2話ともどうかよろしくお願いします
第31話
どこかも判らない闇の中に佇む漆黒の異形。ディアボロが変身した「ダハーカ」だ。両手を広げ集中している素振りを見せる
ダハーカ、暫くするとダハーカの前に3つのステンドグラスが現れる。それには生き物が描かれていた
1つは蝙蝠が描かれ、赤黒いガラスで構成されていた
1つはアゲハチョウが描かれ、黒いガラスで構成されていた
1つはライオンが描かれ、白いガラスで構築されていた
「ふふふ。手駒は多いほどいい」
そのステンドガラスを見て笑う。ダハーカの周りに黒い魔力の塊が3つ現れ、ステンドガラスの中に飛び込む、すると
そのステンドグラスは全て粉々に砕け、その破片を踏み砕きながら3体の異形が姿を現す……
「ふふっ、ははっ! はーはははっ!!!!」
その3体の異形を見たダハーカの笑い声が闇の中に響いていた……
久しぶりに布団で寝た次の日。朝食を食べ終えた所で
「下手に動き回らないほうが良い?」
イッセーさんの言葉に私は頷き
「……はい、あのネクロはネクロマンシーを使用できます。分断され、確固撃破される可能性がある以上。団体行動すべきです」
「でも街の人とかを襲う可能性はありませんか?」
フートさんの言葉に私は首を振りながら
「……あのネクロの目的はイッセーさんのもつVのメモリです。それに人を襲うならもう襲い始めていてパニックになっているでしょう。しかし一晩経ってもそれが無いという事は。あのネクロは人間を襲う気がないということです」
ネクロが人を襲わない。その理由は十分な魔力を持っているから、それならば態々人を襲う必要は無い
「ネクロと言っても本能に従うだけじゃないと?」
「……個体差はありますが。知性も持ち始めるLV3以降は無意味に行動をするほど愚かではありませんから」
むしろ高位レベルは下手に動かず策を練る事が多いと言っていると
「リーエは戦術眼にも優れてるんだね?」
驚いたよう言うヴァーリさんに私は
「……私が居たところは、色んな分野のスペシャリストが居ましたから。色々と教わることが出来ただけですよ」
色んな分野の専門家ばかりが集まったのが、機動六課だ。そこで1年だけとは言え学ぶことが出来たのは大きい
「おい。小僧、1つ聞く。この世界で何かやばい伝承のある幻想種とかは居るのか? 俺の見立てではあのネクロ、何か取り込んでるはずだ。リーエはどう思う?」
「……私も同意権です。ただ混ざりすぎてて特定が出来ませんけど。イッセーさん、何か心当たりは?」
そう尋ねるとイッセーさんではなく。機械の身体の紅い龍。ドライグさんが
「俺に心当たりがある。あの魔力の波長……間違いない「魔源の禁龍(ディアボリズム・サウザンド・ドラゴン)アジ・ダハーカだ。奴自身もダハーカと名乗っているところを見て間違いないだろう」
「アジ・ダハーカ!? 嘘だろドライグ」
「こんなことで嘘は言わん。まず間違いない、ただ奴の気配は殆どしなかった。取り込まれて意識が殆ど残ってないんだろうな」
「不味いね、アニキ」
「確かに、アジ・ダハーカとはね」
なんかヴァーリさん達は納得してるみたいだけど、私とアシラさん達は蚊帳の外で
「えーと、どういうこと? アジ・ダハーカって何?」
アシラさんがそう言うとイッセーさんが
「滅んだ邪龍の1体で、その筆頭格に数えられる。とりわけ強力な邪龍だ。伝承では千の魔法を操ると言われている」
千の魔法……その言葉を聞いた瞬間、嫌な予感がし目を閉じて、意識を集中させた。すると直ぐに反応が返ってきた。しかも最悪の反応だ。私がそれに気付き警告しようとしたがもう遅い。屋敷の中に複雑な魔法陣が展開される
「な、なんだこれ!?」
驚きの声を上げるイッセーさんに
「……空間隔離です! 出来るだけ集まってください!」
どこか別々の空間に隔離しようとしている。だが気付いたときにはもう遅い、私達は屋敷の中から別の空間に弾き飛ばされた……
「く、ここは!?」
気がついたら俺は薄暗い広間で倒れていた。何処かの城の様な印象を受ける
「小僧。起きたか」
「イッセーも起きましたか、良かった」
ペガサスとフートが既に目覚めていて、俺にそう声を掛けてくる。辺りを見回すとアーサーが同じように倒れていたが、直ぐに身体を起こし、頭を振りながら身体を起こして
「ここはどこですか? イッセー?」
「そんなのは俺が聞きたい」
何処かの城のような作りをしているのは判る。俺達がいる場所からは通路が伸びており、その先には明かりが見える
「リーエやヴァーリ達は?」
「残念だが、姿は見えない。どうも私達同様、別の空間に飛ばされているのだろうな」
フートの推測を聞いていると、ペガサスが1人で歩き出しながら
「グダグダ喋る暇があったら行くぞ。この先に俺達をここに隔離した奴が居るのは間違いないんだからな」
さっさと歩き出すペガサス。だがペガサスの言うとおりだと思って後を追って歩き出す、通路の先には開けた場所がありそこには
「待っていたぞ。赤龍帝」
腕組していたルーチェは俺達を見ると即座にメモリを取り出し
「敗北の屈辱。ここで返させてもらう」
【Immorta】
「変身!」
【Immorta!!】
ビュゴオオオオオオッ!!!!
広間を風が駆け巡りルーチェの姿を作り変える。漆黒のエターナルとも呼べるイモータルへと
「さぁ、地獄を楽しみな!」
親指を下に突きつけるイモータルを見ながら俺は
(流石にローブは投げ捨てないか……)
もしかしてと若干の期待はあったが駄目だった。まぁ当然といえば当然だから仕方ない、俺とフートはロストドライバーを、アーサーはコールブランドを構え。変身の体制に入る、ペガサスに
「アンタは大丈夫なのか?」
見たところ生身だし、リーエのように甲冑も展開していない、ペガサスにそう尋ねると
「俺の心配をする前に自分の心配をするんだな」
腕を振るうと一瞬でペガサスの身体に甲冑が展開される。グレーのベストに漆黒の振るアーマー。そして両腕にはライトガントレットそして足回りにはサッシュが付けられていた。その手には黒い刀身の西洋剣が握られており、騎士や剣士と言った風貌をしていた
(これなら心配要らないな)
目の前の敵に集中できる。俺はフートと同時にメモリを取り出し
【Boosted Gear】
【Nazca】
イモータルを見据えたままにメモリのスイッチを入れる。アーサーは
【CALL ON!!】
コールドライバーを装着しメモリを構える、そして俺達は同時にベルトにメモリをセットして
【Boosted Gear!!】
【Nazca!!】
【Saber!!】
「「「変身!」」」
俺は仮面ライダーウェルシュへ、アーサーは仮面ライダーセイバーへ、そしてフートは仮面ライダーナスカへと変身する。
「さぁ! 天竜の裁きを受けろ!!」
俺がそう叫ぶとイモータルは拳を振りながら
「俺は死んだ、ならば既に罪は十分に償ったさ!!!」
憎悪と殺意。そして空間が歪むほどの魔力を纏ったイモータルにと俺達は向かっていった……
「どうやら分断されたみたいだね。姉さん、ヴァーリ」
僕は辺りを見回しながらそう呟いた。何処かの闘技場の通路とでも言うのだろうか、その道の真ん中に僕達はいた
「そうみたいね。とりあえず進もう」
一本道の通路だ。とりあえず進めば何処か開けたところに出るだろうと思い、僕達は前に進んだ
「ヒャーハハハハハハッ!!!!! マッテタゼェ!? ハク龍コウ!!!」
広間に出ると同時に耳障りな笑い声が辺りに響き渡る。コカビエルだその手にハルバードを持ち憎悪しか移していない瞳でヴァーリを睨みながらメモリを取り出し
【Leviathan】
「変身!」
【Leviathan!!】
水を撒き散らしながらその姿を仮面ライダー。いやダークライダーレヴィアタンにと作り変える。ヴァーリはそれを忌々しいという目で見ながら
「行くよ。皆」
メモリを取り出し、スイッチを押す。それと殆ど同時に僕の手に
ギャーッ!!!
叫び声をあげながらファングメモリが飛び乗る。姉さんとルフェイも変身体勢に入る
【Divine Dividing】
【Feel】
【Fang】
【Wizard!!】【シャバドゥビタッチヘンシーンシャバドゥビタッチヘンシーン……】
「「「「変身ッ!!!」」」」
【Divine Dividing!!】
【Feel!!】
【Fang!!】
【Frame!!】【ヒィー!ヒィー!ヒィーヒィーヒィー!!】
僕は仮面ライダーファングへ、ヴァーリは仮面ライダーバニシングへ、姉さんは仮面ライダーフィールへ、そしてルフェイは仮面ライダーウィザードにと変身する
「何人イヨウガ、一緒だァ!!! 全員コロシテヤル!!!!」
全身に憎悪と殺意のオーラを纏ったレヴィアタンはハルバードを振り回しながら飛び掛ってきた。ヴァーリはそれを見ながら
「私とシュラウドで前衛! ルフェイとアーシアはフォローに回って!」
その指示は正しい、魔法もアドベントメモリも無効にするレヴィアタンのメモリと対抗するには。誰かが囮になりインファイトを仕掛ける必要がある。
「行くよ! シュラウド!」
「OK。行こうヴァーリ!」
上空から振り下ろされた氷を纏ったハルバードを左右に飛んで交わし、着地と同時に回し蹴りを左右から叩き込みながら
「さぁ天竜の裁きを受けろ!」
「さぁお前の罪を数えろ!!」
声を揃えてそう叫びながら。僕はイッセー達とリーエ達の事を考えた
(間違いなくイッセーの方にはイモータルが居るはずだ、じゃあリーエ達には?)
それが頭のどこかで引っかかる、態々こんなところに引きずり込んだんだ。まだいくつも手を残していると考えるべきだ
(早く合流しないと、合流できるかどうかはわからないけどね)
合流できるかどうかはわからない、それでも合流しないといけないダハーカが動き始める前に……
「……どうやら分断されてしまったようですね」
あたりを見ながらそう呟く、もう少し気付くのが早ければ何とかなったと思うがいかんせん気付くのが遅すぎた
「リーエ。なんか厄介な魔力の流れをしてたの気付いた?」
「……ギリギリで、複数術式を展開して。魔力の流れを巧妙に隠していたと思います」
普通なら空間閉鎖なんて魔法を使えば直ぐに気付く、だがそれが完成するまで気付かなかった。魔力の流れを隠す術式と自身の気配を隠すものを併用して居たんだと思う。アシラさんとそんな話をしながら
「……リーフさんとリーナさんは戦う術はありますか? もしないのなら結界の中に隠れてもらいますが?」
私がそう尋ねると、リーナさんとリーフさんはイッセーさん達が持っていたロストドライバーとメモリを取り出して
「大丈夫よ。戦いには慣れてるわ」
「私も大丈夫。足手まといにはならない」
「……判りました。では一緒に行きましょう」
あの自信に満ちた顔を見れば判る。戦いになっても大丈夫だと、辺りを警戒しながら前に進んでいくと
「光ね……どう見る? アシラ?」
「十中八九罠としか思えないわね」
暗い通路の先に光。どう考えても罠としか思えない、しかし
「道はこっちしかないから進むしかないよね?」
リーフさんのいう通りだ、進むしか道はない……私は甲冑を展開してから
「私が前に出る。アシラはBJの展開を、リーフとリーナはロストドライバーの準備を」
瞬間的な防御系の魔法の発動は私の得意分野だ。奇襲されても大丈夫だと考えながら3人の前に立って、1番最初に広間に足を踏み入れると同時に
ガキンッ!!!
バチィッ!!!
高速で伸びてきた爪と電撃が私の発生させていたプロテクションに弾かれる。やはり奇襲狙いだったようだ
「化け物……純粋なネクロではないな?」
私達の前に居たのは3体の異形だった。私に1番最初に仕掛けてきたのは
「グルルルルッ!!!」
白銀の鎧を身に纏ったライオンのような異形だ。両腕と両肩に大きな爪を持ち全身から放電している
「……」
唸り声も上げず沈黙しているの異形は。蛾のように見えた、右腕は剣と一体化しボロボロのマントを広げるその姿は蝶や蛾を連想させた
「ギシャアアアア!!!」
一番奥の異形だけは人型をしていた。漆黒の身体に真紅に輝く瞳、そして背中に見える折りたたまれた翼。どことなくだが
「仮面ライダー?」
イッセーやヴァーリが変身する仮面ライダーに似ていると思った。だがそれに知性や理性と言ったものは見えずただ私達に向けて
憎悪と殺意を向けてくるだけだ。恐らく
(死んだ仮面ライダーとやらを呼び戻してネクロ化させたか……やってくれる)
リーエの予想は正しかった。リーエは知る由も無かったが、この3体の異形はそれぞれ別の世界で「チェックメイト・フォー」と呼ばれたとある種族の頂点に立つ者たちだった。そしてリーエが仮面ライダーを連想した異形の元は「闇のキバ」と恐れられた皇。仮面ライダーダークキバがネクロ化した物だった
「変身を仕掛けてくる」
獣同然。それは弱点にもなり長所になる。野生と言うのは戦闘において重要なファクターになる事もあるからだ、リーフさんとリーナさんは私の言葉に頷き
【Taboo!!】
【Claydoll!!】
メモリのボタンを押してから腰のロストドライバーにメモリを刺し
「「変身!!」」
【Taboo!!】
【Claydoll!!】
リーナさんはまるでドレスを纏った赤い仮面ライダーへと変身する、頭には冠があり、そこから赤い光を放っていた。リーフさんは茶色い何処か土っぽさを感じる姿へと変化する。その右腰にはバズーカ型の武器「クレイキャノン」が一本装着されており、頭部は左右にリボンのような飾りが存在していた、2人とも見る限りは中距離支援と見て間違いないだろう
「前衛はあたしとリーエがやるわ。フォローよろしく」
刀を抜き放ちながら言うアシラさんに
「各個撃破をしたいが。どうにもあの飛んでるのが厄介そうだ」
「あら? リーエもそう思う? あたしもよ」
宙を舞って翼から燐粉を撒き散らす異形。あの粉がどうにも気になる
「ならあたしはあの飛んでるのを叩き落すわ」
アシラさんが空中に魔力で出来た道を作り出し。その上を駆け出す、私は西洋剣を作り出しながら
「2対1程度で優位に立ったと思うなよ。化け物」
私はずっと自分より強く数の多い相手と戦ってきた。数の差などどうという事はない、しかも
「援護は任せておいて」
「信用してね」
出会って間もないが信用できる2人が背中を護ってくれている。恐れる理由も何もない
「来い。亡者ども、もう1度冥界に叩き込んでやる!」
「「グアアアアアア!!!!」」
咆哮をあげて飛び掛ってくる異形達に私はそう叫んだ。それに私はこんなところでは死ねないし、死ぬ気もない。龍也様ともう一度会うまでは……絶対に私は死ねないのだから
螺旋状に抉り抜かれた広間で3人の仮面ライダーとペガサスとイモータルが対峙してた。だがイモータルの身体には傷など殆ど無く。ヴェルシュとセイバーには若干の疲労の色が出始めていた
「おりゃあ!!」
勢いを付けた飛び蹴りを放つが
「ぬおおおおッ!!!」
「ぐああああッ!!!」
足を掴まれ地面に叩きつけられる。変身しているのにもかかわらずとんでもない激痛だ、変身してなかったら一撃で死んでいる
「イッセー!!」
フートが踏み込んで来て放った一撃で漸くイモータルの手から開放される
「突っ込みすぎだ、馬鹿」
ペガサスは俺を見ずにそう蔑むと両手に小太刀を持ちイモータルのダガーと拳を捌きながら、前に前にと進んでいる
それは生粋の剣士だけが出来る行動だ、必要最小限の動きで攻撃をいなし前進を続ける。それは俺やフート、そしてイモータルでも出来ない芸当。基礎を学び、気の遠くなるような修練を積んだ者だけが身につけることのできる技術。あの世界でそんな剣士と戦ったこともある。だからこそ、俺はそれにとんでもない技術だと心の底から理解していた。
「はっ!!!」
「ぐっ!? 邪魔をするなあ!!」
「邪魔? はっ! 俺はただ貴様が目障りなだけだ!! 敗者はとっとと消えうせろ!!!」
イモータルの豪腕とライダーの装甲でさえ容易く切り裂くダガーはペガサスにかすりもしない
「はっ! そんな力任せの剣など!」
ザン! ザンッ!!!!
鋭い閃光が2回光る、するとイモータルが胸を押さえて数歩後退し、膝を付く
「貴様……何をした!?」
「答える義理はない。うせろ!!」
ペガサスが剣を振りかぶる間に。イモータルはメモリをベルトにセットした
【Bomb! MAXIMUM DRIVE!!】
ペガサスとイモータルの間に爆炎が上がり、2人を弾き飛ばす。ペガサスは爆風に弾き飛ばされ俺とアーサーの前まで飛んでくる
「大丈夫か!?」
飛んできたペガサスを受け止める。甲冑の一部に皹が入りサッシュはボロボロになっている
「ふん。心配無用だ、それに俺はこれを狙っていた」
にやりと笑ったペガサスに俺とアーサーは首を傾げ、隣にいるはずのフートを見たすると
スゥ……
フートが変身していて、俺達の近くに居たはずのナスカの姿が幻のように消える。そして
「はああッ!!!!」
煙の中から飛び出したナスカがイモータルのマントを押さえていた、金具を切り飛ばし
「アーサー!」
「っはい!」
その叫びにアーサーが素早く反応して
「エアー!!」
【CALL AIR!!】
コールブランドから爆風を放ち、弾け飛んだマントを更に弾き飛ばす。だがイモータルは飛んで行ったローブには目もくれず
ダガーに魔力刃を発生させ鋭い踏み込みから
「ブラッデイ……スクライドォッ!!!!!」
ダガーを突き出すと同時に放たれた。螺旋を描く魔力刃が俺とアーサーに迫る。あれの威力は知っている、この広間の大半を破壊したのはあの一撃だからだ。それを身体をねじって回避し、立ち上がりながら
「お前、あれ狙ってたのか?」
あのローブは知らないはずなのにと思いながら尋ねると
「ああ。何か知らんが俺の感が告げていた。あれを排除しろとな」
何処の世界でも剣士の勘ってのは恐ろしいと肩を竦めながら、拳を握り締めるとイモータルを見据え
「こっから反撃だ! また地獄に叩き込んでやる!!!」
「勇ましいな。足をすくわれるなよ、小僧」
ペガサスの呆れたような声を聞きながら。俺は再度イモータルのほうへと駆け出した……
「ハーケンディストール!!!」
振り回されたハルバードから放たれた魔力刃を地面に転がって回避する
「くっ! また全部潰される!」
マキシマムもアドベントカードも。ルフェイの魔法も全て封殺される
「どうした!? 逃げるだけかァ!?」
【Splash MAXIMUM DRIVE!!】
振りぬかれたハルバードから水の刃が飛び出してくる。それを屈んで回避しながらシュラウドに
(なんか打開策はないの!?)
(無理を言わないでくれヴァーリ)
1回アーシアのアンガーフォームで突破を考えたが、凍らせ始め慌ててフィールに戻っていた。水と氷、そしてメモリの封殺
完全に私を標的にしているライダーだ。
「このっ!!!」
ウィザーソードガンとフィールアローがレヴィアタンを襲うが
「はっ! キクかアア!!」
ハルバードを振り回すだけで両方掻き消す。レヴィアタンを見ていたシュラウドが
(まぁ一応。対処法が無いわけじゃないけどね?)
その言葉に驚きながらシュラウドを見る、小声でシュラウドが考えた策を聞いて
(下手すると死ぬわよ。私もシュラウドも)
(だから賭けなのさ、乗るかい?)
成功率は7・3でこっちが不利、いくらフェニックスとは言え分が悪い賭けにもほどがある。でも
(乗る、それしか手がなさそうだからね)
私がそう返事を返すとシュラウドはOKっと言いながら
(多分、ルフェイも姉さんも気付いてくれる。あとは)
(私達の頑丈さに賭けるってことね)
その通りと言うシュラウドを横目に気楽に言ってくれると憎まれ口を叩きながら。無効されると知りながら
【Divine Dividing MAXIMUM DRIVE!!】
【Fang MAXIMUM DRIVE!!】
マキシマムを発動させるとレヴィアタンはにやりと笑い
「無駄だぁ!?」
その手のハルバードに2本のメモリをセットする
【Caina Ptolomea MAXIMUM DRIVE!!】
2本の相手のメモリを無効化するマキシマムで私とシュラウドのメモリが力を失うと同時に
「まずはキサマラだ!!」
更に3本のメモリをセットする、レヴィアタン。計5本のマキシマムが発動しハルバードから凄まじい吹雪が発生する
【Caina】【Antenora】【Ptolomea】【Judecca】【Cocytus MAXIMUM DRIVE!!】
私とシュラウドを覆い隠す吹雪。それを見たアーシアとルフェイが
「ヴァーリ! シュラウド! 早く逃げて!」
「まだ発動を無効にできる!」
レヴィアタンのマキシマムは吹雪が完成するまでに離脱できれば、回避できる。だが私とシュラウドはそれをせず
「アーシア! ルフェイ! 後はお願いね!」
「チャンスは一瞬だ! 集中するんだ!!」
同時にそう叫び私とシュラウドは吹雪の中に閉じ込められた……
暗い闇の中から吹雪を引き連れて、氷の蠍が現れその鋏と尻尾を私とシュラウドに叩き付ける
「「ぐうつ!?」」
その余りの威力に叩きつけられた勢いのまま、上空に弾き飛ばされる
カアアアアアッ!!!!
今度は蠍がその姿を氷龍へと作り変え、辺りを極寒地獄へと創り返る氷のブレスを吐き出す
(ぐうう……これは思ったよりきつい!?)
身体が凍り付いて感覚がない、いくらフェニックスでもこのダメージは深刻だ。私とシュラウドを氷づけにした氷の竜はそのまま。その巨体を宙に浮かせ、私とシュラウドに噛み付くと身体を反転させて氷の大地にと叩きつける
「「う……ううう」」
その余りのダメージに辛うじて立つのがやっとの私とシュラウドの前にレヴィアタンと氷龍が現れ
「これで、地獄へ落ちろォ!!!!」
ハルバードを投げ捨て宙に飛び上がったレヴィアタンの背中に、水と氷のブレスを当てる氷龍。レヴィアタンはその勢いに乗って
強烈な飛び蹴りを叩き込んできた
「「ッきゃああああッ!!!」」
余りの威力に悲鳴を上げながら弾き飛ばされる、だがこれが私達がレヴィアタンに勝つただ1つのチャンス……あとはお願い。アーシア、ルフェイ……このチャンスを逃せば、レヴィアタンを倒す機会はなくなる。あとはルフェイとアーシアに託すしかない……
くっ。こいつ中々やっかいね!
宙を舞う異形が撒き散らす。燐粉は宙に留まり異形の姿を乱反射させる。さらにあの燐粉は触れると爆発する、あたしはリーフやリーナの援護を受けることが出来ず。単独でこのネクロと戦っていた
「ギチギチ!!」
「くっ!!」
燐粉で作られた分身の中から飛び出してくるネクロの一撃を受け止め、そのまま後ろに飛ぶと同時に燐粉が爆発する
(やっかいね、本当に!)
近接タイプかと思ったが、燐粉と能力の風で燐粉の位置を変えてあたしを追い込んで来てる。だがそれは本能によるものなので
詰めが甘いのがせめてもの救いだ
「カアアアアッ!!!」
咆哮をあげて飛ばされた魔力刃をリーエは両断し、その隙を突いて伸ばされた爪はリーフが打ち落とし、雷光を伴った爪はリーナが弾いている。それで何とか戦いとしては成立している、問題は
(あたしよね)
こいつの燐粉が向こうに行くと不味い。流れが完全に変わってしまう、そのためにはこいつを早くしとめる必要があるのだが
(ひらひらと鬱陶しいわね!)
見た目の鈍重さとは信じられないくらいの機動性を持っている上に、燐粉のせいで思うように攻撃に移れない
(あーもう被弾覚悟で突っ込もうかしら!)
魔法生命体になっているから多少のダメージは問題ない。だが、そうなるとダハーカとの戦いに支障が出る。どうしたものかと考えていると
「私が手伝う」
「リーフ!? あっちはいいの!?」
そう尋ねるとリーフはうんと言いながらバズーカをネクロに向けて
「さきにあいつを片付けて4人で倒す。リーエの考えだとあの奥のライダーもどきがこの結界の維持をしてるらしい、早く倒してみんなと合流する。リーエもリーナお姉様も先にあのライオンを倒す作戦に切り替えてる」
そう言われて見るとリーエもリーナも蝙蝠の攻撃は防ぐか交わすに徹底して、ライオンに攻撃を叩き込んでる
「OK。それでいきましょう「私が前に出る。私の能力なら爆破に巻き込まれても再生できる、隙を作るから後よろしく」
バズーカを構えながら言うリーフを見てあたしは
(ああ、こういうの久しぶりね)
ずっと1人だった。あたしもリーエもペガサスも……人ではないというのはそれだけ拒絶される理由となる。だけどそんなのを関係無しに信用してくれる……あたしは自然に笑いながら
「任せなさい。あたしの剣は凄いわよ」
「♪ 楽しみにする」
顔は良く見えないが笑っているであろうリーフを見ながら、あたしはずっと前に無くしてしまったはずの自分の居場所を思い出した。そしてそれと同時に思った、この世界を護りたいと……
第32話に続く