それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
第75話
蒼い光に包まれている。それは今私が求めてやまない物だった
(……暖かい)
まるで日の光の中に居るかのような温もりが私を包んでいる。どうしてカードから龍也様の魔力が出てきたのかは判らない、だけどこれほど安らいだのはいつ振りだろうか
「これは……」
蒼い光の中に浮かんでいるブレスレット。それを見て私は驚いた
「どうして……」
私が右手首につけているブレスレットと同じデザインだ。これは龍也様が私がネクロの魔力をコントロールし易い様にと作ってくださったブレスレットだ。如何して同じデザインの物が?これも龍也様の作った物なのだろうか?ゆっくりと手を伸ばすと
「え?」
乾いた音を立てて砕け散り、カードになる。そしてそのカードからは蒼い光りが飛び出し、私の身につけているブレスレットに吸い込まれる。すると赤の魔力石がその色を蒼色へと変える
(……魔力が上がっている!?)
さっきの攻撃を防ぐのに消費したはずの魔力の大半が回復している……驚きながら浮かんでいるカードをポケットにしまう。それと同時にブレスレットから光りが溢れ出し
『あーこれを見ているということは私の想定していた最悪の事態の1つ。魔力の暴走により私の世界からリーエが旅立ってしまったという事になるとおもう』
その光は龍也様の姿になる。龍也様は頭をかきながら言葉に悩んでいるような素振りを見せたものの
『ヴェノムの話ではリーエの力は最上級のLV4に匹敵するらしく、幼いリーエには危険と言う事で封印をした。それと揃いのブレスレットを幾つか作りランダムに平行世界に飛ばした。それにより封印が解除されるはずだ』
用意周到と言えばいいのだろうか?龍也様は慎重な方だから
『今までと大分魔力の感じが変わるはずだ、扱いは慎重にな。それとブレスレットの下に赤の魔力石があるはずだ』
そう言われて手首を返すと確かに赤の魔力石が埋まっている
『それを押せばまた封印状態に戻るので覚えておく事』
これはありがたい機能だ。アークから逃げる事を考えれば魔力は少ないほうがいいから
『それと……まだ私はお前を見つけれてないようだな。だが必ず見つける。それまでは元気で過ごせ、そして願わくばリーエがこの画像を見ないことを切に願う』
龍也様の姿ガ消えてしまった事に切ない気持ちになるが、直ぐに頭の中を切り替え全身に魔力を纏わせると
(これは!?想像以上の……)
どんどん魔力が上昇していく既に前までの私の魔力は越えている。それに背中の翼も2枚から4枚に増えてより鋭利で大きな翼になっている
「いっけえええッ!!!!」
全身に溜まった魔力を開放し、この空間の外にいる。ズィード目掛け魔力波を放ったのだった
急に空間が爆発し周囲を大きく揺らす、驚いてカードを落としかけたが何とかそれを耐えて上を見て
(サ、サイフラッシュ!?)
風の魔装鬼神「サイバスター」のサイフラッシュかと思うような、強烈な赤と黒の混じった魔力波が学園都市の上空を焼き払い
『ぬ、ぬおおおおお!?』
ズィードを弾き飛ばした魔力波の中から4枚の蝙蝠の翼を羽ばたかせ、リーエが両手に剣を持って爆炎の中から飛び出したリーエガズィードに切りかかって良くリーエを見ていると
「熱ッ!?……やっと来たか」
手の中のカードが強烈な熱を放つ為、氷結界の力で指を冷ましながらカードを見る。すると
(絵柄が浮かんできた!これは……)
4枚の白紙のカードに絵柄浮かび上がりそれは全て魔法カードだった。その効果に目を通し私はにやりと笑った
(行ける!このカードなら勝てる!)
頭の中でカードが浮かび上がり、それが光りの道となり次々とカードを呼び出していく……
「私は手札から魔法カード「未来同調」を発動!手札の「チューニングサポーター」そして墓地の「ドリルウォリアー」除外されている「クイックシンクロン」をデッキに戻しシンクロ召喚を行う!この効果で選択したクイックシンクロンは通常チューナーとして扱うためデメリットは無くなる、そしてデッキに戻した「チューニングサポーター」と同じレベルとして扱う!世界に危機が訪れし時、全てを喰らう龍がその姿を表す。その力で世界を導け!シンクロ召喚!現れよ、クライシス・ドレイン・ドラゴン!」
『とんでもないシンクロ方法で呼び出してくれるな!』
文句を言いながらクライスが姿を見せる、漆黒の身体を持つクライスが咆哮を上げる
クライシス・ドレイン・ドラゴン ATK2700
『何をしてくると思いきや、その程度で我が邪竜を「誰がこれで終わりなんて言った!更に魔法カード「ERUM(エクシーズチェンジランクアップマジック)セイバーフォースを発動!フィールドのクライイス・ドレインドラゴンを除外し、オーバーレイネットワークを亜構成する!世界の破壊と創造をその身に宿す神龍よ!今ここに姿を見せろ!ランクアップエクシーズチェンジ!」
クライスがエクシーズのときに表れる渦の中に飛び込むと、強烈な光が放たれ、黄金色の輝きの中から生まれ変わったクライスが姿を見せる
EXNO.X 救世創破龍 クライシス・クリエイト・ドラゴン ATK4000
(おお!?金ぴか!悪趣味な事で……ヨヨヨ)
(うるせえ!俺だって好きなこんな身体になったじゃねえ!泣くフリをするな!)
ぶっちゃけ12枚の翼と金色の身体が眩しくてしょうがない。まあよくある事かな?
「そして相手フィールドの「シンクロ」「ダークシンクロ」「エクシーズ」1体に付きエクシーズカウンターを1つ乗せる!あんたのフィールドにはフェアデルプス・ヘイムダル・アルミラエル・ドラグレイパペットの4体のダークシンクロモンスターが存在する!よって4つのエクシーズカウンターを載せる!
EXNO.X 救世創破龍 クライシス・クリエイト・ドラゴン エクシーズカウンター0→4
「そして更にフィールドのバブルマンをリリースして魔法カード「鏡写しの同調」を発動!デッキからリリースしたモンスターと同じレベル以下になるようにデッキからチューナーモンスターを2体特殊召喚する!そして除外されている「クライシス・ドレイン・ドラゴン」を特殊召喚しシンクロ召喚を行う!」
『馬鹿な!貴様どこでそのカードを手に入れた!そのカードは八神龍也の』
「ちょっとパクって来た!案外隙だらけだったから余裕!デッキからレベル1の「アンノウンシンクロン」レベル3の「ジャンクシンクロン」を特殊召喚し、ダブルチューニング!全てを喰らう竜が紅蓮の魂を得た時、熱き魂が燃え上がる、その魂で敵を焼き払え!シンクロ召喚!紅蓮と共に現れよ、「クライシス・ノヴァ・ドラゴン」!」
真っ赤な嘘を吐きながら紅蓮の炎を纏いクライシスが進化する。それを見たクリエイトとになっているクライシスが
(中身がない。やっぱり形だけか)
「この効果で呼び出したモンスターの効果は無効になる!だけどクライシス・ノヴァ・ドラゴンの攻撃力は3600!充分すぎる!」
クライシス・ノヴァ・ドラゴン ATK3600 効果無効
『たった2体、我のモンスターを全滅させる事は「まだまだ!クリエイト・クライシスドラゴンの効果を発動する!エクシーズカウンターを任意の数取り除き。エクストラデッキから効果を無効にしてモンスターを特殊召喚する!私は3つのエクシーズカウンターを取り除きエクストラデッキから3体のドラゴンを特殊召喚する!」
赤・緑・茶色の光りが浮かび上がりそこから3体のドラゴンが飛び出してくる
「現れろ!クライシス・フレイム・ドラゴン」!クライシス・ソニックドラゴン」!「クライシス・ロックドラゴン」!
クライシス・フレイム・ドラゴン
クライシス・ソニック・ドラゴン
クライシス・ロック・ドラゴン
「このカードで特殊召喚したモンスターは効果こそ無効になるけど、その攻撃力は4000になる!」
『なにい!?』
さすがの化け物も顔色を変える。私のフィールドには攻撃力4000のドラゴンが4体に3600が1体。完全なオーバーキルだ
「そして速攻魔法!「聖王の魔力」!相手フィールド・手札・墓地の全てのカード効果を無効にする!」
虹色の魔力がフィールドを多い尽くすと4体の邪竜を覆っていた光が消え、ダークネスの手札も石化したように色がなくなる。……えっぐい効果だ事で。
『居なくとも我らに邪魔をするというのか!八神龍也!!!』
「あんな馬鹿野郎の事なんか知るか!消えろ!「エクストリーム・ブレイズ・フォース」「フレイム・アサルト・ファイヤー」「ブラスト・ロック・バースト」「クライシス・ミラージュ・ソニック」「クリエイトバースト」!!!」
炎が岩が光線がダークネスのフィールドを蹂躙し、ダークネスの姿を掻き消す。
「私の勝ち!やりい!」
(いつも通りのオーバーキルだな、おい……)
呆れたようなクライスの言葉を無視し、落ちているネクロのデッキを拾う。そしてデッキに残っている意識を上から塗りつぶして消し飛ばす。これで完全に私の支配下になる。
(拾うんかい!!!)
「だって強いしいいじゃん。もう悪い気配もしないしあったって消し飛ばしたからOK。それに何よりまだ終わってないしね」
上空では激しいどんぱちが行われている、しゃーない、ここは手伝いに行くべき物だろうね。
「クライス!行くよ!」
「おう!」
具現化したクライスの背中に捕まり、私も上空へと舞い上がったのだった……ここからはカードゲームじゃない別の戦いの始まりだ。カードの力は使うけど。兎も角今は仲間なリーエの手伝いをしないと……私はそれだけを考えて上空へと昇る。
この小娘に何があった……我は急に強くなった小娘の事を観察していた。半実体の翼は完全に具現化し、その機動力を爆発的に上げ
「はっ!!!」
2振りに増えた剣は簡単に我の障壁を切り裂き本体を目指してくる。正直言って信じられないパワーアップだ
(あの魔力光は確か……)
生み出されたときの事前情報で知っていたのだが、あの魔力光は神王の称号を継いだ人間の魔力光と同じ色のはずだ
(何かの自体をトリガーに発動する仕掛けをしていたのか)
我はこのままでは勝てないと確信した。仕方ないな……
『カアァァァッ!!!!』
咆哮と共にネクロの魔力だけではなくもう1つの魔力を開放する
「!?馬鹿な!?」
動揺し距離を取る小娘。その目は驚愕に染まっている、我はくっくっくと喉を鳴らしながら
『ナニを驚ク事がアル?これもタダのまりょくにスギナイ』
我の爪を覆っているのは虹色の魔力。聖王の魔力と呼ばれる特殊な魔力だ、そしてネクロにとっては猛毒つまり
(我にとっては猛毒だ。お前にとって同じようにな)
既に身体の中が崩壊しているのを感じる。もうあと何分も存在する事も難しいだろう……だが主に与えられた使命を果たすには充分すぎる時間だ
「何でお前が聖王の魔力を使える!」
これを使えるのはベルカという王国の人間だけ、動揺するのは無理もないが、そんな話をしている時間はない
『コタエル義理はない……さァカクゴしろ……この力はオマエにとってもどくぞ!』
素早く爪を振るい魔力の刃ととして飛ばす。小娘は顔色を変えてその爪を回避するが
『カアアアアッ!!!』
回避した先を目指して電撃のブレスを吐き出す
「くうっ!!」
障壁をピンポイントで張りブレスを受け流す小娘。中々器用な真似をしてくれる、だがこれでは駄目だ。もっとあの小娘の力を見なければ意味がない
『キタレ雷、千の悪意となりて降り注げ!!!』
漆黒の雷が詠唱の通り千の刃となり小娘に降り注ぐ
「!?それなら!」
小娘は手にしていた剣を投げ捨て、魔力で巨大な鎌を作り出し魔力刃を飛ばす。すると雷は完全に消え去った
(魔法に対する高い除去能力……まだ引き出しはあるな……もっとだ)
我はあの小娘の力を見極めなければならない、ダークネスとかいう別の世界の存在はすでに魔力の痕跡も残さずに消え去った。下のほうから近づいてくる膨大な魔力を感じながら、右手のネクロの魔力。左手に聖王の魔力を発言させ
『サァカクゴシロ……ココカラガ……ホンバンダ!!!』
我はそう叫び両手の魔力を刃の形にし小娘へと繰り出した。もう我と言う存在は存在しない、今ここのあるのはあの方の端末としての我。
(ココデワレハシヌ。だが……ワレガミタスベテハ……ワガアルジ……コクリュウオウサマのタメニ)
我はそれだけの為に作られた人形。ならば人形としての本懐を果たすだけ、雲突き破り姿を見せたドラゴンを睨み
『グオオオオオッ!!!!』
もう意味のある言葉を喋る事のできない我は、全身とその雄叫びに殺意を乗せて小娘どもを睨むのだった……
第76話に続く
次回で戦闘は終わりです。ネクロなのに聖王の魔力を使えるネクロ。そして黒龍皇すべては繋がっていく予定ですので、どうなるのか?楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします