宵闇の使者【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はリーエさんと龍也さんのエンカウントをメインにして。ちびっ子軍団いの話をしようと思っています
それでは今回もどうか宜しくお願いします


第4話

 

 

 

第4話

 

 

「やっ。リーエ君、今日の気分はどうだい?」

 

朝と夜。私の様子を見に来てくれる主治医の先生に

 

『はい……大分良いです』

 

最近は大分力の使い方も判ってきた。クレアさんによると後は目の包帯を取って、歩く練習に入るらしい

 

「そうか。それは良かったね」

 

優しい声でいう主治医の先生は暫く頭を触ったり。包帯越しに目を触ってから

 

「うん。これで今日の検査は終り。あとは明後日に包帯を取るだけだね」

 

『もう取れるんですか?』

 

そう尋ねると先生は

 

「ああ。もう問題ないよ、と言っても歩く練習とか喋る訓練とかでまだまだ大変だけどね」

 

リハビリは確かに大変だが。もう少しで自分の目が見えるようになるというのが堪らなく嬉しかった

 

「それじゃあね。今度は明後日目の包帯を取りに来るからね」

 

先生はそう言うと忙しいからと言って。私の病室を出て行った……私はベッドに横になりながら

 

(もうちょっとで目が見えるようになるんだ……)

 

クレアさんがいてくれるから。そんなに不便とは思わなかったけど、やっぱり自分で出来る事は自分でしたい。それに

 

(目が見えるようになったら。フェイカーさんが名前を教えてくれるって言ってたし)

 

私の命の恩人で、良くお菓子や果物を持ってお見舞いに来てくれる。フェイカーさんの顔が判ると言うのがすごく楽しみで

 

(早く明後日にならないかな)

 

そんな事を考えていてふと気になった

 

(結局思い出せたのは。ベルカの土地の事と魔法の事だけだったんだよね。もしフェイカーさんが従兄妹とか親戚だったら気を悪くさせちゃうかな)

 

思い出せた事は少なく。やはり自分が暮らしていた家や両親の顔に友人の事は何も思い出せなかった。あれだけ良くしてくれる人なのだから、多分私が記憶を失う前の知り合いだと思う……もしそうだったら気まずいな~と思いながら私はゆっくりとベッドに背中を預け。クレアさんが置いて行ってくれたルービックキューブを触り始めた

 

 

そして明後日の朝は私が思うよりずっと早く訪れた

 

「はい、これで良いよ」

 

先生に目の包帯を外される、ぼんやりと見える視界の中でフェイカーさんを探す。今病室にいるのは紫色の髪で白衣を着た男の人。多分この人が先生で……その隣で軽く手を振ってるドレスの女の人がクレアさんで……辺りをゆっくりと見ていると突然声を掛けられる

 

「見えるようになったな。では約束通り……私の名は八神、八神龍也だ。リーエ」

 

え? 八神龍也って……神王陛下様? 一瞬目が点になるが次の瞬間私は

 

「う……うえええええッ!?」

 

予想にもしなかった人物がにこやかに手を振っていて思わず絶叫してしまう。

 

「おお、声も出るようになったか。良かったよかった」

 

にこやかに笑う黒いコートに銀髪と目立つ容姿を見間違える訳がない。間違いなく神王陛下様だ

 

「いや。違うだろ」

 

そしてその隣で突っ込みを入れているのは

 

(じぇ、ジェイル・スカリエッティ博士!?)

 

デバイスの研究と今まで治療不可能と言われていた難病の特効薬の開発をしている。高名な研究者である、ジェイル・スカリエッティ博士に間違いない

 

驚きすぎて口をパクパクさせてしまう、何か言いたいが声が出ない。私が目を白黒させていると

 

「どうぞ」

 

クレアさんに差し出されたペンと紙を引っ手繰る様に受け取り

 

『い、今まですいませんでした!!!』

 

書き終わると同時に崩壊するペンと摩擦でこげた匂いのするスケッチブックを見せると

 

「気にしないでいいさ。今度からの歩くリハビリとかは私も付き合うから、頑張れよ」

 

私の頭を撫でて笑う。神王陛下様と

 

「それじゃあね。ここからが大変だけど頑張ってね。リーエ君」

 

にこにこと笑うスカリエッティ博士に頷いていると

 

「では、後は任せる。じゃあまた明日リーエ」

 

穏やかに笑う神王陛下様に反射的に頷く。私の隣ではクレアさんが

 

「お任せを」

 

恭しく頭を下げるクレアさんと共に、神王陛下様とスカリエッティ博士を見送り。暫くしてから隣のクレアさんに

 

「どうして教えてくれなかったんですか」

 

ジト目でクレアさんを見ると。クレアさんはにこにこと笑いながら

 

「驚いたでしょう?」

 

ベルカ自治区に暮らす私にとって神王陛下様はその名の通り神にも等しい人、驚きを通り越して怖くなってしまう……私がそんな事を考えているとクレアさんはにこにこと笑ったまま

 

「では明日からのリハビリ頑張ってくださいね、私はこれからは偶にしか来ませんから」

 

さらりと言うクレアさん はい? これから偶にしか来ない? え? え? どういうこと?

 

「……え……えと……どういう……事ですか?」

 

まだ喋り難いのでゆっくりと尋ねると、クレアさんはにこりと笑ったまま

 

「ですから歩行や物の持ち運びあと魔法戦闘の訓練は全部、我が王が見てくれますよ?」

 

「……う……そ……ですよね?」

 

と言うか嘘であって欲しいと思いながら尋ねると

 

「いいえ? 本当ですよ」

 

にこりと笑いながら言うクレアさんの無慈悲な宣告に私は思わず頭を抱えた

 

翌日

 

約束通りに神王陛下様は私の病室に来て、リハビリを手伝ってくれていたのだが

 

「……ふむ、義手が砕けた」

 

「……すいません」

 

握り締めた義手を粉砕してしまい、真っ青になりながら謝る……なんて事をしてしまったのだろう。きっと怒ってる、そう思って神王陛下様を見ると

 

「腕変えるか」

 

何事もないように腕を替えて、うっすらと魔力を通しにこりと笑いながら。私に手を伸ばしながら

 

「ん。もう1回歩く練習な」

 

怒ってないのかな……内心びくびくしながら顔を見ていると

 

「子供のやった事で怒る様に見えるかな? うーんやっぱあれかね? 目の傷のせいで怖く見えるかな?」

 

にこにこと笑う神王様に

 

「……そ。そんなこと……は……ないです」

 

手を振りながらそう言うと神王様は

 

「そうか。じゃあリハビリを頑張ろうな」

 

私の目を見て笑う神王様に

 

「は……はい、し、神王様」

 

緊張しながら私がそう言うと。神王様は

 

「その呼び方は好きじゃないんだ。龍也とでも呼んでくれれば良い。ほら呼んでごらん」

 

なんてハードルの高い事を……ジーと私を見ている神王様から視線を逸らし

 

「……うー。あの……じゃあ、龍也様で」

 

最大でもこれが限界だ。私が俯きながら言うと神王……いや龍也様は難しい顔をした物の

 

「様付けか……まぁ良いか、じゃあはい、手を持って歩こうな」

 

ま、いっかと笑いながら。また私の手を握りゆっくりと引かれる

 

「……う、っく」

 

進みたいのに進めない、かすかに痙攣を繰り返す足を見て顔を歪めていると……

 

「ゆっくり行こう、な?」

 

「……はい」

 

優しく声を掛けてくれる龍也様に頷き。ゆっくりと歩く練習を始めた

 

龍也様とのリハビリを終え。ベッドで休んでいると

 

「「ジー」」

 

観察するような視線を感じそちらを見ると。私と同年代に見える少女が2人私の方をジッと見ていたのですが

 

(なんでフードなんでしょう?)

 

銀髪に金の目をした少女の隣にはフードを目深に被りローブのような物を着込んでいる少女を見ながら

 

「……あの……なんの……御用でしょうか?」

 

 

 

 

 

 

「……あの……なんの……御用でしょうか?」

 

ベッドの上からそう声を掛けてくる紅い髪に蒼い瞳をし、左目だけ縦に割れた瞳孔をしている少女に

 

「どうも。ユナです」

 

まずは何ごとも自己紹介から。そう思い名乗ると

 

「……ど、どうも。 私はリーエです」

 

困惑した表情をしたものの頭を下げて挨拶してくるリーエさんを見ながら

 

「アザレア。貴方も自己紹介をすべきです」

 

「……しないと……駄目?」

 

私の服の裾を掴見ながら尋ねてくる。アザレアに

 

「駄目です」

 

自己紹介は自分ですべき物。人見知りなのは知っているがあんまり甘やかしては駄目だと思う

 

「……あ。アアア……アザレアでし」

 

思いっきり噛んでしまっているが。まぁ良いだろう

 

「あの。リーエさん? 入っても良いですか?」

 

「え、ど。どうぞ」

 

リーエさんの許可を貰ってから。病室に入りベッドの近くの椅子に腰掛ける

 

「……えーと。貴女達は……私の友達だったり……しますか? もしそうだったら覚えていないんです。ごめんなさい」

 

申し訳無さそうに尋ねてくるリーエさんに

 

「いえ。私達はお兄ちゃんに言われて来ました」

 

お兄ちゃん? と首を傾げるリーエさんにアザレアが

 

「や、八神……龍也……が兄さんです」

 

おどおどと言うアザレアに

 

「……龍也様の……そうだったんですか。こんにちわ……ユナさん、アザレアさん」

 

納得したと言う顔で頷きながら言うリーエさんに

 

「はい。こんにちわ。リーエさん、所で何か飲みますか?」

 

椅子から立ち上がり。持って来ていた袋からココアと紅茶を取り出しながら

 

「私のオススメは紅茶ですね。お兄ちゃんにも美味しいと言われましたよ?」

 

茶葉とカップとポットを用意しながら言うと

 

「……え、あと。じゃあ……こ、紅茶を」

 

病室に備え付けられたポットのお湯を使って。紅茶を淹れる

 

「それでは少し待ってくださいね。茶葉が開くまで何かお話でもしますか?」

 

「……そ、そうですね」

 

少し緊張した素振りを見せるリーエさんは

 

「あ、あの……どうして、ここに?」

 

どうして尋ねてこられたのか判らないという。表情をしているリーエさん

 

「歳も近いですし。きっと友達になれるだろうし、話し相手になって上げれるだろうからと……お兄ちゃんに言われて来ました。私とアザレアもそうですが、あまり外に出ないので友達を呼べる人はいません。ですから……私達と友達になってくれませんか?」

 

手を差し伸べるとリーエさんはじっと手を見たまま。複雑そうな顔をしている。きっと私達の手を握り潰してしまわないかと不安に思っているのだろう

 

「……だ、大丈夫ですよ……これ見てください」

 

アザレアが近くの金属製のコップを手にして、紙でも丸めるようにくしゃくしゃにしてみせる。それを見て目を丸くしているリーエさんに

 

「貴女がどういう存在になったのか聞いています。ですが私達も普通では無く、融合騎……ユニゾンデバイスと言う奴です。だから私達は貴女の手を掴めますよ」

 

リーエさんの手を握りしっかりと握手をしながら

 

「だからもう1度言います。私達と友達になってくれませんか? リーエさん?」

 

「……友達……になってくれるんですか? 私……普通じゃないですよ?」

 

不安そうなリーエさんに私は

 

「ここ。機動六課にはそんな事でリーエさんを拒絶する人なんていません。ここは貴女の居場所なんです」

 

大体あれである。六課自体半分くらい魔窟だし、今更半分ネクロだとかどうだとかで拒絶する人間は居ない

 

「……友達に……なってくれますか? リーエさん」

 

「……私でよければ……お願いします」

 

アザレアの問いかけに頷くリーエさんを見ながら。私は3人分のカップに紅茶を淹れて

 

「それではお菓子でも食べながらお話しましょうか。リーエさん」

 

「……はい♪」

 

嬉しそうに笑うリーエさんにカップを手渡し。面会時間が終るまで3人のんびりと話をしていた……

 

 

 

 

 

「そ、それじゃあ。また来ますね。リーエさん」

 

楽しい時間はあっと言う間と言うが本当だった。アザレアさんとユナさんと話してるうちに気が付けば面会時間終了の時間になっていた

 

「……はい、待ってますね。アザレアさん、ユナさん」

 

まだ私はそんなに遠くには歩けないし。リハビリも途中だ……だから勝手に出歩くわけにも行かないから。待っていると言うとユナさんが

 

「明日はリィンとリヒトが来ます。少々騒がしい2人組みなのであんまりうるさかったら殴っても良いです」

 

さらりと黒い事をユナさんになんと返答を返せば良いのか判らず。一瞬黙り込んでしまう

 

「ちゅ、注意すれば静かになりますから……それは最終手段……って思っててください……そ、それじゃあまた今度」

 

ユナさんの発言にフォローしてから病室を出て行く2人を見ながら

 

(友達……か)

 

半分ネクロでも友達になってくれると2人は言ってくれた。それにここは私と居場所とも言ってくれた。その言葉は何よりも嬉しくて、安心できた

 

(早く明日にならないかな……)

 

リハビリは大変だけど……優しい龍也様と友達が居るなら頑張れる。私はそんな事を考えながら沈み始めている夕日を見つめていた……

 

 

 

第5話に続く

 

 




次回ははやてとリーエを会わせたいなと思っています。その後からは六課でのリーエの暮らしとかをやりたいと思います
旅に入るのはもうちょっと後になってからだと思います、行き成り旅と言ってもそれではリーエが六課と龍也の元に帰りたいと思えるだけの思い出が必要だと思うので。まずはそういうイベントを多めにやって行こうと思います。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします
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