IS~絶望を祓う魔法使い達~   作:海人

3 / 21
今回もオリ設定や他にも色々出ます。


入学までの流れ

ICHIKA SIDE

 

俺(と言うか男)がISを動かした事に世界中が衝撃を受けた。

そりゃそうだろうな、今までの常識―――――ISを男は動かせない―――――をゴミ箱の彼方に捨て去るかもしれない存在が現れた訳だし。

そのせいも在ってか俺の身柄や今後の対応などの話し合いは揉めに揉めるかと思われた、が……

 

「……ようやく決まった」

「長かったね」

「2〜3日しか経ってないわよ」

 

手元に在る決定事項の書類を見ながら話す俺と簪の2人に苦笑した楯無さんが呟く。

 

「けど、『打鉄弐式』が完成してて良かった」

「本当よね」

 

2人の言葉に心底同意する俺だった。もし完成前に今回の一件が明らかになれば間違いなく日本政府は倉持技研に俺の専用機開発を依頼しただろう。そうされていれば『打鉄弐式』の開発は間違いなく遅れる、若しくは中断された筈だ。

 

「それで一夏の『専用機』ってどうなるの?」

「とりあえずコイツ(・・・)で稼働データをとりながら作るらしい」

 

そんな事を考えながら俺は書類の1枚を簪に渡し、他の書類のチェックを再開する。

 

コイツ(・・・)って打鉄の……発展機?」

 

機体名『打鉄・数打』(仮)…重要な事だが命名権は俺にある模様。

そう書かれている書類を見ながら簪は口を開く。

 

「そう《数打》の方でデータを獲れるだけ獲って《真打》に値する機体を造る……らしい」

 

自身の専用機開発と平行して男性操縦者のデータの解析……正直言おう、倉持技研の皆様は大丈夫か?

 

「研究員の皆さんは大丈夫かしら」

「今度栄養ドリンクの差し入れでも渡しに行こうかと」

 

俺と似た考えに至った楯無さんの声を聞きながらせめてこれぐらいはするべきかと口にしていた。

 

 

 

 

 

TATENASHI SIDE

 

さて、初めての私視点だぞ♪

だけどね……

 

「……頭が痛い」

「…本当ですね」

 

一夏君と簪ちゃんの2人と(渋々)別れた私は別の部屋で虚ちゃんと書類整理の真っ最中。

虚ちゃん曰く……

 

 

『去年も今年いまもそんなに変わりはありませんよ』

 

 

……って言ってたけど絶対今の方が忙しいわよ。

 

 

だって今年の入学生には……

 

 

・IS登場以来初となる男性操縦者

・IS開発者の妹

・世界各国の代表候補生達

 

 

……上の2つの単語の意味が分かる人は私に同情してくるはずよ(……多分)

文字に書いてみるとよく分かる厄介事のオンパレード……しかも…

 

「いくら何でも強引すぎるでしょう?」

 

そう口にしながら1枚の書類に目を通す。

 

・国家代表候補生のIS学園途中編入手続届

 

と書かれた書類に。

 

本来入学予定ではなかった代表候補生達が『IS登場以来初となる男性操縦者』……つまり一夏君のIS学園入学の決定と共に編入手続届を提出した国があるってこと……

 

 

この事に関しては学園長に任せるとして私達は一夏君の警護に集中しましょう。

 

 

「けど、早く決まったから良かったよね」

「…それは確かに」

 

本音ちゃんと虚ちゃんの言葉に私も同感だ。

 

「やっぱり今の日本は凄いわ」

「『あの一件』での政府の対応とその後の声明のお蔭で行き過ぎた『女尊男卑』も歯止めが効きました、まあ……」

「……色々在った」

 

『あの一件』

後に『壊された幻想(ブロークン・ファンタズム)』と呼ばれるそれ(・・)はある出来事から始まった。

ISが世界に浸透してからある意味で当たり前となっていた行き過ぎた『女尊男卑』に染まりきった愚女のおこしたありきたりな騒動にこう言った者がいたのだ。

 

 

『ISを動かせない男性(・・)はISを動かす女性(・・)に勝てないのか?』

 

 

 

大部分……『女尊男卑』に染まりきった女性達は鼻で笑い飛ばしたこの言葉にとある理由……

 

 

……『女尊男卑』によって何の根回しも無く、構想、予算案すらその場しのぎで作られた『女性優遇政策』により国家財政が火の車となっていた『日本政府』が飛び付く形である催しが開催される事となった。

 

 

 

 

 

『ISを動かす事の出来ない(だが戦闘行為を行った事のある経験者の)男性』VS『ISを装着した(専門知識も無く戦闘とも無縁な一般人の)女性』

 

 

 

 

 

 

この催しの結果を語る前に皆様に1つ、聞かなければいけない事がある。

 

 

 

 

 

Q 貴方が高性能のF1マシーンを手にいれたとします。公道を走る自家用車を運転するF1レーサーを相手にして貴方は先の条件でレースに勝てますか?

 

 

A(複数回答有り)

・無理♪(理由、無免許ってか車を運転したことが無いしな)

・出来ないわ(笑(理由、プロ相手に慣れない車で走らせるとか……by走り屋)

・不可能に近い(だがレースまでに運転技術等を学べれば或いは……)

・勝てるに決まってるでしょう(女子中学生の回答から抜粋)

・なに? 貴方は私を馬鹿にしているわけ?(社会人女性からの回答)

 

 

女性達の回答は無視して構わない、重要なのは先の3つの回答なのだから…

 

 

 

よく考えてほしい。

 

ISを動かすのは簡単なのだろうか?

答えは否、だ。

確かに女性はISを動かせる、だがそれだけだ。

 

 

 

実際には……

『ISを装着する』

『ISを装着し空を飛行する』

 

これだけでも実際に経験しなければこなす事は出来ない。

ソレを全くと言っても良い程行わず初めての人間がまともに扱えれるか?

 

 

 

その答えが『事前に入念な準備』を行おこなった『ISを動かす事の出来ない男性』の勝利と言う結果だ。

 

 

内容はこうだ。

まず男性が戦闘区画を諸事情で廃棄され荒廃した都市跡に指定。

準備期間として設けられた1週間を使用し数多のトラップを初めとした仕掛けを行う。

そして本番当日。

戦闘開始の合図と同時にISを装着した女性目掛けてスタングレネードを投擲した。

スタングレネードの効果を知らない女性は何のアクションも採らず(『絶対防御』の効果は知っていた為)にまともに受けた為に視力と聴力を一時的に奪われ動きを封じられた。

そこに過剰攻撃オーバーキルと言っても差し支えない火力を持つ武器、いや兵器で攻撃。

視力と聴力を封じられ、また自身に向けられた攻撃に動揺しその場から動くと言った行動を採らずに……正確に言えば先制攻撃によってパニックになって取れずにいたのだが……全ての攻撃を自身の身体に浴びた。

 

 

それでも女性の身体が無傷だったのは『絶対防御』の賜り物であろう。

 

 

 

だがその直後に周りの廃ビルに設置した時限式の高性能爆弾を爆破、その際に発生した瓦礫の山に圧し潰される形でISのSEシールドエネルギーが0となりISは機能停止し女性の敗北が決定した。

 

勿論、実際に戦闘を行った男性曰く

 

 

 

 

『『戦場の指定』に『相手戦力の情報入手』、それに『使用武器の使用制限の有無』がなければISに勝つなんて夢物陰だ。』

 

 

 

 

と言い切り二度とやりたいとは思わないそうだ。

それでも『戦闘方法とIS操縦者の腕前次第ではIS以外の兵器でもISを倒せる』事が証明された訳なのだが……

 

 

 

「……まさか、あんな事になるなんて」

 

この催しが行われた1週間後に『女尊男卑』信望者による暴動が発生。その中に日本自国の国家代表こそいなかったものの……全体の8割近くに及ぶ代表候補生が暴動に参加していた。

更に彼女らは国家、又は日本所属の研究所、企業のISを強奪を計画していた事が後に明らかになった。

 

 

「それも直ぐに鎮圧されましたよね」

「流石は戦女神(ブリュンヒルデ)って事かしら」

 

暴動発生時の日本内閣の閣僚は賛成多数で同時の国家代表である織斑千冬を初め暴動に参加していない残り2割の国家代表候補生達と自衛隊に鎮圧を要請し彼女達と自衛隊はそれを受領、共同で任務に当たり僅か3日で鎮圧された。

 

 

そして当時の内閣総理大臣により鎮圧宣言が出されると共に暴動参加者への処分が発表された。

 

 

『そんなに自分達が選ばれた人間だと思いこみたいのなら【国外(別の場所)】でやってくれ』

 

 

そう言って暴動参加者達は極一部(参加を強制された者達、更正の余地が見られる者達)を残し……

 

 

 

……1週間の猶予を持って日本から『国外追放』された。

 

 

 

「さて、行かないとね」

「何処にですか?」

 

私の呟きに虚ちゃんが疑問に思っ「……逃げる気ですね?」…違うわよ!

 

「首相官邸よ、まあ依頼内容は分かるけど」

「……一夏君の『IS学園』内におけるボディーガードですか?」

 

行き先を告げると納得した表情をしつつ、予想した依頼内容を口にだす。

 

「他の件もあるのよ、『幽霊』も含めてね」

 

そう返す楯無の表情は学生ではなく『暗部の現当主』としてのソレだった。

 

 

 

ANOTHER SIDE

 

空に輝く月を見ながら妻と共に日本酒を口にしながらもこの1週間の騒動の中心となった1人の少年の顔を思いだし呟く。

 

 

「まさか、彼がな…」

「以外と驚かないのですね」

 

そう言いながら自分の杯に酒を注ぐ妻に言葉を返す。

 

「まあな。だが、これからの出来事と、その結果を背負うには……彼はまだ若すぎる」

 

あの時(・・・)、『ごめんなさい』と泣きながら謝り続ける彼を思いだし溜め息を吐く。

 

「大丈夫ですよ」

 

その不安を妻はそう言って払い除けた。

 

「……『彼1人』なら押し潰される可能性の方が高いと思いますよ」

 

けれど……

そう口に出し、少しだけ微笑みながらその言葉を口にだした。

 

「彼処、IS学園には刀菜と簪が…私達の娘や彼女達がいます。自分自身の弱さを晒せだせる存在がいます」

「そうだな…」

 

 

 

 

オマケ

 

「ところで貴方…」

 

会話が一段落したと思っていたら妻の、僅かだが少し低くなった声で呼ばれた。

 

「なんだ?」

「『アレ』は処分しましたか?」

「『アレ』?」

 

『アレ』と言われても思い当たる節はないので首を捻っていると…

 

「バレンタインデーの時の『アレ』です」

 

…その一言で理解出来た。

そう、俺の黒歴史シリーズの1つに数えらる変装道具(と言う名前のコスプレ衣装)に違いないだろう。

 

「ハハハッ…ショブンシタニキマッテルジャナイカ」

 

乾いた声で答える。だって『実は今も所持してます。』なんて言えるか? 俺も使いたく無いしな。たが……もしもの場合時には……

 

 

 

 

 

 

同時刻、一夏の背中に冷や汗が流れるのだが原因が判らず首を傾げる一夏の姿が見られたと言う。




今回のオリ設定

・壊された幻想(ブロークン・ファンタズム)
・暴動騒動
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。