IS~絶望を祓う魔法使い達~   作:海人

16 / 21
今回は題名通り


舞台へと上がる役者達

 

 

織斑一夏と更識簪が仮面ライダーであると知られた事の影響はそれなりにあった。

……が表向きは動きが無いに等しかった。

 

 

 

KANZASHI SIDE

 

朝食。

それは1日を滞りなく過ごす為の大切なモノ。

それは己の身体の成長の為に必要不可欠なモノ。

 

 

つまりだ、何を言いたいかと言うと……

 

 

 

「……朝御飯は毎日欠かさずに」

「おっしゃる通りで」

 

食堂が開くと同時に中に入り作られた朝食―――――私は軽めの洋食セットを、一夏は白ご飯・アサリのお味噌汁・生卵・冷奴・鮭の塩焼き等の和食セット―――――をテレビが見える席があるテーブルに置きイスに腰を降ろし食事を始める。

 

「レベル高いよな、IS学園(此処)の食事は」

「だよね、だけど…」

「だけど?」

「一夏の作る料理の方が好き」

「……ありがとう」

 

2人の会話を聞き微笑ましく働く食堂のおばちゃん達。そしてその光景を見ているテレビが朝の報道の始まりを告げる。

 

『本日最初のニュースは此方です』

 

そう言うテレビ画面を見つめるとその言葉が映しだされていた。

 

―――――デュノア社倒産―――――

 

「えっ?」

「デュノア社? どっかで聞いた気が……」

 

私は驚き、一夏はデュノア社の名前に聞き覚えがあったのかそう呟く。

 

「授業中じゃないの?」

「いや、確か…」

 

私の言葉に考え込む一夏だがそこに助け船を与える人が現れた。

 

 

 

「パパの前の仕事場です!」

 

 

 

その声で「そうだ! イアンのオッサンの前の仕事場がデュノア社だったんだ」と納得の声をあげた一夏だったがその切っ掛けを作った声の主に気付き私と一緒に慌てて振り返り声の主の名前を叫んだ。

 

「「ミレイナさん?!」」

「お久しぶりです!」

 

そこにいたのはミレイナ・ヴァスティさん。

私達の2つ年上で3年生の整備科に所属する(リボンを見て確認した)才女(←これはイアン談)だ、実際イアンさんとお母さんのリンダさんがISの製造関連に関わっていた事もあり興味もありIS学園を受験、その年の首席で合格している筈。

 

「パパから頼まれていたモノですよ」

 

そう言って手渡されたのは1枚の手紙が入っているとおぼしき封筒。早速、中の手紙を一夏と2人で読んで見た。

 

「……今日の放課後を空けておけ?」

「なんで?」

 

2人して首を傾げ考え込むが何も思い付かないので朝食を食べ始める。

 

『IS関連に大きく関わっているデュノア社ですがここ最近は……』

 

「大変そうだな」

「そうだね」

 

テレビから聞こえるニュースをBGMに朝食を食べ終わった私達は生徒会室に立ち寄ってから教室に向かった。

 

「あ、織斑君と更識さん! ねえねえ、聞いた?」

「「何を?」」

 

教室に入るとクラスメイトの周防さんのいきなりの出迎えと質問され面喰らう事になった。

 

「1組に転校生が来たみたいだよ」

「またか…」

 

そう言い右手で顔を覆い天を仰ぐ一夏。

鳳さんの一件で最早転校生と言う言葉に軽いトラウマが出来ている為か若干鬱気味だ。

 

「何処からか来たか分かる?」

「分かるよ、ドイツの代表候補生らしいよ」

「よし! ドイツに知り合いはいない!!」

 

私と周防さんとの会話を聞き一夏は握りしめた拳を掲げて喜びの声をあげる。だがその一夏を奈落の底に叩き込む一言が発せられた。

 

「何でも織斑先生の教え子らしいよ」

「「その時点で嫌な予感しかしないんだけど!!」」

 

織斑先生の教え子。

『第二回』での日本政府の対応と私のお父さんの失態……と完全には断言出来ないある出来事のせいで日本と、そして後に一夏とも疎遠になり、その原因であるお父さんとその娘である私とお姉ちゃんを内心では憎んでいる織斑先生の教え子となると……

 

「……まあクラスが違うからなんとか…」

「なったら嬉しいよな」

 

乾いた声で苦笑いする一夏だけどその希望はかなう事はなかった。

 

 

 

HONNE SIDE

 

「諸君、今日からこのクラスに転入生が加わる」

 

ホームルームが始まり織斑先生の口から飛び出したその言葉にクラスメイトの皆の口からざわめきが漏れた。

 

「静かに」

 

けど直ぐに織斑先生の一言でざわめきは消えちゃったけど。

 

「ボーデヴィッヒ、入れ」

「はい、教官」

 

その声と一緒に教室の扉を開き左目を黒の眼帯で隠し下の制服がスカートではなく長ズボンを纏った銀髪の小柄な少女が教室に入る。

 

「では自己紹介をしろ」

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

少女、ラウラ・ボーデヴィッヒは自分の名前、それだけを告げる。

 

「…それだけなの?」

 

誰かがそう呟き、周りがもっと話せといった雰囲気を作るけど転入生はそれを無視して用意された席へ腰を降ろし座った。

 

 

 

ICHIKA SIDE

 

「……それで、どうだった?」

 

放課後となり俺は生徒会室にやって来た本音の前に手作りのカツ丼を置き聴取(と言う名の遊び)を開始する。

 

「無口だったかな〜」

「ドイツ人とは接点は……ないよな、うん」

 

カツ丼を美味しそうに食べる本音の言葉を聞き何度も考える。俺の外人の知り合いと言えばレオンさん、ユウヤさんの日系人コンビと『SPIRITS』の人達ぐらいだし…

 

ドイツとは(・・・・・)接点あるわよね?」

「『第二回』ぐらいしかないでしょう? それにそれを言うなら俺としては楯無さんとの方が……」

 

考え込む俺に()自体となら接点が在ると告げる楯無さんだが、俺個人としては『第二回』を原因とした楯無―――――いや刀奈さんとの一件があったせいでそっちのほうが印象深く俺に残っているせいでその感覚が薄い。

 

「その節は大変御迷惑を御掛けしました」

「本当にビックリだったよね」

「そ〜だよ」

 

俺の考えが分かったのか楯無さんは素直に謝り当時の事を思い出していた簪と本音は相槌をうつ。

 

「とりあえず警戒を怠らない様に」

 

楯無さんの一言で本日の生徒会のお仕事は終わり、となろうとしたがその前に楯無さんが思い出したのか口を開きある事を告げた。

 

「あ、それと鳳さんが明日戻って来るわ」

「意外と早い」

 

簪の言葉に俺も内心でそう思う。実は一度、『SPIRITS』メンバーによる中国国内の財団X支部を摘発する際に俺と本音も参加したのだ。その際の作戦では中国軍との共同だったがその時の対応が悪過ぎた事であまり……と言うか好感がまったく持てないのだ!

 

「まあ、あの国が考える事は訳が分からないし」

「それは同感です」

 

なにせ派遣された軍の壊滅を招きかけた男が昇進し、壊滅を防ぐために恥を忍び頭を下げ『SPIRITS』に救援要請を出す決断をするという自身の誇り(プライド)を捨てた男が処罰されたりしたのだから。

 

 

因みに後者の男性はその後『SPIRITS』にスカウトされ入隊したらしい。

 

「それと、もう1つ連絡事項が有ります」

 

考え込んでいた俺に虚さんがそれを告げる。

 

「もう1つ?」

「また転校生?」

 

最初で全部言ってほしいと思う俺に連絡事項を予想した簪が声をあげる。

 

「近いけどハズレです、山田先生の療養期間中の臨時の教師が明日4組に赴任します」

「……誰か分かりますか?」

 

俺の言葉に虚さんは静かに頷いて口を開き、告げた。

 

 

 

 

「『狂犬』の2つ名を持つ人。日本国自衛隊所属IS操縦者、神宮司まりも大尉です」

 

 

 




どうだったでしょうか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。