宵闇の使者【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は新しいネクロのペットとスラッシャーとの再戦に向けて動いていこうと思います
それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第84話

 

第84話

 

ラビリルとカエデが捕まえてきたネクロの名付け親は当然ながらイシュリさんだ

 

「アウ?」

 

畳の上に腹ばいになっているネクロをジーっと見つめるイシュリさん。暫くそうしていたが

 

「決めた。レヴィル」

 

ぽんっと手を叩きアザラシを見つめて言うイシュリさん。だけど肝心のアザラシは

 

「アウ?」

 

小首を傾げるアザラシにもう1度イシュリさんが名前を呼ぶと

 

「レヴィル」

 

「アウ!」

 

自分の名前だと理解したのか尻尾をパタパタ振るレヴィルを見ながら

 

(ちゃんとした名前で安心しました)

 

ドラゴンのドラきちとか、ひよこのぴよきちとか命名していたリィンさんたちの事を思い出し一安心するのだった……

 

「アウアウ!!」

 

気合を入れた鳴声で這っているレヴィル。その鳴声は勇ましいのだが……問題が1つ

 

「遅いな」

 

「遅すぎるだろう?」

 

「遅いね」

 

「本当に遅いわねえ……」

 

「……遅すぎですね」

 

「可愛いんだぜぇ……」

 

「うん……はっ!?」

 

思わず口が滑ったという感じの霊夢さんは無視して、一生懸命這っているレヴィルを見つめる。その気合の入った鳴声の割には全然進んでいない。アザラシだから地上よりも水中が得意なのだろうか?と思っていると

 

「よいしょ」

 

「アウ?」

 

イシュリさんに持ち上げられひれ?をパタパタさせているレヴィルを見ながら

 

「とりあえずご飯にしない?いつまでもこうしていても仕方ないし」

 

霊夢さんの言葉に我に帰り、私達は1番広い部屋に向かいカエデとラビリルが捕まえた来た。魚と木の実を使った料理を食べるのだった。なお

 

「ガウ」

 

「ニャー」

 

「アウウウウうう!?」

 

レヴィルはカエデとラビリルを見るなり、悲壮さを誘う鳴声を上げて腹を見せた。よほど噛まれた事がトラウマになっているのだろう。包帯を胴体に巻いてるし、あの痛みがなくなるまでは忘れないでしょうね

 

「確かあれだったかしらぁ?動物の服従は腹を見せる?」

 

「うん。その通りだね、カエデとラビリルは何をしたんだろうね」

 

カエデとラビリルはおろおろしている、自分達が悪い事をしたのでは?と思っているのだろう。それに加えて

 

「キッ!」

 

レヴィルを大事そうに抱えて睨みつけてくるイシュリさんに2匹は

 

「ニャーン……」

 

「ガウ……」

 

ぺこぺこと何度も何度も頭を下げている。それを見た霊夢さんが

 

「ちびっこ軍団(?)ではイシュリが1番強いの?」

 

前までは違ったんですけど……イシュリさんが大事そうに抱えているレヴィルを見て

 

(((些細なことで代わるものなんだなあ……)))

 

今までの弱気な素振りはどこへやら、レヴィルを護ろうとしているイシュリさん。私やジオさんにアシラさんが微笑ましい顔でイシュリさんとレヴィルそして

 

「ガーウ!ガウガウ」

 

「ニャー!ニャオニャーオ!!」

 

必死に謝る素振りを見せる2匹に苦笑いを浮かべて、霊夢さんの言う通りだとおもうのは当然だと思うのだった……

 

 

 

 

「さてと……腹ごしらえも済んだ所で聞くけど、今の段階での勝率は?」

 

私がそう尋ねるとリーエ達は難しい顔をして

 

「……4割ですね。私とジオさんの最大攻撃が当たればと言う策しかないです」

 

「外れればそれで終わり。攻撃のチャンスは2回とリスキーだがな」

 

リスキーなのではない、リスクしかないのだ……こんな時に私も戦えればとおもうが、幻想郷の存在の攻撃はスラッシャーには効かない。リーエ達を頼るしかないのだ

 

「アウ」

 

「可愛いんだぜえ」

 

あと話し合いに参加する気がないなら向こうに行ってなさい魔理沙。魚の切り身を手の上で食べているレヴィルに完全に魅了されている魔理沙に言うと

 

「判ったんだぜ。行こうイシュリ」

 

「うん」

 

「アウ!」

 

レヴィルを抱えて歩き出すイシュリと本当に部屋を出て行ってしまった魔理沙に軽い頭痛を感じていると

 

「ねえ?霊夢聞きたいんだけど、この世界に偉人とかって呼ばれる人とかいない?出来れば故人で墓とかあると良いんだけど」

 

ヴィルヘリヤの言葉の意味が判らず首を傾げる。態々故人を探して如何するつもりなのだろうか?」

 

「リンカーネイションか……しかし上手く行くのか?」

 

「可能性としては4・6で失敗ね。だけど賭けてみるのもわるくないんじゃないかしらぁ?」

 

「だから何の話!?私に判るように説明してくれない?}

 

自分だけ置いてけぼりにされているのが気に食わず、少しだけ大きい声で言うとリーエが私を見て

 

「……すいません。リンカーネイションと言うのは私の能力で限定的な死者蘇生になります」

 

限定的とは言え死者蘇生ってとんでもない能力なんじゃ……

 

「それで蘇った存在は半ネクロになる。それにもともとの成功率も約5割……蘇生できるのはリーエがその魂を感じ取れた場合に限定される」

 

「それは余りに限定的過ぎないかしら?」

 

それに蘇ったとしても半ネクロ。長い寿命の中を生きなければならない定めを受け入れてくれるのだろうか?

 

「俺は蘇れてよかったと思っているがな。破壊者が守護者として生きる……それが出来るのは1度死んだからだからな」

 

もしかするとリーエの仲間の大半は蘇った存在なのかもしれないわね……この条件に当て嵌まるのは1つだけ

 

(魂魄妖夢しかいない……)

 

幻想郷が転生者に襲われた時にその転生者と戦い、死んだ妖夢……彼女以外にこの世界でその条件に当て嵌まる存在はいないだろう

 

「心当たりがあるのね?霊夢。それなら早く案内して「半ネクロにするのは反対するわよ」

 

アシラの言葉を遮りそう言う、妖夢はたくさん傷ついた。そしてまた起こして戦わせるのは私も紫も納得できない筈だ、だがアルハリムの返答は全く異なる物だった

 

「急がないと大変な事になる。スラッシャーは霊格の高い魂を求めている……その人物の魂を取り込まれたら本当に何も出来なくなる」

 

そんなことを言われても困る。妖夢の墓は幻想郷の中でも特殊な地形の「白玉楼」に安置されている。それにそこに行くのも簡単ではない

 

「紫が戻ってきてから相談しましょう。普通に行ったんじゃ2~3日掛かるわ」

 

普段ならそこそこ時間を掛ければ到着するが、今のネクロの現れる環境では遠回りや迂回路を使わないと危険だと言うと

 

「場所を教えてもらえるなら、俺とヴォルガンドで突っ切るが?」

 

「……スザクの飛行能力も頼りになりますよ」

 

「キュウ!」

 

任せておけと言わんばかりのスザクを見ながら私は

 

「そうじゃなくて、白玉楼の回りは空間とかが歪んでるし何より死者が住まう場所なのよ。管理しているのも幽霊だし……」

 

「幽霊?……」

 

半ネクロのリーエ達には馴染みが無いのね。と思いながら判りやすく簡単に説明すると

 

「現世と冥界の中間の地点だから、しっかり準備をしないと危ないって事。出来たら紫のスキマで行くのが一番よ」

 

危ない場所だしねと付け加え、座布団の上から立ち上がり庭に下りながら

 

「体力とか精神力を休める事を考えたらどうかしら?張り詰めた糸は簡単に切れるんでしょう?」

 

庭で走り回っているカエデとラビリルを見ながら言うと

 

「それもそうだな。少し出歩くとするか」

 

「うむ。それも良いな。カエデ!」

 

「ガウ!」

 

庭に下りてくるジオとヴォルガンド。アシラ達はと見ると

 

「たまには服でも縫いましょうか?

 

「ボロボロだしね」

 

確かにアシラの言うとおり女性陣の服はボロボロだ。これは恐らく旅の間にボロボロになってしまったんだろうと思っていると

 

「リーエとアルハリムはそのままで良いわよ?ほつれたスカートとブラウスは中々「スザク」

 

「はうわ!?」

 

変態発言したヴィルヘリヤはスザクの嘴で額を貫かれ昏倒していた。本当に面白い連中ね……私はそう苦笑しながら庭の掃き掃除を始めたのだが

 

「アウ?」

 

「おお、可愛いんだぜ」

 

「こくこく」

 

神社の裏手の池で泳いでいるレヴィルを見て、凄く良い笑顔をしている魔理沙を池に突き落としたくなった私はきっと悪くないとおもう……

 

「いい加減にしろー!」

 

私は手にしていた箒で魔理沙の背中を押して池の中に落としたのだった……

 

「わわ!?」

 

昨日から可愛い可愛い。それ以外に言うことは無いのか!このボケ魔女は!!!

 

「な、なにするんだぜ!?」

 

「掃除手伝いなさい」

 

「何で私が「手伝いなさい」判ったんだぜ……着替えてくるから待ってて欲しいんだぜ……」

 

とぼとぼと歩いていく魔理沙。そして私を見てぷるぷる震えているイシュリと

 

「アウ」

 

ういたまま腹を見せるレヴィル。私はイシュリの目線に合わせてしゃがみ込んで

 

「驚かさせてごめんね?イシュリは遊んでていいのよ?」

 

そう笑いかけ掃除を始めるのだった……澄んだ青い空を見ながら小さく

 

「早く帰ってきなさいよ。紫」

 

幻想郷の恩人に危険が迫ってるんだから、早く帰ってきなさいよと呟き掃除を始めるのだった……

 

 

 

 

その頃レヴィルが暮らしていた湖の底ではある変化が起きていた、結界が崩壊し、その中に居た女性が目を覚ましていたのだ

 

「逃げ切れたようだな……」

 

握り拳を作りながら自分の身体の調子を確認する。長い時間の凍結封印のせいで魔力は減っているが問題ない。それになによりも

 

「実験は成功か」

 

左手には元の魔力光の緑、左手にはネクロの魔力を証明する黒い魔力に笑みを零し、魔力を霧散させる。黒龍皇は私の事を探しているはず。下手に行動するのは不味い……それに

 

「まだ不安定だ。研究施設に戻らなくては」

 

ネクロについて研究し、自我を保ったままのネクロ化実験の素体として自らを使ったまでは良かった。別の世界で偶然捕獲できたLV4との戦いで寿命がつきかけていたのも理解していたからだ、だがまさか実験の最終段階で黒龍皇自身が乗り込んでくるとは思ってなかった。実験を途中で停止し、自身を凍結封印してこの世界に逃げてきたが

 

「一体何年眠っていたんだ」

 

少なくとも1000年単位で眠っていたのは間違いない。この1000年の間で黒龍皇が復活してないのは判るが…… 

 

(力を増しているのは間違いない)

 

恐らく追っ手も放っているだろう。早急にこの世界を後にして研究施設に戻ろうと思い湖を出た私は

 

「馬鹿な……如何してこの世界に!?」

 

湖は私の結界で周囲の時間軸から切り離してあった。だから外にでるまで気付かなかったが……

 

「どうしてあの方の魔力が」

 

あの方は私が眠らせたはずだ。もう2度と戦いの中に戻る事が無いように……

 

「黒龍皇が戻ったのか?いやそれはない筈だ」

 

我が祖国は既に滅んでいた。だからこそ強力な結界で封じ異世界同士の境目に固定してきた。いくらなんでも黒龍皇が侵攻できる世界ではない……では何故……考えられる可能性は2つ

 

(自らお目覚めになられた……もしくは)

 

封じていたネクロが目覚めあの方を呼び起こした。この可能性が高い……

 

「まだ時が早過ぎる」

 

あの方が目覚めるのは黒龍皇が活動を完全に再開してからにするはずだったのに!それまでは傷ついた心と身体を癒してもらうつもりだったのに……だがここで嘆いても仕方ない。この世界にも強大なネクロの反応があるし、あの方の近くには複数の半ネクロの気配がある……

 

「まずは情報収集を」

 

眠っていた時間が余りに長すぎる。まずは情報を集めて行動の方針を決めなくて張らない

 

「お行きなさい」

 

魔力で作り出した2匹の鳥を放つ。それは暫くは姿を見せていたが、直ぐに空気に溶けるように消えていく私もマントを羽織る。これは私の発明の1つで周囲の魔力と同調する事で気配を消す事ができる代物だ。マントの止め具の紋章を見て

 

「私は如何なるときも貴女の剣であり、盾です。我が君」

 

かつての誓いを思い出し呟く。自身の身体が消えていくのを感じながら私は地面を蹴った。姿を見せるつもりは無いが少しだけ顔を見ておきたいと思ったからだ

 

(アルハリム様……)

 

小さく呟いたその言葉がやけに耳に残るのを感じるのだった……

 

湖の底から目覚めた女性が博麗神社の方へ向かって走り出してから半日後

 

「ヒャヒャヒャ!そろそろ動くかなー」

 

使ってしまった魔力の回復を終えたスラッシャーが高笑いしながら空間の裂け目から姿を見せる。ある方角を見つめるその方角は……「魂魄妖夢」が眠る「白玉楼」の方角だった。自身をより完全にする為に強い魂を求めていたスラッシャーは妖夢に目をつけたのだった

 

「急がないと危ないわね」

 

隠れてスラッシャーを監視していた紫は飛び去ったスラッシャーの姿を見て、慌てて博麗神社へと戻ったのだった……

 

第85話に続く

 

 




新キャラは「アルハリム」の関係者の半ネクロです。彼女ガ何を知っているのか?それはとうぜん「黒龍皇」に冠する記述とそしてアルハリムの事です。名前と目的が判るのは大分先ですけどね?それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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