宵闇の使者【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は互いの情報交換の話になります。女子同士と言うことでガールズトークみたいな話が出来るといいなあと思っています。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


第72話

 

 

第72話

 

リーエをエターナル・エクストリームの後ろに乗せて、少し進み。木々が密集している場所を見つけて

 

「うん。ここで良いか」

 

私がそう呟くとリーエは首を傾げながら

 

「……人がいないところを探していたんですか?」

 

「違う違うちょっと見ててね」

 

エターナル・エクストリームから降りて1番大きな木に手を当てて

 

「家になれ」

 

私の能力の1つ「物質変換」必要な質量と場所さえあれば大体の物は作り上げる事が出来る。今回は家の材料としての木を探していたのだ。私の能力によって木は一箇所に集まり徐々にその姿を家へと作り変えていく

 

「はい。完成っと♪まぁ上がってよ」

 

家の中に入りながら言うとリーエは苦笑しながら

 

「……色々と見ましたが、これは極めつけですね」

 

「自分でも思うけど、便利だからいいでしょ?お茶でも入れるからさ?家の中で話をしようよ」

 

私はリーエにそう声を掛け、2人で家の中に入るのだった……

 

「ふーん。色々なロボットの居る世界か……そう言うのは行った事ないなあ」

 

家を作ったときに一緒に変換された煎餅を齧りながら言うと

 

「……そうですか。私は結構多いんですけどね」

 

煎餅を手で割って口に入れるリーエ。なんだろう、女子力で若干劣っている気がするんだけど

 

『若干所か大分劣ってるだろ?お茶入れてくれたのもリーエだぞ?』

 

クライスの突っ込みに小さくうるさいと怒鳴る。蒸らしも何もかも完璧な緑茶を飲みながら

 

「お茶入れるの上手なんだね?」

 

茶柱が立っている緑茶を見ながら尋ねるとリーエは

 

「……本当は紅茶の方が得意ですよ?」

 

これはあれだろうか?緑茶で良かったと思うべきなのか?それとも物質変換で紅茶の葉を用意するべきなのだろうか?と真剣に悩んだ物の、これ以上女子としてのプライドをへし折られるのは嫌なので

 

「リーエも旅をしてるんだよね?誰を探してるの?」

 

態々旅をするという事は会いたい人がいるんだろうと思い尋ねると

 

「……私を私にしてくれた人でしょうか?」

 

煎餅を小さく割りながら言うリーエ。今ならば反撃できると思い

 

「好きなの?」

 

バキッ!!パラパラ……

 

煎餅が完全に粉砕されて粉になったこれは間違いなくダイレクトアタックに成功した!

 

「……遊梨さん。そろそろネクロの話をしましょうか?」

 

「え?聞かせてくれ「バキッ……サラサラ……何か仰られましたか?」イイエ……なんでもありません」

 

その異常なまでの目力に私は地雷を踏み抜いた事を理解して、思わず敬語になってしまうのだった……

 

「色んな世界に現れる悪性の魔法生物かぁ……私はあったことないよ?」

 

リーエの話を聞く限り色んな世界にいるらしいけど……私は全然会った事がないというと

 

「……様々な世界に現れますが、ネクロにはネクロの目的があって動いています。恐らく遊梨さんの進んでいる世界にはネクロの目的にするものがなかったのでしょう」

 

「そういう物?と言うかネクロの目的って何?」

 

私がそう尋ねるとリーエはうーんと唸りながら

 

「……流石にネクロの目的までは知りません。ただ力ある魔導師や犯罪者。それにロストロギアの回収を主にしているようなんですけどね」

 

力ある魔導師に犯罪者?……私は少し考えてからネクロのデッキのカードを1枚取り出して

 

「これ犯罪者?」

 

魂とかを素材にしているというのだから、もしかしてこれも?

 

「……かもしれないですね」

 

あんまりそう言うのは気にしないけど、あんまり良い気分はしないかな……まぁ強いからいいけどさ……私はそんな事を考えながらリーエの入れてくれた緑茶を啜るのだった……

 

 

 

 

 

緑茶を飲んでいる遊梨さんは湯飲みを机の上において

 

「それでどうしてリーエはここに来ちゃった?仲間と一緒だったんじゃないの?}

 

そう尋ねられた私は頬をかきながら

 

「……前にいた世界には海底に続く不思議な遺跡があったんですよ。そこの中にあったカードを拾ったらここに飛ばされてきてしまいまして」

 

自分らしくない事をしたと思いながら言うと遊梨さんは少しだけ呆れた顔をして

 

「でリーエがここに来ちゃったのは海底神殿にあったカードを拾ったなの?」

 

「……ええ」

 

「馬鹿じゃないの?」

 

「……反省しています」

 

軽はずみな事をしてしまった結果がこれ……あの世界に残っているペガサスさん達はどうなってしまったのでしょうか?あの世界からここに来たということは何とかして戻れるとおもうのですが……

 

「まぁ私もよくカードを拾うからなんともいえないけどね。ネクロのカードとか全部それだし」

 

遊梨さんが強いから大丈夫だったけど、もしこれが一般人だったら取り込まれるか操られるかしてますね……煎餅を摘んで齧っていると

 

「お兄ちゃん私についてなんか言ってた?」

 

期待とかが込められたきらきらした目をしている遊梨さん。私はその目にとても見覚えが合った

 

『兄ちゃん♪兄ちゃん♪すきー♪』

 

その目は完全にはやてさんと同じ目をしていた、終夜さんから聞いていた超ド級のブラコンと言うのは嘘じゃなさそうですね

 

「……特には何も?探しているとは言ってましたけどね」

 

「だろうね。そう言うと思った」

 

少し残酷な事を言ったが遊梨さんは落ち込まず当然だと言った。

 

「だってお兄ちゃんは私達が絶対死なないって考えているからこそその言葉が出るんだよ。私も探してはいるけど特に心配はしていないし」

 

遊梨さんは終夜さんの考えを寸分の狂いもなく当てていた。お互いこう考えているという事は余程強固な信頼関係で結ばれているに違いない。龍也様とはやてさんと同じだと思いながら、私は最後の煎餅のかけらを頬張りお茶を啜りながら

 

「それじゃあ夕食の買出しにも行きますか?」

 

「物質変換で作れるけど?」

 

遊梨さんに逆に尋ね返された私はジト目で遊梨さんを見て

 

「……元が木って思って食べるのは中々きついとおもうんですよね?お金はあるんですし普通に買い物に行きません?リクエスト聞きますけど?」

 

「……なんでも?」

 

キラリと一瞬目が光った気がした、それにその表情はスバルさんとかに通じるものがあり、私は自分の失敗を感じ直ぐに

 

「……訂正します。作れるものならです、あと予算で」

 

「OKッ!久しぶりに中華食べれるねー♪」

 

楽しそうに笑う遊梨さんの後ろを歩いてログハウスを後にしながら

 

(……どうしてネクロがカードに封じ込められていたのでしょうか?)

 

あの時遊梨さんが召喚していたのはどれもこれも倒されたネクロばかりだった……

 

(話に聞いていただけのネクロも居ましたね)

 

ノワールやストレイツォはかなり前に倒されたネクロとしてデータベースにこそ乗っていたが、詳細は一切書かれていないネクロだった。最上位レベルならまだしも下位レベルを態々記録する必要はないからだ……

 

(……考えられる可能性は2つですね)

 

遊梨さんの持つネクロのカード。それが生まれた可能性は2つある……

 

「リーエ?行くよー?早くしないと夜になっちゃうよー?」

 

大型バイク(エターナル・エクストリームと言うらしい)に跨っている遊梨さんに

 

「……今行きます」

 

1度考え事を中断して瑠璃色のバイクを見て、私はローブのフードをかぶった

 

「あれ?なんでフード?」

 

「……日差しが強くなる時間帯ですし、目を隠すためですよ。ずっと魔力を使っているのも疲れるので」

 

私がそう言うと遊梨さんは納得したように手を叩き

 

「そっか、左目だね?」

 

ペガサスさん達は両目の瞳孔が割れているが、私は左目だけだ。フードで隠せば気にならなられないのでちょうど良い。それに

 

(……顔を隠せますから)

 

瑠璃色・車体を走る光・そしてブースター。とてもよく目立つ、と言う変わる目立ちする。これに乗るならフードをかぶっているほうがマシです……私は心の中でそう呟き遊梨さんの後ろに乗り込んだのだった。そういえば昔龍也様のバイクに一緒に乗りましたね。その時はサイドカーでしたけど……何か懐かしい物を感じていると

 

「レッツゴー♪」

 

「……そっち道ないですよおおおおッ!?」

 

遊梨さんのバイクの運転はかつての龍也様と同じくらい荒っぽいもので私は少し選択を間違えたのかと後悔するのでした……

 

「うん。美味しい、特にこの干物を使ったスープ。この魚何?」

 

買い物を終えて戻ってきた私は泊めてもらう事のお礼として、遊梨さんのリクエスト通り中華をメインに作ったのですが、色々と貯まっていた干物もあったのでそれで海鮮スープを作ってみたんですが、結構気に入ってくれているようで何よりです

 

「……さぁ?何処かの世界で吊り上げた魚ですね」

 

「大丈夫なの?人間が食べて?」

 

不安そうな顔をしている遊梨さん。私は自分で魚を齧りながら

 

「……大丈夫ですよ、今まで特に何もありませんでしたから」

 

白身なのに脂がたっぷり乗っている。その味は魚と言うよりかは牛肉に近い。だからから揚げにして中華餡を掛けて見た

 

「うん。美味しいけどね?この中華餡もだよね?」

 

「……そうですよ?」

 

遊梨さんは野菜と一緒にから揚げを頬張り。うんうんと頷きながら

 

「美味しい♪」

 

「……喜んでもらえて何よりです。デザートに中華団子とゼリーを用意してるので」

 

「わお!それは楽しみだね!」

 

美味しい美味しいと良いながら料理を頬張っている遊梨さん。普通に半ネクロの私の倍くらい食べてますね、もしかすると力を使うのに相当量のカロリーを使うのかもしれないですねと思いながら、チンジャォロースを頬張るのだった

 

「んー凄く美味しかったよ!明日は白味噌の味噌汁がいいな!あと干物!」

 

デザートの団子とゼリーを食べつくしてから言う遊梨さんに

 

「……判りました。明日はそれで行きましょうか。さてと……ネクロのカードを見せていただけませんか?」

 

そう尋ねると遊梨さんは笑いながらOKといってデッキケースを取り出してくれたのですが

 

「ええ!?中身がないよ!?全部」

 

デッキケースの中に残っていたのは数枚のカードと白い砂だけだった。ショックを受けている遊梨さんに

 

「……やっぱりですね」

 

私の予想とおりになったと思い呟くと遊梨さんは

 

「この結果ってもしかして予想とおり?」

 

「……半分くらいはですけどね?恐らくこの世界には相当強い力を持っているネクロがいるのでしょう。カードにネクロの力を封じ込めてこの世界にばら撒き拾った人間を吸収するつもりだったんでしょうね」

 

力を回復させるためか、それとも進化するためかは判りませんけどね?と付け加えると

 

「じゃあこれ偽者?」

 

「……オリジナルがあると思いますよ。多分」

 

いくらネクロでも出来る事と出来ない事がある。いくらなんでも完全に0からあれだけのものを作るのは難しいだろうと思いながら言うと

 

「よっし!じゃあオリジナルを見つけたら私に頂戴!」

 

何と言うかたくましい人ですねと思い苦笑しながら

 

「……判りました。約束しますよ、ですがその前に1つだけ約束してくれませんか?」

 

なにを?と首を傾げる遊梨に私は

 

「……多分この世界には相当力の強いネクロが居ると思います。もしかすると私1人では倒せないかもしれません……「OK!手伝うよ!任せておいてよね!だからカードはよろしく!」

 

にこっと笑う遊梨さん。慎重すぎる私とは違って無理にでも自分の道を作る人なんですねと苦笑しながら

 

「……どれほど一緒かは判りませんがよろしくお願いします」

 

「ええ。よろしくリーエ♪」

 

互いに手を握り返しそう笑ったのだった。この世界で何が起こるか判らない、だけどきっと何かの意味があるはずなのだから……今までずっと来た世界には何かの秘密があった。きっと今回もそうに違いないのだから……

 

 

 

リーエと遊梨が眠りに付いたころ。この世界の裏路地。スキルアウトと呼ばれる人間が集まる所では……

 

『闇に沈むが良い』

 

「「「う、うわああああああ!?!?」」」

 

左右非対称の翼を持つ、山羊の頭部を持つ異形がそのローブを引きずりながら手にしたカードに片っ端から人間を取り込んでいた。

 

『まだ足りぬ……もっと絶望を……』

 

山羊の頭を持つ異形は闇から闇を渡り歩き、スキルアウトを大量にカードの中に閉じ込めた。後に大量失踪事件として学園都市の新聞の一面を飾る事になるこの事件は、当初スキルアウトが行方不明と言うことでそんなに気にされていなかったが、後にジャッジメントも失踪をはじめ注目を集める事になるのだった……

 

 

第73話に続く

 

 




次回はネクロの視点からのスタートで行きたいと思います。最後の山羊の化け物とカードが最大のヒントですね。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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