人形少女が異世界から来るそうですよ?   作:イベリコ

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 イベリコです。昨日のうちに出したかった……。


第ニ話 説明と自己紹介

ーーカットちゃん登場時の問題児ーー

 

 

 ジェニーがカットちゃんに愛の抱擁をし始めて一分が経過した。止める気配は一向に見えない。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

 他の四人は何とも言えない沈黙に包まれていた。十六夜と黒ウサギは空気がシリアスから一気に変わりすぎて反応が追い付いておらず、飛鳥と耀は(あのカッター喋れるのかしら?)や(カッターでも友達になれるのかな?)などと考えていた。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……何の話だったかしら?」

 

「あ、説明の続きでしたね。えー……と」

 

 定例より、少しグダグダに説明は続くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うへへへへ。

 

 私達は今箱庭とやらに歩いている途中であった。その間もカットちゃんへの頬擦りは止めていない。

 

 やはりこれもジェニーになった影響だろうか。前世ではだの武器だとしか思っていなかったのはずなのに今はカットちゃんが愛しくて仕方ない。さながらミカサにとってのエレンの如く。腹筋ガールになるつもりはないけれど。

 

 それと、自分に出来ることも把握した。身体能力もかなりある。これを恩恵……ギフトだったっけ?と言うかは分からないけどこんなでも超獣(クリーチャー)だったのだな、と感心してしまった。カットちゃんと一緒になったら自然と分かったから、魂の片割れと言ったのもあながち間違いではないのかもしれない。

 

 後ここまで歩く間にこの世界について説明された。半ば聞き流してたけどだいたいこんな感じ。

 

 

*ここは化物達が生活する為の場所

*“コミュニ ティ”と言うゲームではギルドみたいなのがり、入らなきゃまずい

*様々なゲーム(アナログ)に参加にして生計を立てる

*恩恵とやらも含めていろんなモノを賭ける。ギャンブル反対

*禁止事項もあるけど基本的にゲーム=法律

 

 大体こんなの。

 

 

 完全にアンダーグラウンドじゃねぇか!

 

 

 というツッコミは出来なかった。ごめん、私は弱かった。

 

 

 そんな感じで歩いているうち、黒ウサギの知り合いらしい少ね……どちらかと言えばショタだな。ショタっ子が出迎えてくれた。

 

「ジン坊っちゃーん!新しいメンバーを連れて きましたよー!」

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの御ニ方が?」

 

「はいな、こちらの御四人様が──」

 

 クルリと振り返り、固まってしまうバニーちゃん改め黒ウサギちゃん。ん?御ニ方?

 

「……え、あれ? もうひとりいらっしゃいませんでした?ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から”俺問題児!”ってオーラを放っている殿方が……」

 

「ああ、十六夜君のこと? 彼なら 『ちょっと世界の果てまで行ってくる!』ってあっちに行ったわよ?」

 

 呆然とする黒ウサギちゃん。あ、そうだったんだ。全然気付かなかった。

 なーるほど。あのショタっ子が御ニ方って言ったのは少年改め十六夜君がいなかったからか。納得納得。

 

 するかアホ!

 

「な、なんで止めてくれなかったんですか!」

 

「『止めてくれるなよ』と言われたもの」

 

「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか⁉」

「『黒ウサギには言うなよ』と言われたか ら」

 

「嘘です、絶対嘘です! 実は面倒くさかっただけでしょう御二人さん!」

 

「「うん」」

 

 ナカガヨロシクテナニヨリデスネー。

 

 何故あんなに息が合うんだ……というか私の事も誰か気付いてあげて?黒ウサギちゃんは私の事知ってるのに何でナチュラルにハブられるのだ。

 

 この私の異常な影の薄さの原因は分からない。黒ウサギちゃんは霊格が無いとか言ってたけどそれのせい?じゃあ誰か霊格を分けてくれ。

 

 がっくりしてた黒ウサギちゃんは慌てた様子で言った。

 

「た、大変です! 世界の果てにはギフト ゲームのため野放しにされている幻獣が」

 

「「幻獣?」」

 

「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉 で、特に世界の果て付近には強力なギフト を持ったものがいます。出くわせば最後、 とても人間では太刀打ち出来ません!」

 

「あら?それじゃあ彼はもうゲームオーバー?」

 

「ゲーム参加前にゲームオーバー?……斬新?」

 

「冗談を言っている場合ではありませ ん!」

 

 ショタっ子は凄ぇ必死に事の重大さを訴えるけど、少女達改めヨウ&アスカは叱られても肩を竦めるだけである。少しぐらい聞いてあげて!見てる方がいたたまれないから!

 

「はぁ……ジン坊っちゃん。申し訳ありませんが、御三人様のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

「わかった。黒ウサギはどうする?……ん?三人?」

 

 ショタっ子がぼそっと呟いた。覚えてろ。

 

 黒ウサギちゃんは少しためて、辺りに怒りのオーラを撒き散らしながら

 

「問題児を捕まえに参ります。事のついで に────“箱庭の貴族”と謳われるこのウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります」

 

と、髪を桜色に変えて弾丸の如き速さで飛び出した。

 

 ……か、かっけぇぇぇ!!

 

 

「……。箱庭のウサギは随分と速く跳べるのね。素直に感心するわ」

 

「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣と出くわさない限り大丈夫だと思うのですが…………」

 

 『へぇ』っと気のない返事をする二人。いやもっと反応しようよ!何か凄いこと言ってたじゃん!

 

「それじゃあ自己紹介といきましょう。私は久遠飛鳥よ。そこで猫を抱えているのが」

 

「春日部耀」

 

「あ、はい。コミュニティのリーダーをしていますジン=ラッセルです。齢11になったばかりの若輩ですが、よろしくお願いします」

 

「「よろしくお願いします」」

 

 問題児みたいだが、礼はきっちりしていたので少し安心した様子のショタっ子。

 

「さ、自己紹介も済ませたし、箱庭に入るとしましょう。まずはそうね……軽い食事でもしながら話を聞かせてくれると嬉しいわ」

 

 そうして、三人は箱庭の外門をくぐるので あった。

 

 

 

………

 

 

 

 

「ってちょっと待てぇっ!!」

 

 

 

 このまま終わりそうな雰囲気にやっと口を出す。ショタっ子は「え!」と見るからに動揺し、知ってた二人はしれっとしながら笑いを噛み殺していた。

 

 こ、こいつら……。

 

 

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