宵闇の使者【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はコラボの導入回になると同時に第3部への伏線を用意したいと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第70話

第70話

 

無数の世界と繋がる闇の世界。それはまるでフィルムのようにその世界の中心で眠る龍へと伸びていた。だがそのフィルムのような物を見ると気付くと、同じ世界だとしてもそれは微妙に細部が違っていた。

 

例えば

 

同じ場所を映していても、人の立ち位置が変わっていたり、性別が違っていたり……

 

ある世界では人に馴れたドラゴンであっても、ある世界では人に牙を向いたり……

 

そしてある世界では生きているが、ある世界では誰かを庇って死んでいたり……

 

闇の世界には全てがあると同時に何もなかった。だがそれと同時に過去・未来・平行世界の全てと繋がっていた。そしてこの世界と全ての世界を繋ぐもの……それはネクロだった。ネクロが見たもの、経験した全てはこの龍に元へと繋がっていた

 

(見える……全てが……)

 

傷付いた自身の体を癒しながら我は全てを見ていた。輪廻転生……全ての生命は何度も死に、何度も生まれ変わる……それは

 

(やはり生まれ変わっている……)

 

かつて我を戦い。我をこの場に封じ込めた忌まわしき者達もまた何百年……いや何千年と言う時を経て生まれ変わっている

 

(……今のままでは駄目だ……)

 

眠っているのに認識できる。そんな奇妙な物を感じながら我は全ての世界を見ていた。何の因果か我を封じた者達は存在を変え、生まれを変えてもなお。我が蘇る時間に全員が揃っていた……かつて程の力を持っていないとは言え……

 

(手を打つべきだ……)

 

前に我が蘇った時は1人しかおらず、楽に倒し今度こそ世界を終焉をもたらす事が出来ると思っていた。だが結果はこれだ……

再びこの世界に封じ込められ、しかも世界から悲劇を吸い寄せ、我が糧とする8枚目の翼を奪われた……だから我は理解した。蘇るのならば完全体になってからであり、そして我を倒す運命にある者を減らす事が重要なのだと……

 

(1人は既に押さえた。もう1人だ……もう1人……封じなければ)

 

今我が押さえているのは全てを知る者。残るは聖と邪の王・救世の王・聖光の女神・幼き英雄……聖と邪の王は問題ない、その相反する力は我の力でバランスを崩し、暴走させる事が出来る。しかし聖光の女神と幼き英雄はもっとも最初に転生を終え力を増している……いまこの状態で接触するのは危険だ。ならば我が狙うのは

 

(力が弱く、自身の力を理解していない……救世の王だ)

 

現代では十分すぎる力を得ているが、それは言うならば本来の力のほんの一欠けら……今ならばその力を奪う事が出来る……それに何の因果か全てを知る者は救世の王を手にしようとしている。ならば我が態々手に掛けるまでもない

 

(……ならばあの者だ)

 

今最も頻繁に世界を渡っている者……我が歪めたネクロマンシーの本来の力を使う事が出来るあの小娘……だ。

 

(あの者もとても良く似ている……)

 

我と直接戦った存在ではないが、あの容姿には見覚えがあった……直接我とは戦っていないが、用心に越した事はない

 

(今力を減らすのは得策ではないが……仕方あるまい)

 

羽を1枚切り離し、それに魔力を与える。すると急速にその翼は巨大化し魔力を溜め込みその姿を球体に変える

 

(さぁ……行けッ!!!)

 

球体とその姿を変えた我の分身はあの小娘が進む世界へと向かって行った……丁度あの小娘と共に歩く者達がおらず、あの小娘1人ならば楽に倒す事ができるだろう……我は再び目を閉じ眠りへ身体を癒す事に集中し始めた。ここから先はあの分身がその姿を作り、我の代わりに見てくるだろう。後はあの者に任せればいい……我は分身体からの報告を待ちながら、傷を治す事に集中するのだった……

 

 

 

 

オオオオオッ!!!!

 

闇夜の中に響く怨嗟の雄叫び。それは異なる世界で世界が生まれた時影として生まれ、闇である虚無であることを運命付けられた存在であった。既に意識はなく、恨みと絶望だけでその存在を維持している闇はそれでもなお自身の復活の時を待っていた。世界に闇がある限り、かの者は消える事無くいずれ蘇る事が決まっていた。だが力が足らず蘇る事ができずその場に留まり続けていた。しかしある世界から流れ着いてきた紙の束。それはデユエルモンスターズと呼ばれるカードであり、そしてこの闇が滅ぼされた世界の物でもあっただがそれはその世界のカードではなかった

 

(キキキキ)

 

(オアアアアッ!!)

 

そのカードの束からは何十にも重なる怨嗟の声が響き渡る。同じく世界に対する憎悪を持つ物同士が互いに互いを取り込もうと触手を伸ばしあう。力が均衡しているので互いに互いを取り込むことが出来ないでいると

 

『ウルオオオオオッ!!!!』

 

闇の世界から飛ばされ、ある世界に向かっていた闇の球体がカードの束ごと、そして闇ごと取り込んでいった……そしてその球体はある世界にたどり着くと同時にその体積を倍以上に巨大化させ

 

「ォ。オオオオオオオオオッ!!!!」

 

球体の中から巨大な爪が飛び出したと思った瞬間。その球体が弾け飛びその中から、闇その物のような巨大な龍が姿を見せた。その龍は理性を写してない瞳で周囲を見たとおもうと世界を揺るがすような咆哮をあげながら

 

「オオオオオッ!!ホロボセエエエ!スベテヲヲヲオオオオッ!!!」

 

何重にも何重にも重なっているかのような奇妙な声を発する龍の身体に徐々に色がついて行く。赤と黒が入り混じった奇妙な体色に加え、左右非対称の爪。そして読めない言葉を刻まれた金属のリングを2本身につけた龍。すると今までその狂気しか写してなかった龍の瞳に知性の光が灯る

 

「命を果たす……全てはあの方の御心のままに」

 

さっきまでの理性のない化け物の声ではなく、理性のある声静かにそう呟く。それは先ほどまでの理性のない化け物の声と違い、静かであるゆえの異常な恐怖を与えてきた……

 

「追いかける……あの娘を……」

 

その身体を地面に落ちていたカードの束の中に溶け込ませる。するとカードの束は明るいのに暗いという奇妙な光を放つとその世界から姿を消したのだった……

 

 

 

道路の上を走る1台の大型バイク。瑠璃紺の車体を持ち、虹色の輝きが車体を駆け巡っている。更に車体後部には加速力を得るためなのかメインスラスターが2基、更に主翼の後部にはスラスターベーンを2基ずつ装備していた。それはある世界では「D・ホイール」と呼ばれ「ライディングデュエル」に用いられる乗り物でも合った

 

「ん?何あれ?」

 

そのD・ホイールを走らせていたのは茶色い髪を肩幅でそろえた少女が何かを見つけ、D・ホイールを道路の脇に止めてそちらのほうに歩き出す。彼女の名は神埼遊梨。何の因果かリーエと同じく世界を放浪しながら元の世界に帰ろうとしている旅人だった

 

「デッキ?しかもエクシーズまである」

 

少女が拾い上げたのはデッキとそして15枚のエクストラデッキだった。嬉しそうに、でも少々怪しげにカードを確認している少女の脳裏に

 

『やめておけ、遊梨。そのカードは何か嫌な予感がする』

 

その声はこの少女が持つカードの精霊であり。強大な力を持つドラゴンでもあった……そしてそのドラゴンは少女が持つカードから感じる負の気配を感じ取りそう警戒したのだが、遊梨と呼ばれた少女は

 

「分かってる。でも私がそう簡単に乗っ取られる程の力はないよ」

 

遊梨と呼ばれた少女は自信満々にそう笑う。外見こそは少女だが、彼女もまたその身に邪神や地縛神と呼ばれる闇のカードの力を力づくで封じ込める事ができるだけの力を持っており。そのカードの持つ闇の力もまた捻じ伏せる事が出来ると思っていたのだ

 

「んー……また凄まじいシナジー。変に他のカードは入れられない……か」

 

そのカードは各カード同士のシナジーが極めて高く、それと同時にどんなプレイイングをしてもアドバンテージになる効果を持っていた。シャドールと呼ばれるカテゴリーと同じかそれ以上の性能を持っていた

 

「特に「ネクロ LV1」。墓地に送られれば回数制限もデメリットなしの自己再生。壁にピッタリだね」

 

カードの効果を見て少々引きながらも嬉しそうに言う遊梨だったが、カードの精霊達はそのカードに纏わり付くように存在している闇に眉を顰めていた。今はまだ力を抑えているが、遊梨の隙を窺っているように見えたのだ

 

「DTにダークシンクロモンスター。それにエクシーズに融合。面白いデッキだし貰っちゃうか」

 

デッキ一式ととして機能する事を確認してから。自分のデッキケースにしまい、再びD・ホイールに跨りエンジンを掛ける

 

「さーて。じゃあ次の世界に行こっか、クライス!」

 

自身の精霊にそう笑いかけるが、クライスと呼ばれたドラゴンは難しい顔をしたまま

 

『いやな予感がするんだがな、そのカードからは』

 

「そんなに不安なら万が一の時ちゃんとサポートしてよね」

 

遊梨は再びそう笑いD・ホイールのエンジンを掛ける。すると瑠璃色の車体は眩いばかりの光に包まれる。

 

「レッツゴー♪今度こそ帰れたらいいなぁ……ランダムだから多分無理だけど」

 

未知の世界を楽しそうに、でも帰れない事にある種の悟りを開く遊梨を乗せた走り出したD・ホイールは自身がまとう光を徐々に増させていき、一際強い光を放つと道路に炎の道を残し、その姿を消したのだった……

 

(私を支配する?その程度の力でやれるもんならやってみればいい。その時は……)

 

 

 

 

Dホイールが姿を消した頃。強烈な光と共に姿を見せるローブ姿の少女。リーエだ……

 

「……ここは?」

 

海底神殿に落ちていたカードを拾うと同時にあの世界から飛ばされてしまった。リーエは見たことのない世界に佇んでいた

 

「……随分と文明が発達している世界ですね」

 

何処かの学校だろうか?様々な大きさの建物が立ち並ぶその場所を見て歩いていた。リーエは案内板を見つけそちらに歩き出し

 

「……学園都市?それがこの場所の名前ですか?」

 

私はその案内板を見て首をかしげた。ここは一体どこの世界でしょうか?それに加えて心配事が1つあった……

 

(……ペガサスさん達はどうしましょう?)

 

海底神殿を1人で捜索した上に別の世界に飛ばされてしまった。恐らく私の事を探しているだろうペガサス達の事を考え、顔を青褪めさせたリーエは思い出したように

 

「……そうだあのカード。ってない!?」

 

この世界に来る原因になったカードを取り出そうとして手元にない事に更に困り顔になったリーエは、暫くその場で頭を抱えていたが、今時分にできることは何とかしてペガサスさん達がいる世界に戻る事だと判断し方向性を決めた所で気づく

 

(見られてる!?物凄く見られている)

 

今まではそんなに気にしていなかったが、普通に世界でローブ姿と言うのは余りに目立ちすぎる。その事に気付いた私は

 

「……と、とりあえず!もとの世界に戻る方法を考えましょう」

 

そう呟き周囲から見られていることに気付いた私は、慌ててかぶっていたフードを脱いで、その炎のような紅い髪を肩の後ろに流す。怪しい人物と見ているような視線はなくなったが、変わりにぼーっとした様子で自分を見ている少年達に少し早まったかな?と後悔しながら暗記した学園都市の地図を思い出しながら、とりあえず人のいない場所に目指して移動しながら

 

(……とりあえず周囲の捜索をすることにしましょう)

 

今この場所に留まったとしても落ち着かない。とりあえず誰もいないところに移動して、私がこの世界に来た理由と元の世界に戻る方法を考えようと思い私はゆっくりとコンクリートの上を歩き出したのだった……歩きながら周囲を観察して

 

(魔力も感じますね。ここは魔法に関する世界でもあるんでしょうか?)

 

この世界から感じる魔力に首を傾げながら、人がいないであろう場所を目指して歩き出したのだった……

 

第71話に続く

 

 




D・ホイール・デッキ・学園都市。それが今度のコラボのキーワードとなります、どの作品とコラボするのか楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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