終焉/始まりの一幕
『魔法』
それはかつて『科学』と並び立つ学問であった。
しかし『科学』の発達と共に『魔法』は廃れ、遂には空想、お伽噺に語られる存在と成り果てた。
そして現在……
魔法と言う名の光を駆使し絶望と言う名の闇を照らす1人の魔法使いが存在した。
その存在を知る者達は彼をこう呼ぶ。
『指輪の魔法使い』と。
そして世界を巡る
『仮面ライダーウィザード』と。
とある場所に……互いを睨みながら対峙する1つの人影を地面に映す少年と人ではない容姿を持つ異形と呼ぶに相応しい存在が合った。
「…これでお前と会うのは最後にしたいな」
そう小さな声で呟く少年―――――織斑一夏―――――はその身に歴戦を潜り抜けた猛者の気を纏っていた。
「よくぞ此処まで来られたわね、『指輪の魔法使い』」
人ではない影……異形の姿たる存在は少年を讃える言葉を口にし、その顔に歓喜の表情を浮かべる。
「途中に居たファントムは皆に任せて来たからな」
「随分と信用しているようだな」
呆れたように言う異形の言葉に少年は顔に笑みを浮かべ……言い切った。
「当たり前だ、皆はお前が考えてるよりも弱くない。むしろ強いさ……心がな…」
少年と異形が対峙している場所から少しばかり離れた小さな広場と表現しても差し支えない場所に数多の
「…数の差が有り過ぎるわね、どうしようかしら?」
「…増やそう」
ナイトとギャレンの変身者2人は短い間の会話を終わらせ片方は腰に装着されているカードデッキから……
片方は銃の一部を変形、展開されたカードホルスターから……
1枚のカードを取り出す。
片方は
片方は
【TRICK VENT】
【GEMINI】
そう響くと同時に1人のナイトを中心に周囲に4人のナイトが姿を現し、ギャレンもまたその姿を2人に増やす。
「「「「「「「これで、どうかしら(な)?」」」」」」」
そう口にだし、5人のナイトと2人のギャレンは周囲のファントム、その使い魔であるグールを一体ずつ葬り降して数を減らす。
「…油断大敵」
【BIO】
そう響くと同時にナイトの後ろを植物の蔦が通り過ぎ、透明になり姿を隠していたファントムを捕らえた。
「ありがとう、簪ちゃん」
【SWORD VENT】
ナイトはギャレンに礼を言い【SWORD VENT】で召喚したウィングランサーを突き刺しファントムの1体にトドメをさす。
「お姉ちゃん、口より手を動かす」
そう言いながらギャレンは左腕に装着されたラウズアブゾーバーから2枚のカードを取りだし1枚をラウズアブゾーバーのインサイトリーダーへと差し込み起動させる。
【ABSORB QUEEN】
ラウズアブゾーバーが起動した事を示す起動音が響く。
「それもそうね」
【ADVENT】
【FUSION JACK】
そう響くと同時にナイトが立つ場所の上空から漆黒の龍、ドラグブラッカーが現れナイトを中心に旋回する。
一方、ギャレンは全体の装甲部分が金色へ変わり背中に一対の翼が追加された姿、仮面ライダーギャレン・ジャックフォームへと変化を果たしていた。
ギャレンは一対の翼、オリハルコンウィングを展開し上空へと飛翔し強化されたギャレンラウザーの銃口を地面したへと向ける。
「…この先には行かせない」
「行きたかったら私達を倒して、行きなさい!」
……また、ある場所では…
「木崎さん、この辺り一帯の住人の避難が完了しました」
『此方も近辺に奴等の姿が無い事を確認しました』
警視庁国家安全局0課、通称国安0課が5人の仮面ライダー達が戦う場所に近い街に現れたグール達を相手に応戦、市民の避難を完了させる為の時間稼ぎをおこなっていた。
「よし、撤退を開始する!」
「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」
木崎の指示を受けた国安0課の刑事達、そして今回国安0課の指揮下に回された日本所属のIS操縦者達の返信が響くと共に国安0課の刑事の1人が懸念があるのか上司である木崎に問いかける。
「『IS委員会』から派遣された部隊はどうするんですか?」
そう、今回何故かは知らないが突然『IS委員会』からの横槍が入り、委員会所属のIS操縦者達のみが所属する部隊がこの場(実際には少し離れた場所の上空)にいる。
「一応、撤退の連絡はしてある。【戦う力が無い足手まといは必要ないから早く消えてちょうだい】……だそうだ」
「なっ……」
木崎の言葉にその場に居た全員が驚く。それは今までファントムやグールに関わって来た最前線部署である国安0課や彼等からの映像情報等を見て、そして実際に対峙した日本所属のIS操縦者達も同様にだ。
「あいつら…」
「気にしなくていい」
憤る周りにそう声をかけ宥める木崎だが周りは納得出来ないのか全員の顔には憤怒の表情が張り付いていた。
「ですが…」
なおも言い募ろうとする部下の1人を遮るように口を開きこの場に居る全員に問いかける。
「俺達警察の仕事とはなんだ?
違うだろう? そう眼で語る木崎に全員が沈黙し彼の言葉を待つ。
「警察俺達の仕事は一般市民の安全を守る事、だから俺達はそれを俺達が出来る形でやり遂げるまでだ!!」
この言葉に国安0課や日本所属のIS操縦者達はそれぞれの方法で木崎に敬意を示し集合地点へと向かう。
それを見ながら木崎はファントム達と戦う者達の無事を祈り……全ての元凶と言いきっても良い存在と対峙しているであろう少年の名を呟く。
―――――頼むぞ、一夏君、……―――――
そう呟く木崎の声は誰の耳にも聞こえる事はなかった。
「さあ、決着をつけようぜ。―――――ワイズマン―――――!!」
『ドライバーオン!!プリーズ!!!』
一夏はそう叫ぶと共にウィザードドライバーを展開し右手の薬指にウィザードリングを嵌め、シフトレバーを操作し……
「絶対の力の前に……絶望するがいい」
「…変身」
……ワイズマンの言葉と同時に右手にはめたウィザードリングをウィザードドライバーに翳す。
『フレイム・プリーズ!!ヒィー!!ヒィー!!ヒィーヒィーヒィー!!』
そう響くと同時に右手を真横へと向け、そこから現れた真紅の魔方陣が一夏を通過し……
……その場に希望を形作る『指輪の魔法使い』が降臨した。
これは1つの物語の終わりの一幕。
『指輪の魔法使い』と彼の傍らに立ち、彼を支えた『蒼穹の黒騎士』と『緋弾の銃者』と……そして未だに語られぬ者達の物語。
詳しい設定はまた後日に……