○月□日
この間はたけしの入ファミリー試験がありました。
それにたけしは見事合格。はやともたけしの事を認めたようですし、一見落着と言ったところでしょうか。
そしてつなはこの間とてつもなく綺麗なお姉さんに殺されかけていました。
何を言っているかわからないかと思われますが、本当です。
どうやらせんせーの事が好きらしいそのお姉さん、お姉さんも殺し屋らしくつなを殺してせんせーを自由の身にしようとしていたみたいでした。愛って怖い。
どうもそのお姉さん毒殺が得意らしいです。なんか見るだけでおどろおどろしいものを作ってました。お姉さん命名「ポイズンクッキング」
調理実習でおにぎりを作りました。しかしつなに食べられました。あんにゃろう。まぁ、別に誰もあげる人がいなかったからいいですけど。どうせつなにあげるつもりだったし。
夏ですから暑いですね。せんせーはこの間「素麺が食べたい」って言ってましたから多分今日あたり食べるんでしょうね……。
第五話 「スイカの美味しい季節です。」
「暑い……」
とある夏の日に、アイスを買いに行っていた桃凪は溶けかけていた。
「いや、夏は暑いもの……だからこれが普通……普通……」
半端な自己暗示でどうにかしようとするが、やはり暑い。太陽はまるで突き刺すような日光を送ってくる。
「う~。だって家にアイスが無かったのが悪くて……ん?」
そうやって考えていた桃凪は道の向こうに人を見つけた。
何やら猛スピードで走っていく、獄寺を。
「おー、はやとー」
「すいませんまた今度!」
声をかけた桃凪だったが、どうやら獄寺には自分の相手をする余裕はない様子。そのままどこかへと走って行ってしまった。
(……何だったんだろうか)
「あ! 桃凪ー!」
そしてさらに向こうから走ってくるツナ。
「やっほーつなー。アイスが売り切れてたー」
「え……、いやまあそれはともかく!」
一瞬戸惑った表情をしたツナだったが、売り切れてたものは仕方がないじゃないか。
そんな風に考える桃凪にツナは問いかけた。
「獄寺君がどこに行ったかわからない? 確かこっちだったと思ったんだけど」
「あー、なんかものすごい勢いで走って行ったー……」
「そっか、ありがと!」
桃凪の指さした方向に走っていくツナ。桃凪はそれを眺めて、
「……私も行こっかな」
どうせアイスは今ないのだ、だったらいつ帰っても似たようなものだろう。
獄寺は神社まで走ってきていたようだ。
「獄寺君……」
神社の木にもたれかかり荒い息を吐く獄寺、ビアンキを見たことからこうなってしまったみたいだが、一体何が。
「あ……あの……ごめんねせっかく持ってきてくれたスイカ……あんな事になっちゃって」
それと言うのもビアンキの事を視認した獄寺が条件反射的におもわず床に落としてしまったのだが、好意で持ってきてもらったのだ、ここは謝っておこう。いや決して怖いわけじゃない。
「……アネキとは8歳まで一緒に住んでました」
そして獄寺は語りだした。自分とビアンキ、両者に深くかかわる過去を。ちなみに、獄寺がビアンキをアネキと呼んでいるのは、二人が血の繋がった兄妹だからだ。
「……なんで、こんな、雰囲気に……ゼェ、ハァ」
そして少し離れた所でそれを眺める桃凪。ツナと一緒に獄寺を追いかけていたために息も絶え絶え。元々ツナのペースに合わせようとしたのが間違いだったか。
それはともかく。
「うちの城ではよく盛大なパーティーが行われたんですが、オレが6歳になった時初めて皆の前でピアノを披露する事になったんです」
さらりと城に住んでいた事を告げる獄寺。もしかしたら彼はかなりいい所のお坊ちゃんだったんだろうか。
そんなツナたちの驚愕にも気付かず、彼は話を進めていく。
「その時、アネキが初めてオレのためにクッキーを焼いてくれたんです。それが彼女のポイズンクッキング第一号でした――……」
遠くを見ながら目を細め、たそがれる獄寺。彼は今何を思っているのだろうか。何となく予想は出来るが。
「後でわかったんですが、アネキは作る料理が全てポイズンクッキングになる才能の持ち主だったんです」
「どーなってんのソレ!?」
ある意味、究極の料理下手。しかも暗殺に使えるほど強力なやつだ。
「もちろん当時クッキーを食べたオレは激しい目眩と吐き気に襲われ、ピアノの演奏はこの世のものとは思えないものに……」
むしろそれで済んで幸運だったと思うべきか、やはり昔は毒素が少なかったのだろうか。それとも獄寺が毒に強いかどっちか。
「でもそれはほんの序章でしかありませんでした」
まだあるのか。
「そのイカレた演奏が高く評価されてしまったんです」
「「ええー……」」
「気を良くした父は発表会の数を増やし、オレはそのたびにアネキのクッキーを食べなくてはいけませんでした…」
「うわああ……」
「よく生きてたね……」
原因がわかりきっている恐怖ほど怖いものはない。しかも逃げられないとなれば、ああなっても仕方がないだろう。
「その恐怖が体に染みついて今ではアネキを見るだけで腹痛が……」
ああ何という悲劇。双子の思いはおおむね同じだった。
「うすうす感づいてたけど強烈なお姉さんだね」
「ええ大嫌いです」
まぁそんな思い出があれば苦手になるのはしょうがないか。仲が悪い人達を見るのはあまり好きではない桃凪だが、仲良くなれと言ったら獄寺にかわいそうだ。
「オレはアネキに近づけません。10代目……アネキをこの町から追い出してもらえないでしょうか」
「ええ!? そ……そりゃあどちらかと言えばオレもビアンキがいない方がすごくうれしいけど……でも……オレじゃあ…」
「作戦があります!」
そして獄寺は語りだした。実はビアンキにはリボーンに惚れる前にメロメロだった男がいたとの事。その恋人は事故で死んでしまったらしいが、いまだにビアンキはその恋人の事が忘れられないらしい。
「そこで、その元彼とそっくりな奴を探すんです。アネキをそいつに会わせれば地の果てまでそいつを追いかけるはずです」
「またぶっ飛んだ作戦だー!?」
いくら世界には同じ顔の奴が3人はいるとは言われているが、そう簡単に見つかるのだろうか。
「これが元彼の写真です」
獄寺が取り出した写真。そこに映っていたのはビアンキと、
「こんな牛男見た事ある……!!」
「というより、見た目10年後らんぼじゃん」
ならランボに10年バズーカを撃ってもらえば大丈夫なのか。少しだけ簡単になった作戦にツナは安堵して、
「じゃあ、がんばれつな」
「え、桃凪は手伝ってくれないの!?」
「うん、だって」
桃凪は一言。
「暑いんだもん」
家に帰って数分後。誰かの叫び声とかツナの叫び声とか聞こえてきたが。クーラーの利いた部屋で惰眠をむさぼっていた桃凪には届かなかった。
少しづつ内容が短くなっていく気がします。気がするじゃないです、短くなってます。確実です。