宵闇の使者【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はコラボの正式開始の回になります。
今回コラボをしてくれたのは「孤高の桜様」で「ハイスクールD×D 桜物語」とのコラボになります。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第49話

 

第49話

 

「こ、ここは……どこなのよ」

 

ゆっくりと身体を起こす。私が倒れていたのは荒れ果てた小高い丘の上だった

 

「私はみーとメーヤと一緒に木の実を取りに来てて……そう空間のひずみに吸い込まれたのだわ」

 

時間が経つにつれて思い出してくる。森の中で木の実を探していて突然現れた裂け目に吸い込まれたんだった。

 

「ここはどこかしら。それにみーとメーヤは」

 

もしかしたら私と一緒に吸い込まれたのかもしれない。探さないとと思い立ち上がり、私は辺りを警戒しながらゆっくりと歩き出した

 

「ここは何の世界なのかしら」

 

別の世界に来たのはこれが初めてだけど皆こんなに荒廃してしまっているのかしら?あたりは辛うじて家や道の名残がある程度で何一つちゃんとした形で残っている物はない。近くの建物に触れると

 

「風化しちゃった……」

 

触れた所からさらさらと音を立てて砂のように風化してしまった。確かシリウスが言ってたのは

 

「えーと長い年月で風のせいで構成がどうとか何とか?」

 

シリウスがこの状態のことを説明していたと思うんだけど、思い出せないからとりあえず無視しておこう。

 

「みーもメーヤもいないのかしら?」

 

教わった魔力を感知する術を使ったけど。魔力反応は愚か生き物気配すらしない。この世界は完全に死んでしまっているのだろうか?そんなことを考えながら滅んだ世界を歩く、足に来る感じはまるで砂浜でも歩いているかの用に軽いが

 

「なにか変な感じがするわ」

 

一歩歩く事に感じる。肩にずしっと来る妙な重さ……

 

「これが滅んだ世界に残る怨念ってやつなのかしら」

 

シリウスやメーヤと言った別の世界に移動する能力を持った半ネクロが言う滅んだ世界が持つ怨念。死んでしまった人間の憎悪や遣り残したことに対する未練。そういった物が半ネクロには重くのしかかると言っていたけどそれかもしれないと思いながら歩いていると

 

「っ!何この魔力」

 

世界が揺れた。そう錯覚するほどの魔力が複数この世界に現れた。しかも私の知る魔力ではない

 

「敵かしら」

 

半ネクロはネクロにも人間にも追われる運命だとシリウスが言っていた。どちらにせよ不味いことは間違いない

 

(戦えたらよかったのに)

 

私は魔力は持っているのだが魔力を使おうとすると酷い頭痛を感じて魔力を使うことが出来ないのだ。シリウスが言うにはその理由は私がネクロ化したときの状況が原因だと聞いているが詳しいことは何も判らない。つまり私は半ネクロでありながら戦えない半ネクロなのだ

 

「とりあえず逃げた方が良いわね」

 

少し遅れて転移してきた単独の魔力がどんどんこっちに近づいてきている。何か嫌な予感がする早くこの場を離れよう、そう考えて走り出そうとしたとき

 

「よおガキ。久しぶりだな。俺を覚えてやがるか?」

 

「!?」

 

突然聞こえた声に驚きながら振り返るとそこには黒いライダースーツのような物に爬虫類を思わせる仮面を身につけた異形がいた。だけどそれより私が気になったのは久しぶりと言う言葉

 

「あなたは私を知っているの?」

 

後ずさりながら尋ねると異形は右手の爪を舐めながら

 

「どうやらネクロ化のせいで記憶を失った見てえだな。なら教えてやるよ、俺がてめえを殺してネクロ化してやったんだよ、ガキッ!!!」

 

このネクロが私をネクロ化させたネクロ……それを聞いた瞬間私は全力で走り出した。このままいてはいけないそれだけが私の頭の中を埋め尽くしたのだった。背後から追いかけてくるネクロの足音を聞きながら、私はもう1つの魔力反応のほうへと走ったのだった

 

 

 

 

今度転移してきた世界も廃墟だった。しかも生物の気配が何一つ無い死の世界だった……風化した建物を見ながらヴィルヘリヤさんが

 

「また廃墟ねえ。なんでかしら?」

 

そんなことは私が知りたいです。と心の中で呟きながら

 

「……ここまで死の世界と言うのはかなり珍しいですね。完全に風化……いえ世界が死んでいます」

 

近くにあった廃墟に触れるとさらさらと崩れ去る。それは建物や物質を構成している物質が完全に崩壊し存在を維持できないと言う証明だった

 

「私も同意権だね。この世界はもう完全に死んでいる」

 

アルハリムさんも私と同じように廃墟を触れて呟く。アルハリムさんは知識が豊富だ、そんなアルハリムさんがいうのなら間違いない。ペガサスさん達は訳が判らないなと言う顔をしながら

 

「ペガサス。判る?」

 

「知らん。俺の管轄外だ」

 

「俺も戦闘以外は能無しだからな。知る由もない」

 

やれやれという感じで肩を竦めていた。その足元では

 

「♪♪」

 

「ウニャー♪ゴロゴロ」

 

砂のような感触の廃墟で遊んでいるイシュリさんとラビリルの姿があった。ラビリルにいたってはゴロゴロと転がり猫そのものだ

 

「リーエどうする?私的にはなーんか嫌な予感がするのよね」

 

ヴィルヘリヤさんが廃墟を見下ろしそう呟く。いつものふざけた感じはなく真剣な表情をしていた。確かに私も嫌な予感は感じていた、長いこと旅を続けていたことで身につけた危機察知能力とでも言うのだろうか?ぴりぴりと首筋に感じる嫌な予感がある。蒼穹にこの場を去るのがきっと正しい選択なのだろう、だけど私は

 

「……スザク。偵察をお願いします。何かを見つけたらいつものように炎で知らせてください」

 

「キュー!」

 

任せろと一鳴きして飛び立つスザク。少しの間見送ってから振り返りペガサスさん達を見て

 

「……判って居ると思いますがこの世界には異様な魔力反応があります」

 

あえて口にしなかったがこの世界には2つ膨大な魔力の反応がある。言わなくても判ることだったので口にはしなかった

 

「この魔力量は以前俺の世界であった。ランドグリーズに近いな」

 

「そう見たいね。と言うことはLV5ネクロの可能性があるってことよね」

 

LV5ネクロ。LV4とは比べられない戦闘力を持つネクロ。それが居る可能性があるというだけで緊張感が走る

 

「それでもなおこの世界に残ると決めた理由はなんだい?リーエ。正直な話この面子でも勝率は10%あればいいほうだよ」

 

私やアルハリムさん、それにペガサスさんにアシラさん。更にヴィルヘリヤさんとヴォルガンドさんがいたとしても勝てる確立は殆どない。だけど

 

「……もしLV5が居るとしたらこの世界には何かの秘密があるということです」

 

もしかするとペガサスさんの世界のようにネクロの秘密につながる何かの手がかりがあるかもしれない。その可能性がある限り何もせずに逃げるということは出来ないというと

 

「判った。確かに何もせずに逃げるというのは俺らしくない」

 

「そうよね。もしランドグリーズだとしたら前のお返しはしないとね」

 

ペガサスさんとアシラさんが騎士甲冑とBJを展開しながらそう言う

 

「LV5。いか様な力を持つか楽しみだ」

 

「私としては逃げたほうが良いと思うんだけどリーエがそう言うなら挑んでみましょうか」

 

にやりと好戦的な笑みを浮かべるヴォルガンドさんと仕方ないなあと言う笑みで笑うヴィルヘリヤさん。そして丁度そのタイミングで炎の柱が上がった。スザクが何かを見つけたようだ、LV5かそれとも遺跡なのかは判らないけど間違いない

 

「……イシュリさんは……「グルルル」準備万端のようですね」

 

ネクロモードになっているラビリルの背中の上にイシュリさんが居る。ラビリルの瞬発力なら逃走には何の問題もない

 

「行こう」

 

私も擬似甲冑を展開しスザクの上げた火柱のほうへと向かって飛び立ったのだった

 

 

 

 

(さっきの火柱はなんだったのかしら)

 

ネクロから逃げている最中に突然視界の隅で上がった炎の柱。私を追いかけてきていたネクロの攻撃ではないことは確かだけど、味方かどうかも判らない。必死に走りながら私は

 

(前にもこんな事があった様な気がする)

 

どこであったのかは思い出せない、もしかすると半ネクロになる前の記憶なのかもしれない。そんなことを考えながらちらりを後ろを見るネクロは走ってきているがまだ大分距離はある。これなら逃げ切れると思った瞬間

 

「そろそろ追いかけるのも飽きたな。殺すか」

 

ぞっとするような冷酷な呟きが聞こえたと思った瞬間。左肩にまるで焼きごてが押し当てられたような痛みが走る。視線を向けるとそこは魔力弾によって貫通し血が噴出していた

 

「うっあ!!!」

 

その事を認識した瞬間激痛が走り。足がもつれて転んでしまう、動けない私を見下ろしながらゆっくりとネクロが肩にショットガンを担いで歩いてくる

 

「たっく。ネクロになればよかった者を半ネクロになんかになっちまうから俺様に2回も殺されちまうんだぜ?ガキ」

 

にやりと笑い肩に担いでいたショットガンを私の眉間に押し付ける

 

「まぁ運が悪かったと思って諦めなガキ。てめえの魔力は俺が喰ってやるから心配せずに逝けや」

 

ネクロがゆっくりと引き金を引くのがやたらゆっくりに見える

 

(私死ぬのかしら……何も思い出せないまま?)

 

何かを忘れているそれは判る

 

どうしても思い出したいのにそれが思い出せない

 

(嫌だ……死にたくない!生きたい)

 

まだ生きていたい死にたくないと思った瞬間。黒い閃光が走る

 

「っ!てめえらなにもんだ!」

 

私の眉間にショットガンを当てていたネクロは横っ飛びでその閃光を回避し左足からもう一丁のショットガンを構える

 

「言わないと判らないか?お前の敵だ」

 

私の前にゆっくりと降り立ったのは私と同じ瞳孔が縦に割れた半ネクロが3人だった。1人はローブのような者を身に纏った紅い髪を持った私と同年代そうなネクロ。その隣に居るのは紫色の法衣を身に纏った妖艶ともとれる女性のネクロ。そしてその隣に居るのは大型の盾と槍を装備したフルプレートの騎士だった

 

「半ネクロがそれだけ集団で行動してるとわな。俺が眠ってる間にかなり数が増えたのかぁ?ええ”出来損ないどもが!」

 

ショットガンを向けるネクロに法衣を身に纏っている半ネクロが一歩前に足を踏み出して

 

「ボーヤ。あんまり強い言葉を使うと弱いってことを認めてるような者だと教えてあげなかったかしら?」

 

その女性の静かな声にネクロは少しだけ顔を歪めて

 

「てめ……なんで半ネクロになんかなってるんだ?ヴィルヘリヤ?」

 

「さあ?答える必要があるのかしら?ねえ?ヴォルガンド?」

 

「バアル・ゼブル。闘争本能だけの貴様がこうして生きながらえているとはな、大方強敵とは逃げていたのだろうがたいした物だな」

 

その挑発めいた言葉にバアル・ゼブルと呼ばれたネクロは

 

「言いやがったな。竜魔将……てめえになにがあったかは知らねえが、こうして半ネクロとネクロとして出会ったんだ。てめえらを殺すぜ。ロートルども」

 

さっきまでとは違う。空間がきしむほどの魔力を全身から放つバアル・ゼブルが両手のショットガンを私たちに向けた瞬間。私の脳裏にあの2人とは違う声が響いた

 

(離脱する。私のほうに手を伸ばせ。少し触れて居ればいい)

 

恐らくこの声は紅い髪の少女だ。少し手を伸ばせば届く……私は無事な右手を伸ばして少女の足に手のひらを当てた。これでいいの?と思っているとヴィルヘリヤと呼ばれたネクロが

 

「だから貴方は馬鹿なのよ。ボーヤ?どうして私達がボーヤの前に現れたかまだ判らないの?」

 

「あ”どういう……「こういうことだたわけ!」がっぐうう!?まだいやがったのか!」

 

バアル・ゼブルの背後に突然2人組みの男女が現れてバアル・ゼブルを一閃する。だがネクロのバアル・ゼブルは直ぐに体勢を立て直してショットガンを向けようとして

 

「ああ?身体が……鈍い……「虚影シャウト……これでお前は動けない」

 

影から伸びた触手の様なものがバアル・ゼブルを縛り上げる。それをやったのは小柄な少女な半ネクロだった

 

「とは言え影が消えるまで私達も手出しできないんだけどね」

 

そう苦笑した少女は紅い髪の少女に

 

「リーエいいよ。転移だ」

 

「判った。跳ぶぞ」

 

その少女の短い声がしたと思った瞬間。奇妙な浮遊感を感じたと思った瞬間私の意識は闇の中に溶けるように消えていったのだった

 

 

 

 

 

半ネクロの集団が消えてから数時間後。動けないはずのバアル・ゼブルは少しずつだが身体を動かし、その右拳を自身の足元に向けていた

 

「う。うおおおおおッ!!!!!!俺を舐めるなアアアアア!!!!」

 

魔力を開放し無理やり右手を地面に叩きつけ、俺を縛っていた影の鎖を地面ごと破壊する

 

「ぜー……ぜー……流石に魔力を使いすぎたか」

 

身体を縛っている影を破壊するのに大分魔力を使ってしまった俺は思わずその場にへたり込み息を整えていた

 

「くそが……なんだあのネクロの能力は」

 

影を使う能力を持ったネクロなんて聞いたことねぇぞ。半ネクロはそもそも出来損ないのはず、何故あんな能力を持った連中が居るんだとしたうちしながら立ち上がる。ネクロの回復力は半端じゃない、魔力の消費までは回復してないが体力だけは既に全快した

 

「とはいえヴィルヘリヤとヴォルガンドか……今のままじゃ駄目だな」

 

どちらもLV4としては最上位ネクロ。俺よりもはるかに強いネクロだった、何故半ネクロになっているかは判らないが何の準備も無しで挑んで戦える相手ではない。少なくとも魔力だけは全快にさせて漸く戦える。あの2人相手ならば

 

「あのクラスが更に4人。これは1人じゃ分が悪いな」

 

群れるのは好きじゃねぇが1人で戦えば負けるのは判りきっている……

 

「しゃーねえ。デクスでも連れてくるかな」

 

俺の転移に便乗して何対かのデクスが一緒にこの世界に来たようだからそれを連れてくるかと考えながら廃墟を歩いていると

 

「ん?こ、こいつは……」

 

廃墟の先にあった遺跡の内部に鎮座していた異形の群れ。複数のネクロをつなぎ合わされて作られた合成魔獣の姿が4体そこには存在していた。それは間違いなく

 

「キメイラのテストベットか」

 

あのマッド野郎「ヴェノム」が作っていた合成ネクロ。デクスの原型にして終着点「キメイラシリーズ」だ。しかも完全な姿で4体

 

「こいつはいいな」

 

命令を聞くような知恵はなく。暴れるだけだが十分に戦力になる、それにこいつらがキメイラシリーズならデクスやネクロとは比べられない生命力を持つ

 

「こいつらならヴォルガンドたちだって創簡単には倒せねぇはずだ」

 

キメイラシリーズはヴェノムしか作ることが出来ないだけあってその能力はLV4に匹敵する。半ネクロになって弱体化しているヴォルガンドたちでは一撃で倒すなんてことはできない筈だ

 

「その間にあのガキのコアを取り込めばいい」

 

戦えないネクロの癖にあんな膨大な魔力を持っているんだ。喰らえば間違いなく俺は更なる高みにいける

 

「もうでかい顔はさせねえぞ」

 

俺を危険視して封印しやがったLV4どもへの恨みはまだ俺の中に残っている。その恨みを晴らす機会をくれた運命とやらに感謝しながら

 

「ネクロにも神は居るってか?」

 

俺はそんなことを呟きながら凍結状態にあるキメイラの復活作業に取り掛かったのだった……

 

 

第50話に続く

 

 




次回はリッカさんとリーエ達の自己紹介をやって滅んだ世界の捜索をメインにやっていこうと思っています。あと判ったと思いますが「バアル・ゼブル」はデジモンのベルゼブモンがモデルです。判りやすかったといいんですけどね。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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