IS~絶望を祓う魔法使い達~   作:海人

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今回は原作キャラ登場……
やっとだせたな……この作品だけじゃないだろうか? 原作1巻なのに『世界最強』、『天災の妹』、『英国貴族』が未だに登場していないのは…


Sの襲来/魔法使いは語る

ICHIKA SIDE

 

俺が自身の専用機となった『打鉄(うちがね)数打(かずうち)』を受領してから2週間が過ぎ、ようやく周囲が女性だけの環境に慣れ始めたと感じるに至った日の朝の事だ。

 

「…あ、織斑君と更識さん話聞いた?」

「「話?」」

 

教室に入った途端に近くのクラスメイトから声をかけられた。

 

「2組に転入生が来たんだって」

「しかも中国の代表候補生らしいよ」

 

俺達に気付いた他のクラスメイトによると昨日の夜に事務所の近くを歩いていたバスケ部の学生達が目撃し問い合わせたところ自分の方から名乗ったらしい。

 

「…珍しい」

「そうだよね」

 

俺の呟きに簪も同意するように呟く。

 

「うん、大体の国は極稀な例外を除いて代表候補生をIS学園に入学させる」

「ISの稼働データが手に入るからか?」

「そうそう」

 

俺と簪の会話を聞いていた1人がふと思った事を口に出した。

 

「それならIS学園じゃなくても良いんじゃない?」

 

自国独自の技術を他国の目に触れさせて良いのか?

それなら隠す事が容易な自国に留めて自国のISを使用し稼働データを得れば良い。

その考えに簪を除く全員が成る程頷く、が簪は人差し指を立て反論の言葉を口にする。

 

「そうでもないんだよ」

「何故に?」

「IS学園ならクラス対抗戦や行事でのトーナメントで他国のISとの戦闘経験が得られる可能性が高いから」

「「「「「……なるほど!!」」」」」

 

俺の突っ込みに簪が答えクラスメイト達は納得の声をあげた。

つまり他国のISとの戦闘経験が得られるメリットが自国独自の技術を他国の目に触れさせるデメリットを上回るって事か…

 

「けどこれで3組以外は専用機持ちが居る事になるけど……勝てるかな?」

「……勝つさ…」

 

ふと誰かが専用機持ちの存在に不安を覚えたのかこんな言葉が聞こえたので安心させるため聞こえる様に呟く。

 

 

 

そう、俺はクラス代表戦に優勝し……掴み取るんだ!

 

 

 

「食堂のデザート半年無料の特典の為に!!」

 

 

 

 

自身の欲望を語る俺にクラスメイトの大半は頑張って、頼りにしてるよと励ましの言葉をおくってくれる。

 

「……へえ、もう伝わってるんだ」

 

ふと先程通った教室の入口から聞き覚えのある声が聞こえた。

 

 

ANOTHER SIDE

 

織斑君のデザートにかける意気込みを語る中、4組の生徒ではない1年生が教室に入り込んできた。

 

「なっ!? お前、鈴…か?」

「そうよ。中国国家代表候補生、鳳鈴音。今日は顔見せと宣戦布告に来たって訳」

 

織斑君は入り込んできた女の子を見て驚きながらその子の名前を口にし、女の子は織斑君の反応に満足したのか不敵な笑みを浮かべ要件を述べる。

 

「まあ顔見せは分かるな2年ぶりだし、けど宣戦布告ってなんだ?」

「私が2組のクラス代表になったのよ」

 

へ〜そうなんだ、2人は2年振りの再会なんだと聞きながら思いつつ話を聞いていた。

 

「……2組ってクラス代表決まってなかったのか?」

「変わってもらったわ!」

「良いのか? それで?」

 

織斑君が疑問に思ったのか鳳さんの代表就任について聞いたらドヤ顔でそう言いきり織斑君は少し顔の表情を険しくする。

 

「問題無いわよ!」

 

鳳さんはそう言いきるが後に『あの事件』が起きる事を今の時点で知る者がこの場に1人でも居ればこう述べただろう。

 

『どこが『問題無いわよ!』だ(よ)!! 問題大有りだった(じゃないの)!!』

 

 

 

 

ICHIKA SIDE

 

あれから昼休みは鈴と昼食をとり2〜3会話をしながら昔話に花を咲かせ放課後となり俺は久し振りの空いた放課後を寮の部屋で休む為に戻ったんだけど……

俺は予想外の出来事が起きた場合、先ずは一時的に現実逃避するみたいだ。

 

「……お、お帰りなさいませご主人様…」

 

俺が寮にある自室の扉を開けるとそう言って中から……

 

 

 

 

 

……『メイド服』を着こなした虚さんが顔を赤らめて姿を見せたので……

 

 

 

 

 

……急ぎ扉を閉め1人自問自答を始める。

 

「……可笑しい、幻覚が見える程無茶した覚えはないぞ?」

 

あの真面目な虚さんが?…

・・・・・

・・・・

・・・

・・

…いや、有り得なくはないか? 本音のお姉さんだし…

なんか後で虚さん本人と本音に怒られそうだなと思いつつ今度はゆっくりと扉を開けると……

 

「……やっぱり、私じゃ…」

「虚さん、一体何をやってるんですか」

 

……部屋の片隅で体育座りをしていじけている虚さんの姿が有ったので先程のは見間違いではないと分かり一安心し事情聴取を始めると……

 

「お嬢様が『裸エプロン』なら私は『メイド服』で対抗しようと……」

 

原因は楯無さんの裸エプロンに触発された虚さんの暴発らしい。

うん、思った事を言おう。

 

「発想の仕方が可笑しいですよ! いや、似合ってますから落ち込まないで下さい」

「……本当に?」

「本当です」

 

実際にメイド服を身に纏った少しだけ泣いている虚さんは正直言おう、凄く絵になってるんだ! もし此処が学園でなければ!! くそ、なんで此処が学園の寮なんだよ!!!

 

「それで……俺は何をすれば?」

「……好きにしてください」

 

顔を赤らめてそう言う虚さんを見て欲望に支配されかける俺はふと窓に視線を向けると…………

 

 

 

 

 

…………上下が反転した状態で……目から光が消えた『のほほん様』(ピカチュウ着ぐるみver)の姿が?!!……

 

 

 

 

 

「それならお茶を1つ点てて下さい」

 

即座に欲望の炎は鎮火し先程見たモノの記憶を忘却の彼方へと押しやったがメイド服姿の虚さんに奉仕されるのは捨てがたいので妥協案で我慢する事にする。

 

「……ええ〜」

「お願いします」

「…はい」

 

不満たっぷりの虚さんには悪いが俺も命は惜しいんだよ!

 

 

 

 

UTUHO SIDE

 

「……美味しい」

「嬉しい言葉です」

 

自分が淹れた飲み物を美味しいと言って飲んでくれる。

これ程嬉しい事はありませんね。

 

「俺もいつか虚さんから満点貰える腕になりますよ」

「楽しみにしてます」

 

こうして穏やかな時間が続……

 

 

 

「一夏アァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」

 

 

 

 

 

……くのを邪魔するかの如く轟く怒声と共に部屋と廊下を区切っている扉が吹き飛び窓ガラスを砕いて地面へと落ちていきました。

 

「なんですか!?」

「俺が聞きたいですよ!」

 

あまりの出来事に混乱する私達ですが入口に視線を向けると其処にはツインテールの小柄の少女の姿がありました。

 

「鈴! 部屋と廊下を区切ってるドアを壊すな!!」

 

一夏君は少女、鈴さんの姿を見つけるやいなや怒鳴りながら座っていたベッドから立ち上がり詰め寄ります。

 

「そんな事はどうでもいいのよ!」

「「良くない(ですよ)!!」」

 

鈴さんの発言に2人で怒鳴り付けます。寮の備品の調達は実は生徒会の受け持ちなんです、先生達はアリーナや校舎等の施設の管理や行事の際に訪れる来賓の案内等を受け持っています。

……言いたい事が分かりますね? 私の仕事が増えるんですよ!!

 

「アンタに彼女がいるってどう言う事よ!! そしてそのメイドは誰!?」

「俺に彼女がいて悪いのか?!! そしてこのメイドさんは3年生の布仏虚先輩だ、色々と世話になってる人で俺の彼女の1人(・・・・・・・)でもある」

「……彼女の1人(・・・・・)ってどう言う事?」

「後2人彼女がいるんだ俺」

「……ハハッ…」

 

私が自分の仕事が増える事に頭を抱えていると渇いた笑い声が耳に届きそちらに視線を向けると……

 

「一夏ァ…覚えてなさい! クラス対抗戦で思い知らせてやるんだからアアアアッ!!!!!」

 

……そう叫びながら廊下へと走り去りました。

 

「…嵐のような人ですね」

「…『局地的に強く吹くでしょう』……ってドアと窓ガラスを直すのがめんどくさい」

 

私の言葉に反応しながらも『リターン』の魔法で壊されたドアと窓ガラスを直す一夏君を見ながらこう思わずにはいられませんでした。

 

「魔法って便利ですね」

 

 

TATENASHI SIDE

 

「……で一夏君に心当たりはないの?」

 

この日の生徒会室の最初の会話は私のこの言葉から始まったわ。

 

「俺が悪い前提で話すのは何故だ?」

「イッチーは鈍感だった(・・・)から、かな」

「「「……そうだね(よね)(ですね)」」」

「……否定出来ない俺が居る」

 

拗ねている様に聞こえる一夏君の発言に本音ちゃんと私達のダメ出しによって頭を俯かせ落ち込む一夏君をみながら昨日の騒動について考えて見る。

 

「それで心当たりは本当にないの?」

「思い当た……まさかアレの事か?」

「あるんだ」

 

私の問いかけに何か思い当たる節があるのか少し考え込み口を開いた。

 

「えっと……中1の始めくらいかな、鈴に聞かれたんですよ」

「何を?」

「確か『料理が上達したら毎日あたしの酢豚を食べてくれる?』……だっ…た」

「「「「……それって告白だよね(よね)(ですよね)!!!!?」」」」

 

口から言葉が出ていくに連れて顔色が青くなっていく一夏君に4人揃って突っ込む。

 

「俺だって今思い出したんだ!」

「なんで忘れてたの?」

「その後なんだよ『サバト』がおきたのは…」

 

簪ちゃんに対しての反論で全員が何故忘れていたのか納得した。

……するしかなかった。

 

 

『サバト』

 

 

それは一夏君にとっての『始まりの日(ビギンズ・ナイト)』となった出来事。

そして私にとっても……

 

「その後は……皆も分かってるでしょ?」

 

その言葉に全員が頷くしかなかった。

何せ私を含んだこの場に居る全員がその後の影響を大小で受けたのだから……

 

「それに、これだけは言っておくけど……」

 

『あの事』を考えていた私の耳に一夏君の前置きの言葉が届いたのでそちらに視線を戻すと『あの時』と同じくらいに真剣な表情を浮かべて、少し視線を反らして……

 

「『別の世界』で鈴に告白して付き合っている『俺』が居るかもしれない…………けど『この世界』の『俺』は楯無さん、虚さん、簪、本音の4人と付き合っているし別れる気なんて一切持ってないし、持つ気もない」

 

……そう言ってくれた。

 

 

 

 

?? SIDE

 

「…ん、で…」

 

誰も居ないと分かっていたから……止められなかった、止めようとしなかった。

 

「どうして…! いきなりやって来た奴なんかがッ!!!」

 

困惑、憎悪、羨望、嫉妬、無力感……その全てが込めら滲み出た声に…

 

 

 

 

 

「……ソイツが憎いか?」

 

 

 

 

 

…応える声が有った。

 

「…だ、誰?」

「俺の事はどうでも良いだろう? もう一度聞くぞ」

 

誰も居ないと思っていた場所から現れた中年の男が私に聞いてきた。

 

 

 

 

―――――憎い奴を叩きのめし、身の程を教えさせられる力を欲しいか?―――――

 

 

 

 

 

それは神からの宣告に聞こえた。

 

「……う、だい」

 

だから私は答え、ソレを求めた。

 

「……その力を! アイツを叩きのめせる力を!! 私に頂戴!!!」

 

 

 

 

クラス対抗戦の第一試合が『2組代表』VS『4組代表』と発表されたのはそれから1日経った日だった。

 

 




どうだったでしょうか?
次回、クラス対抗戦です。
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