の対象だと言う事だ」
「そんな……」
「狼殿。それをイサムさんに伝えてどうするおつもりですか」
若干、能代が殺気立っている。
「隼鷹の事になればイサムさんは必ず無茶をします。それを知ってて、貴方は」
「群青殿……いや、イサム」
「……はい」
「為すべき事を、為せ」
「……はい!」
為すべき事。
そんなもの決まっている。
「イサムさん、無茶しないでくださいよ?」
「無茶、か……」
もう国ひとつだけが動く問題じゃない。
この中で俺が出来る事は何だ?
……いつの間にか狼さんは居なくなっていた。
「赤城様の所へ行く」
「イサムさん」
「止めないでくれ。能代だって分かってて黙ってたんでしょう?」
「それは……」
「止めないでよ。元々決めてた事なんだから」
「………………」
能代が押し黙る。
覚悟なんてとっくに出来てる。
行こう。
前回の投稿から凄い間が開いてしまい本当に申し訳ございません。
就活と新しい職場でちょっと大変だったんですよね……。