宵闇の使者【凍結中】   作:混沌の魔法使い

81 / 96
どうも混沌の魔法使いです。今回はリーエサイドの話をしていこうと思います。小動物のネクロが活躍する予定です
それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第80話

 

第80話

 

海中遺跡を調べている際に突然発生した空間に引きずりこまれ、私は気が付いたら森の中に居た

 

(強制転移なのでしょうか?)

 

女性の姿を見たような気もしますが……それよりも今は私1人と言う状態だ。ネクロに襲われる可能性を考えると単独行動は良くない。ペガサスさん達を探さないとと思っていると

 

「ニャー」

 

「キュー」

 

「……探しに来てくれたのですか?」

 

ラビリルを抱えて飛んでいるスザクを見ると、2匹は正解と言いたげに

 

「ニャーン♪(尻尾フリフリ)

 

「キュー♪(ラビリルを抱えたまま1回転)

 

正解のようですね。私はローブについたほこりを払ってから

 

「……ペガサスさん達は?」

 

「キュウ!」

 

短く鳴いて移動を始めるスザク。プラプラと揺れているラビリルの尻尾に目が行ってしまうのを感じながら森を歩いていると

 

「リーエ。良かった……近くに居たのね」

 

「スザクが飛んで行ったから心配ないと言っただろう?」

 

アシラさんとペガサスさんに出迎えられる。アシラさんの足元では

 

「♪♪」

 

「むいいい。むいいいいッ!!!」

 

イシュリさんがカエデの頬を引っ張って遊んでいる。間延びした声に反するように手をばたばたさせているカエデ

 

「む……うーむ。小さい子供は苦手だ。なんと言えばいいのやら」

 

止めようとしてどうしようか悩んでいるジオさん。最終的にカエデが

 

「ガーウ!」

 

「!!二パー♪」

 

イシュリさんを持ち上げる。イシュリさんはその事に笑みを浮かべているが、カエデは

 

「ガ、ガウうう……」

 

重いのかふらふらしてる。イシュリさんは確かに小柄ですけど、カエデからすれば大きいですからね

 

「……イシュリさん?駄目ですよ?」

 

カエデの手からイシュリさんを抱き上げるとカエデは

 

「ガーウ……」

 

疲れた様子でへたり込んだカエデはジオさんに抱っこされている。私はイシュリさんを抱えたまま、周囲を確認して

 

「……ヴォルガンドさんとヴィルヘリヤさんは?」

 

「あの2人は周囲の確認をしている。基本的にそう言うのが得意らしいぞ?ヴィルヘリヤは」

 

切り株に座っているペガサスさんがそう言うが、私は1つ不安に思うことがあった

 

「……子供を追いかけるのでは?」

 

「それをしないための監視役がヴォルガンドだから心配ないわ。それにこの周囲は森ばかり、人の姿は見えないから心配ないわ」

 

ヴォルガンドさんにばかり負担が行ってる気がするけど、私達の言うことは殆ど聞いてくれないから仕方ないか……

 

「……アルハリムさんは?」

 

「にゃーお……」

 

沈んだ鳴声のラビリルを見てまさかと思い、ペガサスさんとアシラさんを見ると

 

「近くにアルハリムの魔力の反応はない……だから隠密行動に特化しているヴィルヘリヤが行っている。もうじき戻ってくるんじゃないのか?」

 

しかし、この世界の情勢が判らない以上むやみに歩き回るわけにも行かない。待つのが1番正しいはずだ

 

「リーエも合流したのね、良かった。近くにアルハリムの気配はないけど、少し先に神社があるみたい。そこので情報を集めるのはどうかしら?」

 

神社ですか……少し考えてみる。龍也様が言うには神社は神聖な場所だとか

 

「……半ネクロって神社大丈夫ですかね?」

 

私がそう言うとジオさんヴィルヘリヤさんと言ったクラナガン組みは首を傾げたが……

 

「考えた事はなかったな。神社・仏閣は大丈夫なのか?」

 

「一応悪霊の一種なのよね?」

 

もしかして神社に入れないのでは?いや、どうなんだろう?うーむ

 

「……とりあえず行ってみましょうか?」

 

ここであーだこーだはなしていても意味がない。とりあえず神社を目的地に移動してみよう。アルハリムさんも神社のほうに来ているかもしれないですね、私はそう考えイシュリさんを背中に背負いゆっくりと歩き出したのだった……

 

 

 

 

リーエが言うには悪霊は神社に入れないらしい。俺達は小声で始めて知った事実を話し合っていた

 

(大丈夫なのか?)

 

(さぁ?)

 

(半分人間だから大丈夫じゃないでしょうか?)

 

うーむ。どうなのだろうか?信仰している物が違うから大丈夫なのだろうか?一応俺もベルカの生まれで信じていた神とかも居るが

 

(なんだったか?)

 

ネクロとして行動していた記憶が強すぎて思い出せない。何かの神を信仰していたのは間違いないはずなんだがな

 

「ガーウ!」

 

考え事をしていると勇ましいカエデの声が聞こえ、それから少し遅れて鈍い音が響く

 

「キュー!」

 

「ガウガウ!!」

 

どうやらカエデが気に頭突きをして木の実を取っているようだ。そしてディエチが作ったカエデ専用のリュックにスザクが詰めている。いつの間にかとても仲良くなっているようだ

 

「キュー♪」

 

スザクが俺達の手元に木の実を落としていく。食べろという事か……

 

「美味しいよ?」

 

既に食べているイシュリがリーエの背中の上から俺達を見て言う。小柄の上に感情表現が苦手だから幼い印象を受けるが、アシラの話では14歳らしい……

 

(しかも魔法生物か、何の種類かは知らんがな)

 

スザクに渡された木の実を齧りながらイシュリの事を考える。人の姿をしているが、その実魔力量はとんでもなく多い。純粋な人間じゃない事も判っている。恐らく人型の魔法生命体なのだろう、人型の魔法生命体と言うとその種類はかなり少ないが……俺の記憶ではイシュリと同じ種族は知らない。もしかするとアシラの世界特有の固体なのかもしれないな

 

「ここを通るけど、リーエとイシュリは気をつけてね?結構やばいから」

 

リーエ達の後ろからヴィルヘリヤがそう声を掛ける。やばい?一体何が?

 

「「「!?」」」

 

強烈な気配に俺を含めた全員の顔色が変わる。スザク達も

 

「クウゥウッ!!!」

 

「グルルルル!!!」

 

「ガウッ!!!」

 

目の色を変えて戦闘態勢になっている。イシュリだけは何がなんだか判らないという顔をしている

 

「とんでもない残存魔力だな。何者なんだ?このネクロは?」

 

ペガサスが周囲を警戒しながら呟く。俺達の進む先は強烈なまでのネクロの魔力の残り香が残っていた。その密度は正直言ってネクロとなっていた俺よりも遥かに濃い

 

「周囲にネクロの気配はないわね。随分前に通った魔力の後がまだ残っているわけね……」

 

「下手に近づかないほうがいいわよ?これはもうのろいのレベルにまで昇華してるわ。私達でも触れると危ないわよ」

 

ヴィルヘリヤの警告は正しい。この魔力は下手をするとそれに引きずられる可能性もある、それほどまでに濃い恨みの魔力なのだ

 

「もしかするとこの世界のネクロは相当強力なのかも知れないな」

 

リーエノ口調が変わっている。やはりこの魔力に引きずられてネクロの因士が活性化したか……リーエはまだ半ネクロとしてもネクロとしても人間としても未熟だ、危ういバランスの上でリーエの自我は存在している

 

(時間があるのならば1度訓練をしたほうがいいのかも知れんな)

 

どこか落ち着いた世界にたどり着いたのならば、1度リーエの訓練をしたほうが良いとおもう。守護者が指導しただけあって魔力コントロールに体術とかのレベルは非常に高いが、よく言えばバランスが取れている。悪く言えば器用貧乏なのだ

 

(ネクロとの戦いに必要なのは突出した技能だ)

 

ペガサスの剣術とヴォルガンドの槍術は既に超一流のレベルに昇華されている。ペガサスの動きはどこかぎこちないが充分すぎるだろう。アシラの浄焔はネクロには致命傷だし、ヴィルヘリヤの呪いは強烈だ。どこか落ち着ける世界があるのならば、本当に1度リーエの進むべき方向性を定めるべきなのかもしれない。

 

「ジオどう見る?」

 

ヴィルヘリヤは普段通り。呪いを扱うネクロだけに体性が高いからだろう

 

「出来るなら直ぐに去るべきだが……そうも行かないな」

 

今やっとアルハリムの気配を感じる事ができた、だがその代わりにネクロの気配も現れた

 

「アルハリムさんと合流しましょう。あのままでは危険だ」

 

リーエが甲冑を展開し翼でその身体を持ち上げる。アルハリムは確かに実力者だが、あのネクロと真っ向から対決するのは危険だろう。それに今ここでアズタミアに関する記憶を持つアルハリムを失うのは俺達にとっても痛い。早く合流するべきなのだろう……

 

「アシラなんとか出来そうか?」

 

「んー五分五分って言いたいけど、7・3で不利ね。当てれればこっちが有利なんだけどね」

 

あのネクロが何者かは判らないが、勝負の流れを変えることが出来るのは間違いなくアシラの存在だ。浄焔を当てれるかどうかで全てが変わるだろう。まずは

 

(アルハリムと合流する事を考えなくてはな)

 

まず何よりも優先するのはアルハリムと合流することだろう。リーエ達も同じ考えなのか魔力の後を辿っていく。俺もその後をついて空を舞うのだった……

 

 

 

 

この世界のどこかわからない湖の中でその場所はとても奇妙な場所だった。周囲は水の中なのだが、その一体だけはまるで空間から切り離されたかのように空気が存在していたのだ。それは結界と呼ばれるもので外界とこの空間を切り離していた

 

「アウ~」

 

その場所を這いつくばって移動している白い毛並みのアザラシ。いや正確にはアザラシではない、こんな外見をしているが立派なネクロなのだ。だが普通のネクロと違って闘争本能等がまるで見えない。愛玩動物のような愛らしさを持っていた

 

「アウ、アウ?」

 

前足で身体を持ち上げぺちぺちと音を立ててその場所を這い回る。このネクロはスラッシャーによってこの世界「幻想郷」に連れてこられたネクロだが、闘争本能もなく、戦うことも嫌いなのでこの湖の中に隠れ住んでいた

 

「アウー♪」

 

時折湖の中に飛び出し魚を捕まえそれを食べる以外はこの空間に留まっていた。外に出るとスラッシャーに見つかるかもしれない、それを恐れたこのネクロはこの結界の中でのんびりと暮らしていた。捕まえた魚を咥えずりずりとその世界の奥に向かう

 

「アウ……」

 

そのネクロは悲しそうな鳴声をあげる。このネクロは同じ場所に暮らしていると言える物が居たが、その物は氷のような物質で自身の身体を覆っており、話すことは愚か触れ合う事もなかった。今日はもしかして?と思い魚を持ってきたのだが、やはりその人物はその氷の中で眠り続けていた

 

「アウ」

 

捕まえてきた2匹の魚をもぐもぐと齧るネクロ。このネクロは理解していたのだ、この人物がこの結界を作り出しているのだと……

恩返しをするつもりで魚を捕えてきたのだが、この人物が目覚める気配はない

 

「アウアウ」

 

ぺちぺちと前足で氷を叩くネクロ。その仕草は飼い主に構ってもらいたい小動物のそれを連想させる、だがこのネクロにそんな意図はなくこの場所は危険だから早く逃げたほうがいいというのを必死に伝えようとしていたのだ。スラッシャーの眷属の1人だからしっている。スラッシャーが以下に危険なネクロなのかを……

 

「アウ」

 

ネクロは顔を上げて結界の中に居る女性を見上げる。黒い服に茶色の髪をした女性が眠るかのように目を閉じている……恩義を感じているからこそ警告しようとしているのだ

 

「アウアウアウ」

 

また来るよ?と言いたげに前足を振るったネクロは結界の中心に向かい目を閉じる。しばらくするとスピー・スピーと寝息が聞こえてくる。どうやら眠りに落ちたようだ……それとほぼ同時に氷の結界に光りが集まる。それは見るものが見れば気付いていただろう。集めていたのは周囲に満ちる魔力だ。女性を覆っている結界は暫く魔力を集める行為を繰り返すと再び沈黙状態に戻っていた。それが何を意味するのか?それは誰にもわからない……ただ1つ判るのは女性が見につけているペンダント、それがアルハリムが身につけているアズタミアの紋章と全く同じ物だという事だけだった

 

第81話に続く

 

 




新しいマスコットネクロです「アザラシ」好きなんです。可愛いですよね?個人的にはペンギンと言い勝負なのですが、アザラシの方が好みなのでアザラシにして見ました。登場はもう少し先になるので登場を楽しみにしていてください。次回は戦闘回を予定しています、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。