人形少女が異世界から来るそうですよ?   作:イベリコ

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 イベリコです。まさか感想を貰えるとは思っていませんでした。とても嬉しいです。

 今回も話が進んでいません。おそらく次からは進むと思います。


第一話 運命の出会い

 私が自分の現状を把握出来ていないまま、残りの三人は自分達についての共通認識を確認していく。

 

「まず間違いはないと思うが…オマエらに もあの変な手紙が?」

 

「えぇ、そうよ。だけどまずその〝オマ エ〟って呼び方やめてくださる?私には久遠 飛鳥って名前があるのよ……それで、猫を抱き抱えている貴女は?」

 

「……春日部耀。以下同文」

 

「そう。よろしく春日部さん。次にに野蛮 で狂暴そうなそこの貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たま んま野蛮で狂暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切に接してくれお嬢様」

 

「そう。取扱説明書でも書いてくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

 

「ハハ、マジかよ。じゃあ今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

 どうやら少年少女三人の自己紹介は終わったようだ。……あれ?私は?

 

 まあ今の私に自己紹介しろって言われても何も言えないから仕方が無いかな。というか私以外の三人にはこんなところに放り出される心当たりがあるとか恐ろしい。手紙とか言ってたけど彼らの世界の手紙ってどんな兵器なんだ?

 

 とりあえず。自分が覚えていることの確認をしよう。元の自分が何をやっていたのか。

 

名前ーー不明。

 

性別ーー不明。

 

家族構成ーー不明。

 

交友関係ーー不明。

 

直前の出来事ーー不明。

 

住所ーー不明。

 

モンハンの武器ーーハンマー。

 

好きなポケモンーーポリゴン2。

 

好きなスタンドーーハーヴェスト。

 

 

 

 これは酷い。

 

 そもそもこれって前世の知識って言っていいのかしら。どっちかって言うと一般常識+オタ知識詰め込みましたみたいな感じだと思うのだけど。

 

 

 そうやって今の《私》について色々考えているうちにあちらの方では隠れていたらしいバニーガールちゃん相手に好き勝手やっている。

楽しそうで何よりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あり得ないのですよ。まさか話を聞 いてもらうためだけに小一時間消費してしまうとは。学級崩壊とはこのような状況を言うに違いないのデス」

 

「いいから進めろよ」

 

 バニーガールちゃん弄りはようやく終わったようだ。バニーガールちゃんマジ不憫。

 そして自分達のせいだというのに全く悪びれない少年少女マジ傲慢。

 

 バニーちゃんはこほんと咳払いをしてこちらに向き直った。

 

「それではいいですか、御三人様。定例分で言いますよ?言いますよ? さあ、言います!ようこそ、 "箱庭の世界"へ! 我々は御三人様にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼントさせていただこうかと召喚しました!」

 

 バニーちゃんはそう言った。……あれ?三人?

 

「ギフトゲーム?」

 

「そうです!既に気づいていらっしゃるで しょうが、御三人様は皆、普通の人間ではございません!その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその "恩恵"を用いて競い合う為のゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力を持つギフト保持者がオモシロオカシク生活できるために造られたステージなのでございますよ!」

 

 長々と一息に説明するバニーちゃん。そしてやはり三人らしい。……私マジ空気。

 

 若干落ち込んでいると、お嬢様っぽい少女が手を上げて質問をしようとしていた。マズイ、このままだと完全に取り残される。

 

「まず、初歩的な質問からしていい?貴方の言う「ま、待って!」な!?」

 

「!?」

 

「え!?」

 

「……何だと?」

 

 意を決して声を上げてみたところ、物凄い驚愕の目線で見られたの巻。おかげで自分から出たロリヴォイスに驚く暇がない。つか少年!そんなに睨むんじゃない!本当に怖いから止めて下さい!

 

「え、あ、その、えっと、」

 

「……オマエ、何者だ?いつからそこにいたんだ?」

 

 向けられる眼光の鋭さにしどろもどろになっていると、少年が睨むのを止めずにそう質問してきた。

 

 最初から居たっちゅーねん!なめとんのかこのボケナス!

 

 何てことは言えないけど、自分の不満を少し乗せて話し出した。

 

「……最初から居た。湖にも一緒に落ちたし」

 

 そう言うと更なる驚愕が伝わってきたが気にしない。私が言いたいのはその事じゃない。

私が言いたいのは私の無能さについてだ。

 どうやら私以外の人物は“恩恵“とやらをもらっている覚えがあるらしい。でも私にはそんな心当たりは無い。精々転生したかもしれない事だけだ。その程度で修羅神仏の開催するゲームに参加するとか冗談じゃない。

 

「バニーちゃん。私はどうやらその恩恵とやらが無い一般人みたいなの。だから「嘘吐け」…何よ少年。何か文句でも?」

 

「幼女に少年と呼ばれる筋合いはねぇな。オイ謎幼女。お前が一般人な分けが無い。だって俺がお前に気付けなかったんだからな」

 

 バニーちゃんにゲームとやらに出場しなくてもいいか聞こうと思ったら不良少年に文句を付けられた。つまりどういうことだってばよ。

 意味が分からず周りを見回すと、他の少女達も同感のようだった。

 

「確かに気配が全くしなかったものね」

 

「……生き物の匂いがしない」

 

「……まさかこれは……霊格が存在しない?そんなことが……」

 

 いや、納得しないで?

 

 ど、どうしよう。ここで私の影が薄かっただけですとか言って切り抜けられる気がしない。というか生き物の匂いがしないとか言われても私人形だし。霊格とか初めて聞きますし。

 

 とにかく何か言わなくては。

 

「ち、ちょっと《………ケケ……》……え」

 

 いきなり言葉を止めた私を怪訝に周囲が見ている。だが、全く気にならない。

 私は今の声が聞こえた方向……湖へ走りだす。

 

 あの声を聞いた時、魂を揺さぶられるような衝撃が私を襲った。

 

 まさか、いや、でも。期待と否定を繰り返す。だけど、私はもう気付いていた。

 

 だって、《私》だから。私が私である以上、この出会いは必然なのかもしれない。

 

 だけど、声の正体を見つけた時、どうしようもない感情の昂りを熱い抱擁と絶叫に変えてしまった私を。一体誰が責められるだろうか。

 

 例えるなら、生き別れの双子との再開のような。魂の片割れと出会い、その名前を叫びながら抱きしめるのが普通である。

 

 だから私も叫ぼう。愛しいこの子の名を。

 

 

「カットちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

《ウケ、ウケケケー》

 

 

 

 

 私、今ならこの世界でも生きていける!

 




カットちゃん



種類 不明 文明 不明 種族 不明 パワー 不明 コスト 不明

解体人形ジェニー、特攻人形ジェニーのカードイラストでジェニーが持っているカッター状の武器。

会話能力があるが、本作では事情により余り喋ることはない。
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