ファイアーエムブレム 風花雪月 異界の戦士達   作:カオスキマイラ

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すみません、掲載する順番を誤っておりました。


白雲の章 女神再誕の儀

武術大会から一夜明けた次の日……

 

武術大会に参加したメンバー(ウードとシンシアは除く)は昨日戻ってきたセレナとアズールに手合わせをお願いした。昨日出なかったからせめて手合わせを行ってくれというベレトの頼みもあって二人は引き受けた。そこで次の休息日に手合わせを行うことになったのであった。

 

手合わせの件が決まった後は女神再誕の儀に向けて打ち合わせを行っていた。

 

「……なるほどな。先生とディミトリは聖廟が怪しいと睨んでいるのか……」

 

「ふん、猪一人では考えられなかっただろうな。」

 

「フェリクス……!」

 

「ははっ、フェリクスの言うとおりだ。先生の情報収集がなければ絞り切れなかったよ…。」

 

昨日の武術大会の最中にベレトが一通り調査を行っていた模様で、ディミトリは敵の狙いが聖廟であると推理していた。

 

「それはそうとして…セレナとアズールは昨日どこ行ってたんだ?」

 

「あっ、それは私も気になる!」

 

「……武術大会を棄権してまでどこに行っていたんだ?」

 

「……別にここで報告するつもりだっただけど……」

 

「おっと、疑うような聞き方をして済まなかったな……」

 

その一方でシルヴァンはセレナとアズールが昨日何していたのかが気になっていた。それは他の面々も同じようで二人に問いかけた。問いただすような口調にセレナが難色を示したが、シルヴァンが軽く謝ってとりあえず話し出した。

 

「あたしとアズールは西方教会と東方教会に調査に行ってたのよ。」

 

「西方教会と東方教会に……?」

 

「……もしかして、ロナート様の一件で調査に向かったのですか?」

 

セレナとアズールが二つの教会を調べに向かったことにアッシュはロナート卿の一件が切っ掛けと勘づいた。

 

「そうだね……名君であったロナート卿があそこまでガルグ=マク大修道院に憎しみを滾らせていたことに疑問を感じたんだ。」

 

「なるほどね~。それで西方教会と東方教会の調査に向かったのね~」

 

「……というか、よくバレなかったな……。」

 

「因みに武術大会の日に調査に向かったのはなるべく早いうちに調査を行った方がいいと判断したからだよ。」

 

ロナート卿の叛乱で他の教会が関与しているのではないかと疑ったセレナとアズールの行動に青獅子の面々は感心していた。

 

「……別にこういった潜入捜査は前にやったことがあるから問題なかっただけよ。」

 

「確かにね。前に比べたら簡単な内容だったよ……。」

 

「前に比べたら…?」

 

「……あのこと言っているんだろうな…」

 

セレナとアズールが前に行った潜入調査に比べたら簡単だったといったことにウード達以外は首を傾げていた。

 

「……そのことは一端置いておくとして、それで調査はどうだったんだ?」

 

「僕が調べた東方教会は真っ白だったよ。中央に対する不満は確かにあったけど、叛乱を裏で操るほどではなかったな。」

 

「……東方教会は悪く言っちゃうと影が薄いわよね~」

 

「メーチェの言うとおり、フォドラの歴史を見ても叛乱を起こしたことないよね……。」

 

アズールの担当であった東方教会は真っ白であったことにメルセデスとアネットは、昔から東方教会は影が薄いことにサラッとディスっていた。

 

「……東方教会が影が薄いことはこの際別にいいとして……」

 

「……まっ、今はそれはどうでもいいわな。」

 

「……東方教会もある意味哀れね……」

 

「西方教会はどうだったんだ?」

 

東方教会が影が薄いことに青獅子の面々がそこまで反応を示さなかったことにノワールは若干引いていた。そんな空気を察したベレトがセレナが担当であった西方教会はどうであったか聞いた途端、セレナは数枚の書類を取り出した。

 

「少ししか持ってこれなかったけど……真っ黒だったわ……元々レア様に憎しみを持っていたロナート卿を唆したのは彼らだったみたいね……」

 

「これは……大司教暗殺計画書にロナート卿の叛乱のやり取りまであるのか……」

 

「……ロナート様……」

 

「ねぇセレナ、これはセテスさんに渡したの?」

 

「セテスさんにはもっと重大な証拠を渡してきたわ。今は女神再誕の儀で忙しくて動けないから終わり次第強制査察を行うといっていたわね……」

 

「なるほど…。つまりこれに関しては私たちが見ても問題ない物ということなんですね。」

 

「まあ、そういうことだろうな。ただし、他の学級には知らせないように……あくまでも女神再誕の儀が終わるまでだが……」

 

「「「はいっ!」」」

 

セレナの調査で思いがけない事実を知った青獅子の面々は打ち合わせを終了した為、その後はベレトの授業を受けるのであった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

それからしばらくして……女神再誕の儀の当日を迎えるのであった。

 

因みに武術大会参加したメンバーによるセレナとアズールの手合わせは、ウードとシンシアを除いた30人中22人が二人に手も足も出ずに叩きのめされて、残りの8名も敗北した。特に手合わせでは手加減を一切しないセレナと戦ったメンバーはボコボコにされたのであった。

 

青獅子の面々は事前の打ち合わせ通り、聖廟へと向かうのであった。

 

「いよいよ女神再誕の儀が始まる。俺たちも打ち合わせどおりに動こう。」

 

「は、お任せを。……先生も、問題はないな。」

 

「問題ない。」

 

「ええ、しっかり狙いは絞れましたからね。務めを果たしてみせましょう!」

 

「ああ、みんながいれば問題ない。」

 

「先生、頼みにしているからな。さて、それじゃあ……」

 

大聖堂の近くで話しながら進んでいると前からセテスとフレンがやってきた。

 

「君たち、緊張感が足りないようだが?間もなく女神再誕の儀が行われるのだぞ。我々が女神の塔に入っている間、警備が薄くなりそうな場所を特に警戒してくれ。」

 

「大体の目星がついた場所に向かっているから安心してくれ……」

 

「ならばいいが……」

 

緊張感がないことをセテスが咎めたが、ベレトが問題ないことを言うとセテスは納得した様子を見せた。するとここで傍にいたフレンがベレトに微笑みながら、セテスの話をしてきた。

 

「先生、聞いてくださいます?お兄様ったら、酷いのです。心配だからお前は棺の中にでも隠れていたらどうか、なんて仰いますのよ? ふふふ。」

 

「そ、それは冗談だと言っただろう、フレン。お前は私の後ろにずっといなさい。」

 

「セテスさん……完全にシスコンね……まって……これは……」

 

「確かにシスコンだな。」

 

「……シスコンってなんだブレディ?」

 

過保護な様子を見せるセテスを見てセレナは最初はシスコンと思ったが、彼女の勘が何か違うと察したようであった。その一方でブレディが二人の様子を見てシスコンと判断して、その言葉を聞いたドゥドゥーが聞いてきた。

 

「か、簡単に言うと…妹さんに対して極端な過保護を見せたりする人のことね。」

 

「確かに!セテスさんってフレンに対して過保護だもんね!」

 

「そうですのよ。この前だってお兄様ときたら……」

 

「わかった、わかったからフレン……!その話は止めなさい。それはそうとベレト、君は教師として生徒をしっかり指揮するように。以上だ。」

 

「ふふっ、それでは皆さん、失礼いたします。儀式の後でまたお会いしましょうね。」

 

セテスの過保護に関してフレンが青獅子の面々に告げ口しようとすると、セテスが慌てて遮って逃げるようにフレンを連れて立ち去っていった。

 

「逃げたな……」

 

「逃げたわね~」

 

「逃げましたね。」

 

「ふっ……闇夜に去っていったか…」

 

当然のことだが、青獅子の面々にはセテスが逃げたようにしか見えなかった。

 

「セテス殿はさておき、時間だ。」

 

「さあ、予定の場所に身を隠すぞ。聖廟への入り口を見張るんだ。怪しい者が入っていくことがあれば、後を追って一人残らず捕まえる。いいな?」

 

「「「おぉっ!」」」

 

ディミトリの号令で先程までの空気から一変して青獅子の面々は真剣な眼差しで聖廟に向かっていった。

 

◇◇◇◇◇◇

 

聖廟に到着すると既に団体さんがご来場していた。

 

「俺たちの推理どおりだったらしいな。やはり、敵が入り込んでいる。」

 

「というか、中央教会に裏切者いるでしょこれ……」

 

「確かにそうでなかったら、ここまで侵入されてないよね……」

 

「まあ、それに関してはおいおい明らかにするとして……カトリーヌに使いをよこそう。」

 

ベレトは青獅子の生徒をカトリーヌに使者として派遣した。すると、何かをやっていた謎の一団が此方の存在に気が付いた。

 

「もう中央の奴どもに気づかれたか……。わしが、棺の封印を解くまで時を稼げ!」

 

そのリーダーの号令で敵は反撃の構えに移ったので、青獅子は不届き物を縛るために得物を構えた。

 

「敵の狙いは、奥の……セイロス様の棺だな。まさか、遺骨でも奪おうというのか……?棺を開けられる前に、敵を倒してしまいたいところだが……」

 

「おそらくそれは厳しいだろうな。中央に一切隙が無い謎の男がいる……」

 

「ああ。あの男以外にも床に奴らが仕掛けをしているようだ……。注意して動くぞ!」

 

謎の一団のリーダーが棺の封印を解こうとしているが、その前に圧倒的な存在感でその場に立っている謎の男がいた。

 

「死神騎士よ! おぬしは強いのだろう?奴らを蹴散らしてきてくれ!」

 

「貴様らの指図は受けん……。惰弱な者の相手など、退屈なだけ……。」

 

「……なかなかの手練れのようだな。あの騎士に無闇に挑むのは、下策だぞ。」

 

「……ただ単にやる気がないだけみたいだから今は無視していいと思うわ……」

 

死神騎士と呼ばれる謎の男はやる気なさげに馬に乗っていた。その様子を見たノワールは今は無視していいとみんなに助言した。

 

「さてと……三方向に分かれて進軍する!各自、罠に注意して進軍せよっ!」

 

「「「はいっ!」」」

 

ベレトは一通り眺めた後、三手に分かれて進軍することを青獅子の面々に告げた。青獅子の面々は前に行った訓練通りに3つのチームに分かれて進軍するのであった。

 

「くっ……助っ人に来た癖して動かないぞ……」

 

「こうなれば、我らの力で蹴散らすのみよっ!」

 

「敵が動き出したぞっ!警戒を怠るなっ!」

 

死神騎士がやる気ないことを察した謎の一団は迎撃に動き出した。

 

「……聖廟を荒らす愚か者どもには容赦はしません!」

 

「そうね~、手加減はしないわよ~」

 

「ちっ、雑魚ばかりだな……」

 

「こ、こいつら強いぞ……」

 

「士官学院の連中はこんなに強い奴がいるというのか!?」

 

謎の一団は青獅子の面々の強さに逃げ腰になっていた。それを見た謎の一団のリーダーは発破をかけた。

 

「ええい、何をやっている!罠や魔法を使って足止めをせよっ!」

 

「は、ははっ!」

 

リーダーの発破で連中は罠や魔法を使って足止めをしてきた。

 

「ドーラΔ!」

 

「ファイア!」

 

「ウィンド!」

 

「ブリザー!」

 

「ウォームZ!」

 

魔導士がそれぞれ魔法を放っていったが、べレトの訓練を受けていた青獅子の面々は難なく相手の魔法を弾いていた。

 

「この程度……先生の訓練に比べたらどうということないです!」

 

「まっ、先生の訓練通りで逆に怖いがな……」

 

魔導士は青獅子の面々が難なく足止めを突破していく様子を見て焦りだしていた。

 

「増援はまだ到着しないのか……?奴らの背後をついてくれれば、挟み撃ちにできるのだが……」

 

「お待たせしたっ!我等も参加するぞっ!」

 

「おおっ!よく来てくれたっ!さあ、足止めをするのだ!」

 

「……まあ、増援は呼んでいるわよね……」

 

魔導士が焦ったと思ったら敵の増援が青獅子の背後から現れて挟み撃ちにあった。

 

「……あの程度の連中だったら俺らに任せな。」

 

「みんなは聖廟を荒らす悪人をとっちめてねー」

 

「ふっふっふ、魂が躍動する……」

 

「了解した。彼らに任せて、制圧を急げっ!」

 

「「「はいっ!」」」

 

ウード、シンシア、ブレディの三人が中心となって敵の増援を引き受けることを聞いたベレトは残りの生徒に制圧を急ぐように指示を出した。するとここでノワールが何かを察してベレトに叫んだ。

 

「……!!先生、伏せてっ!」

 

「……っ!?」

 

「ほう……かわしたか……」

 

「むっ!?」

 

今まで中央に座して動かなかった死神騎士がベレトに奇襲を仕掛けてきた。最初の一撃をかわしたベレトに死神騎士は面白い者を見つけたと言わんばかりに大鎌で襲い掛かってきた。

 

「くっ……」

 

「先生!」

 

「死神騎士が動くとは!よし、皆の者奴らを蹴散らせっ!」

 

「「「ははっ!」」」

 

死神騎士が動いたことを好機を見た魔導士が指示を出したが、既に増援はウード達三人に思いっきり足止めを喰らっていた。魔導士は棺の封印を解くことに集中していて、そのことに気が付かなかった。

 

「はぁぁぁぁぁ、ボルガノン!ギガウィンド!」

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!?」

 

「な、なんだこの魔法の威力は!?」

 

「くらえー!『月光』!『天空』!」

 

「ぐはぁぁぁぁ」

 

「聖魔剣ホーリーデビルソード、烈火剣レイジングファイアーソード!」

 

「こ、こいつ修道士でないのか……ぐはっ!」

 

ウード達三人が中心となって、増援を蹴散らしていた。一方死神騎士とベレトはリーチで勝る死神騎士の大鎌に鋼の剣でベレトが何とか食い下がっていた。サリエルの大鎌を物凄い速さで操る死神騎士にベレトは鋼の剣で何とか受け流していた。

 

「くっ……。」

 

「愉悦……愉悦なり……」

 

「流石の先生もリーチの差で苦戦してしまっているか……」

 

「……セレナ、アズール!あの死神騎士を抑えることはできるか?」

 

「問題ないね。あのような相手だったら……本気を出せそうだね……。」

 

「そうね……分かったわっ!」

 

「ならば、頼むっ!いくら先生でもこの場では不利だからな!」

 

「「了解!」」

 

ディミトリの命を受けた二人は狭い空間で何とか死神騎士を抑えているベレトのもとに向かった。

 

「せいっ!」

 

「むっ……貴様ら……」

 

「ベレト!ここはあたしとアズールに任せて制圧して!」

 

「……わかった。任せたぞ二人共!」

 

「大丈夫だよ!……リョウマさんに比べたらこんな男強くないしね……」

 

「それを言ったら、スメラギ王に比べたら大したことないわこんな男!」

 

暗夜王国時代に死神騎士よりも化け物であったリョウマやスメラギと戦ったことがある二人は全く臆せずに死神騎士と戦いだした。本気の戦いを行う二人に死神騎士は押されていた。

 

「す…すげぇな。あの化け物を二人で追い詰めてるぞ……」

 

「ぼさっとするなシルヴァン!……言いたいことは分かるが今は制圧に集中しろっ!」

 

「はいはい、さてと……あいつらに負けてられねぇな!」

 

「それにしても、地の利が彼方にあるとはいえあそこまで戦いなれているとはな……。」

 

青獅子の生徒はアズールとセレナの戦いぶりに驚いていたが、ディミトリやフェリクスの叱責で目の前の制圧に集中しだした。

 

「……貴様等ほどの強き者がいようとはな……」

 

「一気に行くわよっ、アズール!」

 

「了解だよ、セレナ!」

 

「なんだ……この連携攻撃は……」

 

「「デュアルアタック!!」」

 

セレナとアズールは息の合った連携攻撃で死神騎士を追い詰めていった。流石の彼もこの狭い空間では動きづらいためか競り負けた。流石の死神騎士もこの狭い空間では動きずらかったらしく競り負けると速やかに転移陣を起動した。

 

「…………!」

 

「あっ!二人が競り勝った!」

 

「……凄い……あれが二人の連携攻撃……。」

 

「おいおい、あんな隠し玉持ってたのかよ……。」

 

二人が死神騎士に勝利した様子は青獅子の面々は目撃していた。

 

「……良き邂逅だ……。逸楽、見つけたり……。」

 

「ふぅっ……引いたみたいだね……」

 

「……って何か落としていったわね……」

 

ベレトやアズール達といった強者と出会えた死神騎士は満足そうに撤退していった。しかし、死神騎士は何かを落としていったためセレナはそれを拾った。確認したかったが、戦闘中であるため棺の方に視線を向けた。

 

視線の先にはベレトが魔導士を既に追い詰めていた。更に他のみんなも既に大半を制圧を終了していた。

 

「手遅れよ……! 封印はすでに解かれた!おぬしらなど……な!? この剣は……」

 

謎の魔導士は謎の剣を取り出して困惑していた。それを見たベレトは一気に畳みかけた。

 

「……はあぁぁっ!」

 

「うおっ!ぐっ……ファイア!」

 

「ふんっ!」

 

魔導士から剣を奪いかえしたベレトは悪あがきに魔法を放つ魔導士の攻撃を次々に斬り捨てていった。そして、魔導士はシールドを張って身を守ろうとしたがベレトに一閃されて倒れた。

 

「……あの剣……何か光ってない?」

 

「そうだね……カムイ様が夜刀神を覚醒させたときに来ている気がするな……」

 

「……あれよりは光り方は薄いけどね……」

 

ベレトが謎の剣を光らせた光景を見たアズールとセレナは、かつて透魔王国でカムイが夜刀神の真の力を解放した時のことを思い出していた。勿論アレに比べると光などは薄いが神器が覚醒したように二人には見えていた。そして、同じことを近くにいたウードも感じているのであった。

 

「侵入者はここか!? ……って、あれまあ。だいたい片づいてんな。者ども! 生き残ってる侵入者どもを、残らずふん縛れ!」

 

「ははっ!」

 

遅れてカトリーヌが教団兵を連れて聖廟にやってきた。しかしその時には青獅子の生徒によって粗方制圧されていたため、残党をセイロス教団兵は取り押さえていった。逃亡した死神騎士を除いた生き残っていた連中は取り押さえて青獅子の生徒は任務を達成するのであった。

 

それからしばらく時間が経って、女神再誕の儀が終了してのち、ディミトリがベレトと共に青獅子の学級に戻ってきた。

 

「先生、殿下!結局どうなりましたか?」

 

「ノワールの危惧していたとおり中央協会の司祭たちの一部が西方教会と手を組んで今回の一件を主導していたらしい。」

 

「セレナが持ってきた証拠が役に立ったのかしら~?」

 

「ああ、セテスさんが提示したら何も反論せずにレア様を罵るだけだったな……」

 

西方教会が主導で起こした今回の一連への流れは、事前に知っていためか青獅子の面々は特に驚いていなかった。

 

「そうそう、死神騎士といったか?襲撃を指揮していた奴の行方は、ようとして知れないままらしい。」

 

「まあ、転移で逃げましたから厳しいですよね……」

 

「しかも仮面をかぶっていたしねー!」

 

「しかし西方教会は、なぜこのような……?」

 

「セイロス教も一枚岩ではないということだ、ドゥドゥー。教団の運営はガルグ=マク主導で行われる。公会議の場でも、西方教会の発言権は弱い。かねてから西方教会は、中央教会への不満を募らせていたのだろうな。」

 

「やれやれ、いつの時代も権力闘争かよ……」

 

西方教会が中央教会に対して起こした騒動が権力闘争と知ってブレディは呆れ果てていた。

 

「まあ、そういうなって……お前の故郷もそうなんじゃねぇか?」

 

「完全に否定は出来なさそうね……」

 

「そういえば、先生は今回の一件があるまで西方教会と東方教会を知らなかったのですよね?」

 

「ああ、この一件があるまで知らなかった……」

 

「イーリス聖王国から来た六人はともかくとして珍しい人だな、先生も。このフォドラに生を受けて……セイロス教と関係せずに生きてこられたなんて、信じがたいものがある。」

 

「……大司教様は、なぜ先生を登用したのだろうな。」

 

「あの……西方教会の人たちはみんな、レア様に殺されてしまったんですよね……。」

 

「多分、レア様に歯向かおうとした上層部だけじゃないかな~?」

 

「そ、そうですよね……。」

 

西方教会に知り合いがいるらしいアッシュは心配したが、腐敗した上層部だけだと知って安心した。

 

「でも仕方ないことだわ。教えに背くのは決してやってはいけないことだもの……。」

 

「……相容れぬ者は討つしかありません。ですが先生、私は……。」

 

生徒たちの中にも意見が割れていて今回の一件は賛否両論だったみたいであった。

 

「……まあ、割り切りすぎるのもよくないけどな……」

 

「……?ウード何か言ったか?」

 

「ふっ……問題ない。精霊と交信していただけだ……」

 

「……相変わらずだな……」

 

ウードは自分が呟いた言葉を直ぐに誤魔化した。近くにいたアズールは彼の意図が分かっていたため何も言わなかった。ただし、青獅子の面々にはウードの発言に呆れられていたが……

 

「ここにいたか、先生。大司教から話があるそうだ。来てくれ。」

 

今回の一件に関して青獅子で話し合っているとセテスがやってきてベレトを連れて行った。その時間帯は授業も終了している時間帯であったため、しばらく青獅子の面々で話し合った後解散するのであった。




感想やアドバイスを募集しています。

ベレトはブレディと一緒に教会のことを学んだため西方教会を知っています。

白夜王国と一緒に戦ったためウード、セレナ、アズールはリョウマやヒノカと手合わせをしてあります。
また、スメラギ王とも刃を交わしたことがあります。

因みに本気をだしたセレナとアズールはベレト達より強いです。

またセレナが拾ったのはゲームでは同じみのアレです。ベレトに渡しましたが……ウード以外に適正がある人がいないためしばらく様子を見ています。
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