人形少女が異世界から来るそうですよ?   作:イベリコ

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 イベリコです。話が進まないったらありゃしない。多分次の話でジェニーの能力を出すと思います。


第三話 タキシードと紳士(キリッ

 あ……ありのまま今起こったことを話すぜ!

 

 私は飛鳥ちゃんと耀ちゃんのあまりにもあんまりな私の扱いに文句を言おうと考えてたらいつの間にかどっかに消えていた。

 超スピードやハブ何てチャチなモンじゃ断じてねェ……もっと恐ろしいモノ(馬鹿)の片鱗を垣間見てる場合じゃない!

 

 ちくしょう!箱庭入って二秒で迷子とか笑えないんですけどぉ!

 

 そこら辺の店を見ながら走っていると、今まさにカフェに入ろうとしている三人の姿を見つけた。よ、良かった。コミュニティとかにも入ってないのに一人だけ放り出されるとか冗談じゃない。

 私もカフェに入ると注文をしようとしている三人。私も混ぜて貰おう。

 

「いらっしゃいませー。御注文はどうしま すか?」

 

「えーと、紅茶を二つと緑茶にコーヒー。 あと軽食にコレとコレと」

 

「にゃー《ネコマンマを》!」

 

「(ファミチキ下さい)」

 

「はいはーい。ティーセット三つとコーヒーを一つ、ネコマンマとファミチキ……ん?」

 

「「「「「え?」」」」」

 

 こいつ直接脳内に・・・!って今あの猫喋らなかった?……まあいいか。

 

「え、ええと……少し混乱しているのだけれど、ネコマンマってのは何?(ファミチキって何?)」

 

「あ、そうだ。三毛猫の言葉、分かるの?(今何か脳内に直接……)」

 

「え、あ、はい。そりゃわかりますよー私は猫族なんですから。お歳の割に随分と綺麗な毛並みの旦那さんですし、ここはちょっぴりサービスさせてもらいますよー(今のは注文に入るのかしら?だとするとファミチキって一体……)」

 

「にゃー《そ、そうやな。ねーちゃんも可愛い猫耳に鉤尻尾やな。今度機会があったら甘噛みしに行くわ(今のはジェニーの嬢ちゃんか?しかしファミチキ……何故か知らんが食べたくなってきた)》」

 

「やだもーお客さんお上手なんだから♪」

 

 そう言って猫耳娘は尻尾をふりふりしながら戻っていった。……あれ、もふりたいなあ。モフモフ!モフモフ!

 後やっぱり猫喋ってるな。そのうち擬人化するのかもしれない。

 

「え……ってあなたもしかして猫と会話できるの!?」

 

 珍しく動揺した声の飛鳥ちゃん。あれ、他の人には聞こえないの?これも私が超獣(クリーチャー)だからかな?

 

「もしかして猫意外にも意思疎通は可能ですか?」

 

「うん。生きているなら誰とでも話はでき る」

 

 話を聞いているうち、耀ちゃんの恩恵はかなりの素敵能力だと分かった。そうすると私はもう無機物だろうが話せてしまいそうなんだがどうすりゃいいんだ。

 

「そう……春日部さんは素敵な力があるのね。羨ましいわ」

 

 話が終わると飛鳥ちゃんはそう言った。感心された耀ちゃんは困ったように頭を掻く。なんだお前可愛いなああん?

 だけど、対照的に飛鳥ちゃんの声は憂鬱そうで、それは出会って数時間の私達にも、飛鳥ちゃんらしくないと思わせるものだっ た。

 

「久遠さんは」

 

「飛鳥でいいわ。よろしくね、春日部さん」

 

「う、うん。飛鳥はどんな力を持っているの?」

 

「私? 私の力は……まあ、酷いものよ。だって」

 

「おやぁ? 誰かと思えば東区画の最底辺コミュ“名無しの権兵衛”のリーダー、ジン君じゃないですか。今日はオモリ役の黒ウサギは一緒じゃないんですか?」

 

 実にタイミング悪く私達の会話に入る影。そっちを見るとピッチピチのタキシードを着た大男が立っていた。筋肉が盛り上がったり遺伝子解放とかして破れそうである。

 

「僕等のコミュニティは“ノーネーム”で す。“フォレス・ガロ”のガルド=ガス パー」

 

 ジン君はガルドと呼んだタキシードマンを見ずに言い返す。 だが、可哀想なタキシードはその言葉を気にせずに言う。

 

「黙れ、この名無しめ。聞けば新しい人員を呼び寄せたらしいじゃないか。コミュニティの誇りである名と旗印を奪われてよくも未練がましくコミュニティを存続させることが出来る物だ―――そう思わないかい、お嬢様方」

 

 そして、私達が座るテーブルの空席に勢いよく腰を下ろした。ちょ、ミシメシ言ってるんですけどぉ!?

 これに飛鳥ちゃんはあからさまに顔をしかめて

 

「失礼ですけど、同席を求めるならばまず氏名を名乗った後に一言添えるのが礼儀ではないかしら?」

 

「おっと失礼。私は箱庭上層に陣取るコミュニティ“六百六十六の獣”の傘下である 「烏合の衆の」コミュニティのリーダーをしている……ってマテやゴラァ!! 誰が烏合の衆だ小僧オォ!」

 

 ジン君に横槍を入れられ、牙をむいたミスタータキシードの顔が変わっていく。虎みたいな牙とギョロリと剥かれた瞳が激しい怒りとともにジン君に向けられる。

 

「口を慎めよ小僧ォ……紳士で通ってる俺にも 聞き逃せない言葉もあるんだぜ……?」

 

 紳士(笑)

 

「森の守護者だったころの貴方なら相応に礼儀で返していたでしょうが、 今の貴方はこの二一○五三八○外門付近を荒らす獣です」

 

「ハッ、過去の栄華に縋る亡霊風情が。自分のコミュニティがどういう状況におかれてんのか理解できてんのかい?」

 

「ハイ、ちょっとストップ」

 

 険悪な二人を飛鳥ちゃんが遮った。た、助かった。紳士タキシードの紳士発言が威力高過ぎた。というかこの噛ませ感は天然なのか?こいつが勝つイメージが沸かないんだけど。

 

「事情はよくわからないけど、貴方達二人の仲が悪いことは承知したわ。それを踏まえた上で質問したいのだけど―――」

 

 飛鳥ちゃんが鋭く睨んだのは、紳士(爆)ではなく、

 

「ねえ、ジン君。ガルドさんが指摘してい る、私たちのコミュニティが置かれている状況……というものを説明していただける?」

 

 ジン君の方だった。

 

「そ、それは」

 

 飛鳥ちゃんに睨まれたジン君は言葉に詰まった。駄目だよジン君、黙るのが一番心証悪くなるんだから。

 

「貴方は自分のことをコミュニティのリー ダーと名乗ったわ。なら黒ウサギと同様 に、新たな同士として呼び出した私たちにコミュニティとはどういうものかを説明する義務があるはずよ。違うかしら?」

 

 ジン君は反応を返さない。それをみていた虎タキシードは顔を元に戻し、明らかに何か含んでいる顔で話し出した。

 

「レディ、貴方達の言うとおりだ。コミュニティの長として新たな同士に箱庭の世界のルールを教えるのは当然の義務。しかし、先ほども言ったように、彼はそれをしたがらないでしょう。よろしければ“フォレス・ガロ”のリーダーであるこの私が、コミュニティの重要性と小僧―――ではなく、ジン=ラッセル率いる“ノー ネーム”のコミュニティを客観的に説明させていただきますが」

 

 飛鳥ちゃんは訝しげな顔でちらっとジン君を見る。ジン君は俯いて黙り込んだままだ。

 

 これでは仕方ない。私がそう考えていると飛鳥ちゃんも顔を向き直し、

 

「そうね。お願いするわ」

 

と言った。

 




投稿した後に気付いたんですけどジェニーの台詞がファミチキしかない
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