宵闇の使者【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は状況説明? の話です。今回は少々短めですがどうか宜しくお願いします

なお、この新キャラはISのネタばれをしていますのでご注意ください


第17話

 

 

第17話

 

夢を見る……俺が希望を託した者の夢を……

 

覚悟を持て……■■■■。 今のお前では護りたいものを守ることなど出来はしない

 

ふっふふふ……やっと……やっと仇が討てた。感謝する……守護者そして■■■■……

 

さてと……後は、決着をつけるぞ、■■■■

 

まてよ……もう戦える状態じゃ……

 

そうだとしても時間が無い。俺の身体はもう殆どネクロの細胞に……侵された。もう俺が自我を保てるのも時間の問題だ……

 

それでも! 俺は、俺は……俺には出来……

 

■■■■……俺はもうすぐ自我を失い。本来のネクロとしての殺戮と破壊衝動に呑まれるだろう……その前に剣士としての死を迎えたい

 

……判った

 

良い目だ、行くぞ!!

 

そして俺は最後の最後に剣士としての誇りを貫くために、死を覚悟して戦いを挑み……

 

俺は■■■■の刀でコアを両断され、消滅した……消えて行く俺にあったのは復讐を成し遂げたという僅かながらの達成感と、

裏切り者の汚名を背負うことになったが、最後に剣士として死ぬことが出来た満足感だった

 

顔に当たる風を受けて目を閉じたまま。地獄にも風があるんだなと思いながら目を開こうとして気付いた

 

(脈が……それに心音もあるだと!?)

 

驚きながら身体を起こし目を開く。そこは川の近くなのか、川のせせらぎが耳に飛び込んできた

 

「……なに?」

 

俺は死んだはずだ。何故こんな所で横になっている? 死んだ瞬間までの記憶もある。 だがどうして俺は生きているんだ

 

「……これは……」

 

俺が寝かされていたのは川原……体が冷えないようにか焚き火と毛布がかけられていた。ゆっくりと立ち上がり身体を確認し、驚愕した

 

「腕が元通りに……それに顔も……」

 

ハーデスとの戦いでつぶれた右目に、ダメージのせいで活性化した。ネクロ細胞に侵食され異形の手なりかけていた。腕が元通りになっていることに驚きながら、辺りを見渡すと

 

「テント?」

 

離れた所にテントがあり、俺と同じ様に近くに焚き火が焚かれていた。俺は誰か居るのかと思い近付いた瞬間

 

「クワーッ!!!」

 

「ぬっ」

 

気の上から飛来した紅い鳥型のネクロが翼を広げて威嚇する。目で近付くなと言っているのが良く判る。この辺りに感じるネクロの気配はこいつとテントの中にいるのが原因か……爪先を動かすと

 

「クエーッ!!!」

 

翼を羽ばたかせ俺の足元に羽を撒き散らす。それに足が触れた瞬間軽く爆発が起こる

 

(爆破能力か……)

 

一個一個の爆発は小さくてもここまで密集していると全てが誘爆するだろう。そうなると今の消耗してる俺ではダメージを受けるのは必須

 

「判った。判った。そんなに威嚇するな……お前の主人で起きるまで待てば良いんだろう?」

 

「クウ」

 

翼を畳むのを見るとそう言いたかったようだ。俺は俺が寝かされていた場所に戻り焚き火の前に座り込み。空を見上げた

 

(昼前? いや……朝か? よく判らん)

 

太陽の動きがおかしい、時間がわからない……俺がそんな事を考えていると

 

ビタンッ!!!

 

足元に魚が3匹落とされる。上を見るとさっきのネクロが鉤爪に魚を掴んで浮かんでいた

 

「食えと言うことか?」

 

「キュウ」

 

そう鳴いてテントのほうに飛んでいくのを見ながら。俺は魚を見て

 

(ネクロには味覚が無いはず何だがな?)

 

ネクロは魔力で身体を維持する、食事など必要ない筈なんだが……それに食事をしたとしても味覚が無いので味など判らない。食わないでも良いだろうと思い目を閉じたところで

 

「ん?」

 

テントのほうから焼けた魚の匂いした瞬間

 

グウ……

 

腹が鳴った……俺は閉じかけた目を開き。近くの木の枝を数本きってナイフで削り。投げられた魚をそれに差して焚き火の前に突き刺した

 

(腹が減ったと感じるという事は人間に戻った? いや)

 

掌を上に向け力を集中させるとネクロ特有の黒の混じった魔力光が集まる。

 

(ネクロのままと言うのは間違いないか……だがただのネクロとも違う)

 

憶測しか出来ないがネクロでも無ければ人間でも無いようだ……誰が俺をこんな身体にしたのか判らんが説明をして貰わなければならない

 

(漸くお前の所に行けると思ったが……まだみたいだな)

 

呪われた旅路はまだまだ続くと言うことか……

 

 

 

 

 

「……ん?……ここは?「キュウ!! キュウウウ!!!」……スザク」

 

スザクが胸の上に降りてキュウキュウと鳴く。心配してくれてたんですね

 

「……ありがとう。もう大丈夫です」

 

魔力は7割がた回復した。それにしても……

 

(急に光の力の使い方が判るようになりましたね)

 

今までは魔力に物を言わせて体組織の活性化と言うので傷を治していたが。急に回復魔法の術式が判るようになった……一体どういうことだろう?

 

「……そうだ、あの人は?」

 

「クワー」

 

宙に飛び上がるスザクの後を追ってテントの外に出ると

 

「ネクロかと思っていたが……まさかLV4の人型とは驚きだ」

 

切り落とされた木の幹に腰掛ける、赤紫の髪と青紫色の瞳の男と目が合った。だがその瞳孔は縦に割れ私と同じ半ネクロの気配をしていた

 

「……初めまして。リーエと言います」

 

「ペガサスだ」

 

ぶっきらぼうな口調。六課にいた異端の騎士。ルシルファー・S・ハーティーンにどこと無く似た気配をしているなと思いながら、設置していた椅子に腰掛ける

 

「……まず訂正させてください。私はLV4ではありません」

 

「何? だが完全な人型はLV4だけだろう?」

 

そうかこの人は半ネクロを知らないのか、ネクロも一枚岩の組織ではない。半ネクロを知らないのも無理は無い

 

「……私は半ネクロです。半分人間、半分ネクロの異端者です。 まぁ私の場合は完全にネクロ化する前にある方に浄化して貰ったのですが、そのせいで左目だけ瞳孔が縦に割れてるでしょう?」

 

龍也様を恨んでいるネクロは多い、なので名前をいうのは良くないと思ったのでそう言うと、話を黙って聞いていたペガサスさんは

 

「大体判った。では何故俺は生きている? 俺はコアを砕かれ死んだ筈だが?」

 

流石に自分の死因は覚えていたようで納得行かんという表情で尋ねてくる、ペガサスさんに

 

「……その答えは私も判りません。私の力はまだ未完成そして完全に制御出来ているわけではないのです。なぜ貴方……ペガサスさんとお呼びしても?」

 

「かまわん。続けろ」

 

「……では話の続きを、何故急に私が光の属性の魔法が使えるようになったのか? 何故ペガサスさんを半ネクロとしてこの世に呼び戻したのかは私には判りません」

 

そう言うとペガサスさんは私の話を中断させて

 

「待て。半ネクロだと? 俺が?」

 

「……ええ、信じられないと言うのならこれをどうぞ」

 

鏡を差し出しながら、自身の目を指差しながら

 

「……半ネクロは瞳孔が縦に割れてます。ご自分で確認してください」

 

人型ベースのネクロも瞳孔が縦に割れることがあるが、最大の違いとして目に光のある・なしがあるんですと追加で説明すると

 

「そうさせてもらう」

 

鏡を覗き込んだペガサスさんは自身の顔を観察しながら

 

「本当だな、瞳孔が縦に割れているのは前のままだが。目に光が戻っている」

 

自分の顔を確認したペガサスさんを見ながら立ち上がり

 

「……起きて早々に悪いのですが。世界を移動します」

 

「どういうことだ?」

 

「……私には追っ手が居ます。私と同じく半ネクロですが……私よりも遥かに高い能力を持った奴が。 この世界に来て3日経ちました、何時までもここに居ると危険なので」

 

私の説明を聞いたペガサスさんは

 

「それは俺も含まれるのか?」

 

「……半ネクロは全て処罰の対象です。ですから1度貴方を半ネクロが集まってる集落に案内します。そこでなら安全に暮らせると思います」

 

半ネクロだけが集まる世界がある。その世界にアークは入れない、ネクロの因子が強すぎるからだ……故にそこには100人程半ネクロが集まり暮らしている。

 

私も旅を始めた当時はその世界に身を寄せていた。転移の魔法陣を設置させてもらったから直ぐに転移できる。とは言え私自身の目的も在るし、早々帰ろうとは思わないけど

 

「別に構わん。俺は自身の目的は果たした……何時どこで死のうがどうでも良い話だ」

 

ふんっと鼻を鳴らしながら言うペガサスさんに

 

「……そうですか、それでもこの世界からは移動してもらいます」

 

「何故だ? 俺は何時死んでも良いのだぞ?」

 

移動する気はないと言いたげな目で私を見る、ペガサスさんにこの世界の事を説明する

 

「……ここはネクロの墓場とも言える世界です。魔力が複雑に混じり合っているせいか……かつて死んだネクロが流れ着いています。ですがそのネクロは死んでいません……魔力を求め今も生きています。そしてその場所は徐々にこの世界を浸食しています。永久に死ねぬ苦しみを味わいますか?」

 

あの墓場は徐々にこちら側に浸食して来ている。ここももうじき安全とは言え無くなるその前に移動するべきだ

 

「判った、1度だけお前の転移に付き合う。その後は俺の事はもうほっておいてくれ」

 

空虚な目をして呟くペガサスさん、自分の成すべき事を遂げた人間の目だ

 

「判りました。では片付けをしたら、転移しましょう」

 

「準備が出来たら教えろ」

 

「……ええ、判りました。ではまた後で」

 

そしてそれから10分後。私達はこの世界を後にした……

 

 

 

 

 

 

リーエとスザクという名の鳥型ネクロと薄暗い魔力で出来た道を歩く

 

「どれくらいで別の世界に着くんだ?」

 

「……判りません。普通は直ぐに別の世界に着くんですけどね」

 

長い道をゆっくりと進んで行く、時折スザクの羽が俺の足元に落ちるのを避けながら進んでいると

 

「……到着です」

 

その言葉と共に暗い道は途絶え、次の瞬間。穏やかな光が降り注ぐ森林にと変わっていた

 

「それじゃあもう……「……この気配はっ!?」

 

もう会うことは無いなと言おうとした所で、リーエが顔色を変え甲冑と翼を展開し飛び去る

 

「ふん……まぁ良い。人の気配もするし何とか暮らしていけるだろう」

 

目はカラーコンタクトでもすれば良いと思い、森林を抜けて街を見下ろして俺は目を見開いた

 

「海鳴……だと!?」

 

しかし俺の知る海鳴よりも地形が違う

 

「過去なのか……」

 

その事に驚きながらリーエとスザクが飛び去った方角を見る

 

「LV4ネクロの気配が2つ……まぁ良い。俺には関係の無い話だ」

 

もう俺は戦わない。戦う理由はもうない……後はこの世界で追っ手とやらが来るまで暮らすだけだ……

 

俺はぶつかり合う魔力を無視してその場を後にした……

 

 

 

第18話に続く

 

 

 

 




次回は戦闘回で行きたいと思います。キーワードは「過去」「海鳴」「リーエが感じた気配」となります。勘の良い人なら次回の登場キャラクターが判ると思います
それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします
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