宵闇の使者【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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第32話

 

第32話

 

イッセー達が居るのとずれた時間、場所にある王座に腰掛けた漆黒の仮面ライダー「ダハーカ」は水晶に移る3つの戦闘を見ながら

 

「やはりグラシャボラスが1番最初に死んだか」

 

クレイとか言う仮面ライダーの重力球で動きを束縛された上で

 

「いけっ!!!」

 

魔導師の女が魔力を物質化させ、翼と手足を壁に縫いつけ

 

「これでトドメ」

 

【Claydoll!! MAXIMUM DRIVE!!】

 

「はああ……はっ!!!!」

 

重力波と蒼い焔を纏った斬撃でグラシャボラスは頭から両断され、砂のように崩れ去った。

 

「役立たずが……元チェックメイト・フォーの名が泣くな」

 

グラシャボラスはチェックメイト・フォーのスワローテイルとか言うのをネクロ化させたというのに、全く役に立たず死んだ

 

「やはり劣化が激しかったか」

 

サブナック・ヴァサーゴと比べると魂の劣化が激しかった。それで考えれば戦闘力や本能を強化したところで役に立たないのは道理か……

 

「まぁ良い。最低限の仕事はしたか」

 

3つのグループに分けたのは戦力の確認をするため。ルーチェとコカビエルは生き残るだろうが、ヴァサーゴ達は体の良い捨て駒だ。いくら能力が高くとも理性がなくては意味がない、ならば使い捨ての駒程度の価値しかない。

 

「もう少しか……」

 

ルーチェとコカビエルは粘っているが、ヴァサーゴ達は徐々に押され始めている。となればもう直ぐあいつらはこの場に来る

あとは得た情報を最大限に使い叩き潰す。その後で「V」のメモリを奪えば良い。簡単な話だ……

 

 

 

 

ヴァーリさんとシュラウドがレヴィアタンの吹雪に消え。数秒後

 

ズダーン!!!!

 

とんでもない力で地面に何かが叩きつけられた音がする、それを聞いた瞬間私は

 

「ルフェイさん」

 

「……はい」

 

ヴァーリさんとシュラウドがレヴィアタンのマキシマムを敢えて受けたのは、私とルフェイさんに全てを賭けたからだ

 

そのチャンスを無碍にする事はできない

 

【コピー・プリーズ!】【【コピー・プリーズ!】】【【【【コピー・プリーズ!】】】】

 

【Sad!!】

 

【ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー! ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー!……】

 

【Crash!!】

 

ルフェイさんは「コピー」の魔法でその人数を8人に増やし、私ははサッドフォームへとフォームチェンジする。そして、それぞれが必殺技を発動させる体勢に入る。

 

ゴオオオオ……

 

徐々に吹雪の勢いが弱まり地面に倒れる。ヴァーリさんとシュラウドの姿とその2人を前にするレヴィアタンの姿が見え始める

2人はフェニックスだし、私もルフェイさんも回復能力持ちだ。直ぐに回復させれる……だから今は

 

(少しだけ我慢してください)

 

フェニックスとは言え痛みはある、それを覚悟して。作ってくれたチャンス……無駄にはしません

 

「ヒャーハハハ八ハハハハハハ!!!!!!! かちだ! カチ!!! 俺のカチだアアアアア!!!!」

 

吹雪が消えると耳障りなレヴィアタンの笑い声が響いてくる。まだ吹雪の残滓が残り前が見難いが、あれだけ馬鹿笑いしていれば場所の特定なんて容易い

 

「「「「「「「「ストライク・ウィザード!!」」」」」」」」

 

「クラッシュ・アロー!!」

 

【チョーイイネ! キックストライ! サイコー!!】

 

【Crash!! MAXIMUM DRIVE!!】

 

破壊の能力を秘めた矢と8人のウィザードの飛び蹴りがレヴィアタンに殺到する

 

「がっ!? グガアアアアアッ!!!!!」

 

ハルバードを持っていなければ。私達を認識していなければ、無効化能力は使えない。完全に私達の攻撃はレヴィアタンを捉え弾き飛ばした……

 

 

 

 

 

 

ローブを弾き飛ばしたのは良いが。そのせいで余計イモータルの攻撃が激しくなってきた

 

【Utopia MAXIMUM DRIVE!!】

 

「はあああッ!!!」

 

漆黒の飛ぶ斬撃を地面を転がって回避する

 

「くそっ! 段々攻撃が激しくなってきやがったな!」

 

「ローブがないから動きやすくなったのでしょうか」

 

俺の叫びにアーサーがそう返事を返す。ローブが無くなったから腕が振りやすくなった、確かにそんな気もする

 

「馬鹿か、お前らは」

 

攻撃を弾いていたペガサスが呆れたように呟きながら

 

「良いか? 奴はあのローブで攻撃を防いでいたから接近戦を仕掛けてきて居たんだ。それがなくなったから馬鹿の一つ覚えみたいに、マキシマムを連打して俺達を近づけないようにしてるだけだ。良く見てみろ、さっきから一歩も動いてないだろ?」

 

そう言われて見ると確かにイモータルはあの場から動いていない

 

「ちょこまかと!」

 

【Ruin MAXIMUM DRIVE!!】

 

「くっ!? 話してないで少し位援護してくれませんかね!?」

 

空間が爆発し、それに弾き飛ばされながらフートがそう叫ぶが

 

「無理を言うな。お前のスピードには俺は愚か、この小僧どもはついて行けん。どうするか決まるまでせいぜい逃げ回れ」

 

「鬼ですか!?「ブラッディスクライドォッ!!!」

 

フートだけがイモータルにロックオンされている。だがナスカメモリの効力でスピードが上がっているフートには攻撃はあたりもしない。確かに時間稼ぎにはなっている、俺達は時折こっちに飛んでくる攻撃を回避すれば良い

 

「小僧、マキシマムとやらを準備しておけ。剣士の小僧はついて来い」

 

何か策を思いついたのかそう呟くペガサスが指示を出し始める

 

「何をする気だよ?」

 

「何を? 簡単だ。叩き潰してここを出る。それだけだ」

 

両手に光の刃を持つ小太刀を持ったペガサスはアーサーに

 

「行くぞ。遅れるな」

 

「ッはい!」

 

ペガサスと一緒に走り出すアーサーを見ながら、マキシマムの体勢に入る

 

【Boosted Gear】

 

右足にエネルギーが溜まっていくのを感じながらイモータルとペガサスの戦いを見る

 

「力任せの戦いか、とんだ愚図だな?」

 

「黙れ!」

 

「はっ! そんな力任せの剣で剣士を捕らえれると思っているのか!」

 

イモータルの剣を右の剣で受け流し、半回転しながら放たれた左の横薙ぎがイモータルの胴を穿つ

 

「がっ!? ぐうう!!! 貴様アアアア!」

 

「ダメージを受けた位で辺りの警戒を怠る、貴様は剣士ではない、ただの愚図だ」

 

挑発を続けるペガサスにイモータルが

 

【Kerberos MAXIMUM DRIVE!!】

 

「吹き飛べ!!」

 

オーラを纏った高速の連打を叩き込もうとするが

 

キンッ! キンキンッ!! ガキンッ!!!

 

その拳の連打を上回る連撃でマキシマムを完全に封殺している。驚くべき事はマキシマムを只の体術で無効化しているところだろう

俺やフートは当然生粋の剣士ではないから無理な技能だ。もしかするとアーサーだったら到達できる高みかもしれないが、何年掛かるだろう? 

 

「はっ!!!」

 

「隙だらけですよ!」

 

「がっ!? ぐう! 雑魚共がっ!!!」

 

ペガサスに注意を向けた瞬間。アーサーとフートの一撃がその背をえぐる、とっさに振り返った瞬間

 

「戯けが」

 

「ぐがあ!?」

 

ペガサスの剛拳が顎を打ち抜く。以下に変身していたとしてもそのダメージは深刻だろう、しかしそれよりも

 

「どうした? 愚図? 俺に触れることも出来ないのか?」

 

「貴様アアアアア!!!」

 

ペガサスの挑発に完全に手玉に取られ、冷静さを完全に失っているほうだろう。実力差を思い知られた上にこの挑発、いかに実力者でも苛立ちを覚えるのは間違いない、そしてイモータルが俺に背を向けた瞬間

 

【Boosted Gear MAXIMUM DRIVE!!】

 

「はああああッ!!!!」

 

地面を蹴りながら一気に間合いを詰め

 

「吹き飛べええええ!!!」

 

「ぐっ!? グアアアアアアッ!!!」

 

マキシマムの直撃を受け吹っ飛んでいくイモータルを見ながら着地すると同時に世界が歪み始めた……

 

 

 

 

 

 

これで残り2体ですね。リーフさんとアシラさんが蝶のようなネクロを倒した、残りはライオンと蝙蝠だが

 

(この2体は中々厄介ですね)

 

高速で駆け回るライオンとその後ろで両手に魔力の爪を発生させタイミングを計っている、蝙蝠

 

前衛と後衛が完全に分かれているだけではなく、時には自身も切り込んでくる蝙蝠が正直やっかいだ

 

(リーエ何か手ある?)

 

(あるにはある……が、こうも動かれるとな)

 

余りに動きが早くて動きを封じない限り手が無いというと

 

(じゃあ私に任せて。どれ位動きを抑えれば良いの?)

 

アシラさんの念話に私は

 

(抑えなくても良い。ポイントに追い込めば良い)

 

作戦を話すとアシラさんは感心したように頷く素振りを見せてから。魔力を物質化させライオン目掛けて放ち始める

 

(リーナさんもフォローを、その間に私はリーフさんと蝙蝠に仕掛けます)

 

(ええ。判ったわ)

 

アシラさんのほうに向かっていくリーナさんを見ながら

 

「精密射撃は出来るか?」

 

「んーあんまり得意じゃないけど何とかなると思うよ」

 

にへらっと笑うリーフさんに

 

「では魔力刃を迎撃してくれ。私は近接を仕掛ける」

 

「りょーかい♪ 任せておいて」

 

私はその言葉に頷き蝙蝠に向かって駆け出しながら、術式を組み上げ始めた。後はあそこにライオンを追い込めればリーナさんとアシラさんが決めてくれるだろう。ならば私は蝙蝠を仕留める

 

(それにあのネクロがこの異世界を構築してるようだしな)

 

あのネクロの存在がこの異世界を構築している。倒せばイッセーさん達と合流できるだろう

 

(速攻で決める!)

 

「グアアアアア!!!」

 

咆哮をあげて振り下ろされた爪を、スライディングの要領で交わし、立ち上がると同時に回し蹴りを叩き込むが、手応えが鈍い

 

(固い。あの鎧は飾りでもなんでもないか)

 

「シャアッ!!!」

 

4つの魔力刃を放つと同時に地面を蹴って間合いを詰めてくるネクロを見て、即座に西洋剣を横手に構えるプロテクションを張る

 

「ばン! ばん!!!」

 

魔力刃はリーフさんの重力弾が打ち落としてくれた。後は突っ込んできているこのネクロだ

 

「シャアアアア!!!!」

 

振り下ろされた爪がプロテクションに当たった瞬間。術式を開放するためのキーワードを口にする

 

「燃え盛る聖者の泉《トレ・フォンターネ・アーデント》」

 

そのプロテクションから無数の魔力人刃が飛び出しネクロを引き裂く。ダメージで後退するネクロを追って踏み込みながら

 

「喝采は万雷の如く《パリテーヌ・ブラウセルン》」

 

フェアシュテルケンに魔力刃を発生させまずは袈裟切り、次に逆袈裟に切り返し

 

「はあああッ!!!!」

 

通り抜けながら真一文字でネクロを引き裂く。ドス黒い血液が吹き出るが直ぐに修復する。しかしその目には怒りの色が浮かんでいる。

 

(乗ってきた、タイミングも良い)

 

「グガアアアアアアアアアッ!!!!!!」

 

開かれた口から空間に作用する魔の咆哮が響くと同時に8本の魔力刃が私目掛け放たれ、私の動きを束縛する

 

「シャアアアア!!」

 

ゴウッ!!!

 

空中に蝙蝠を模した紋章が浮かび上がり、それ目掛けて走り出すネクロに

 

「掛かりましたね」

 

パチン!!

 

自由に動く指をならし作っていた術式を開放する。それと同時にアシラさんとリーフさんに追い込まれていたライオンの姿と私の姿が入れ替わる

 

「「!?」」

 

蝙蝠は必殺技の蹴りを、ライオンは4つの爪に電撃を纏わせ。口から魔力波と同時に繰り出そうとしていた

 

「転移魔法の応用だ。むやみに大技を使うとそう言う目にあうぞ」

 

蝙蝠の飛び蹴りはライオンの腹を突き破り、ライオンの電撃と爪は蝙蝠の四肢と胴体に当たった。蝙蝠の方が速かったから完全に貫通はしなかったがダメージは深刻だ。地面に倒れ動かなくなった蝙蝠を見ていると

 

「えげつない攻撃ね」

 

「同時うちって……これ狙ってたの?」

 

「ああ、この後にもダハーカが残っている。魔力の消費は少なくしたかったからな」

 

そんな話をしているうちに空間が歪み始め、私達は別の場所へと飛ばされた

 

 

 

 

「ここは……」

 

突如俺達は別の場所にと飛ばされた。何処かの王座と言う感じの場所を見ていると

 

「アニキ? 無事だったんだ!」

 

俺の直ぐ近くが光り、そこからヴァーリたちが姿を見せる。

 

「そっちは大丈夫だったのか!」

 

「なんとかね。倒せはしなかったけど、ダメージは与えれたと思うよ、イッセー」

 

俺の問いかけにシュラウドが答えてくれる、若干のダメージの残滓は残っているようだが。ルフェイとアーシアの治療してもらったのだろう。戦闘に支障の無い程度には傷が回復しているようだ

 

「そっちも無事か良かった」

 

少し遅れてリーエ達も姿を見せるが

 

「なんでノーダメージ?」

 

1番軽症だ。一体どんな戦い方をしたのだろうか?

 

「同士討ちさせたからな。ダメージなどあるわけが無いだろう?」

 

肩を竦めるリーエから少しはなれたところに

 

「ぐ、グギャアア」

 

ダメージを受けて瀕死状態のネクロが現れる。その姿を見た俺は思わず目を見開いた

 

(だ、ダークキバ!? あんな奴まで居たのか!?)

 

その姿は多少変わっているし、キバットバット2世も居ないが。間違いなくそれはダークキバだった

 

「ふん。蘇らせてやったのにそのざまか。役に立たない無能は死ね!!!」

 

【ウェイクアップ!!!】

 

上空からダハーカの怒声が響いたと思った瞬間、黒炎がダークキバを飲み込みダハーカの飛び蹴りが叩き込まれ、ダークキバは炎に呑まれ消滅した

 

「良く来たな、兵藤一誠。さて最後のチャンスをやろう、「V」のメモリをよこせ。そうすれば命位は助けてやっても良い」

 

ダハーカがイモータルとレヴィアタンを引き連れ現れる。その2人を見てヴァーリ達が

 

「何で!? さっき倒したはずなのに!?」

 

「ああ。確かにこいつらは瀕死だったが、魔力で強引に再生させた。ネクロの回復能力を甘く見ないことだ。さぁ、兵藤一誠「V」のメモリを渡せ」

 

右手を俺に向けてそう告げるダハーカ。だがこいつに「V」のメモリを渡せばどうなるかなんて考えるまでもないし、こいつに渡す位ならば

 

「断る。貴様に渡す位なら俺が破壊する」

 

そう返事を返すとダハーカはそうかと頷いてから

 

「では貴様を殺し奪うとしよう。そして貴様も我が同胞にしてやろう。感謝しろ」

 

「判っているのか? この人数差を? お前達に勝ち目は……!? 足が動かない!?」

 

前に踏み出そうとしたヴァーリの声に振り返ろうとして

 

「お、俺も動けない!?」

 

「ぐっ……これは……!?」

 

俺だけじゃないリーエ達までもが動けないで居た。動けない俺達を見ながらダハーカが

 

「闘魔滅砕陣ッ!!!」

 

拳を握り締めると同時に電撃が体中に走る。足元を見ると蜘蛛の糸のような微弱な魔力の糸が張り巡らされていた

 

「「「ぐああああああッ!!!!」」」

 

身体が強引にねじ切られる。そんな形容しがたい激痛に思わず絶叫する

 

「ぐっぐうう……結界か……ぐぐぐ」

 

リーエやアシラ、ペガサスは何とかそれを振りほどこうとしている。魔力の扱いに長けたリーエ達だからこそ出来る荒業だが

 

「メ」

 

「ラ」

 

「ゾ」

 

「-」

 

「マ」

 

ダハーカが指を広げながらそう呟く。それはルフェイも扱えるメラゾーマだが

 

(1つの指に1つずつだと!? レイヴェル・フェニックスのような真似を!!)

 

圧倒的な破壊力を持つメラゾーマが5発。それが全て同時に放たれれば……考えるまでも無く致命傷だ

 

「フィンガーフレアボムズッ!!!!」

 

5発の特大の火球は地面の蜘蛛の糸ごと俺達を飲み込んだ

 

「「「あああああーっ!!!!」」」

 

全身を火球に焼かれ悲鳴を上げる。いくら変身していてもこのダメージは深刻だ、辛うじて立っているだけの俺達に

 

「ヒャーハハハ!!!」

 

「う、ぐっ」

 

「まずはオマエダ! 死ねえ!!!」

 

ルフェイの首を掴んで地面に叩きつけるレヴィアタンはハルバードを振るい。アーサーやアーシアを弾き飛ばしていく

 

「邪魔だ。どけ」

 

「がっ!?」

 

倒れていたフートとリーナ達を蹴り飛ばしダハーカとイモータルが近寄ってくる。

 

「させ……「もう貴様らに戦う力は残っていない!!!」

 

ドンッ!!

 

「ごふ……」

 

何かが爆発したような音と同時にリーエの小柄な身体が弾き飛ばされ。壁にめり込む

 

「さて。Vのメモリを「さ、触るなあ!」

 

バシッ!!!

 

伸ばされた腕を振りほどき、震える手を無理やり握り締め拳を振るうが

 

「遅いな」

 

ダメージの余り禄に動けない身体の一撃は簡単に受け止められ変わりにイモータルの蹴りが俺の腹に叩き込まれた

 

「げふっ……ぐ、ぐうううう!」

 

思いっきり弾き飛ばされながらも歯を食いしばり。必死に立っていると

 

「そうか。命ある限り邪魔をするというのなら覚悟してもらおう。イモータル」

 

「判った」

 

【ウェイクアップ!】

 

【Immorta MAXIMUM DRIVE!!】

 

黒炎と黒い疾風を纏ったイモータルとダハーカが地面を蹴って走ってくる

 

「「「避けろ! イッセー!!!」」」

 

フートやペガサスの声が聞こえるが……

 

(だ、駄目だ……動け……)

 

「消えうせろ! 赤龍帝!!」

 

「死ぬが良い! 兵藤一誠!!!」

 

イモータルとダハーカの飛び蹴りが俺を捉え。炎と風に全身を切り刻まれながら

 

「が、ぐああああああッ!!!!」

 

俺は防御も回避も出来ず、2人のライダーキックで弾き飛ばされ変身が強制解除され。地面を2・3度跳ね、意識を失った……

 

「こ、ここは……」

 

俺が意識を失ったはずなのに、俺は剣だらけの廃墟に佇んでいた……その剣はどれも最上位の神具に思える。訳が判らず辺りを見回していると

 

「来たか。兵藤一誠」

 

「誰だ!?」

 

突然声を掛けられ驚きながら振り返るとそこには、緋色の髪を風に靡かせた漆黒のコートの青年が佇んでいた。青年は地面から剣を抜き放ち、柄を俺に向けてくる。おずおずとその剣を掴むと、眩い光を放ち剣がガイアメモリにと変化する。男は俺から背を向けて

 

「護る為の力を貸そう。今の私ではそちらにいく事はできない。お前があの世界を護るんだ」

 

そういって遠ざかっていく黒いコートの男に思わず

 

「ま、待て!お前は、お前は一体何者なんだ?」

 

ゴルドフェニックスに近いなにかを感じる。圧倒的なまでの神性と言うのか、良くわからないがこの人の名前を聞かなければならないと俺は直感的に感じた

 

「私かね? ただの通りすがりさ? それでも名が気になるというのなら答えよう。龍也。八神龍也だ」

 

その名を知っていた。リーエが会いたいと願い続ける男の名だ、確かに不思議な雰囲気を持っていた

 

「リーエを頼む。あの子は強いが脆い。出来るのならば今すぐにでも跳んで行きたい。だが出来ないんだ、今の私では……情けない話だがな。だから頼むよ、あの子に力を貸してやって欲しい」

 

そう言うと剣の墓標は急速に遠ざかっていった……

 

「う……ゆ、いや。夢じゃない」

 

全身に走る激痛に顔を歪めながら意識を取り戻した。俺の手の中には手渡された蒼いメモリが握られていた。これが何かは判らないでもこれを使うしかない。痛む身体に鞭を打ち立ち上がりガイアメモリを起動させる

 

【Possession】

 

「変身ッ!」

 

【Possession!!!】

 

その瞬間、蒼い炎が俺の視界を覆い隠した……

 

 

 

 

あ、あの炎は……

 

壁に叩きつけられ、僅かながら意識を失っていた私が意識を取り戻し見たのは。蒼い炎……アシラさんの炎じゃない。あれは

 

(龍也様の炎……)

 

忘れるわけがない、あの炎は何度も見た……人の魂を浄化しネクロの呪縛から開放する。神聖な炎

 

イッセーさんの身体をいつもと違う。灰色の鎧が覆っていく、それは何度も見たD×Dのような姿ではなく。騎士のようなデザインの鎧……それが展開されるのに連れて、蒼い炎がその色を虹色の炎に変えていく。それは間違いなく龍也様しか使えない神聖な炎

 

そしてその炎の中に幻影のように映し出される。龍也様の姿がイッセーさんに重なると同時に、灰色の身体が眩いばかりの黄金に染まり。その背中に機械的なデザインの1対の翼が現れる。

 

「馬鹿な……その姿。守護者だと!?」

 

信じられないという感じのダハーカの前でイッセーさんが地面に剣を突き立てて

 

「術式構築。天界からの風発動!」

 

その剣を中心にして蒼い風が私達を包み込んでいく。その風は優しく私達を包み込み怪我と体力・魔力を回復させていく

 

(間違いない。さっきのPossession……確か憑依って意味のはず……もしかすると)

 

いまイッセーさんに龍也様の経験が憑依してる?

 

「ここからは仕切りなおしだ! 行くぞ、ダハーカァァッ!!」

 

剣を振りかざし突進してくイッセーさんを見ながら、私も立ち上がり拳を閉じたり開いたりして、調子を確認してから

 

フェアシュテルケンを展開してダハーカ達に向かって行った

 

 

第33話に続く

 

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