ファイアーエムブレム 風花雪月 異界の戦士達 作:カオスキマイラ
邪竜ギムレーを討伐してから5年……。
イーリス大陸にあるイーリス聖王国にとある三人が戻ってきた。
イーリス聖王国の国王クロムは謁見室で公務を行っていた。そんなクロムに衛兵が駆け寄ってきて報告した。
「クロム様。ウード、アズール、セレナと名乗る三人組が謁見を求めています。」
「あの三人が戻ってきたのか!?直ぐに通せっ!それとリズ達にも伝えるように!」
「はっ!」
衛兵が下がってしばらくすると、謁見室にウード、アズール、セレナの3人が入ってきた。
「お久しぶりです!クロム伯父さん!」
「お変わりがないようで安心しました。」
「長い間連絡を取らなくて申し訳ございませんでした。」
「いやいいさ。久しぶりだな三人とも……。いい目つきになったな。」
「はい。色々ありましたから。」
「そうか……。リズ達にも顔を見せていくんだろう?」
「「「はいっ!」」」
「ならば、旅の話は夕食の時にでも聞かせてくれ!」
「「「はいっ!」」」
他の予定も入っていたためクロムは一端会話を切り上げたので、三人はそれぞれの親しい人のところへと向かって再会を果たした。その中で、ウードとアズールが一緒に連れてきたオロチとフェリシアを見てリズとオリヴィエはびっくりしたり、カミラの母性に甘えて少し訓練をサボっていたことがティアモにバレたセレナが訓練場に引きずられていく一面もあった。
◇◇◇◇◇◇◇
そんなこんなでウード達がイーリス聖王国に戻ってから十四日後……
「あれっ?ウード?こんな時間にどうしたのこんな場所で……」
「ふっ……それはこっちのセリフだ。蒼穹のラズ……アズールよ……。」
「……ラズワルド……か。なんだか今でも信じられないよね、僕たちが暗夜王国でマークス様たちにお仕えしていたことがさ……。」
「……そうだな。レオン様やゼロと一緒にカムイ様を手伝って、戦ったよな……。」
「そうだね……。」
ウードとアズール、そしてこの場にいないセレナの三人は透魔竜ハイドラの依頼を受けて、暗夜王国で戦っていたのだ。ウードはレオンに無茶難題を命じられて嬉々として任務に取り当たったことを思い出して、アズールはナンパをしていたことがバレてマークスに説教されたことを思い出していた。
「ハイドラさんの依頼を達成した後、俺達3人はかなり悩んだよな……。母さんたちがいるこの世界に戻るか……。それともレオン様やオフェリア達のいるあの世界に残るかを……。そして、絶望の未来のあの場所に戻るかを……。」
「……うん。マークス様やソレイユ達と過ごす日々も掛け替えのないものだったしね……。」
あの世界では彼ら3人はオーディン、ラズワルド、ルーナと名乗っていた。正気を失う前のハイドラの力により、暗夜王国でマークス、レオン、カミラと出会い、ギムレーとの戦いの中では得られなかった掛け替えのない時間を過ごしていた。そしてカムイとアクアに協力して暴走してしまっていたハイドラを正気に戻した彼らは、悩んだ末にマークス達と別れることにした。しかしそれでも彼らには心残りがあり、あの世界に残してきた自分の子供のことは心配になっていた。
「……そういえば、オロチはどうなの?」
「……聞いてくれるな……。サーリャさんと意気投合しちまってちょっとヤバいんだ……。」
「あー……。確かに呪術を使っているから意気統合してしまうよね……」
「そういうお前はどうなんだよっ!」
「……こっちはこっちでフェリシアには苦労しているよ……」
二人の妻のオロチとフェリシアはイーリス聖王国に戻ってきたときは驚かれたが、今では姑達と仲良くなっている。……彼女たちの夫としては別の意味で心配事が存在する。オロチは元ぺレジアの呪術師のサーリャと意気投合してしまって、ヤバそうな実験を行っている。……そしてその実験台にされるのはウードとサーリャの娘であるノワールの二人であった。一方でフェリシアはフェリシアで相変わらずのドジで周囲を振り回していた。
二人して溜息をついているとそこにセレナがやってきた。
「こんな時間に二人して何やってんのよ……。ウード、アズール……」
「やあセレナ!いつ見ても君は可愛い……」
「結婚しているんだからそれ止めなさいよ……。」
「セレナも来たのか……。アズールと一緒に暗夜王国での日々を思い出していたんだ……。」
珍しくまともに返答してきたウードの言葉にセレナは納得の表情をした。
「そっか……。カミラ様やベルカとお別れしてからもう二週間も経つのね……。」
「……ああ。なんだか夢でも見ている気分でさ。あの国でもこんな夜景だったよな。」
「うん……。マトイとツバキは元気にやっているかしら……。」
「……オロチとフェリシアと一緒に戻ってきた僕とウードと違って君は二人を置いてきたんだもんね……。」
「ええ。……出来ることなら母さんと父さんに二人を会わせたかったな……。」
先程まで母親のティアモに扱かれていた彼女であったが、マトイをティアモとルフレに会わせられなくて残念に思っていた。それはウードとアズールの二人も同じであった。
あの世界での出来事を思い出して三人は夜景を眺めていた。するといきなり目の前が光に包まれた。
「何っ!?」
「何なのよっ!?」
「……なんかデジャヴだな……。」
眩しい光が消え去ると謎の空間にいた。一面白の空間は不気味で会って三人を不安にさせた。しかし今回は三人以外にも人がいた。
「いたた……。」
「……んっ!?……ここは……。」
「あれあれ!?なんなのここはーーーっ!?」
いきなり変な場所にいるためノワール、ブレディ、シンシアの三人も困惑していた。
「ノワール、ブレディ、シンシア!?」
「あれっ!?ウード、アズール、セレナっ!?」
「なんでお前らがこんなところにいるんだ?」
「ふっ……それに関してはそっくり返そうか……。」
いきなり謎の空間に飛ばされて困惑していたが、一先ず顔見知りがいたため六人は落ち着いた。
「それにしてもなんでいきなりナーガ様の間に飛ばされたんだ……。」
「ふっ……それはだな。」
「変なことを言うのは止めろよな。どうせ適当なんだろ?」
「…………。」
「ず、図星だったのね……。」
「揃いましたね。」
戦友同士で話が盛り上がっていると、ナーガの声が聞こえてきた。六人はナーガに向き合った。
「まずはウード、アズール、セレナ。ハイドラ神の依頼をよくぞ達成いたしました。彼の思念は救われております。」
「じゃあ、ハイドラさんからの依頼に関しては知っていたのですか!?」
「ええ。」
「前にウード達が言っていた暗夜王国でのはなしか……。」
「父さん達には説明を少しばかり省いたんだっけ?」
先日未来ルキナを含めた絶望の未来から来たメンバーにだけ、ウード達は暗夜王国での話を詳しく説明していたため彼らは事情を知っていた。
「……そんなハイドラ神からの依頼を達成した三人とノワール、ブレディ、シンシアの三人を加えた六人に依頼があります。」
「俺達六人に依頼か……。」
「詳しく聞かせてください。」
そこからナーガは今回の依頼に関して六人に説明しだした。六人はナーガの話を真剣に聞き、全員依頼を受けることを了承した。セレナ、ノワール、シンシアの三人に関しては18歳までナーガの力で若返るということに興味津々だったが……。
「さて、そろそろ時間ですね。」
「フォドラ大陸か……。」
「どんな場所なんだろうな……。」
「でもあたし達なら大丈夫だよっ!」
「ふっ、この漆黒のウードの力を見せる時が来たか……。」
「あんた……。あっちでもそれやるつもり……?」
「まあまあ、セレナ落ち着いて………。」
「ウード、アズール、ブレディ、セレナ、ノワール、シンシア……頼みましたよ。」
◇◇◇◇◇◇◇◇
ナーガの声と共に絶望の未来からきた六人はフォドラ大陸に旅立っていった。ウード達六人はナーガの依頼でフォドラ大陸に向かった。長いこと光の渦に飲まれていて、それが収まると見知らぬ場所にいた。
「……ここは何処だ?」
「た、たぶんフォドラ大陸だと思うけど……。」
「……草木しか存在しないね。」
「いきなりテントなしでの野宿は嫌なんだけど……。」
「……そういっても野宿するしかないよね。」
「……向こうから闇夜に輝く光が見えるぞっ!」
「普通に明かりが見えると言えやっ!」
「と、取り合えずそちらに向かいましょう!」
六人は明かりが見えた方向に向けて向かっていった。しばらく歩いていると複数のテントを発見した。
「おいっ!誰かいるぞっ!」
「誰だ!?」
近づいていたため当然のごとく見張りに六人は見つかった。
「す、すみません。私達旅をしているものですが……。」
「明かりが見えたからこちらに伺わせていただいたのですが……。」
「あっ!あたし達は山賊じゃないから安心して~~!」
「……見るからに怪しいな……。どうする?」
「どうするったって……。取り合えず団長を呼んでくるか……」
「そうだな。」
見るからに怪しい六人を見た見張りはその集団の団長を呼びに行った。
「お前達っ!一先ず団長が来るまで大人しくしていろよっ!」
「まっ、仕方がないわな。」
「そうね。彼らからしたら怪しいしね……。」
しばらくすると複数の連中を引き連れて見張りが戻ってきた。
「……報告を聞いてきてみれば見慣れないガキどもだな……。」
「道に迷った旅のものらしいですが……。」
「ほぅ……旅のものか……。お前等何処から来た?」
「僕たちはイーリス聖王国から旅してきたものです。」
「イーリス聖王国?聞いた事ねぇ国だな。……もしかしてお前等フォドラの外から来た連中なのか……?」
「は、はいっ!土地勘がなくて彷徨っておりまして……。」
「見知らない場所だから迷っちゃったっ!」
「やれやれ、のんきなガキだぜ……。」
「団長!どういたしますか?」
「そうだな……。お前等行く当てあるのか?」
「いやねぇな。」
「そんなら、しばらくは面倒見てやるよ。俺の息子と同い年くらいのガキどもを見捨てるのは目覚めが悪いからな……。」
「えっ!?息子!?」
「団長、よろしいのですか?」
「ああ。今夜は遅ぇから取り合えず休ませてやれ」
「はっ!」
団長と呼ばれた男は部下にそう告げると天幕に立ち去っていった。その後ウード達は見張りの案内で宿泊用テントに案内された。荷物を下ろした六人に明日色々と確かめることを見張りは告げると職務に戻った。ウード達は一先ず休むことにしてテントの中で眠りについた。
翌日……。アズール、セレナ、ノワールの三人は朝早くに目覚めてテントの外に出ていた。
「やあっ!早いね二人とも!」
「おはよう、アズール。」
「お、おはよう……。」
「セレナとノワール眠れなかったのかい?」
「あたしは問題なく眠れたわ。ノワールはどう?」
「……母さんの実験がなかったから久々にゆっくり眠れたわ……。」
「「……………。」」
ノワールの母であるサーリャのことをよく知る二人は何とも言えなかった。
「ん?、早いなお前等」
「くっ……! 静まれ! 俺の血よ……!」
テントの前で話しているとブレディとウードの二人も起きてやってきた。
「お、おはよう。」
「あれっ!?シンシアは……?」
「あいつならまだ眠っているぞ……。魔界の呪文を呟いているがな……。」
「寝言を言っているといいなさいよ……。」
「因みにシンシアの奴は『グリフォンプリン美味しそ~』とか『ヴァルハルト饅頭が空から降ってくる~』とか寝言で呟いていたな。」
「相変わらず意味不明な寝言を言っているんだね………。」
「ん?早えな、おめぇら」
そんなこんなで会話をしていると後ろから昨日会話した団長が此方にやってきた。
「「「おはようございます!」」」
「おう、全員起きているのか?」
「まだ一人寝ています。」
「んじゃあ、朝飯食ったら色々事情を聞かせてもらうぞ。」
「了解しました!」
そういって団長は立ち去っていった。
それから1時間後やっと起きたシンシアと一緒に朝食をとった六人は、団長の部屋に連れていかれた。
「自己紹介が遅れたな。俺の名はジェラルド=アイスナー、傭兵だ。そして、お前らのいるこの場所はジェラルド傭兵団ということになる。」
「傭兵団だったんですね。」
「まあな。それで此奴が俺の息子のベレトだ。」
「………ベレト=アイスナーだ。よろしく。」
そのあとはジェラルド傭兵団のメンバーが一人一人名乗っていった。
「じゃあ次は僕たちですね。初めましてアズールです。よろしくお願いいたします!」
「セレナよ。」
「ブレディだ。」
「ノ、ノワールです。」
「あたしは正義のヒーローシンシア!」
「そして俺は異なる空間より来た選ばれし希望の戦士……ウードだ!」
「お…おう。」
最後の二人の名乗りに若干引き気味であったが、ジェラルドは受け入れた。
「ウード、アズール、ブレディ、セレナ、ノワール、シンシアか。取り合えずお前等は何ができる?」
「ふっ……それはだな。」
「ここはアタシが説明するわ。」
「まっ、俺も手伝うぜ」
「お……おいっ!」
格好つけて説明しようとするウードを無視して、ブレディとセレナが話せる限りの事情を説明しだした。ジェラルドは渋い顔をしながらもフォドラの大陸出身者でないことを理解したらしく、溜息をついた。
「イーリス大陸にヴァルム大陸だと……?聞いた事ねぇ大陸だな。」
「それに団長!セイロス教のことを全く持って知らないとは……。信じられませんよ!」
「まあいい。全員実戦経験があるみてぇだし役立ってもらうぞ。」
「「「はいっ!」」」
こうして六人はジェラルド傭兵団に世話になるのだった。
因みに六人の両親が決定しているのはクロム父のシンシアとルフレ父のセレナの二名だけです!
また本編とは関係ないですが、この作品における『ファイアーエムブレムIF』のカムイは女性です!
誤字脱字、改善点がありましたらよろしくお願いいたします。
最初に黒鷲、青獅子、金鹿のどれから進めてほしいか迷っておりますので、推薦がございましたらよろしくお願いいたします。
また、オリキャラは12枠ございますので、よろしければお助けください。