IS~絶望を祓う魔法使い達~   作:海人

7 / 21

今回はIS学園の外のお話がメインです。


その頃……

?? SIDE

 

日本国内某所

其処は悪く言えば特色の薄い小規模な町、良く言うならば長閑(のどか)な雰囲気が漂う落ち着ける(場所)

その町の一角にある五階建ての商業ビルにおいてこの町では聞く事が無いであろう激しい戦闘によって発生する騒音が奏でられていた。

 

【ACCEL! MAXIMUM DRIVE!!】

 

「ブレストキャノンシュート!!」

 

騒音が奏でられている一角で機械から発せられる音声と若い男性の咆哮がそれを終わらせる宣言の如く響くと共にその場に存在した4体の異形の内2体が床に倒れると共に人間へと変わる。

それを見た残り2体の異形………………『仮面ライダーアクセル』と『仮面ライダーバース』に変身した照井竜と後藤慎太郎は変身を解除、それを確認した1人が2人に駆け寄る。

 

「……照井警部、そちらは終わりましたか?」

「泉刑事か、ああ其処の2人は囮を兼ねた殿(しんがり)だったらしい。お陰で残りのメンバーには逃げられた」

「メモリブレイク出来たのが幸運でしたね」

 

苦々しく言う照井に床に散らばる機械―――ガイアメモリ―――の残骸を回収する後藤の声を聞き泉圭吾は自身が見つけたモノについて報告する。

 

「ですが手がかりは幾つか残っていただけマシだと思いますよ」

「手がかり? どの類いの物だ?」

コレ(・・)なんですけど、どうやら今回『財団X』は無関係ですね」

 

そう言いながら照井に渡されたのはプリントアウトされた数枚の書類。

その内容に2人は目を通しそれぞれの心中を洩らす……

 

EXE(エクゼ)が掻き集めたガイアメモリの未回収品を偶然発見、この報告書通りなら発見された数は3個、1つ逃したか」

「ガイアメモリの所持者について何か分かるか?」

「不明ですが目的地は予測出来そうです」

「何故予測が出来る?」

 

泉の言葉を不思議に思った後藤が尋ねると溜め息を吐きながら戦闘による破損を免れた近くのパソコンにUSBメモリを差し込み中にあるデータを画面に表示させる。

 

「このデータなんですが『IS学園』の警備体制に関するデータなんですよ、恐らくは……」

「『IS学園』を狙っているのか?」

「可能性は高いですよ、しかもここにあるデータからして……」

 

泉の推論を聞き、続く言葉を遮り照井が口を挟むが泉本人も同意見らしい。

 

「『IS学園』側に協力者が居る可能性が高い、か……だが何故だ?」

 

後藤の言葉に本人を含めた3人が考え込む。

『IS学園』が襲撃される事で得られるメリットとデメリットを考えるが『IS学園』(サイド)から見た場合余りにも不釣り合い―――『IS学園』(サイド)にしてみれば十中八九の割合でデメリットしかない―――だからだ。

 

「とにかく『日本警察(俺達)』では簡単には手が出せない……万が一に備えて『あの5人』に連絡を入れるべきか?」

「念のために『SPIRITS』に一報を入れて『IS学園』の上層部に連絡をとってもらい警戒を促しましょう」

「頼んだぞ泉」

「了解しました照井警部、後藤刑事」

 

自分達では場所的、政治的理由から対応が困難であると判断した3人の意見交換が終わり各々はそれぞれの行動を始める。

 

?? SIDE・Ⅱ

 

東ヨーロッパ・バルカン半島。

かつて『ヨーロッパの火薬庫』と呼ばれ第一次世界大戦勃発のきっかけとなった『サラエボ事件』が発生した一帯であり『白騎士事件』後に制定された『アラスカ条約』によるISコアが分配された21ヵ国の2つが存在する地域。

 

「結城さん此方です」

「流星君助かったよ」

 

日本と違い此方側では戦闘等は行われなかった。

情報が漏れていたのか?

それとも元々廃棄する予定だったのか?

彼等が其処に突入した時点で既にもぬけの殻だったのだから。

 

「そっちはどうでしたか?」

 

考え込む2人にそう尋ねる声がかけられ、流星と結城に呼ばれた青年が声が発せられた場所へ視線を向け……此方に近づく2人の人影を捉えた。

 

「映司君と功介君か、そちらは?」

 

結城が此方に近づく2人に声をかけると映司と呼ばれた青年は申し訳なさそうな表情を顔に浮かべ、功介と呼ばれた青年はお手上げだと体で表現する。

 

「すいません」

「こっちに手がかりになりそうなモノはなかったぜ、そっちはどうなんだ?」

 

「これから調べるところだ」

 

功介の問いにそう答えながら近くに捨て置かれていたノートパソコンを手元に寄せ電源をつけ起動させる。

 

「何でも良いから今は手掛かりがほしい」

 

そう呟きながら結城はキーボードに指をかけた。

 

 

?? SIDE

 

夜は良い。

生徒と言う不安要素を気にする事なく話し合う(・・・・)事が出来るのだから。

 

「……これで大丈夫なのよね?」

 

そう私に尋ねるのは志を同じくする同士の1人である同僚。彼女は私達4人の中で一番の心配性だ、だが残りの2人が大雑把な性分な為丁度良いバランスだと思っている。

 

「ええ、これで後は向こうが勝手に動いてくれるわ。此方の都合通りとも知らずにね」

 

 

 

―――女尊男卑―――

 

 

 

ISの登場と普及により現れた言葉だ。

そしてこの言葉通りにこの世界では女性は(とうと)ばれ男性は(いや)しめられる。

 

 

 

 

……だが、本当にそうなのだろうか?

 

 

 

 

よく考えてほしい。

女性が尊ばれると言ってもその立場にある女性にも親しい、若しくは友人関係にある男性は存在するのではないか?

 

「……この国の連中(国民)には知ってもらわないといけないよ」

 

―――――IS操縦者(・・・・・)である私達が女尊男婢()の世界で最も尊き存在であり強者である事をね―――――

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。