【完結】レッドアクシズ・ストランディング   作:塊ロック

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赤城による召集。
集められたのは輸送部門の隊員だけだが……。


第七話 国土復興計画

ある日のこと。

輸送部隊の全隊員が重桜軍講堂に集められた。

 

「主任?一体何なんですこれ」

 

主任も居たので、声を掛けた。

誰も今回の件の事前情報を持っていないのかもしれない。

 

「おう、イサム。赤城様からのお達しだそうだ」

「赤城様の?」

 

とにかく、整列する。

誰かが息を呑んだ。

 

正面の壇上に誰かが登った。

 

ゾッとする様な人間離れした美貌と、目を引く耳と九つの尾。

 

彼岸花。

まさにそう形容するように相応しい美女。

 

彼女こそ重桜軍の幹部にしてKAN-SEN……一航戦、赤城。

 

「まずは急な呼び出しをしてしまった事をお詫びいたしますわ」

 

まるで心を鷲づかみにするような声音。

人を従えるカリスマを感じさせる、とはこういった事なのだろうか。

 

「今日、輸送部隊の皆様に集まって頂いたのは……この赤城から、依頼をする為です」

 

……講堂がざわめいた。

赤城様から直々の依頼?

一体ソレは何だろうか。

 

……やっぱり、兵器輸送なのだろうか。

 

如何に赤城様の依頼であろうと、俺のポリシーは変わらない。

自分自身疎まれているのは自覚している。

そろそろ、首を切られるかもしれ……。

 

「内容は、復興支援。これより、国土復興計画を発令します」

 

反応は、無い。

けど。

 

(国土復興……)

 

曰く、土地の記憶を持つ式神に素材を注ぎ込むことで形を成す……理屈はよく分からない。

 

けれど、

 

(重桜が、一つになる……)

 

国土復興。

つまり、この国がまた地続きになる。

 

繋がるのだ。

海の向こうで困っていた人達と。

 

……周りの人間達は難色を示していた。

 

どうしてKAN-SENがそんな事を。

開戦する手筈じゃ無かったのか。

俺達を良いように使うつもりなのか。

 

それら全てが、雑踏の様に俺の耳に入らなくなる。

 

(俺にできること……俺のしたいこと)

 

自然と、手を上げていた。

皆の視線が集中している事も気にならない。

 

「……貴方は?」

 

赤城様に、怪訝な声を掛けられた。

 

「やります」

「はい?」

「俺に、やらせてください!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

それからの事は、よく覚えていない。

 

気が付いたら部屋に居た。

 

ベッドに腰掛けて、ずっと虚空を眺めていた。

 

「……イサム?」

「………………あ。隼鷹」

 

だから、隼鷹にも全く気が付かなかった。

 

「こんな時間まで灯りを点けないで、どうしたの?」

「えっ……わ、本当だ」

 

外は真っ暗。

今の季節でとっくに日没していた。

 

「聞いてよ隼鷹!俺、やりたい事が見付かったんだ!」

「……そう。おめでとう、イサム。私は応援するわ」

「ありがとう隼鷹!俺、頑張るよ!」

 

隼鷹は、優しく微笑んでいた。

 

 




国土復興計画。

セイレーンとの戦争で疲弊した重桜を一つにする……新たな戦争の前段階。

イサムは、それを知らない。
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