宵闇の使者【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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今回のコラボは穏やかな話をメインにしています

同年代(?)との話し合いって楽しいですからね

それでは今回の更新もどう飼うよろしくお願いします


第30話

第30話

 

「なぜ。マキシマムドライブが出来なかった?」

 

乱入者の小娘に何処かに弾き飛ばされ。赤龍帝達の気配をつかめなくなったので致し方なく、ディアボロと名乗った、俺とコカビエルを蘇らせた男の元に戻りそう尋ねると

 

「言ってなかったか? お前達は復活したばかり、魔力も体力も十分ではない。マキシマムとかいう、身体に負担の大きい技が使用出来るわけがなかろう?」

 

にやにやと笑うディアボロにコカビエルが

 

「ナゼ。さきにイワナカッタ! モウ少しで殺せたのに!!!」

 

「まぁそう、焦るな。コカビエル、お前の恨みと憎悪も全部判っている。その上で俺はお前を蘇らせたんだ、何心配するな1日もすればお前達の魔力も回復する、そうなればマキシマムも好きに使える。今は休め」

 

ディアボロの言葉に若干の不信感を覚えつつも、俺自身も身体を休めるべきだと思い。その場を後にした……

 

 

 

「出来損ないのネクロ? あれで!?」

 

フートさんの家に戻った所で、さっきの2人の仮面ライダーとやらに感じた気配の事を考えながらそう告げた

 

「……はい、あのネクロ。蘇ったルーチェとコカビエルと言うのはネクロとしては劣悪な存在です」

 

魔力の幅は安定せず。生命反応の変化もどうもおかしい、ネクロとしては言うまでもなく劣悪な存在だ。良くてLV3相当と見ていいだろう

 

「劣悪とは言うがあれは相当に強かった」

 

ヴァーリさんの言葉に私は首を振りながら

 

「……ネクロとしては劣悪ですが。あのメモリとロストドライバーの性能は本物です。LV3ランクをLV4最上位に並にするだけの能力を持っています」

 

恐れるのはネクロではない。そのネクロが使っていたメモリだ、あれは相当の魔力が込められてた。あれで身体能力等のブーストをかけているのだろう

 

「しかし、リーエ。随分と詳しく判るものなのですね?」

 

感心したと言う感じのアーサーさんに私は

 

「……情報を詳しく理解し分析する。これはネクロと戦うには必要な事です、ネクロは色々な能力を持っていますし。空間や時間に影響を与える物も居ます。僅かな情報から2を知り、8を理解する、それが出来なければネクロとは戦えません」

 

「やれやれ、話を聞くだけでも途方もないな。ネクロって奴の化け物具合には」

 

やれやれっと肩を竦める。イッセーさんに

 

「……もっと酷いのも居ましたよ? 人を手当たりしだい取り込んで吸収したり。空間を爆破させたり。音速で移動できる「もう良い! 聞きたくない!」そうですか、後世のために教えておこうと思ったのですが」

 

私の話を遮るイッセーさんを見て苦笑しているとルフェイさんが

 

「その、なんであのタイミングでこれたんですか? 何処かで見ていたんですか?」

 

その問いかけに私は笑いながら、片手を挙げると

 

「キュー♪」

 

開いていた窓からスザクが飛んできて手の上に止まる、スザクの頭を撫でながら

 

「……私とペガサスさんとアシラさんは、この世界にあった取り分け強い怨念を見に行っていたのですが、もしかして急襲があるからも知れないと思い、貴方達にスザクをつけていたんです」

 

念のためと思っていたがやはりスザクをつけていて良かった。それに私が行ったポイントにあった怨念とでも言うエネルギーはそこになかった。まさかと思いイッセーさん達の方に移動し始めている時にスザクにあってそのまま飛んで行ったのだ

 

「随分と手馴れているんだな?」

 

「……馴れですよ、馴れ」

 

私は肩を竦めながら溜息を吐き

 

「……移動する世界の8割は無人世界だったり、廃墟なので、何時どこからネクロが襲ってくるかもしれないという状況で暮らしていれば、自然とこうなります」

 

気まずそうな顔をするイッセーさん達に

 

「……人生って色々あるものだと思っていますのでお気になさらず」

 

それにもう馴れてしまっているのでなんとも思わないし、と話をしているとヴァーリさんが

 

「廃墟だらけって言ってたよね? 普段お風呂とかは?」

 

「……タオルをお湯に濡らして身体を拭くとかですね。たまに自然の温泉とか見つけますけど、何時ネクロが来るかと思うとお風呂にも入れません」

 

痛い沈黙が今に発生する、今度は私の話をメモしていていたシュラウドさんが

 

「では食べ物とかはどうしているんだい?」

 

「……大体は自生してる果物とかですね。あと川魚の塩焼きとか燻製……それに廃墟の世界で拾い集めた缶詰とか」

 

指折りしながら言うと、私の話を神妙な顔で聞いていたアーシアさんとヴァーリさんとルフェイさんが私の肩にてを置いて

 

「「「ここはお風呂も食べ物もあるから!ゆっくりしていって!!!」」」

 

同姓としてリーエの境遇に耐えられなかったヴァーリ達であった

 

 

 

 

 

カポーン

 

「……はふうー」

 

何時振りになるか判らないお風呂を満喫していると、シュラウドさんが

 

「随分とリラックスした様子だね?」

 

「……はいー。お風呂なんて久しぶりです。しかも温泉ですからなおのこと気持ちいいです」

 

いつもはお湯で濡らしたタオルとかだし、こんなにリラックス出来るの久しぶりですと言いながら背伸びをすると

 

「……な、何か?」

 

アーシアさんとシュラウドさんの視線を感じ、そう尋ねるとシュラウドさんが

 

「リーエ、君は何歳くらいだい?」

 

「……多分、16~18くらいかと?」

 

「胸のサイズは?」

 

「……知りません」

 

そもそも戦ってばっかだったのに、胸のサイズなんて測ったことないと思いながら言うと

 

「私の見立てでは、私以上。ヴァーリさん以下と見ますね」

 

ルフェイさんがそう言いながら、アーシアさんとシュラウドさんに

 

「これがあれですね、着やせタイプですね」

 

「「………」」

 

何でこうも恨みがましい目で見られなければならないのだろうか? 気まずい気持ちで居ると

 

「女子って言うのはそう言うのを気にする物よ、リーエ」

 

「……アシラさん、思いっきり楽しんでますね?」

 

「ん?そーよ?呑む?「……飲みません、それお酒ですよね?」

 

お猪口を差し出してくるアシラさんにそう言うと

 

「そう固いわねー、何事も経験なのに♪」

 

そう笑ってお猪口にお酒を注いでいるアシラさんを横目に

 

「……そんなに気にするものじゃ……「「それは持ってる者の傲慢だ!!」」

 

物凄い勢いで突っ込まれた、しかも顔が超怖い

 

「良いかい! リーエ! 男は大きい胸が好きと言うのが当たり前なんだ、まれに貧乳を好むタイプも居るが、それは少数派だ!」

 

「しかもイッセーさんの周りは胸の大きい人ばかり! 私達がどれくらい悩んでいるかも知らないのに! 良くそんな事が言えますね!!」

 

すっごい怒ってる、何でここまで怒るのだろう?

 

「リーエさんは戦闘ばかりだったから、判らないとも思いますけど、普通は結構悩むんですよ?」

 

「うん。アニキに好かれるにはもっと大きい方がいいのかなとか良く悩む」

 

うんうんと頷きあうヴァーリさん達を見ていると、アシラさんが

 

「それともあれ?リーエの言う龍也様って言うのは貧乳属性?」

 

そう言われて少し考えてみる、龍也様の周り……龍也様の周り

 

「……特大から極小まで選り取り見取りでした」

 

シャマルさんとかシグナムさんは胸が大きかったし、はやてさんとかはバランスがいい?、オットーさんとかはぺちゃんこだったと思う、昔を思い出しながら言うと

 

「……選り取り見取り?え?そんなにいっぱい龍也様って言うのはモテてたの?」

 

ヴァーリさんの言葉に私は指折りしながら

 

「……えーと、はやてさん、ヴィータさん、リインフォースさん、シグナムさん、なのはさん、フェイトさん、スバルさん、ティアナさん、ギンガさん、チンクさん……」

 

「10人!? かなり多いわね」

 

「イッセーさんより凄い」

 

「待って、まだ続くみたいだ」

 

「ウェンディさん、オットーさん、セッテさん、ディードさん、ノーヴぇさん、アイギナさん、「「「「もう良い!もう良いよ!リーエ!!!」」」

 

指折りの途中で止められ、私は首を傾げながら

 

「……まだ居ますよ?」

 

「「「龍也さんって言うのは鬼畜王なのか!?」」」

 

鬼畜?龍也様が!?何を勘違いされているのだろう?

 

「龍也様はとてもストイックな方です。ミニスカートや露出の激しい服は良くないと注意し、抱きついたり、キスしようとするのを戒めたり、自ら触れることは無く、流されることもしません。そして何より龍也様の周りには人が集まるのです。敬愛や尊敬が知らないうちに恋愛感情にと進化しているだけで。龍也様は落としたりしてるわけではありません」

 

龍也様の評価が落ちるのは駄目だ、あの方はとても良い人なのだ。貶められるのは納得行かない

 

「ナチュラルボーンフラグメーカーってやつね」

 

アシラさんの呟きにうんうんと頷いている、ヴァーリさん達を見ながら

 

「それよりも私はどうしてイッセーさんをそこまで好きなのかをお聞きしたいですね」

 

恋話と言うのはいつでも面白いものだ、私はそう話を振って久しぶりの同年代の同性との会話を楽しんだ……

 

 

 

 

「ふー」

 

フートの屋敷に備え付けられていた温泉(源泉から引いてるらしい)で汗を流し、屋根の上で空を見上げていると

 

「少し良いかな? ペガサス」

 

フートが人の良い笑みを浮かべて俺を見ている。

 

「何のようだ」

 

「連れないねえ。大人は大人同士の気分転換の仕方があるんじゃないかと思ったんだがね」

 

ワインのボトルを手に笑うフートに

 

「俺は洋酒は好かん。日本酒にしろ」

 

そう言うとフートはきょとんとした顔になったと思うと次の瞬間には笑い出し

 

「あっははは!いや、すまない。直ぐにリーナに持ってきてもらおう」

 

そう笑うフートは携帯で二言三言喋ってから、俺の隣に腰掛け

 

「さきに良いかい?」

 

「好かんが呑まんわけじゃない。寄越せ」

 

わがままだと笑いながら注がれたワインを受け取り、一気に煽ると

 

「高級な酒なんだよ?」

 

「知らん」

 

僅かながら高揚感と葡萄の酸味に甘み、確かに上等なワインのようだ

 

「アシラさんは?」

 

「リーエと風呂だそうだ。女の風呂は長い、それが久方ぶりならなおの事な」

 

違いないと笑ったフートは

 

「君は何故リーエの旅に同行するんだい? 私にはそれが気になって仕方ない、君の目は死んでいるように見えるからね」

 

……中々目ざとい男だ、俺は苦笑しながら

 

「確かにな、俺は死んでいるだろう。俺はかつてネクロとして死に、そしてリーエによって蘇らせられた」

 

「蘇らせられた? リーエは死者蘇生でも出来るのか?」

 

そう尋ねてくるフートに俺は空を見たまま

 

「フート、ネクロと半ネクロ。どちらが正しい存在だと思う? ネクロと言う種として」

 

そう尋ねるとフートは少し考える素振りを見せてから

 

「ネクロが正しいじゃ?」

 

ああ、確かにそう思うだろう。だが真実は違う

 

「ネクロが失敗なんだ、半ネクロ……いや、正しい名称はきっと異なるのだろう、半ネクロ。人間の意思を持ち、高い魔力と再生能力を持つ兵士、いや騎士か。世界の安定と平和の為に作られた術は歪められ、改悪された」

 

前に見つけた遺跡で記されていた。本来のネクロマンシーそしてネクロの姿、それはリーエのような半ネクロこそが正しい存在だと記されていた。詳しい名称は判らなかったが、それでもその事実は俺達に衝撃を与えた

 

「改悪? 誰によってだ?」

 

「さぁな……通り名だけしか知らん。「黒龍皇」狂気の王として1度世界を滅ぼした存在だ」

 

俺がそう言うとフートはワインを煽ってから

 

「彼女がその黒龍皇とやらに狙われていると?」

 

「かもしれん。LV5はリーエを狙っているように思える、正しいネクロマンシー……リンカーネイションを使え、そして自在に世界間を移動できるのはリーエだけだ。ゆえに狙われているのかもな」

 

「子供が背負うには重すぎるな……」

 

失われたはずの蘇生呪文。 世界を渡る能力。どれをとってもネクロにとっては脅威だ、だからこそ狙われているのかも知れん

 

「リーエ、これ美味しいから食べなよ」

 

「……ありがとうございます」

 

庭から聞こえてくるリーエ達の声を聞きながら俺は

 

「俺は剣士だ、剣を取る以外の術を知らん。ならば俺に再度命を与えてくれたリーエに恩を返す。いや……与えられた、汚名返上の機会を逃したくないだけなのかもな」

 

自分でワインを注ぎながら言うとフートは神妙な顔で

 

「そこまで思うほどの罪、何をしたんだ?」

 

その言葉に思わず睨みかけるが、考え直し苦笑しながら

 

「俺は何も護れなかった。大事な奴を目の前で失って……復讐しか考えられなかった、だから俺は敢えて人の身を捨ててネクロになった。復讐のためならば、煉獄の炎に焼かれようが、仲間に裏切り者と言われても良かった。仇を取る、俺にはそれしか考えられなかった。そして仇を討った後……俺は一騎打ちを挑み、死んだ……死んだ筈の馬鹿がもう一度生を受けた。ならば受けた汚名を取り除きたいと考えても不思議はあるまい?」

 

どこまでも愚かな事をした。だがそれでも成し遂げたかった、どうしてもあいつの仇を取りたかった

 

「故に俺は剣としてリーエの道を作ろう。それが唯一の贖罪の道となる、俺にはそんな気がしてな……」

 

都合の良い解釈とも取れる、だが俺はこの道こそが自身の罪を償う唯一の道に思えた、だからこそかつては破壊し、殺す事にしか使えなかった剣を護るために使う。俺はそう決めた

 

「愚かだと笑うか?」

 

フートにそう尋ねるとフートはいいやと首を振ってから

 

「私も同じようなことをした、復讐ではないが、正しいと信じた事をし愛した街を泣かせた……今こうして生きているのももしかするとその贖罪なのかもな」

 

そう苦笑するフートに俺は

 

「なんだ、似た者同士か?」

 

「いやなもので似ているがな」

 

くっくと互いに笑い合う。久しぶりの文明世界で同類と会うとは思っても見なかった

 

「あら? 何を笑っているのかしら?」

 

つまみと日本酒を持ってきたリーナがそう尋ねてくる、フートは別にと返事を返してからリーナから日本酒を受け取り、自分のグラスと俺のグラスに注いで

 

「さて、何に乾杯する?」

 

「決まっている」

 

「「罪深き愚かな男に乾杯!」」

 

同類同士だからこそわかる、自身の罪を認めそしてそれでも前に進もうと足掻く者の心境が判るからこその、奇妙な親近感を感じ俺とフートは乾杯っと言いながらグラスを打ち鳴らした

 

 

 

はむはむっ……

 

可愛らしい感じの食べ方とは信じられない速度で、バーベキューが消えていく。思わずその速さに目が点になる

 

リーエが碌な物を食べてないと知ったフートがいろいろと用意してくれた、アーサーの家からも咲夜が食材と手伝いに来てくれているのだが……

 

「は、早すぎる!? もう料理がなくなります」

 

「困ったわね、イッセー達に回らないわ」

 

「やー美味しいわねえ」

 

俺達が手を出すことの出来ない、高速の食事風景だ。リーエとアシラだけで用意された料理の大半が消滅している

 

「……スザクもどうぞ」

 

「クワー♪」

 

リーエは肩の上のスザクに料理を与えながらも、自身の食事はノンストップ。なんというか器用な奴だ

 

(アニキ。お腹すいた)

 

(うん、俺もだよ、ヴァーリ)

 

俺達が食べようにもアシラとリーエの動きが早くて、とてもではないが料理がつかめない

 

「お腹空きましたねえ」

 

「そうですね。お兄様」

 

アーサーとルフェイも空腹を感じているのか、料理を見ている。

 

「……はむはむ……はっ!? 私としたことが」

 

無心で食べていたリーエが俺達を見て我に帰ったのか。口をナプキンで拭いながら

 

「……大変失礼いたしました。久しぶり……そう半年振りのまともな食事につい我を忘れてしまいました」

 

「そうよねー。大体果物とか、魚だもんねえ。肉と米なんて何時振りかしら? あたしもつい我を忘れちゃったわ」

 

あははと笑ってからリーエとアシラは

 

「一緒に食べましょうよ」

 

「……さっきまではすいませんでした」

 

にこにこと笑い俺達を迎え入れる。リーエとアシラに安堵しながら漸くバーベキューの串にと手を伸ばした

 

「うめえ」

 

「お腹空いてたもんねえ」

 

空腹に肉と言うのはかなり効く。どんどん食欲が出てきて、肉串、海鮮串におにぎりとどんどん頬張っていく。2回も戦闘してその両方とも死にかけたのだから。体力とは限界を超えて極限状態に近くなっているから無理もない。アーサーとルフェイにいたっては

無言で食べ進めている。よほど腹が空いていたのかもしれない、それを見たリーエは

 

「……龍也様の家でのバーベキューを思い出しますね」

 

懐かしい物を見たという感じで微笑みながら。海鮮串を食べていた……

 

(昔もこう言う経験があったのか?)

 

180年位生きていたといっていた。それだけ長い時間でも色褪せる事のない思い出、その中には今の俺達のような思い出もあったのかとても穏やかな笑みで笑っているのを見て

 

(少しでも心を休めてくれるといいな)

 

廃墟をずっと回ってきたと言っていた、いくら仲間が居てもその気苦労は考えるまでもないだろう。戦いがない世界とは言わない

それでも少しはその体と心を休ませることは可能なはずだ。

 

(出来るならこういう機会じゃなくて別の機会に会いたかったな)

 

リーエもアシラもペガサスもこんな戦いではなく、別のもっと穏やかな時に会いたかったと思った

 

「……失礼ですが、手を離していただけますか?」

 

「お断りします」

 

ぐぐうっ……

 

アーサーとリーエが肉串を引っ張り合っているのを見て。思わず噴出しながら、俺はそんな事を考えていた

 

 

 

 

庭でのバーベーキューを終え、リーフが用意してくれたベッドに寝転がっていると

 

「何してるの?」

 

リーエがベッドと自分で着込んでいるローブを交互に見て複雑そうな顔をしていて、それが気になり尋ねると

 

「……これを着て寝るかどうかと考えているのです」

 

紅い髪を揺らしながら真剣な顔をするリーエに

 

「えーと、ローブは脱げば良いんじゃないかい?」

 

シュラウドが苦笑しながら言うとリーエは

 

「……これは大事な友人に貰ったもので、これを着て寝るのが1番安心できるのです」

 

それにこれ防寒・防熱・対刃・対弾・魔法防御ありと防具としても優秀なんですよと付け加えるリーエに私達は

 

(((本当どんな人生を歩んできたんだろう?)))

 

寝るときまで身を守ることを考えているリーエに思わずそんな事を考えた

 

「でもさ。ほらここは安全だし。ね? ローブはやめようね? ね?」

 

ルフェイの言葉に暫く考える素振りを見せてから、そうですねと言ってローブをラックに掛けるリーエ。するとローブからひらりと1枚の写真が落ちてくる

 

「あれ? リーエ、何か落としたよ」

 

そういって写真を拾う。別に見る気はなかったのだがちらりと視界に入ったのは、美しい銀髪と黒いコートを着込んだ青年とまだ幼さの残る顔をしたリーエの写真だった

 

「わわ!! 返して!!」

 

ばっと私の手から写真を奪い取り胸の間に抱え込むリーエを見て

 

(((あれが龍也様って人かぁ)))

 

バーベーキューのとき。お風呂のとき。着替えのとき、ふとリーエが呟いていた龍也様と言う男の人だと感じ取った私達は

 

「ねえ。ちょっと見せてよ」

 

「からかったりしないからさ」

 

「ぜひ僕も見てみたい。守護者と呼ばれる青年を」

 

「ね? お願いしますよ。リーエさん」

 

全員で言うとリーエはううっと唸りながら少しだけですよ。と言って写真を私達の前においた、そこは何処かの屋敷の前で

 

まだ7~9歳くらいのリーエが今着ているのと同じデザインの小さいローブを着込み笑顔で笑い。その隣で目に傷のある蒼銀の瞳と銀髪と目立つ容姿の青年、大体20代前半だろうか? 

 

「へー格好良い人だね」

 

「凄く優しそう」

 

「うん。守護者って言う渾名も分かる気がするよ」

 

皆で見た感想を言う。目の傷は確かに目立つけど、それを抜きにしても優しさを感じる。こうなんというか圧倒的なまでのお父さんもしくはお兄ちゃんオーラとでも言うのかもしれない

 

「……もう、終わりです」

 

さっと写真を奪い取りローブに仕舞うリーエに思わず

 

「リーエはその人が好きなの?」

 

「……好き、いえ違いますね。敬愛しているといっておきましょう。龍也様と私では余りに身分が違いますので」

 

と少し哀しそうにいうリーエにアーシアが

 

「身分? この人は王族か何かなのですか?」

 

まさかぁと私は思ったが、リーエの返答は

 

「……神王の称号を持つ、私達の世界で最強と謳われる魔法使いにして騎士王。数多の魔法を使いこなし、時間跳躍や死者蘇生。そして無限の武器を持つ史上最強の魔法使い。それが龍也様です、私はベルカの地、龍也様の一族が治めていた土地の生まれです。本来なら言葉を交わすことさえ許されないほど、身分に差があるんですよ」

 

それはまた凄い。死者蘇生って……しかも無限の武器って何?

 

「リーエ。無限の武器とは?」

 

「……詳しくは知りませんが。龍也様が所持する魔導書「天雷の書」には数多の戦闘技術と武器が記録されているのです。龍也様は所有者なのでそれに記された武具を自在に使っていましたよ?」

 

「どんな武器を?」

 

「……えーと「約束されし勝利の剣(エクスカリバー)」「勝利すべき黄金の剣(カリバーン)」「刺し穿つ死棘の槍(ゲイボルグ」とかだったと思います」

 

神具ばっか……しかもどう考えてもレプリカではなさそうな気がする……

 

(((もしかして龍也さんって人超越者級?)))

 

人間かどうか怪しい気がする。しかもそれで体術と魔法まであるのなら手のつけようのない化け物なのでは?

 

「……人間ですよ。やさしくて良い人ですからね? 失礼なことを考えないでくださいよ?」

 

ジト目で私達を見ながら布団に潜り込んだリーエは

 

「……眠ったほうが良いですよ? ネクロは半日休めば体力も魔力も回復します。明日恐らく仕掛けてきます、休める時には休んだほうがいいです」

 

そう言って数秒後には寝息を立て始めるリーエを見て、確かにと思った私達も布団に潜り込み。目を閉じた

 

2回の戦闘で体力も神経も磨り減っていたのか。自分で思うよりも早く私達は眠りにと落ちて行った……

 

第31話に続く

 




次回のコラボはばりばりの戦闘回を予定しています

どんな敵が出てくるかを楽しみにしていてくださいね

それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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