プロローグ
「どうも、お久しぶりでございます。そして初めての方には初めまして。私この書庫の管理人などをやっている。カオスマジシャンと申します。此度は前にお話した。夜天の守護者の裏で語られていた物語を皆様方に見ていただくことに致しましょう」
無数の本棚の更に奥、僅か数冊しか本の置かれていない本棚から一冊の本が飛び出しカオスマジシャンの手に収まる
「どこの世界にも光と闇というのは存在します。それは守護者の世界でも同じ事。しかし……闇が悪とは限りません」
開かれたページには黒いローブを纏った小柄な人物が描かれていた
「ネクロ……それは確かに悪と呼べる存在でしょう、しかしネクロの中には極稀に人としての心と体そして記憶を取り戻す者達がいます」
次のページには瞳孔が縦に割れた吸血鬼の様な人達が描かれていた
「半ネクロ。ネクロ達には出来損ないと言われ、人間には悪として追われる。運命を背負いし者達……彼女もまた半ネクロとして世界をさ迷い歩く者」
次のページにはフードを外した神秘的な雰囲気の少女が描かれていた。紅い髪に蒼い瞳を持つその少女の左目だけは縦に割れていた
「彼女の名はリーエ。異なる世界で八神龍也に救われ、半ネクロにへと変化し無数に広がる世界を旅する宿命を与えられた者」
リーエの進む先には様々な場所が描かれただの1つも同じ場所は描かれていない
「彼女の望みは唯1つ、遠い昔自分に居場所を与えてくれた八神龍也に再会すること、それだけを胸に気の遠くなるような時間の中を生きています……」
彼女の歩いてきた道の後ろに描かれた街や世界は所々消えており、長い時間が経っているのがわかる
「その度の途中、彼女はある世界にへと辿り着きます」
崩れ果てた遺跡の中の巨大な石碑の前に立つリーエの姿が描かれたページが開かれる
「そこで彼女は知るのです、ネクロの創造者であり、負の神「ヴェルガディオス」の裏に潜む何者かの存在を……彼女はネクロとは何か? 何故ネクロが存在するのか? それを知る為に世界を渡り歩く。そして予想もしない者達と再開することになります」
漆黒の拳闘士「ルキルメス」地獄の道化「ヘルズ」復讐者「ジオガディス」そして過去にダークマスターズと呼ばれ、守護者の世界で猛威を振るった者達が描かれたページが開かれ、驚愕に顔を歪めるリーエの姿が描かれている
「この出会いを切っ掛けに彼女の運命は大きく変わっていきます……しかしそれはまだ大分先の話となります……彼女の物語の始まりは……」
ページがどんどん捲られていき。最後に開かれたページには、病室のベッドに腰掛ける。幼い少女とその少女の手を握る黒いコートの青年の姿が描かれていた
「彼女が人なざる身となった時。そして……居場所を見つけたその時より始まります……闇を纏う時空の旅人が進む道はいかに? それは是非皆様の目でお確かめ下さい。それでは「宵闇の使者」の物語をどうぞお楽しみ下さい」