人生選択・一方通行   作:ボーアー

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プロローグの話。


1.生誕戦争

ゲームがスタートしました。

貴方はまだ生まれる前の精子です。

他の精子達よりも早く卵子へと着床しなければなりません。

出来なければゲームオーバーです。

また初めからスタートして下さい。

それでは、膨大な選択肢の中から5つ選んで下さい。

 

1.「拳で殲滅する」

2.「脚で踏み潰す」

3.「痛みも感じさせず殺す」

4.「攻撃は防御せず全て受ける」

5.「全力疾走」

 

選択が決定されました。

生誕戦争、開始します。

 

貴方の精子は周りの精子を拳と脚で皆殺しにしながら卵子へと最短距離で向かっていきます。

そのような目立つ行動をした結果、案の定他の精子から目をつけられ武器や魔術での攻撃を浴びました。

貴方は何の防御もせず全てを受けながらも足を止めずに走り切りました。

他の精子も貴方を気にし過ぎて卵子への着床を疎かにしていたようです。

見事、貴方は卵子へと着床しました。

貴方は生誕戦争の勝利者です。

勝利報酬の前に貴方の選択を普通と好意的の2パターンで解釈し、産まれてくる貴方がどのような生命かを知りましょう。

普通の解釈では、拳や脚を使うのは武器よりそちらの方が早く殺せるから。痛みも感じさせないほど効率的に殺しています。

防御しないのは攻撃をさせる前に殺すからです。

全力疾走は、目的以外の全ては不必要という事です。

効率的な所にもかかって来ますね。

この場合、産まれてくるのは人類の殺戮者です。

好意的解釈では、拳や脚を使い殺すのは道具などでは無く貴方の手で殺してあげたいから。自分が殺したという記憶を貴方は一生背負っていきます。痛みも感じさせないのはその慈悲深い心から。せめて痛みも感じずに楽にさせてあげたかったんですね。

防御せず受け止めるのは、相手の生きたいという想いを踏みにじってでも自分は生きようとする貴方ができる相手の気持ちを受け止められる手段だからです。

貴方は卑怯なことが嫌いです。相手の全力を受け止めてそれを全力で返す事が好きなのでしょう。

罵詈雑言を言われても自分に非があると思えば甘んじて受け止めます。

無関係の他人だから殺せるなんて貴方にはあり得ないことです。例え袂を分つ相手であろうと貴方はその時まで、いえ敵対したとしても永遠に友達として相手を想うでしょ。

全力疾走なのは貴方は全力で走らなければいけないからです。他の生命を踏みにじってでも産まれるという覚悟が貴方にはあります。だから、産まれる前から死ぬまで貴方は全力でいきます。いかなければいけないのです。

他の可能性を踏み潰すから、貴方はその可能性に報いる人生を送りたいのです。

この場合、産まれてくるのは無垢なる生命です。

無垢だからこそ数多の可能性を持ちます。

悪となるか善となるかは貴方の選択次第です。

では、普通と好意的。どちらの解釈を使用しますか?

 

・好意的

 

はい、好意的が選択されました。

なお、次回からのスタートでは無垢なる生命はデータに記憶されておりますので生誕戦争をスキップして始めることができます。

では、無垢なる生命の門出に祝福を。

貴方の人生が素晴らしきものであります様に。

 

ローディングに時間がかかります。

しばらくお待ち下さい。

 

 




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