・・・・・・読んでくれる人はいるのかな?
ICHIKA SIDE
毎度毎度の事ながら考えてしまう事がある。
「……今更ながら思うんだが聞いても良いか?」
「答えられる事なら」
「よく毎回アリーナの1つを貸切状態に出来るな」
なんだかデジャブを感じる簪との会話をしながら思っていると更にそれを意識する羽目になる。
「その理由は簡単だ」
「此処がどの国家に属さない場所である『IS学園』だからだろう」
そう言いながら現れたのは……やはりデジャブを感じさせる2人+その他大勢(恐らく作業員だろう)だった。
「イアンのオッサンに篁代表候補? 前回と同じ組み合わせのは偶然?」
俺の呟きが聞こえたのか溜め息を吐きながら篁代表候補は律儀にも答えてくれた。
「偶然……と言いたいのだが実はユウヤから伝言を預かっている」
「「伝言?」」
この答えに俺と簪は揃って首を傾げる。
『SPIRITS』に、それも遥か彼方のアメリカ方面に所属するユウヤさんが篁代表候補を使ってまで伝えようとする事はなんだろうか、と…
「それは最後で言おう」
どうやら伝言とやらは長い話になるみたいだ。
「先ずは2人の新武装の紹介と慣らしだな」
「宜しくお願いします」
こうして俺達は新武装の説明を聞くのであった。
ANOTHER SIDE
放課後のアリーナには様々な理由で学生逹が集う。
貸し出された訓練機を装着しIS操縦者の技量、技術等を学ぶ者、高めようとする者。
「……今度こそ、見てなさいよ一夏ッ!!」
……そして自国から専用機を与えられた数少ない代表候補生である鳳鈴音もそこにいた1人である。
だがアリーナに居る他の生徒逹は彼女の周りに出来るだけ近づかまいと決めているのか出来るだけ距離を取る。
―――――その理由は簡単だ、誰も憤怒の表情を顔に張り付けてISの武装である青龍刀を振るう女に近づきたい等とは思わないからだ―――――
「其所に居るのは2組のクラス代表か?」
だが例外は何処にも存在する。
「そうだけど誰よアンタ?」
そう応じる鈴の声は素っ気ないものだった。だが話しかけた相手の口にした言葉に眉を潜める事になる。
「篠之乃箒、この前お前が戦った織斑一夏の幼馴染みだ」
「幼馴染み? 私も一夏の幼馴染みよ!」
「なんだと?」
段々と加熱していく会話を止めれる猛者などいない場所に新たな火種が落とされた。
「ねえ、アレって…」
「ウソ、ドイツの第三世代IS?」
現れた火種の名は
―――――ドイツ国家代表候補生・ラウラ・ボーデヴィッヒ―――――
「おい、お前逹」
「何よ」
ボーデヴィッヒのどこか上から目線の呼び掛けに鈴は不機嫌極まりない声音を隠そうともせずに答える。
「私と戦え」
「断る、戦う理由がないのでな」
「私もパスね」
ボーデヴィッヒの要求に箒と鈴、2人の返答は拒絶だった。
「ふ、逃げるか」
「…なんですって?」
挑発するボーデヴィッヒだが少し考え込み……鈴と箒には聞き捨てならない言葉を呟く。
「……よくよく考えれば『自身の専用機を怪物に奪われかけた候補生擬き』と『他人を巻き込む自殺志願者』を相手にしても私に何のメリットもないな」
ポンと拍手を叩き謝罪の言葉を口にして立ち去ろうと2人に背を向……
「邪魔してすまなかったな」
「待ちなさいよ」
……それを邪魔するかの如く鈴の声が響いた。
「あんだけ言っておいて何も無いなんて思ってないでしょう?」
「……私としては関わりたくないんだがな」
それぞれのISの武装を構える2人を見てため息を吐きながらボーデヴィッヒは自業自得とは言え降りかかる火の粉を消し去る事になるのであった。
KANZASHI SIDE
「先ずはこの2つのどちらを選ぶか決めてくれ」
「今回は選択制?」
「まあ、見てくれ」
そう言われ渡されたタブレットに映し出されたデータに目を通す。
「剣のみの装備と銃のみの装備って……」
「フルセイバーとフルバレットが開発コードで正式名は『
一夏が絶句しイアンさんが装備の開発
「完全に近距離戦闘用と遠距離戦闘用に別れてる」
「…私としては一夏に『
「『
私の呟きが聞こえたのか唯依さんはそう言い、絶句している一夏にはイアンさんが『
「その代わり操縦者には相応の技量が要るんだがな」
「倉持製IS武装はそんなのばっか…」
一夏のボヤく声に私も同意する。
「まあ、歴代の日本代表が一芸特化だからな」
「その影響か日本の大半の代表候補や候補生もその傾向が見られるからな」
この発言に何かを思ったのか一夏は唯依さんに尋ねていた。
「楯無さんと簪も一芸特化型?」
「いや、私の所見では2人は万能型だ」
「そうなんですか」
「因みに更識代表候補生には
……あ、私の強化フラグ出来ちゃった?
「
イアンさんはそう言うけどさ……
「とりあえず装備してくれ」
「「了解」」
……使える武装なのかな?
ANOTHER SIDE
「何の騒ぎかしら?」
アリーナを出て急いで教員が居るであろう職員室へと駆け出そうとした私にそう声をかけて来たのは入学してから見た事のない大人の女性だった。
「……ッ?! あの、貴女は?」
「今日から赴任した1年4組の担任の神宮司まりもよ」
「先生ですか!? 実はアリーナで専用機持ちの人達が!」
「場所は何処!? 向かいながら話を聞かせて……急ぐわよ!」
詳しく説明しようとしたが私の切羽詰まった表情をみて何かが起きていると察してくれたのか私に場所を案内しろと告げて私が先程出たアリーナの出入り口へ共に駆け出した。
MARIMO SIDE
私が生徒に引っ張られるように連れられて到着した時、アリーナ内部のグランドではSEが0になったのか停止した『打鉄』を装着した生徒が地面へと膝をついており少し上の空中で装甲に破損や亀裂が多くみられるIS―――――中国の第3世代機である甲龍―――――と遠目で見ただけでも無傷と分かるIS―――――ドイツの第3世代機であるシュヴァルツェア・レーゲン―――――が対峙していた。
「なあ、いい加減止めないか?」
「うる、さ…い、わね!」
「遅い」
静止の声も聞かずに中国の代表候補生は青龍刀を振りかざしシュヴァルツェア・レーゲンに接近するが逆にワイヤーブレードで絡み取られ左腕手首から出現したプラズマ手刀で青龍刀を破壊された。そしてドイツの代表候補生の言葉を聞き取った私は即座に自身の専用機である『激震』を展開、装着しアリーナのグランドへと向かう。
「これで武装は大方破損した筈だ。もういい加減止めないか?…」
「それなら私が仲介に入るけどいいかしら?」
「誰だ?」
警戒するドイツの代表候補生に私の自己紹介をしこの一件の発端を聞き出すために説明を求めた。
「私は神宮司まりも、今日から1年4組の担任として赴任した教師よ」
「神宮司?!……まさか狂「そこまで、私が名乗ったのだからそちらも名乗ったらどう?」……失礼しました。私はドイツの代表候補生ラウラ・ボーデヴィッヒであります」
「では、説明してもらいましょうか?」
ICHIKA SIDE
「『
「なら採用だな」
「宜しくお願いします」
新武装、使ってみて俺は大満足でした。
「
「此方は不採用か……少しデータを打ち込んどくから待っててくれ」
一方、簪は不満たっぷりみたいで新武装は使えませんと言って返却した。オッサンは多少がっかりしながら周りに居た作業員の1人のところに向かい、それと入れ替わるように篁代表候補が此方に近付き少し離れていた簪を手招きし近くに呼んだ。
「……ユウヤからの伝言を伝えるぞ」
「…どうぞ」
念の為にサイレントの魔法を使い周りには聞こえないように処置をした後で続きを促す。
「デュノア社の一件は知ってるな?」
「朝のニュースである程度なら」
ここで疑問に思った、何故デュノア社の名前が出てくるのかと? だが先程の会話でユウヤさんの名前が出て来た事である仮説に至った。
「まさか『SPIRITS』が関わってる?」
「大当たりだ。ユウヤ逹アメリカ方面の『SPIRITS』が主軸となった作戦だったそうだ」
「アメリカ方面の『SPIRITS』……確か『ゾディアーツ・スイッチ』をばらまく『財団X』のエージェントと生産工場を最優先で追っている……まさかデュノア社が生産工場を?」
簪と俺の問いにその通りだと呟いて篁代表候補は頷く。
「そうだ、まあ今回で一段落したそうだがな」
「ならユウヤさんも休暇が………」
とれますね……って言おうとしたんだ、出来なかったけどな。
なんでかって? 篁代表候補からなんか黒いオーラみたいなのが漏れ出してたからだよ。
「どうしたんだ織斑?」
「……いえ、なんでもありません。それよりも伝言内容を早く」
「そうだな」
このままだと俺に飛び火すると判断し話題を変えるために伝言を伝えてくれと促す。
「調査の途中だが『ゾディアーツ・スイッチ』を購入した顧客情報の中に……IS部隊を指揮下に抑えてる軍関係者の名前が幾つかあるらしい。もしかしたら『IS学園』に『ゾディアーツ・スイッチ』の所有者が居る可能性があるので注意しろよ、との事だ」
「分かりました、楯無さんと虚さんにも伝えておきます」
「頼んだぞ」
・・・どうでしょう?
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